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【冒険の書】

Last-modified: 2019-07-24 (水) 08:51:56

概要 Edit

FC・MSX・MSX2版のDQ1・DQ2を除くナンバリングタイトルと、ジョーカー以降のモンスターズを除く外伝作品全てにおけるセーブ機能。英語版ではadventure log。
ゲーム開始画面において、【ぼうけんのしょをつくる】コマンドを選んで【主人公】の名前を入力することで作成できる。
バッテリーバックアップ、メモリーカード、ストレージなどさまざまな形態をとる。
【アイテム】として登場したのはDQ10だけだが、セーブファイルを「書」と表現する辺りに、セーブシステムを世界観にマッチさせようとしたセンスを感じさせる。
 
冒険の書が登場する以前のDQ1とDQ2では、【復活の呪文】というパスワードによるコンティニューシステムが採用されていた。
これは何十文字もの平仮名を入力しなければならないうえに、1文字でも間違いがあるとそれまでの苦労が水泡に帰してしまうという、プレイヤーをとことん悩ませるものであったが、この新たなセーブ機能の登場により、ノートに呪文を書き留めたり、それをまた入力したりという煩雑な作業から解放されて大喜びしたプレイヤーは多いことだろう。
 
ところが冒険の書も万全というわけではなく、カセットにうっかり強く触れてしまって衝撃を与える、端子部の接触不良、内部バッテリーの消耗などにより、データが故障した場合に修復せず消去する仕様上、データが消えてしまう場合も多い。
すると、あの忌々しい音楽と共に、【おきのどくですが ぼうけんのしょ○は きえてしまいました】というメッセージが流れる。
このトラウマ現象は、ソフトがカセットタイプであるFC・SFC時代の多くのプレイヤーに深く刻み込まれている(ただし、後発の作品ほど消えにくくはなっていて改善されてはいる)。
特に恐ろしいのがFC版DQ3で、頻繁に起きる上にいきなり無音・真っ暗の画面から音楽とメッセージが流れるため、軽くホラー的な恐怖さえ感じるレベル。
 
なお、メモリーカード等(PS・PS2、Wii)や、カード内部のフラッシュメモリ(DS系)にセーブされるようになった最近の作品では、バッテリーバックアップ時代の作品に比べて頻繁に冒険の書が消える事はない。
ただ、それでも消える可能性はゼロではないので、メモカもカードも大切に扱うことである。
またFCやSFC等の実機ではなく、エミュレータでプレイする場合はリアルタイムセーブが可能であり、冒険の書もファイル単位でバックアップが可能なので、もし冒険の書が消えてしまってもバックアップさえ取っていれば復旧は可能である。
しかし実機で冒険の書が消えたのを経験した人は忌々しい音楽も相まって不気味に感じる人が多数だろう。

バッテリーバックアップ機能 Edit

当初の冒険の書で使われたバッテリーバックアップ機能はDQ3が初搭載いうイメージを持っている人は少なくない。しかし実際にはこの機能を最初に搭載したROMカセットは、「ファミリーベーシック」(1984年6月21日発売)とその専用ソフトの「V3」(1985年2月21日発売)にレジューム用として特殊な実装例があることを除いても、1987年4月14日発売の「森田将棋(セタ)」が初である。
RPGに限っても初搭載したのは1987年6月30日発売「未来神話ジャーヴァス(タイトー)」であり、後にDQと人気を二分するシリーズに大成する同年12月18日発売の「ファイナルファンタジー(発売元:スクウェア)」は初作からこの機能を搭載しているため、この機能に関してはDQ3が初である要素は何もない。
何の因果か初搭載である「森田将棋」の前身作1985年8月発売の「森田和郎の将棋」(PC-88:PC-98)はエニックスが販売元で、DQ制作に【すぎやまこういち】が加わるきっかけになったソフトだったりする。
 
DQ3はセーブデータが比較的消えやすい(厳密には「消されやすい」)のだが、同年8月に任天堂から発売された「ファミコンウォーズ」は接触不良などがなくても普通に電源をOFF・ONしただけで消えているなどザラで、その消えやすさは本作の比ではない。それを体感した者からすればむしろDQ3バックアップは比較的マシな方だという見方もされている。

DQ1・DQ2 Edit

【復活の呪文】によるコンティニュー方式であるためゲーム内に冒険の書は登場しないが、「冒険の書」という単語自体は初代の時代から既に使われており、DQ1の【取扱説明書】の中表紙に「ドラゴンクエスト 冒険の書 これを勇者たちに贈る」と書かれている。
 
NES版およびリメイク版では冒険の書が採用された。
ファイル数は1作あたり3つだが、2作品のカップリングであるSFC版とGB版では、DQ1とDQ2それぞれで3つ用意されている。冒険の書のリストには主人公の名前とレベルが表示されるが、DQ2であってもセーブ場所は表示されない。
DQ1ではラダトームの王が記録を行い、DQ2ではローレシア・サマルトリア・デルコンダルでは王、それ以外のセーブ可能な場所では老人や神父が記録をする。
なお、両作ともエンディング後のセーブは無い。

DQ3 Edit

冒険の書を初めて採用した作品。記録は主に各城の王や女王、または大臣が行う。また【ルイーダの酒場】を利用する際には強制セーブが行われ、エンディング終了時には自動でクリアフラグのセーブが行われる。
冒険の書はROMカセット内部に作り、ファイル数は3つ。冒険の書リストに記載されるのは冒険の書の番号と主人公の名前のみ。
この「3つ」は当時の【堀井雄二】のこだわりであったようで、【ドラゴンクエストマスターズクラブ】でのインタビューでは次のように語っている。

堀井 (ファミコンの限界を問われて)RAMが少ない。ほんとは、もっといろんなコトをやりたいんだけど、ゲームのことを覚えておくワークがないの。まあ、冒険の書をひとつにしちゃえばできるんだけどね。

―でも、それはよくないですよ。

堀井 やっぱり、3つあるからイロんな遊び方ができるんだしね。ひとつにすれば、もっと複雑なイベントができるんだけど、そうもいかないよね。もうひとつRAMをのせることもできるけど、そうすると今度は経費が上がっちゃう。

限られたメモリのなかで、ゲームのボリューム増強と冒険の書の数を天秤に掛け、当時の堀井は後者を選んだ。
これにより、家族や友人どうしでの1本のカートリッジでのプレイや、クリア後のデータを残しての周回プレイをすることもできる。
 
リメイク版でもファイル数は全機種とも3つだが、レベルとセーブした場所がわかるようになったほか、クリアフラグ保存後は「.ロト」が名前に付加される。
ルイーダの酒場での強制セーブは無くなったが、酒場のシスターが記録をしてくれる。
ガラケー版以降はエンディング終了時のセーブが任意(するかどうかの確認メッセージが表示される)になった。

DQ4 Edit

ファイル数は3つ。
教会(一部除く)の【おいのりをする】コマンドで冒険の書への記録をしてもらえるようになり、セーブの利便性が向上した。教会セーブの際にはMEが流れるようになった。
【章】の変わり目にも任意にセーブが可能。また【きぼうのほこら】でもセーブできるが、ここでのセーブ時はMEが鳴らず、再開場所は【エンドール】に変更される。
 
リメイク版では冒険の書リストにセーブ場所と章・勇者のレベル・プレイ時間が表示。
エンディング終了時には任意にセーブができ、セーブするとその冒険の書には「6章」と表示され新たなストーリーが展開される。
PS版では冒険の書1つあたりメモリーカード1ブロックを使用。DS版以降はオリジナル版同様ファイル数は3つ。

DQ5 Edit

ファイル数は3つ。本作から主人公のレベルとセーブした場所がリストに表示されるようになった。
町・村以外に道中のほこらや一軒家などにも教会が設けられ、記録してもらえる。
教会以外にも、幼年時代から青年時代に移る際に任意のセーブが可能。エンディング終了後には自動でクリアフラグが保存され、裏ダンジョンへの道が開かれる。
 
リメイク版ではプレイ時間もリストに表示される。
エンディング後には任意にセーブでき、クリアフラグを保存したデータには★マークが付く。
PS2版ではメモリーカードに188kBの空き容量が必要。DS版以降はオリジナル版同様ファイル数は3つ。

DQ6 Edit

ファイル数は3つ(リメイク版も同様)。
仕様は前作と同じだが、どの世界でのセーブかの表示には対応せず、上下世界で同じ地名がある場合でも見ただけではどちらの世界かわからない。
エンディング終了後には自動でクリアフラグが保存される。
 
リメイク版ではプレイ時間もリストに表示される。
エンディング後には任意にセーブでき、クリアフラグを保存したデータには★マークが付く。

DQ7 Edit

CD-ROMにはセーブができず、初代PSは本体のストレージもないため、外部メモリーカードに冒険の書を作る形式になった。
冒険の書1つあたり1ブロックを使用し、1つのメモリーカードに最大15個まで冒険の書を作れる。以前のデータを多数残しておくこともできるようになり、お気に入りのイベントをすぐに見返したりといったこともやりやすい。
本作以降の作品ではセーブ中にカードを抜くなどしないよう注意喚起するメッセージが出るようになった。
リストにはセーブ時までのプレイ時間も表示されるようになったが、やはり過去・現代のどちらの時代かまでは表示されない。
 
本作では教会以外の場所でもイベント進行中に臨時的に記録を行えることがある。モノとしての「冒険の書」が机や台の上に置かれているケースもあり、これを調べると自ら記録ができる。DISC1からDISC2への交換時には任意にセーブ可能。
また、エンディングでのクリアフラグの保存には特殊な手順を踏む必要がある(→【こわれた石版】)。
 
リメイク版ではゲームカード内や本体ストレージに保存され、ファイル数はDS天空シリーズと同じく3つ。
クリアフラグ保存は他作品同様エンディング後に任意にセーブできる方式になり、クリアしたデータには★マークが付く。

DQ8 Edit

外付けのメモリーカード(PS2)に冒険の書を作成・保存する。最低178kBの空きが必要。
記録ができるのはほとんど教会(神父・シスター)のみになった。
エンディング後には任意にセーブでき、クリアしたデータには★マークが付く。
 
移植版では本体ストレージやゲームカード内に保存され、リストにパーティ全員の顔とレベルが表示される。この仕様は移植版DQ8独特のもの。
ファイル数はスマホ版は3つ、3DS版は2つ。

DQ9 Edit

ゲームカード(カセット)内部に保存する形式に戻ったが、ファイル数は1つのみとなった。中断の書も利用可能だが、中断後はその続きからの再開が強制され、再開後は中断データが消されるので、一度セーブするとやり直しは効かない。
周回プレイを楽しむ場合には前の冒険の書を消すしかなく、どうしても消したくない場合は新たにソフトをもう1本買う必要がある。
冒険の書への記録は教会で行うが、それ以外にも各種通信要素の利用時や【錬金大成功】を狙う直前にはセーブが強制される。
セーブ中にはウィンドウの隅に、本(冒険の書)に羽ペンを走らせるアイコンが表示される。
タイトルメニューではセーブ場所とプレイ時間、現在のパーティ全員の名前と職業・レベル・転生回数が表示される。
また、ニンテンドーWi-Fiコネクション(現在は終了)を用いて冒険の書をサーバに送ることも可能であった。これはインターネット上のプレイヤーサイトでのデータ公開や、公式による各種数値の統計に用いられた。
 
スタッフの発言によると、自由度を高くしたために保存データの容量が膨大になってしまい、また携帯機であるために【中断】機能も用意する必要があるため、冒険の書は1つだけにせざるを得なかったという。(『週刊ファミ通』2009年7月24日号)
同作ではセーブエリアが2つあり、セーブ(冒険の書・中断)の際にはその2つを交互に使っており、データが破損した場合はもう一方のデータを使って復旧できるようになっている(→こちらも参照)。
 
セーブを使ったズルが排除される反面、失敗した場合のリカバリーには非常に手間がかかるため、「プレイ時間の無駄な引き延ばし」と批判されることが多い。【淡路恵子】もラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』にゲスト出演したとき、この件に関して不満を語っていた。
DQ9の10周年記念配信においては、冒険の書が1つでやり直す機会が少ないため、本作はストーリーの印象が薄いことをスタッフ自身が指摘している。

DQ10 Edit

ファイル数は3つ(コースによって増減する)であるが、1キャラクターに冒険の書は1つだけである。
プレイヤーによってはサブキャラクターを作ったり、家族で交代でキャラクターを切り替えてプレイしたりする。
 
キャラクターが冒険の書を失うと、これまでの冒険の記憶が喪失されるという事が発覚。なお、この時主人公はすぐに冒険の書を返して貰えたが、長時間失うとどうなるかは不明。
また、本作では冒険の書は冒険者個々人が所持しているものだが、他の作品では教会に置いてあるなど個人の所有物ではなく共有物に近い描写がされているのでそのまま当てはめることは難しいと思われる。
 
こちらも参照。

DQ11 Edit

ファイル数はPS4版では9つ、3DS版では3つ。本体の内部ストレージまたはゲームカード(3DSパッケージ版)に保存する。
記録は教会か、各地に点在する【キャンプ】地やダンジョン内などの【女神像】で行う。物語の節目(初回エンディング時含)にも任意でセーブが可能。
 
3DS版では【ヨッチ村】の祭壇の間に過去のシリーズ作品の記憶を刻んだ冒険の書が祀られており、何者かに汚されてしまった冒険の書を元に戻すため、【冒険の書の世界】を旅するという要素がある。

モンスターズシリーズ Edit

GB版とPS版のモンスターズでは原則敵が出て来る場所ではセーブができない。ただし、【たびのしおり】を使えばどこででもセーブが出来る。
DQMCHではたびのしおりが廃止され、神父やシスターに話しかけてセーブする。
ジョーカーシリーズ以降は好きな時にセーブすることが可能。ただし、【光あふれる地】などセーブ不可能になる場所もある。
 
モンスターズシリーズはポケモン同様、一人一台を前提としたプレイがメインのゲームであるため、冒険の書が1つしか用意されておらず、【配合】(GB版DQM1)、【孵化】(DQMJ2P、テリワン3D)、【ちいさなメダル】の交換(テリワン3D、イルルカ)などを行う前に強制的にセーブされる仕様になっており、やり直しは一切利かない。
 
ジョーカー以降は「冒険の書」は登場していないが、DQMJ2以降にメニュー画面で用いられているセーブのアイコンは「開いた本にペン」という「冒険の書」っぽい画像になっている。

ゲームブック Edit

【エニックス】【ドラゴンクエストゲームブックシリーズ】では各種フラグやステータスを書き込む用紙のことを「冒険の書」と呼んでいる。
さらに、ゲームブックDQ3では特定のパラグラフで「非常用冒険の書」への記入が求められ、これが全滅後の復旧用データとして用いられる。