・誓いの真実と汚された鱗
進行内容
ハーサーカから、大冥宮の扉が開きつつあると
教えられた。
大冥宮の主ハデスの復活は近い。
ハデスへ対抗するために、まずは
ハーサーカの傷を癒やさねばならない。
封じられてしまったという「光の鱗」は
いったいどこに……。
- カミール山でイベント。
去れ! と言ったはずだが。
Arciela : わたしたちは
森に害をなすことなんて考えていません。
お願いです、話を聞いてください!
Sajj'aka : ならば、
この地の護りを任されたものとして
ふたたび問おう。
Sajj'aka : おまえたちのどちらが答えても構わぬ。
だが、今度は容赦せぬぞ。
Sajj'aka : 愚かな答えを返すようであれば、
我はおまえたちを喰らってやろう。
Arciela : わかりました。
Sajj'aka : ほう……。
前とは違うようだな。
Sajj'aka : 覚悟がおまえたちの瞳に見えるぞ……。
それがどれほどのものなのか……。
Sajj'aka : まあ、よい。
ひとつめの問いだ。
Sajj'aka : いにしえの王、
偉大なるオーグストを助けた金色の大虎。
彼の虎と王が戦った地はどこか。
マリアミ渓谷
ヨルシア森林
モリマー台地
Sajj'aka : おまえたち……
我を舐めているのか?
Sajj'aka : いや、聞き間違いだったようだな。
なんと答えたのだ?
もういちど言ってみるがいい。
Sajj'aka : ほう……
少しは真実というものに
興味が出てきたようだな……。
Sajj'aka : その戦いは、
王と我が出会う前のことであったが……。
王からも、テラクァルンからも何度も聞いたものだ。
Sajj'aka : まことに激しい戦いであった。
だが、互いに恥じることなく
名誉を賭けて戦ったのだ。
Sajj'aka : だからこそ、
テラクァルンも、我と同じように
あの御方についてゆくことを決めたのだろう……。
Sajj'aka : では、
ふたつめの問いかけをしよう。
Sajj'aka : テラクァルンの子は、
おまえたち人間のひとりに預けられた。
知っているな?
Sajj'aka : その人間の名は?
答えてみよ!
ポリマー
モリマー
ラリマー
Sajj'aka : やれやれ……。
王とともに戦った者の名前まで
答えられぬとはな……。
Sajj'aka : あいつもさぞかし落胆するだろ……
いや、何でもない。
聞き間違いだったに違いないな。
Sajj'aka : なんと答えたのだ?
もういちど言ってみるがいい。
Sajj'aka : ふ……そのとおりだ。
彼の王と比べれば
やや輝きは落ちるとはいえ……
Sajj'aka : あの十一人の女たち男たちは、
我の魂を揺さぶった数少ない人間たちであったぞ。
それは今も変わらぬ。
Sajj'aka : ……では、最後の問いだ。
Sajj'aka : オーグスト王が
最後の戦いの地として選んだのは、どこだ?
答えてみよ!
アビセア
プロミヴォン
大冥宮
Sajj'aka : その名は聞いたことがないが……
なんとも不吉な響きを帯びておるな……。
だが、正しくはない。もういちどだ。
Sajj'aka : 最後に、もういちどだけ
答える機会をやろう。
言ってみるがいい。
Sajj'aka : 正解だ……。
どうやら、それなりの覚悟と備えを
してきたようだな。
Sajj'aka : よろしい。おまえたちを、
オーグストの意を汲む者だと認めよう。
話くらいは聞いてやろう……。
Arciela : ほっ……。
[Your Name]、よかったね。
Arciela : あなたがいてくれて
本当に助かった……。
Sajj'aka : 人が残す記録ていどでは、
そこまで知っておれば及第点であろうからな……。
Arciela : あなたは
もっと詳しいことを知っているのですね?
Sajj'aka : むろんだ……。
Arciela : ハーサーカ、あなたは以前、
初代王オーグストが自分を解放してくれた、
と言いました。
Sajj'aka : ほう……覚えていたか。
ふむ。そちらの人の子よ。おまえはどうだ。
Sajj'aka : 覚えていたか?
はい
いいえ
Sajj'aka : む……。我はどうやら、
おまえたちを見くびりすぎていたようだな。
認識を改めるとしよう。
Sajj'aka : くっ……くくく。
Sajj'aka : 笑わせてくれるわ。
正直でよい。気に入ったぞ。
Sajj'aka : せいぜい、
この娘っ子の注意力と記憶力に感謝することだな。
我が生まれたのは、このウルブカの地ではない。
Sajj'aka : そこがどこか、我はまだ、
おまえたちに語ることはできない。
だが……。
Sajj'aka : その場所に長く囚われており、
王が解放してくれたのは事実だ。
Sajj'aka : あそこには……
もう戻りたいと思わぬよ。
我も、おそらくは彼らもな。
故郷なのでは?
彼ら?
Sajj'aka : ……故郷、か。
その響きはよいが、生まれの地全てが
等しくよいものだとは限らぬ。
Sajj'aka : 故に、この話は終いだ。
Sajj'aka : 七支公を知っていたな。
Sajj'aka : ほう……。
彼らを倒したのか……。
Sajj'aka : なるほど、あいつの言うとおり、
見くびるべきではなかったようだな……。
Arciela : あいつ……?
Arciela : わたしたち開拓者の間では、
森を切り開いていくつもりならば、
七支公との衝突は避けられない。
そう言われているんです。
Sajj'aka : 開拓か……
彼らは森の守護者だからな……。
Sajj'aka : あのものたちも我と同じだ。
彼の地より王によって救い出された。
Sajj'aka : それゆえ王の力を認め、
王に命じられて、この地を六つに割って、
それぞれの地の守護者となった。
Sajj'aka : 人間を遠ざけ、
森を護れ、大地の守護者たれ、と。
それが「いにしえの盟約」だ。
Arciela : 大地の守護者……。
Sajj'aka : とはいえ……
あれから長い年月が過ぎた。
長すぎるほどの、な。
Sajj'aka : 生き続けている者でも
当時の記憶が定かではなくなったものもいるし、
代替わりをしてしまい、護り続けている理由さえ
失ってしまったものもいる……。
Sajj'aka : それどころか、
何を護っていたかという、最も大事なことさえも。
Sajj'aka : 大地の守護者というがな……
娘御よ。
Sajj'aka : 真に護っていたのは
森ではないのだよ。
Arciela : ……えっ!
Sajj'aka : 彼らが六つの地に分かれて棲み、
その地を守護するという名目を掲げ、
それぞれの地を離れられぬようになった理由。
それは……。
Sajj'aka : 大冥宮へと続く
六つの道を見張るためだったのだ。
Arciela : ……!
大冥宮への道……を。
Sajj'aka : 最後の戦いの時、
オーグスト王は大冥宮へと留まり、
我とモリマーは王を残したまま地上へと戻った。
Sajj'aka : 我らには使命があったからだ。
王の命を伝えるという使命が。
Sajj'aka : そして、七支公に王の命を伝えた。
冥宮に至る入り口を封鎖し、そこを見張れ!と。
Arciela : 待って!
待ってください。
Arciela : いま、
大冥宮に至る道は六つあると言いました。
そして、それぞれの地を七支公が護っている、と。
Sajj'aka : 然り。
Arciela : 入口は六つ。
守護者は七体。
Arciela : では、残る一体は……。
七番目の守護者はどこを……
何を護っているのですか!
Sajj'aka : ……そのものはな。
他の公たちといささか違っておる。
Sajj'aka : そのものは、
かつて不死君と呼ばれていた。
闇の眷属たちの王に仕えていたのだ。
Arciela : 敵の……王に!
Sajj'aka : 然り。
三魔君と呼ばれるもののひとりであった。
Sajj'aka : だが、
オーグスト王との戦いの末に、心を開いたのだ。
Sajj'aka : あやつだけは、
どこにいて何をしているのか我も知らぬ。
おおかた……。
Sajj'aka : いややはり、
わからぬ、と答えておこう。
あやつは気ままなやつだからな……。
Arciela : ハーサーカ、
わたしはこの……
Arciela : 初代王オーグストの遺剣に導かれて、
ここまでやってきました。
Arciela : 『大地に災い在りし時には、
天に向かって掲げよ』
そう聞かされていたからです。
Arciela : 剣から伸びた
光の道が示していたのは、まさにここでした。
オーグスト王はあなたに何かを託したのだと思います。
Arciela : いえ、
オーダーサインだけではありません。
Arciela : [Your Name]に
ロスレーシャの実を託した、
力を失いつつあるという世界樹もまた、
何かを、あなたに託したのです。
Arciela : いま、ウルブカの地には
かつてない異変が起きています。
Arciela : 見たこともない魔物が現れ、
絶え間なく大地が揺れ、
森の木々は突然枯れ、水は穢され……。
Arciela : この異変は
どうして起きているのですか?
どうすれば異変は収まるのでしょうか。
Arciela : お願いです、
知っていることがあれば教えてください!
Sajj'aka : ……。
Sajj'aka : 大冥宮の
扉が開きつつあるのだ。
過去の亡霊がよみがえりつつある……。
Arciela : 過去の亡霊……。
それはまさか……
闇の眷属たちを操っていたという……。
Sajj'aka : 然り。オーグストと最後まで戦い、
王の力をもってしても倒すことが叶わず、
大冥宮の奥深くへと王がその身を賭して
封じ込めた存在……。
Sajj'aka : そやつの名は。
大冥宮の主……「ハデス」だ。
Arciela : 大冥宮の主……。
Sajj'aka : 闇がよみがえりつつある……。
ハデスは滅びておらぬ。
Sajj'aka : 我は感じる。
風の匂いの中に、大地の鼓動の中に、
その邪悪なる気配を感じるのだ。
Sajj'aka : 今や、あやつは
ゆっくりと復活しつつある……。
Arciela : そんな恐ろしいものが、
もし復活してしまったら……。
Sajj'aka : 闇の力が……
生あるものにとって負の力が、
日増しに強くなっておる。
Sajj'aka : それゆえに相対的に
世界樹は力を失いつつあるのだ。
Sajj'aka : 双対の片割れを失った時、
世界樹はその身体を根だけの存在と化して、
ウルブカの大地を覆った。
Sajj'aka : 世界樹が張り巡らせた根は、
大地の下に眠る大冥宮から
あふれ出てくる闇の力を抑え込んでいた。
Sajj'aka : だが……。
長い年月が過ぎ、世界樹はかつての若さを失い、
力も失いつつある……。
Sajj'aka : その証が、度重なる地震だ。
あれは、世界樹の断末魔の声、
苦しみゆえの身震いなのだ。
Arciela : もし……もし、
世界樹が全ての力を失ってしまったら。
Sajj'aka : 大冥宮から
闇の力があふれ出てくるだろう。
Sajj'aka : 復活しつつあるハデスは、
いよいよ強大なものとなって
よみがえってくるだろう。
Sajj'aka : かつて闇の眷属たちが行ったように、
地上に生きる全ての者たちに
災いが降りかかるであろうよ。
Sajj'aka : 空気は毒に満ち、水は穢され、
大地はひび割れて草木は枯れるであろう。
Sajj'aka : 穢れた炎が、森を舐めて焼き尽くし、
生きとし生けるものの姿は消えてしまうだろう。
終末がやってくるであろう……。
Arciela : それが……森の異変の正体……!
いったい、どうすれば……。
Sajj'aka : 残念ながら、娘御よ。
できることは何もない。
Arciela : そんな!
ハーサーカ、その大冥宮から
生きて戻ってきたという、あなたなら……。
Sajj'aka : 娘御よ、そして傍らの人の子よ、
我もまた既に過去の存在なるぞ……。
Sajj'aka : あの御方……
オーグスト王が生きておればまだ希望はあった。
せめて魂なりとも残っていれば。
Sajj'aka : だが、王の魂は未だに
大冥宮の奥深くに囚われたままなのだ。
Sajj'aka : いにしえの戦いの時は、
蛮勇の王オーグストがいた。
世界樹は若く健在であった。
Sajj'aka : 我もまた、囚われの身から
解放されたばかりであり、血気にはやっておった。
Sajj'aka : 三つの力を合わせることで、
ハデスを大冥宮の深部へと
封じ込めることができたのだ。
Sajj'aka : 完全には滅ぼすことはできず
封じただけに留まったが……。
Sajj'aka : だが……。
往時の力はもはやどこにもない。
Sajj'aka : 我もまた、
最後の戦いの時に負った傷が治らぬのだ。
Sajj'aka : 亡き王の骸と魂は
大冥宮の奥深くに囚われており、
世界樹の命脈は尽きつつある。
Sajj'aka : なのに、愚かな人間たちは
森を傷つける行為をやめようとせぬ!
Sajj'aka : 我は傷つき、もはや往時の力はない。
だが、我に為したこの蛮行だけは許せぬ!
闇の……眷属どもめ!
必死でなだめてみる
龍の咆哮に負けないくらいの声で怒鳴りつける
Sajj'aka : きさまに
我の怒りがわかるというのかぁあああ!
Sajj'aka : 許さぬ。
あやつらは、何度よみがえってこようと許さぬぞ!
Arciela : い、いきなり
なんて声を出すんですか!
すごくびっくりしたじゃないですか! もおっ!
Sajj'aka : やかましいわ、おまえたち!
む……。
少々、取り乱してしまったようだ。
Sajj'aka : とにかく、だ。
今や、往時の三つの力が全て失せているのだ……。
Arciela : なんとかならないのですか。
力を失いつつある世界樹を救うには
どうしたら……。
Sajj'aka : 老いを避けることは
不滅の生命でないかぎりは誰にもできない。
それは世界のことわりなのだ。
Sajj'aka : だが……。
方法がないわけではない。
その方法とは?
どうすればいい?
Sajj'aka : 世界樹は元から
このウルブカの地に生えていたわけではない。
Sajj'aka : かつてあの御方……
オーグスト王が語ったところによれば、
王は「世界樹の若木」を手にいれ、
この地に植えたのだ。
Sajj'aka : 若木はあっという間に成長し、
巨大な世界樹となった。
Sajj'aka : 同じことをすればよい。
しかも、今度は根が残っている。
Arciela : つまり、その若木を使えば……。
Sajj'aka : 前よりもさらに早く、
世界樹はふたたびこの地に
その姿を取り戻すであろう。
Arciela : 「世界樹の若木」……。
いったい、王はそれをどこで手にいれたの……?
Sajj'aka : 「光り輝く地」だ。
世界樹は、周囲を清き水に囲まれた
光あふれる清浄な地に生える木だ。
Sajj'aka : あれは、
元はラゾアの地で生まれし存在……。
Sajj'aka : ラゾアにも、
そのような場所があったのであろうな。
だが、ラゾアにはもはや世界樹の生きる地はない。
Arciela : わたしたちが見た、あれ……。
炎に包まれたラゾアの地……。
Sajj'aka : だが、我は感じるのだ。
か細き命の輝きを。
Sajj'aka : 世界樹は、異変を感じとり、
姿を根だけの存在と化した時、
分身となるものものを、
ウルブカの「光り輝く地」に産み落とした。
Sajj'aka : おそらくそんなところであろう。
かすかな新しい命の鼓動を我は感じる……。
Arciela : じゃ、じゃあ……
その場所に行けば。
Sajj'aka : だが、人の子らよ。
わかっていても、どうにもならぬのだ。
Sajj'aka : なぜなら、
その「光り輝く地」に辿りつくことができるのは
光の龍である我だけ。
Sajj'aka : そして、傷ついた我には、
そこまで辿りつく力がないのだ。
Sajj'aka : 我の鱗を剥がしたやつらが憎い。
やつらは、我から鱗を奪い、
呪いをかけた上に鱗をどこかに封じてしまった。
Sajj'aka : この身が癒されぬのはそのためだ。
隠された鱗を探しださないかぎり、
我の身体は元に戻らぬ。
永遠に癒されることはない。
Sajj'aka : 翼を打ち振るたびに
痛みが全身を走り、我の身を苛む。
Sajj'aka : これでは、いくら羽ばたこうと、
この山のいただきを飛び回るくらいがせいぜい。
とても、「光り輝く地」になど行けはせぬ。
Arciela : ハーサーカ……。
Sajj'aka : 長い長い年月の間、
力の及ぶかぎり探してみた。
だが、今に至るまで、鱗の一枚も取り戻せぬ。
Sajj'aka : 万策は尽きているのだ……。
もはや、この闇の力の増大を防ぐことは叶わぬ。
Arciela : ハーサーカの光の鱗。
それはいったいどこに……?