・導く鍵
進行内容
穢れ祓いの儀式は失敗してしまった。
ユグナスは、アシェラたちを
導く鍵として指差したが……。
開拓を進めるべきか止めるべきか、
十二家当主らの間で、議論は続く……。
- アドゥリン城門前でイベント。
もっと手間取るかと思ってたけど……。
Ingrid : ちょっと、
あなたを見くびりすぎていたみたいね、
中の国の冒険者。
Ingrid : でも、これで準備は万端。
必要な品は全て揃ったわ。
さあ、「穢れ祓い」を始めましょうか。
(解呪に失敗し吹き飛ぶリフキン。)
Ingrid : こ、これは……。
Gratzigg : 失敗……か。
Hildebert : これだけの強き呪い……
やはりこれは初代王の呪いなるぞ。
Hildebert : これでわかったであろう。
小娘の生半可な「祓い」の力など通じぬのだ。
初代王の遺志は絶対なるぞ!
Ingrid : ……っ!
Ingrid : そう……確かに。
これで解けないとは、
簡単な呪いでないことは確かなようね。
それならば、さらに大がかりな儀式を行うまで!
Ingrid : お先に失礼するわ。
次は……解呪してみせる!
(暗転)
Vortimere : 失敗だったか……。
Ingrid : 申し訳ありません、
ヴォルティミア様。
Vortimere : よい。
くっくっくっ。よいのだ。
Ingrid : ヴォルティミア様?
Vortimere : これは良き兆しぞ、
イングリッド。穢れが増せば増すほど、
我らの力は必要になるのだから、な。
Vortimere : だが、イングリッド。
ゆめ、忘れるな。
二度も穢れに負けることは許さぬ。
この一敗に留めておけ。
Ingrid : はい。
次こそは……必ず!
Vortimere : 悪しき力を退けることこそ、
我々エクソスシトの役目。
Vortimere : そう……
我々でなければならん。
他の誰であってもならんのだ。
Vortimere : 大遠征の頃、あの輝かしき時代。
エクソシストが重用されていた
あの時代を取り戻すためにも、な……。
Vortimere : 開拓は進めなければならぬ。
そのためには邪魔者が多すぎるな……。
Vortimere : 先の闘技場の一件で
イキ・アスカモットはおとなしくなったが、
まだ頑固者が多すぎる。
Vortimere : イングリッド。
Ingrid : はい。
Vortimere : して、実際に触れ、
おまえはアドゥリン家当主、あれをどう見るかね?
Ingrid : 正直
計りかねております……。
Vortimere : ふむ。
おまえほどの者でもわからぬか。
Ingrid : 初代の王の呪いなどと戯言を
と思っておりましたが、それも……
Vortimere : まあよい、いまは捨て置け。
急ぐべき問題はそこではない。
Vortimere : あの娘、
さほど脅威にはならぬだろうと放っておいたが……
Vortimere : 嘘か真かわからぬが、
ユグナスの声を聞けるなどとのたまいおって。
……そろそろ邪魔だな。
(暗転)
Arciela : いったい、
どうしたらいいの……。
Ygnas : 『こ……呪いは解く、な……』
Ygnas : 『ああ……』
Ygnas : 『感……じる。
……の奥深く……ら』
Ygnas : 『大い…る厄災…迫……てくる』
Arciela : [Your Name]……。
あにさまが、なにか言っているの?
Ygnas : 『汝ら…導く鍵…そこに……』
Arciela : あに……さま?
Ygnas : 『………………』
Ygnas : 『…………』
Ygnas : 『……』
ロスレーシャの実の光が収まり、ユグナスの声が聞こえなくなった!
Arciela : [Your Name]、
あに……お兄様はなんとおっしゃったの?
わたしのことを指差していたみたいだけど……。
Arciela : えっ。
わたしたちを導く鍵?
どういうこと、かしら……。
Hildebert : 簡単な謎かけですな。
いや謎とも言えない。明明白白でしょうぞ。
Hildebert : アシェラ殿は、
開拓を望んでいなかった。
その彼女を指差したということは、
アシェラ殿の意を酌め、との意。
Hildebert : 初代王の遺志を守れ
ということに違いあるまい。
これ以上、開拓を進めるなということに
間違いないですぞ!
Arciela : そんな、わたしは……
Melvien : ちょっと待って!
そうとは限らないんじゃないかなぁ。
Melvien : これは、アシェラ殿に、
自分の代わりに開拓を進めてほしい、
ということかもしれない。
Melvien : アシェラ殿には
開拓を進める旗頭になってもらいたい。
そういうことかも。
Hildebert : 何を馬鹿なことを!
Melvien : いえ、必然的な推理ですよ。
Melvien : 僕は、ここのところずっと
初期の開拓について調べているんだけどね。
それによるとね……。
Hildebert : ふん、嘆かわしい!
いつから、この国は初代王のご遺志を
このように軽んじるようになったのか。
Hildebert : 今こそ我らは
大遠征の時代のように、
亡き王の御霊を弔うべきですぞ。
Hildebert : 必要なのは、
あのような怪しげな儀式などではなく、
初代王の魂をお慰めすること。
Hildebert : しかり!
必要とあらば、往時のように
墓所の封印もやりなおし……。
Svenja : イルドベール殿!
このような場で、滅多なことを
口にするものではありませんよ?
Hildebert : む。うむ……。
そうであったな。
Melvien : そう……ですかねぇ。
あの時代と今では、何もかもが違いすぎますよ。
Melvien : 御霊を弔うとか。
そんな鎮魂の儀式なんて
している余裕があるかどうか。
Hildebert : 余裕のあるなしの
問題ではないわ!
Melvien : いやいや。
財務大臣としては迂闊に首を縦には振れませんね。
Melvien : 大遠征の時代というのは、
あれはあれで、ウルブカからアドゥリンに
けっこうの富がもたらされた時代だったのですよ。
Melvien : お疑いなら、
あなたもセレニア図書館にでも行って
お調べになったらどうです?
Melvien : だからこそ僕は
開拓を続けるべきだと思っているわけでね。
Melvien : 今のアドゥリンには
当時ほどの余力はない。
イルドベール殿には、今更の話かもしれませんが。
Hildebert : 信仰を
金に換算しようというのか。
虫唾が走るわ!
Melvien : 人々が飢えることを
前提とする政策には乗れない、
というだけの話ですよ。
Hildebert : わしが民を
ないがしろにしていると言いたいのか?
Melvien : ない袖は振れない、
と言っているだけです。
Arciela : やめて!
Arciela : もうそれ以上は、
やめて……ください。
(アシェラ走り去る。)