アドゥリンの魔境/誓いの真実と汚された鱗

Last-modified: 2014-05-15 (木) 05:53:55

・誓いの真実と汚された鱗

進行内容
 ハーサーカから、大冥宮の扉が開きつつあると
 教えられた。
 大冥宮の主ハデスの復活は近い。
 ハデスへ対抗するために、まずは
 ハーサーカの傷を癒やさねばならない。
 封じられてしまったという「光の鱗」は
 いったいどこに……。


  1. カミール山でイベント。
     
    Sajj'aka : また、おまえたちか……。
     去れ! と言ったはずだが。
    Arciela : わたしたちは
     森に害をなすことなんて考えていません。
     お願いです、話を聞いてください!
    Sajj'aka : ならば、
     この地の護りを任されたものとして
     ふたたび問おう。
    Sajj'aka : おまえたちのどちらが答えても構わぬ。
     だが、今度は容赦せぬぞ。
    Sajj'aka : 愚かな答えを返すようであれば、
     我はおまえたちを喰らってやろう。
    Arciela : わかりました。
    Sajj'aka : ほう……。
     前とは違うようだな。
    Sajj'aka : 覚悟がおまえたちの瞳に見えるぞ……。
     それがどれほどのものなのか……。
    Sajj'aka : まあ、よい。
     ひとつめの問いだ。
    Sajj'aka : いにしえの王、
     偉大なるオーグストを助けた金色の大虎。
     彼の虎と王が戦った地はどこか。
     
    戦った地はどこ?
     マリアミ渓谷
     ヨルシア森林
     モリマー台地
     
    「マリアミ渓谷」「モリマー台地」
    Sajj'aka : おまえたち……
     我を舐めているのか?
    Sajj'aka : いや、聞き間違いだったようだな。
     なんと答えたのだ?
     もういちど言ってみるがいい。
     
    「ヨルシア森林」
    Sajj'aka : ほう……
     少しは真実というものに
     興味が出てきたようだな……。
    Sajj'aka : その戦いは、
     王と我が出会う前のことであったが……。
     王からも、テラクァルンからも何度も聞いたものだ。
    Sajj'aka : まことに激しい戦いであった。
     だが、互いに恥じることなく
     名誉を賭けて戦ったのだ。
    Sajj'aka : だからこそ、
     テラクァルンも、我と同じように
     あの御方についてゆくことを決めたのだろう……。
    Sajj'aka : では、
     ふたつめの問いかけをしよう。
    Sajj'aka : テラクァルンの子は、
     おまえたち人間のひとりに預けられた。
     知っているな?
    Sajj'aka : その人間の名は?
     答えてみよ!
     
    その人間の名は?
     ポリマー
     モリマー
     ラリマー
     
    「ポリマー」「ラリマー」
    Sajj'aka : やれやれ……。
     王とともに戦った者の名前まで
     答えられぬとはな……。
    Sajj'aka : あいつもさぞかし落胆するだろ……
     いや、何でもない。
     聞き間違いだったに違いないな。
    Sajj'aka : なんと答えたのだ?
     もういちど言ってみるがいい。
     
    「モリマー」
    Sajj'aka : ふ……そのとおりだ。
     彼の王と比べれば
     やや輝きは落ちるとはいえ……
    Sajj'aka : あの十一人の女たち男たちは、
     我の魂を揺さぶった数少ない人間たちであったぞ。
     それは今も変わらぬ。
    Sajj'aka : ……では、最後の問いだ。
    Sajj'aka : オーグスト王が
     最後の戦いの地として選んだのは、どこだ?
     答えてみよ!
     
    最期の戦いの地は?
     アビセア
     プロミヴォン
     大冥宮
     
    「アビセア」「プロミヴォン」
    Sajj'aka : その名は聞いたことがないが……
     なんとも不吉な響きを帯びておるな……。
     だが、正しくはない。もういちどだ。
    Sajj'aka : 最後に、もういちどだけ
     答える機会をやろう。
     言ってみるがいい。
     
    「大冥宮」
    Sajj'aka : 正解だ……。
     どうやら、それなりの覚悟と備えを
     してきたようだな。
    Sajj'aka : よろしい。おまえたちを、
     オーグストの意を汲む者だと認めよう。
     話くらいは聞いてやろう……。
    Arciela : ほっ……。
     [Your Name]、よかったね。
    Arciela : あなたがいてくれて
     本当に助かった……。
    Sajj'aka : 人が残す記録ていどでは、
     そこまで知っておれば及第点であろうからな……。
    Arciela : あなたは
     もっと詳しいことを知っているのですね?
    Sajj'aka : むろんだ……。
    Arciela : ハーサーカ、あなたは以前、
     初代王オーグストが自分を解放してくれた、
     と言いました。
    Sajj'aka : ほう……覚えていたか。
     ふむ。そちらの人の子よ。おまえはどうだ。
    Sajj'aka : 覚えていたか?
     
    覚えていた?
     はい
     いいえ
     
    「はい」
    Sajj'aka : む……。我はどうやら、
     おまえたちを見くびりすぎていたようだな。
     認識を改めるとしよう。
     
    「いいえ」
    Sajj'aka : くっ……くくく。
    Sajj'aka : 笑わせてくれるわ。
     正直でよい。気に入ったぞ。
    Sajj'aka : せいぜい、
     この娘っ子の注意力と記憶力に感謝することだな。
     
    Sajj'aka : 確かに我は言った。
     我が生まれたのは、このウルブカの地ではない。
    Sajj'aka : そこがどこか、我はまだ、
     おまえたちに語ることはできない。
     だが……。
    Sajj'aka : その場所に長く囚われており、
     王が解放してくれたのは事実だ。
    Sajj'aka : あそこには……
     もう戻りたいと思わぬよ。
     我も、おそらくは彼らもな。
     
    なにか聞く?
     故郷なのでは?
     彼ら?
     
    「故郷なのでは?」
    Sajj'aka : ……故郷、か。
     その響きはよいが、生まれの地全てが
     等しくよいものだとは限らぬ。
    Sajj'aka : 故に、この話は終いだ。
     
    「彼ら?」
    Sajj'aka : 七支公を知っていたな。
    Sajj'aka : ほう……。
     彼らを倒したのか……。
    Sajj'aka : なるほど、あいつの言うとおり、
     見くびるべきではなかったようだな……。
    Arciela : あいつ……?
     
    Arciela : ハーサーカ……。
    Arciela : わたしたち開拓者の間では、
     森を切り開いていくつもりならば、
     七支公との衝突は避けられない。
     そう言われているんです。
    Sajj'aka : 開拓か……
     彼らは森の守護者だからな……。
    Sajj'aka : あのものたちも我と同じだ。
     彼の地より王によって救い出された。
    Sajj'aka : それゆえ王の力を認め、
     王に命じられて、この地を六つに割って、
     それぞれの地の守護者となった。
    Sajj'aka : 人間を遠ざけ、
     森を護れ、大地の守護者たれ、と。
     それが「いにしえの盟約」だ。
    Arciela : 大地の守護者……。
    Sajj'aka : とはいえ……
     あれから長い年月が過ぎた。
     長すぎるほどの、な。
    Sajj'aka : 生き続けている者でも
     当時の記憶が定かではなくなったものもいるし、
     代替わりをしてしまい、護り続けている理由さえ
     失ってしまったものもいる……。
    Sajj'aka : それどころか、
     何を護っていたかという、最も大事なことさえも。
    Sajj'aka : 大地の守護者というがな……
     娘御よ。
    Sajj'aka : 真に護っていたのは
     森ではないのだよ。
    Arciela : ……えっ!
    Sajj'aka : 彼らが六つの地に分かれて棲み、
     その地を守護するという名目を掲げ、
     それぞれの地を離れられぬようになった理由。
     それは……。
    Sajj'aka : 大冥宮へと続く
     六つの道を見張るためだったのだ。
    Arciela : ……!
     大冥宮への道……を。
    Sajj'aka : 最後の戦いの時、
     オーグスト王は大冥宮へと留まり、
     我とモリマーは王を残したまま地上へと戻った。
    Sajj'aka : 我らには使命があったからだ。
     王の命を伝えるという使命が。
    Sajj'aka : そして、七支公に王の命を伝えた。
     冥宮に至る入り口を封鎖し、そこを見張れ!と。
    Arciela : 待って!
     待ってください。
    Arciela : いま、
     大冥宮に至る道は六つあると言いました。
     そして、それぞれの地を七支公が護っている、と。
    Sajj'aka : 然り。
    Arciela : 入口は六つ。
     守護者は七体。
    Arciela : では、残る一体は……。
     七番目の守護者はどこを……
     何を護っているのですか!
    Sajj'aka : ……そのものはな。
     他の公たちといささか違っておる。
    Sajj'aka : そのものは、
     かつて不死君と呼ばれていた。
     闇の眷属たちの王に仕えていたのだ。
    Arciela : 敵の……王に!
    Sajj'aka : 然り。
     三魔君と呼ばれるもののひとりであった。
    Sajj'aka : だが、
     オーグスト王との戦いの末に、心を開いたのだ。
    Sajj'aka : あやつだけは、
     どこにいて何をしているのか我も知らぬ。
     おおかた……。
    Sajj'aka : いややはり、
     わからぬ、と答えておこう。
     あやつは気ままなやつだからな……。
    Arciela : ハーサーカ、
     わたしはこの……
    Arciela : 初代王オーグストの遺剣に導かれて、
     ここまでやってきました。
    Arciela : 『大地に災い在りし時には、
     天に向かって掲げよ』
     そう聞かされていたからです。
    Arciela : 剣から伸びた
     光の道が示していたのは、まさにここでした。
     オーグスト王はあなたに何かを託したのだと思います。
    Arciela : いえ、
     オーダーサインだけではありません。
    Arciela : [Your Name]に
     ロスレーシャの実を託した、
     力を失いつつあるという世界樹もまた、
     何かを、あなたに託したのです。
    Arciela : いま、ウルブカの地には
     かつてない異変が起きています。
    Arciela : 見たこともない魔物が現れ、
     絶え間なく大地が揺れ、
     森の木々は突然枯れ、水は穢され……。
    Arciela : この異変は
     どうして起きているのですか?
     どうすれば異変は収まるのでしょうか。
    Arciela : お願いです、
     知っていることがあれば教えてください!
    Sajj'aka : ……。
    Sajj'aka : 大冥宮の
     扉が開きつつあるのだ。
     過去の亡霊がよみがえりつつある……。
    Arciela : 過去の亡霊……。
     それはまさか……
     闇の眷属たちを操っていたという……。
    Sajj'aka : 然り。オーグストと最後まで戦い、
     王の力をもってしても倒すことが叶わず、
     大冥宮の奥深くへと王がその身を賭して
     封じ込めた存在……。
    Sajj'aka : そやつの名は。
     大冥宮の主……「ハデス」だ。
    Arciela : 大冥宮の主……。
    Sajj'aka : 闇がよみがえりつつある……。
     ハデスは滅びておらぬ。
    Sajj'aka : 我は感じる。
     風の匂いの中に、大地の鼓動の中に、
     その邪悪なる気配を感じるのだ。
    Sajj'aka : 今や、あやつは
     ゆっくりと復活しつつある……。
    Arciela : そんな恐ろしいものが、
     もし復活してしまったら……。
    Sajj'aka : 闇の力が……
     生あるものにとって負の力が、
     日増しに強くなっておる。
    Sajj'aka : それゆえに相対的に
     世界樹は力を失いつつあるのだ。
      
    Sajj'aka : 双対の片割れを失った時、
     世界樹はその身体を根だけの存在と化して、
     ウルブカの大地を覆った。
    Sajj'aka : 世界樹が張り巡らせた根は、
     大地の下に眠る大冥宮から
     あふれ出てくる闇の力を抑え込んでいた。
    Sajj'aka : だが……。
     長い年月が過ぎ、世界樹はかつての若さを失い、
     力も失いつつある……。
    Sajj'aka : その証が、度重なる地震だ。
     あれは、世界樹の断末魔の声、
     苦しみゆえの身震いなのだ。
    Arciela : もし……もし、
     世界樹が全ての力を失ってしまったら。
    Sajj'aka : 大冥宮から
     闇の力があふれ出てくるだろう。
    Sajj'aka : 復活しつつあるハデスは、
     いよいよ強大なものとなって
     よみがえってくるだろう。
    Sajj'aka : かつて闇の眷属たちが行ったように、
     地上に生きる全ての者たちに
     災いが降りかかるであろうよ。
      
    Sajj'aka : 空気は毒に満ち、水は穢され、
     大地はひび割れて草木は枯れるであろう。
    Sajj'aka : 穢れた炎が、森を舐めて焼き尽くし、
     生きとし生けるものの姿は消えてしまうだろう。
     終末がやってくるであろう……。
    Arciela : それが……森の異変の正体……!
     いったい、どうすれば……。
    Sajj'aka : 残念ながら、娘御よ。
     できることは何もない。
    Arciela : そんな!
     ハーサーカ、その大冥宮から
     生きて戻ってきたという、あなたなら……。
    Sajj'aka : 娘御よ、そして傍らの人の子よ、
     我もまた既に過去の存在なるぞ……。
    Sajj'aka : あの御方……
     オーグスト王が生きておればまだ希望はあった。
     せめて魂なりとも残っていれば。
    Sajj'aka : だが、王の魂は未だに
     大冥宮の奥深くに囚われたままなのだ。
    Sajj'aka : いにしえの戦いの時は、
     蛮勇の王オーグストがいた。
     世界樹は若く健在であった。
      
    Sajj'aka : 我もまた、囚われの身から
     解放されたばかりであり、血気にはやっておった。
    Sajj'aka : 三つの力を合わせることで、
     ハデスを大冥宮の深部へと
     封じ込めることができたのだ。
    Sajj'aka : 完全には滅ぼすことはできず
     封じただけに留まったが……。
    Sajj'aka : だが……。
     往時の力はもはやどこにもない。
    Sajj'aka : 我もまた、
     最後の戦いの時に負った傷が治らぬのだ。
    Sajj'aka : 亡き王の骸と魂は
     大冥宮の奥深くに囚われており、
     世界樹の命脈は尽きつつある。
    Sajj'aka : なのに、愚かな人間たちは
     森を傷つける行為をやめようとせぬ!
    Sajj'aka : 我は傷つき、もはや往時の力はない。
     だが、我に為したこの蛮行だけは許せぬ!
     闇の……眷属どもめ!
     
    どうする?
     必死でなだめてみる
     龍の咆哮に負けないくらいの声で怒鳴りつける
     
    「必死でなだめてみる」
    Sajj'aka : きさまに
     我の怒りがわかるというのかぁあああ!
    Sajj'aka : 許さぬ。
     あやつらは、何度よみがえってこようと許さぬぞ!
     
    「龍の咆哮に負けないくらいの声で怒鳴りつける」
    Arciela : い、いきなり
     なんて声を出すんですか!
     すごくびっくりしたじゃないですか! もおっ!
    Sajj'aka : やかましいわ、おまえたち!
     む……。
     
    Sajj'aka : …………すまぬな。
     少々、取り乱してしまったようだ。
    Sajj'aka : とにかく、だ。
     今や、往時の三つの力が全て失せているのだ……。
    Arciela : なんとかならないのですか。
     力を失いつつある世界樹を救うには
     どうしたら……。
    Sajj'aka : 老いを避けることは
     不滅の生命でないかぎりは誰にもできない。
     それは世界のことわりなのだ。
    Sajj'aka : だが……。
     方法がないわけではない。
     
    なにか聞く?
     その方法とは?
     どうすればいい?
     
    「その方法とは?」「どうすればいい?」
    Sajj'aka : 世界樹は元から
     このウルブカの地に生えていたわけではない。
    Sajj'aka : かつてあの御方……
     オーグスト王が語ったところによれば、
     王は「世界樹の若木」を手にいれ、
     この地に植えたのだ。
    Sajj'aka : 若木はあっという間に成長し、
     巨大な世界樹となった。
    Sajj'aka : 同じことをすればよい。
     しかも、今度は根が残っている。
    Arciela : つまり、その若木を使えば……。
    Sajj'aka : 前よりもさらに早く、
     世界樹はふたたびこの地に
     その姿を取り戻すであろう。
    Arciela : 「世界樹の若木」……。
     いったい、王はそれをどこで手にいれたの……?
    Sajj'aka : 「光り輝く地」だ。
     世界樹は、周囲を清き水に囲まれた
     光あふれる清浄な地に生える木だ。
    Sajj'aka : あれは、
     元はラゾアの地で生まれし存在……。
    Sajj'aka : ラゾアにも、
     そのような場所があったのであろうな。
     だが、ラゾアにはもはや世界樹の生きる地はない。
      
    Arciela : わたしたちが見た、あれ……。
     炎に包まれたラゾアの地……。
    Sajj'aka : だが、我は感じるのだ。
     か細き命の輝きを。
    Sajj'aka : 世界樹は、異変を感じとり、
     姿を根だけの存在と化した時、
     分身となるものものを、
     ウルブカの「光り輝く地」に産み落とした。
    Sajj'aka : おそらくそんなところであろう。
     かすかな新しい命の鼓動を我は感じる……。
    Arciela : じゃ、じゃあ……
     その場所に行けば。
    Sajj'aka : だが、人の子らよ。
     わかっていても、どうにもならぬのだ。
    Sajj'aka : なぜなら、
     その「光り輝く地」に辿りつくことができるのは
     光の龍である我だけ。
    Sajj'aka : そして、傷ついた我には、
     そこまで辿りつく力がないのだ。
    Sajj'aka : 我の鱗を剥がしたやつらが憎い。
     やつらは、我から鱗を奪い、
     呪いをかけた上に鱗をどこかに封じてしまった。
    Sajj'aka : この身が癒されぬのはそのためだ。
     隠された鱗を探しださないかぎり、
     我の身体は元に戻らぬ。
     永遠に癒されることはない。
    Sajj'aka : 翼を打ち振るたびに
     痛みが全身を走り、我の身を苛む。
    Sajj'aka : これでは、いくら羽ばたこうと、
     この山のいただきを飛び回るくらいがせいぜい。
     とても、「光り輝く地」になど行けはせぬ。
    Arciela : ハーサーカ……。
    Sajj'aka : 長い長い年月の間、
     力の及ぶかぎり探してみた。
     だが、今に至るまで、鱗の一枚も取り戻せぬ。
    Sajj'aka : 万策は尽きているのだ……。
     もはや、この闇の力の増大を防ぐことは叶わぬ。
    Arciela : ハーサーカの光の鱗。
     それはいったいどこに……?

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