【アバンストラッシュ】

Last-modified: 2020-12-05 (土) 10:02:17

概要

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する技。
魔王討伐を成功させた【勇者】【アバン】が編み出した「アバン流殺法」の奥義であり、彼に師事した主人公【ダイ】の必殺技として活躍した。
剣を逆手に持ってから大きく振り抜く独特の構えが特徴。
「ストラッシュ」はストライク(strike)とスラッシュ(slash)を合わせた造語。
 
外伝漫画発祥のオリジナル技だったが、関連技や派生技も含めて、技名や効果を調整しつつ後発のゲームシリーズにも逆輸入されている。
DQ6では発展技「ギガストラッシュ」と名前の似た【ギガスラッシュ】が登場していたが、以後のナンバリング作やモンスターズで同じ流派の【大地斬】【海波斬】【空裂斬】、同じくダイ大出身の 【ギガブレイク】など関連技の登場が増えている。

DQ11

本来のアバン流殺法である大地斬、海波斬、空裂斬に加えて、【灼熱斬】【暗黒斬】【閃光斬】という各属性の特技が登場。
アバンストラッシュと同様に、剣を逆手に持ったモーションから撃つ。

DQMJシリーズ・テリワン3D・イルルカ

DQMJ2P以降の作品に大地斬、一文字違いの海「破」斬、空裂斬が登場。
【メガボディ】は使用する特技の効力を少しだけ上げる効果があるが、テリワン3Dではアバンストラッシュやそれと同効果の特技だけは1.5倍と、他の特技より強化倍率が高め。
属性違いの同じ効果の特技に【グランドネビュラ】【日輪斬】がある。

ダイの大冒険

勇者【アバン】が編み出した「アバン流殺法」の奥義。
魔王【ハドラー】との初めての戦いでアバンが放った「光る剣」の完成度を高めたもの。
武器を逆手に持って光の闘気を込め、そのまま前方に振り抜くことで攻撃する技で、会得したダイはいくつか応用技も編み出している。
 
設定上は斧、弓、鎖(鞭系)、牙(格闘系の武器)の各種武器にも対応しているが、劇中ではアバンが剣と即席の槍で、弟子のうち戦士系の才能を持つダイとヒュンケルが剣で使用しているのみ。
同じくアバンの弟子である魔法使いの【ポップ】や僧侶戦士の【マァム】は使ったことがなく、剣士以外の弟子に伝授していたかは不明。
劇場版で偽アバンも使っているが、もちろんこれは見た目を似せただけの紛い物である。
 
「大地を斬り海を斬り空を斬り、そして全てを斬る技」と称され、その威力は【竜の騎士】である【バラン】をして「心技体、三位一体となって繰り出される人間技としては強力な技」と評価されている。

この3種類すべてを極めて初めて使いこなせるもので、「技」を習得した段階では斬撃が飛ぶのみであり、「心」の会得まで到達すると光の闘気を撃ちだす技へと変わる描写がある。
「力」だけのストラッシュが使われたシーンは無いが、技の原理からすれば単に力を込めた逆手斬りでしかないだろう。
 
ダイやヒュンケルは当初、空の技を極めていなかったため不完全なアバンストラッシュしか扱えなかった。
ダイは空裂斬を習う前にアバンと別れてしまったため、竜の紋章の力で強引に撃っていたが、【フレイザード】との戦いで空裂斬を会得し完全な形で使用可能となる。以降はアレンジ技も生み出すなど、自分の剣技に組み込んでいった。
ヒュンケルは師事した時期こそ長かったが、アバンに対して憎しみを抱いていたため空の技の修得には至らなかった。
ダイとの初戦では未完成のアバンストラッシュを使ったダイに対して、同じく未完成のアバンストラッシュを当て付けに使用、【てつのたて】を破壊した。
【鬼岩城】の襲撃時に咄嗟に空の技に相当する虚空閃を修得、同時に完全なアバンストラッシュも撃てるようになったはずだが、かつてアバンを裏切り魔王軍に連なったことから使用を戒めており、原作中で完全版を放ったことはない。
映画版「ぶちやぶれ!!新生6大将軍」では自粛を破って使用しているが、外伝作品での例外扱いされることが多い。
  
アバンストラッシュの各種派生技については以下の項で解説する。

A(アロー)タイプ

振るった武器から闘気の衝撃波を飛ばす撃ち方。
強大な闘気を持つ者が撃てば猛烈な光の奔流と共に斬撃が飛び、離れた敵を攻撃できる。習熟すれば連射も効くようだ。
 
ダイの修業中にアバンが見せたものや、【デルムリン島】を襲撃したハドラーに撃ったのもこのタイプ。
他にも、ヒュンケル戦の初戦、鎧武装フレイザード戦の決着時、【バラン】戦の初戦にも用いている。

B(ブレイク)タイプ

逆手構えのまま突進し、走り抜けつつ闘気をまとった武器で相手を直接斬りつける。
至近距離の敵に重い一撃を与えるが、使い手が大きく移動するので一発に時間が懸かり、敵の間合いに飛び込む危険も伴う。
 
決め手に使われる事が多く、ロモスでの【クロコダイン】戦や妖魔学士【ザムザ】戦、海底での【フェンブレン】戦での止めの技になっている。
【大魔王バーン】との初戦時は【カイザーフェニックス】を切り裂き、更に剣圧を押してバーン自身に掠り傷を入れて見せた。
【超魔生物】と化したハドラーとの初戦でも繰り出しているが、この時は右腕に仕込まれた【覇者の剣】に防がれてしまっている。
 
技の祖であるアバンもBタイプをメインに活用し、物語後半でキルバーンや若さを取り戻した真・大魔王バーンへの対抗手段として活躍を見せた。

アバンストラッシュX(クロス)

ダイの編み出した派生技。
Aタイプを放つと同時に構えなおし、すかさずBタイプで追撃をかけることで二発のストラッシュを同時に直撃させる。
【アバンの書】を知る前のダイは状況によってAタイプとBタイプを直感的に使い分けていたが、書の内容を知り【ノヴァ】との修行を経てからは意図した使い分けを習得し、この技を開発するに至った。
 
原理は単純だが、動いている敵にAタイプとBタイプを当てるのは至難の業で、超人的な肉体と戦闘センスを持つ竜の騎士ダイの実質的な専用技。
ヒュンケルですら「…オレにもできん」「ダイだからこそ 可能な超必殺技だ…!!!」と驚愕し、二つのストラッシュが同時に命中した威力は通常の5倍に達すると推測している。
 
AタイプとBタイプの使い分けの概念を知ったダイは、Aタイプ連射の特訓を重ね、Aタイプの速射性とBタイプの破壊力でいいとこ取りが出来ないかと思い悩んでいた時にこの技を閃いている。
修行で試し打ちした際には、防御に徹したノヴァ全力の【闘気の剣】さえ吹き飛ばし、衝撃の余波で後方の木々を一掃する程の威力を発揮した。真正面から受けたノヴァは「自分の武器が闘気剣でなければ首がすっ飛んでいた」と発言し冷や汗を流している。
この修行の時点ではダイの思い付いた新技がどんなものかは伏せられていたのだが、よく見るとノヴァの後ろで切り倒された木々は切り口が山型になっていて、角度の違う二つの斬撃が交差して飛ぶ技なのはしっかりと描写されていたりする。
技名はXと書いてクロスと読むが、英語で「交差する」という意味のCrossは頭文字がCなので、アローのAタイプ、ブレイクのBタイプに続く、Cタイプという雰囲気も併せ持っているネーミングである。
 
作中では、ダイが超魔ハドラーとの最終決戦で初披露し、超魔ハドラーに大打撃を与えると同時に【覇者の剣】をへし折った。
また、真・大魔王バーンとの対決の際にも使用され、その時には【ポップ】【天地魔闘の構え】を打ち破った直後にバーンの左腕を斬り飛ばして見せた。
 
Aタイプの一撃だと思わせて対応を誘い、さらにBタイプで斬りつける連携技であり、実戦で撃たれたハドラーもバーンも虚を突かれる形で直撃している。
敵へのフェイントという技巧面を含め、単発技のギガストラッシュを凌ぐダイ最強の攻撃とされている。
Bタイプを時間差で繰り出す関係で初動が通常のストラッシュに比べてやや前屈みになり、行動パターンを把握している相手に読まれやすくなる欠点はある。
しかし、敵からしてみれば高速のAタイプを撃たれた時点で防御なり相殺なり回避なりをしなくてはならず、一撃目に対処している所へBタイプの追撃が襲い来るため、どう足掻いても単発のストラッシュに対応する以上の危険を強いられる恐ろしい技。
ゲームシリーズの強敵やボスキャラが行う【複数回行動】のアバンストラッシュ版だと思えば、いかに強力な技かも解る。
子供の柔軟な発想力と、【闘いの遺伝子】に蓄積された経験、竜の騎士の超人的なパワーが結び付いた技と言えよう。

ライデインストラッシュ

アバンストラッシュ(Aタイプ)に【ライデイン】を組み合わせた魔法剣。
ダイ大世界では剣技と呪文を同時に放つ魔法剣は【竜の騎士】にしかできない神業とされており、【デイン系】が竜の騎士専用呪文であることも含めて、事実上のダイ専用技。
 
最初はヒュンケルとの戦闘の際、無意識のまま使用。紋章を発動させていない状態で繰り出したにも関わらず、直撃を受けた鎧は木っ端微塵になり、ヒュンケルにも重傷を負わせた。
ただし、この時は空の技を取得していない為、未完成のアバンストラッシュをライデインで補う形だった。
その後、バランとの戦いでは【鋼の剣】で繰り出したが殆ど通用しなかった。
竜の紋章を拳に移した後、ヒュンケルから渡された【鎧の魔剣】を使って繰り出した際には竜魔人化したバランにさえ大打撃を与える威力を発揮したが、鎧の魔剣が耐えきれずに消滅する事態となった。
この後、ダイはその力を存分に振るえる強い武器の捜索を旅の指針とする。
 
単行本でのQ&Aコーナーでは、ダイ自身の説明として「竜闘気を込めたライデインストラッシュが最強だが一発で体力を使い果たしてしまうためやらない」とある。
実際に竜魔人バランに食らわせた際には自分がダウンしてしまっている。

また、ダイとハドラーの最終決戦を見ていたキルバーン達には、この技で【超魔爆炎覇】と勝負するのは厳しいだろうと評されている。

ギガストラッシュ

アバンストラッシュ(Bタイプ)と【ギガブレイク】を組み合わせた最強の魔法剣。
ダイは【ギガデイン】を習得していないので、【ダイの剣】の鞘の魔法剣増幅効果に頼らなければ使用できない。
増幅には10秒もの時間を要するため、戦闘のまっ最中には使い辛いという欠点もある。
実戦では二度使っているが、ハドラー戦では相手も真っ向勝負での決着を望んだため、バーン戦では迎撃特化の【天地魔闘の構え】を相手にしたため、鞘に納めてチャージする余裕があった。
 
作中では、超魔ハドラーの【生命の剣】より繰り出される【超魔爆炎覇】に対し、「父さんと先生からもらった力が両方無いと勝てない気がしたから」と咄嗟に思いつき、【ギガブレイク】で突進した途中で【アバンストラッシュ】に構えを変えて発動。
切れ掛かっていた闘気を魔法力でカバーして見事打ち破り、ダイと超魔ハドラーの戦いに決着を付けた。
単行本の技紹介の注釈では「その威力はもはや、測定不能…?」と書かれている程の威力を誇る。
 
真・大魔王バーン戦でも使用したが、【フェニックスウィング】で防がれ、バーンの皮膚をわずかに切り裂いたにとどまる。
それでも【メドローア】【ハーケンディストール】といった数々の超必殺技を無傷で弾くフェニックスウィングの絶対防御を真正面から破った唯一の技であり、何より「一撃の威力に特化した手段では、全力で挑んだとしても天地魔闘の構えは破れない」という、大魔王バーン攻略の最初の足がかりでもあった。
 
技としては単行本Q&Aで最強と答えていた「竜闘気を込めたライデインストラッシュ」の形で、魔法剣部分をギガデインに、ストラッシュ部分を威力に優れるBタイプにしたことで、敵の懐に飛び込む危険と引き換えに更に強力になっている。
竜の騎士の闘気と専用呪文デイン系を、【闘いの遺伝子】で引き継がれたセンスでアバンストラッシュに掛け合わせた技であり、まさに「父と師から貰った力」を併せ持つダイならではのものと言える。

星ドラ

コラボイベントのログインボーナスでもらえるアバンの剣のメインスキル。
威力はBランク相当。
ギガストラッシュはダイの剣のメインスキルで、デイン属性の全体攻撃。CTが短い分威力が低めだが確率で追加攻撃が発生する。
更にアバンの聖剣のメインスキルの強化版「秘剣アバンストラッシュ」が登場。追加攻撃は単体のみだが威力とCTが上がっている。

DQウォーク

2020年11月下旬からのダイの大冒険とのコラボイベント中にふくびきで登場した【パプニカのナイフ】をLv20以上に強化すると使える。
この作品では闘気をまとった武器で攻撃するBタイプのものが採用されており、敵1体に威力400%の斬撃ダメージを与える。消費MPは27。
 
そのままでは無属性であるため、相手を選ばず高威力の技が撃てるものの、強敵の弱点を突いて高威力を叩き出していく戦法とはあまり合わない。
そこで、同武器Lv30で使える【竜の紋章】を使うと、この技にデイン属性が付与されるのである。上記のライデインストラッシュの再現だろうか。
この状態になれば、【ギガソード】を超える威力のデイン属性単体攻撃になる。問題は、この状態にするために1ターンかかるという事か。
増幅には10秒もの時間を要するギガストラッシュの再現と思えば…。

余談

呪文として本編シリーズにも登場するようになった【メドローア】と異なり、「アバン」の個人名が入っている事もあってかアバンストラッシュはゲーム本編に逆輸入されていない。
それでも連載開始以降の作品には名前の似た【ギガスラッシュ】や、Xタイプのように「二つの斬撃を交差させる」攻撃が登場しており、ダイ大の知名度が高いこともあって、よくオマージュや逆輸入扱いされる。
小説版DQ7で【オルゴ・デミーラ】にトドメを刺したアルスとメルビンの同時交差ギガスラッシュ、DQHシリーズでラスボスを葬った【ギガクロスブレイク】などは代表的な例であろう。
 
また、DQH2における片手剣の【無心こうげき】のように、逆手斬りは構えや動作がだいたいアバンストラッシュと同じになるため、この技を思い出すファンも少なくない。
本編外扱いであるスマホゲームでは、モンスターパレードのダイの大冒険コラボイベントのように明確に関係性を持たせている例もあり、こちらでは【ダイの剣】を装備することでアバンストラッシュが使えた。
 
最大手の少年誌に連載され単行本の流通も多かった作品の必殺技であり、技の構えと動き自体は大変わかりやすく、かつカッコイイため、全国の少年たちが傘や箒を逆手に構え「アバンストラッシュ!」、何かを身に付けて「鎧化(アムド)!」、棒を突き出して「ブラッディースクライド!」などと叫んでみたり、それで長物を振り回す危険から叱られたりしていた…はず。
 
セルフパロディ好きの三条が脚本に参加した作品では、カバンを変形させた剣で斬りつける「カバンストラッシュ」なんて技が登場したこともある。