Object 268

Last-modified: 2024-05-18 (土) 12:28:08

ソ連 RankVI 駆逐戦車 Object 268

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概要

T-10Mがベース車体となっていて、走攻守が高水準でまとまったハイスペック駆逐。
格上すら楽に貫通できてしまう貫通力を持っている。

車両情報(v1.5.4.91)

車両性能

項目数値
砲塔旋回速度(°/s)8.0
俯角/仰角(°)-5/15
リロード速度(秒)
17.1
スタビライザー/維持速度(km/h)無し/ -
車体装甲厚
(前/側/後)(mm)
120 / 80 / 60
砲塔装甲厚
(前/側/後)(mm)
187 / 100 / 50
重量(t)50.0
エンジン出力(hp)1,431
2,100rpm
最高速度(km/h)55
実測前進~後退速度(km/h)*** ~ -***
視界(%)92
乗員数(人)4

武装

名称搭載数弾薬数
主砲152 mm M-64 cannon135
機銃14.5 mm KPVT machine gun1500

弾薬*1

名称砲弾名弾種弾頭
重量
(kg)
爆薬量
(kg)
初速
(m/s)
貫徹力(mm)
10m100m500m1000m1500m2000m
152 mm
M-64
BR-540BAPHEBC48.960.739760239237225211198186
BP-540HEAT27.44.5770250
OF-540HE43.565.8675049

迷彩

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砂漠
[添付]
条件ナシ
森林
[添付]
条件ナシ

小隊ツリー

前車両IS-3
次車両ZSU-57-2

解説

特徴

 

【火力】
主砲はSU-122-54に搭載されている122mm D-49から変わって、KV-2の主砲と同口径長砲身の152mm M-64になっている。この砲は152mmという大口径にも関わらず、49㎏の砲弾を750m/sの初速で撃ち出すことができる。APHEBCは炸薬量が122mm砲から約3倍になっており、貫通すれば相手に甚大なダメージを与えることができるだろう。
開発を進めれば使うことができるHEATもISU-152から据え置きであり、APHEBCも含めかなり同格に対しては貫通力不足に見える。だがこのAPHEBCは砲弾重量が大きく傾斜装甲に強い。スペックよりはるかに頼もしく、近距離ではティーガーII(H)の車体正面装甲を射貫できるほどなので、貫通力不足で困ることはないだろう。
HEATを使っても抜けない相手に対してはかなり威力の高いHEを使い天板や弱点を狙うのも有効だろう。装填速度は分離装薬の152mmにしては早い17.1秒と122mm砲を使っている人からすればそこまで遅く感じることはないだろう。
俯角は5度まで取れるのでほかのソ連戦車に比べ、少しは地形に対応しやすくなった。砲旋回は遅めなため偏差射撃の際は相手の動きを予測して、先にエイムを置いておく必要があるだろう。

機銃は14.5mm KPVT重機関銃を上部に1挺装備している。同軸機銃はない。レンジファインダーのある左側以外は全周で射撃可能であり、駆逐戦車にしては高い対空能力を有している。

 

【防御】

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車体はT-10Mのものを流用している。戦闘室はソ連戦車らしい傾斜装甲がみられる。しかし車体ほど傾斜はかかっていないので昼飯をとると実装甲が減り容易に貫通される。昼飯を避け正面を向いていればAPDS以外のすべての運動エネルギー弾を弾くことができるだろう。しかし車体下部はティーガーIIの車体上面ほどの実装甲しかないためソ連の122mmやドイツの長砲身8.8cm砲と12.8cm砲、アメリカの105mm砲や120mm砲の通常弾に貫通を許しかねない。また砲身付け根左右には187mm垂直装甲分しかない弱点があったり、かと言ってその弱点を隠そうと車体を傾けすぎると戦闘室の装甲の傾斜がなくなってしまい、格下にも抜かれかねないため車体を左右に小刻みに振るなどしてカバーしよう。
同格のHEAT-FSには軽く貫通されるので、戦後戦車には十分注意し先制攻撃できるようにしよう。
そして本車最大の欠点とも行っていいのが劣悪な車内レイアウトである。152mmという大口径の砲を搭載しているため弾薬が大きい。また戦闘室の後部には隙間なく弾薬が並べられており、正面上部をHEATや大口径砲弾が貫通すれば誘爆は確実である。また車体下部を貫通されれば戦闘室まで遮るものがなく、乗員が一度に全員気絶することも珍しくない。車内の体積の大きさで一撃死は免れても生存性が高い車両ではないので、先ほど述べた弱点をさらさない立ち回りを心がけよう。

 

【機動性】
機動力は重駆逐戦車の中でも高い。前進速度は55km/h出るので陣地移動に困ることはないだろう。さすがT-10Mの車体である。後退は-11km/hほどなので飛び出し打ちは厳しい。しかも超信地旋回は不可能な上、信地旋回は遅い。ただし勢いをつけた状態で旋回すれば素早く回頭出来るので有効に使おう。しかし固定砲塔に変わりはないので、側面、背面に回られないようにしよう。

 

史実

クリックで解説

Object 268自走砲は、T-10重戦車の多くの派生設計の内の1つであった。新型自走砲計画はソ連閣僚会議の命令により、1952年7月2日にレニングラード・キーロフ工場で開始された。Object 268は、第二次世界大戦初期のソ連の自走砲であるSU-100、122、および-152と同系列の車両で、これはソ連が駆逐戦車として使用するのではなく、自走砲が砲兵として使用されるという西側の概念とは対照的なものだった。IS-4とIS-7の車台を使用して、重戦車を自走砲に改造する試みが以前にもあったが、キャンセルされた。 IS-4の生産は非常に遅く、IS-7は複雑すぎて大量製造が出来ていなかったので、レニングラード・キーロフ工場は、T-10の車体に自走砲を152 mm M-48砲を搭載して製造することになった。この砲は大戦初期の152mm砲よりもはるかに強力で、製図作業に
より、152mm M-48砲と並行して開発されたM-53砲と組み合わせられるObject 730 SPG が誕生した。

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(1952年に重自走砲に搭載するために改造されたM-53砲)

 
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(重自走砲に搭載された152 mm M48砲。この砲が開発された時点では搭載しているがあるかは不明。)

 
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(Object 730 SPG)

 

Object 730 SPGには5つの異なる計画案があり、それぞれが独自のものであった。V1は、Object 268のに発展前の設計案だった。

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V2は戦闘室の後部にドラムマガジンを使用し、戦闘室前部にエンジンを使用する主兵装を備えた後部砲弾を備えていた。

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V3はケースメイト設計を放棄し、すべての弾薬が砲塔後部に保管される従来の砲塔を使用していた。

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V4 は船体を延長し、新型装填装置を搭載し、搭乗員を4名から5名に増員、測距儀と機関銃を備えた新しいキューポラを備え、V2をわずかに変更したものだった。

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V5も同様に乗員を5名にし、14.5 mm KPVT機関銃を追加し、T-10Mで使用されるものと同じエンジンを使用するためにV3
を再設計したものだった。V4とV5は、ベース車体であるT-10を大幅に変更する必要があったため拒否され、V5に使用されるはずだったエンジンを搭載したV1が製造される事となった。

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Object 268の最終設計は、技術図面と縮尺模型を使用して1953年6月に委員会に提出され、AI Radzievskyによって8月25日に承認された。これは、砲郭の屋根に152mm M-64砲と14.5mm KPVT機関銃、および立体視距離計を装備し、乗組員は5 名 (内2名は装填要員)の予定だったが、152mm M-64砲用の自動装填機構が開発されたため、乗組員は 4名になった。主砲は122mmよりも開発順位が低いためゆっくりと開発が進められていたが、M-53砲を継承し、初速750m/sを維持し、M-53の砲身を短縮したM-64が開発された。Object 268の最終図面は1954年6月に完成し、8月に量産が再検討され、1955年3月に試作車の製造が開始された。

M-64 砲の作業は続けられ、試作車は1955年12月に完成し、1956年2月にObject 268に搭載するためにレニングラードに送られた。Object 268 は1956年3月に完成したが、製造当初から改良が加えられ、砲郭の屋根と後部に当初計画されていた丸い鋼板ではなく平らな鋼板を使用することが決定され、主砲の取り外しができるように修正が加えられた。

完成したObject 268は、レニングラード工場で製造された152.4 mm M-64砲を装備し、直接射撃用のTSh-2A「シャリック」照準器とZiS-3パノラマ照準器を使用した。TKD-09 立体距離計が砲手ハッチ上の回転リング内の 14.5 mm KPVT 重機関銃とともに砲郭の屋根に取り付けられた。弾薬の全装填は35発で、AP弾とHE-FRAが利用可能であった。目標への直接射撃が可能な射程は900m、間接射撃の最大射程は13,000mだった。Object 268の船体は均質圧延鋼装甲120mm、砲郭は187mmであった。搭載されたV-12-6エンジンは750馬力を発生させ、T-10と同じトランスミッションが搭載されていた。車量は50トンで、最高速度は48 km/hを発揮した。
Object 268は最終的に量産される事はなかった。これは主にソ連戦車の開発に関連した内部問題が原因であった。試作車両が完成し、試験が終了したときのは1957年末で、1956年にソビエト連邦で新たに開発された対戦車誘導ミサイルの登場により、大口径の自走砲が必要無くなった事や、ソ連軍の戦術に変化があった事、西側諸国の戦車にObject 268では効果が薄かった事、すでにT-10重戦車の生産が開始されており、もし戦車工場でObject 268を生産しようとすると問題が発生する可能性が生じる等の問題が重なった結果、Object 268の量産およびさらなる改良が行われる事は遂になかった。現在は唯一製造された試作車両がクビンカ戦車博物館に展示されている。

小ネタ

加筆求む

外部リンク

 

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コメント

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  • こいつの砲周り硬すぎやろ...ヤクトラの砲弾も砕け散ったわ -- 2024-05-17 (金) 03:49:17

*1 爆薬量はTNT換算