【樋口明雄】

Last-modified: 2019-08-25 (日) 14:32:20

概要

小説家。双葉社でDQ1とDQ2をはじめとした多数のゲームブック(【ドラゴンクエストゲームブックシリーズ】に先駆けたもの)を執筆していた。
因みに同シリーズでは【ポートピア連続殺人事件】【オホーツクに消ゆ】のゲームブックも出ていたが、著者は異なる。
 
DQ1のあとがきで「ゲームのDQ1はドラマが盛り込まれている故に傑作」「特にエンディングがいい」と絶賛している。
その割にゲームブック版DQ1のエンディングはあっさり気味だが。
 
ギャグ・パロディ・メタネタだらけで、敵モンスターに妙な口調でキャラ付けを行うなど、現在より大らかな時代ならではの作風が特徴。
「世界観を壊すセリフは出さない」という、ゲーム版の制作方針とはある意味対照的である。
とはいえFC版DQ1にもポートピア云々という台詞は出ていたが。
ラダトーム城から南に向かうと強敵が出現するという【エンカウントエリア】が再現されている。
また【ガライ】が亡霊として登場したり、【サマルトリアの王子】【ロトのつるぎ】を装備できたりと、さり気なく【小説ドラゴンクエスト】やリメイク版を先取りしていたりする。
 
なお主人公の装備武器は表記の問題から全て「剣」で統一されている。
よって1では【たけざお】の代わりに「竹の剣」、【こんぼう】の代わりに「石の剣」が登場し、
2上巻の主人公の初期装備は「木刀」なる武器(恐らくこんぼうかひのきのぼうに相当する存在の代わりと思われる)である。
 
DQ2上巻のラストでは、【船】に乗り込んだロトの子孫3人が、【アレフガルド】の隣のコガネイという町に住む作者のヒグチアキオから地図をもらいに行こうと会話している。
しかし下巻では既に地図を入手済みで、作中に作者は結局登場せず。

双葉社版DQ1

1986年12月発行。正式タイトルは『ドラゴンクエスト 蘇る英雄伝説』。挿絵は漫画家の【伊藤伸平】
「双葉社冒険ゲームブックシリーズ」内のレーベルである「ファミコン冒険ゲームブック」シリーズの第7弾。
小説版や【アイテム物語】などに先駆けて世に出た、ドラクエ初の公式二次創作書籍である。
 
予め対戦用の数値表に1~10の数値をダブらないように割り振り、戦闘ではその内の1枠を敵の数値と大小比較して勝負を決める。
ルールはシビアであり、一度負けるとゲームオーバーになることが多い。
クリアできるかどうかは運の要素が強く、数値をどう割り振るかがカギとなる。
 
【経験値】の概念は無く、特定の装備品を揃えることでレベルがアップする。
殆どの敵は「無条件で勝てるレベル」が設定されており、そのレベル以下の場合のみ上記の数値のルールで勝負することになる。

双葉社版DQ2

1987年9月発行。シリーズ第21・22弾。双葉社のゲームブックとしては初の上下巻として世に出た。
下巻のあとがきでは「日本初の上下巻」とあるが、実際は他社から既に発売されていた。
挿絵は前作同様伊藤伸平。
上巻では【ローレシアの王子】1人で冒険し、下巻は3人1組での旅となる。
 
ルールは前作とほぼ同じだが、所持金不足で毒を治療できないとその場で死亡となる。
またプレイヤーの不正行為を見抜く仕掛けも仕組まれており、バレると「真面目にやりなさい」と咎められて最初に戻されるようになっている。
 
このほか上巻では、通常のルールでは絶対に倒せない強さの敵も設定されているが、これはルール説明に「作者が用意した罠です」と明記されており、その場合は負けても先に進める仕掛けになっている。
またそういった敵に勝てるように、イージーモード(?)のような別ルールも用意されている。
 
一方下巻は、やたらとダメージを受ける機会が多い割に最大HPが妙に低いなど、原作ゲーム同様難易度が高い。