概要
戦闘時のテンポを調整できるシステム。
ドラゴンクエストではDQ10オンラインを除いて一貫してターン制で、表示速度が難易度に影響を与えることはない。
表示速度というが、戦闘中以外のメッセージスピードには影響が出ない場合がほとんどである。
またDQ8以降、3D化の影響からか一度は廃止されたが、3DS版DQ8以降はアニメーション速度そのものを早める機能が搭載された作品も登場している。
DQ1・DQ2(FC・MSX・MSX2版)
タイトル画面にて、「MESSAGE SPEED」の項目があり、十字キーの左右で「SLOW」「NORMAL」「FAST」の3段階から選ぶことが出来る。
しかし、画面下の微妙に分かりにくい場所にある上に、カーソルの存在にも気付きにくい。
オマケに英語表示とあれば、ちゃんと【取扱説明書】を読まずに始めた子供には何のことだか分からなかった可能性もある。
当時はまだ現在のようなゲーム内でのチュートリアルは主流ではなく、RPGに慣れたプレイヤーも少ない時代だったので、取説を読まずに始めること自体はあまりなかったと思われる。
戦闘メッセージも移動中メッセージも同じ1文字単位での表示であるDQ1では、この設定がすべてのメッセージ速度に影響する。
DQ2では戦闘メッセージが行単位表示になったが、やはり戦闘・移動中の両方に適用され、SLOWを選んだ場合は戦闘メッセージが手動(ボタン押し)送りになる。
DQ3(FC版)~DQ7
これ以降は戦闘中のメッセージ速度のみに適用されるようになった。
冒険の書を作った時や、ゲーム再開時のメニュー「ひょうじそくどをかえる」または【せっていをかえる】で変更できる。
1~8の8段階があり、1が最速で7が最遅、8はDQ2のSLOWと同様に手動でメッセージ送りを行う。
初めて【冒険の書】を作る際に「おこのみの ひょうじそくどは?」という設定ウィンドウが現れ、初期設定では4か5になっている。
FC版DQ4では戦闘中にセレクトボタンを押すことでも表示速度をその都度変えることが可能になった。
PS版以降は、冒険再開時ではなく、ゲーム中に設定するようになった。
また、後期の作品では戦闘中の基本コマンドを選ぶ時に、十字キーの左右で変更できる仕様が追加されているものもある。
DS版・スマホ版の【天空シリーズ】では1~5の5段階で、4が最遅、5が手動となる。
FC版・SFC版では最速の1と最遅の7では驚くほどテンポが違い、1に慣れてくると、初期設定の4や5では煩わしくなってしまう。
また、8だと文字送りのためにいちいちボタンを押さなくてはならないが、作品によっては8にして高速でボタン連打したほうが最速設定よりも早くなる。
本末転倒な感じもするが、連射コントローラーさえ持っていれば、【タイムアタック】や長時間の【レベル上げ】では重宝する。
SFCの作品にこの傾向が強く、逆にDSの作品は連打でもとてつもなく遅い。
また、PS2版DQ5やGBC版DQ3では、手動メッセージ送りにすると、メッセージ送りをするたびにコマンド選択音が鳴るので、かなり耳障りである。
SFC版『DQ1・2』では8にして【はやぶさのけん】で【メタルスライム】や【はぐれメタル】を攻撃すると、ダメージの当たり方が変わる。
表示速度が攻略に影響する唯一の例である。
打撃主体のパーティを組んだ場合などに表示速度8にすると「ボタンを押すことで敵を殴ることができる」状態になるので、感情移入の効果も期待できる。
特に手動メッセージ送りが高速である作品の場合は意外に爽快であり、ボタンを押すたびに打撃音と共に敵が次々倒れていく様はさながらアクションゲームのような感覚すら覚える。
自然と指に力も入るので、コントローラを傷めないように気を付ける必要はあるが。
ちなみに、作品によっては数字が大きい方が遅いのか小さい方が遅いのか説明されていない場合があるので、【取扱説明書】などで確認しておこう。
DQ8
上述のとおり、アニメーションの都合なのか、戦闘中の表示速度を変えることはできなくなっている。
表示速度とは異なるが、会話している際のメッセージならば×ボタンで一括表示させることができる上に、スティックを傾けておくと全文表示されたと同時に次のメッセージを表示してくれる。
つまり、スティックを傾けながら×ボタンを連打することでイベントを大幅にカットできる。見慣れたイベントを飛ばしたい時には便利。
本来は一文字ずつ表示されるメッセージ中に行われている身振り手振りのモーションが、一括表示により空回り&次のメッセージ表示の邪魔になってしまうのはご愛嬌。
3DS版
アニメーション速度を速くする機能が初登場。
戦闘速度を「ふつう」「はやい」の二段階から選ぶことが可能。「はやい」に設定すると画面左上に「高速」と表示され、アニメーションと効果音が倍速になる。
DQ10オフライン
DQ11Sと同じくアニメーション速度を「ふつう/はやい/超はやい」から選択できる。
【必殺技】発動時のムービーには適用されないが、これらはスキップ機能がある。
DQ11
モーションの都合なのか、会話時のメッセージの表示速度を変えることができなくなっている。
3DS版
戦闘時のメッセージの表示速度は「はやい」「ふつう」「おそい」の3段階から選ぶことが可能。
3Dモードでは、戦闘時のメッセージの表示速度を「おそい」にしないと敵がダメージを受けた時に食らいモーションをしてくれないという謎仕様になっている。
また、「おそい」にするとAボタン連打で一部の補助呪文や特技のエフェクトを短縮出来るようになるが、同じ効果の道具を使用した際はエフェクトを飛ばせないという謎仕様もある。
呪文や特技であっても一部飛ばせないものがある(【ルカナン】など)。
2Dモードでは、表示速度「おそい」で【ザラキ】や【ザラキーマ】のエフェクトをAボタン連打で飛ばし、2体以上の敵を同時に即死させて戦闘を終わらせた場合、稀に最後に倒したモンスターのグラフィックが残ることがある。
DQ11S
PS4版DQ11をベースとした3Dモードで、戦闘の進行スピードを「ふつう」「はやい」「超はやい」の中から選択できるようになった。
3DS版DQ8のように戦闘中のアニメーションを倍速にする機能であるが、効果音やボイスは早回しにならない。
なお、戦闘の進行スピードは戦闘終了時に誰かがレベルアップしてスキルパネルの画面を開いた時にも反映される。いつもより早くスキルを振れるようになるのでちょっとお得。
2Dモードは3DS版と同様。
イルルカ
【砂漠の世界】クリア時に2倍速、表クリア時に3倍速が解禁される。
戦闘中の待機時間にRボタンを押すことで設定を切り替えることができる。ただし、通信対戦では等速固定。
どういうわけか牧場のフリーバトルでも使えない。
本編のように文字送りがないため、戦闘速度そのものを早めてくれる。
そのため、【ドン・モグーラ】などの小刻みに体を揺すっているモンスターは、3倍速だと痙攣しているように見えてくる。
これに慣れてしまうと通信対戦時や引っ越し用に前作をやる時など、【戦闘】がスローモーションにしか見えなくなってしまう。
ジョーカー3
今作では3倍速がなくなったが、「2倍速」が実際には2倍速よりも速い速度になっている。
また、オート戦闘が登場。なんと戦闘に勝つか20ターン経過するかこちらに死者が出るまで自動で進めてくれる。
【にげる】場合はかえって処理が遅くなるので注意。
今作ではフリーバトルでもこれらを使用できるようになり、通信対戦でも2倍速が使えるようになった。
オート戦闘の処理中のロード画面では右下にランダムにモンスターのアニメーションが表示される。
出てくるモンスターは無印とプロフェッショナル版で異なり、戦闘時のモーションやフィールド上の敵シンボルの動きとして使用されていないモーションをするものもいる。