帝国領北部にあるマレフィムの丘。 そこには流行病で滅んだ町の跡があり、丘には墓石が並んでいる。 今では病を怖れて誰もこの土地には近づかない。
通常 | 魔性 | 宿った | 伝説 | 恐ろしい | 壊れた | |
---|---|---|---|---|---|---|
推奨Lv | Lv70 | Lv113 | Lv151 | Lv198 | Lv??? | Lv |
攻略Lv | Lv80 | Lv128 | Lv172 | Lv227 | Lv??? | Lv |
階層数 | 4F | |||||
探索判定回数 (1階あたり) | 踏破前:18回 踏破後:6回(4F以外)・12回(4F) | |||||
進行(踏破前) | 220秒 | 250秒 | 300秒 | 370秒 | 520秒 | |
進行(踏破後) | 165秒 | 187.5秒 | 225秒 | 277.5秒 | 390秒 | |
探索時間(踏破前) | 04:24:00 | 05:00:00 | 06:00:00 | 07:24:00 | 10:24:00 | |
探索時間(踏破後) | 01:22:30 (4950秒) | 01:33:45 (5625秒) | 01:52:30 (6750秒) | 02:18:45 (8325秒) | 03:15:00 (11700秒) |
※時短無し・探索時間等倍での数値
出現モンスター
- 道中出現
- ボスのみ出現
名称 出現場所 ベルファゴール(神魔) ◆ダンジョンボス
1Fフロアボス
迷宮称号のオルトロス×2 +ランダムな基本編成 |
2Fフロアボス
迷宮称号のアエロー×2 +ランダムな基本編成 |
3Fフロアボス
迷宮称号のエンジェル×2 +ランダムな基本編成 |
◆ダンジョンボス
敵はいずれも迷宮称号
レアアイテム
ダンジョン内イベント
マレフィムの丘には墓石が並んでいる。
その空には死鳥が飛び交っていた。
それはまるで生を拒絶する死の世界のように見える。
この丘が死の丘と呼ばれる由縁であろう。
その様子を見るだけでも、理性あるものならば近づくことを避けるだろう。
大きな礼拝堂の跡地に石の台座が見える。何かの祭壇だろうか。
台座の上に誰かが横たえられているのが見えた。
天使と死鳥がその周りを囲うように飛んでる。
まるで何かの儀式のようだ……
冒険者たちがそこに近づこうとすると、周囲の魔物が襲いかかって来た。
冒険者たちは礼拝堂の祭壇へと辿り着いた。
祭壇には少女が横たえられていた。
少女を生贄に捧げる儀式に見える……
台座の前には悪魔が立っていた。
冒険者たちが近づくと悪魔は言った。
ベルファゴール:
「我が民を起こす儀を邪魔するか。知の使い方を知らぬ賢しい愚者よ。
己が望む平安の意味も分からぬ者よ。知恵の果実得た人の種よ。
お前たちには愚も知も必要ない。
死して知恵無き物へと還れ。
」
冒険の手記(全17)
かつてマレフィムの地には町があった。
そのマレフィムの丘には、教会に一人のシスターが住んでいた。
シスターは優秀な薬師であり、人々に薬を与えて多くの者を救っていた。
シスターの献身的な姿には多くの者は心をうたれ、教会に大きな礼拝堂が建てられるほどであった。
ある日、町に疫病がはやった。
シスターは懸命に病と闘ったが、その病を止めることは出来なかった。
同じ頃、一人の男がマレフィムに地下遺跡を発見していた。男は遺跡へ忍び込み、そこから宝を持ち帰っていた。
町に疫病がはやったのはその遺跡が発見されてからであった。
疫病の噂を聞いて王国の賢者アドワールが町にやってきた。
賢者アドワールは病の症状を見てすぐに言った。
『これは古代の呪いだ!この町の誰かが古代の墓を暴き、町は呪われた!』
それを聞いた遺跡荒らしの男は恐怖し、持ちだした宝を教会に隠した。やがて町の者たちは教会に宝があることを発見した。
そして古代の墓を荒らした犯人はシスターとされた。
シスターが古代の墓を暴いて宝を盗んだ。
それが原因で街には疫病がはやったのだ、と。
疫病の恐怖に怯えていた人々は、今までと態度が反転し、シスターに怒りをぶつけて罵った。
シスターは薬を操り人々を騙す魔女として弾糾され、処刑されてしまった。
町の人々は古代の呪いを怖れ、呪いはシスターにだけ降り掛かるように、と、古代遺跡から盗ってきた宝をシスターと一緒に埋葬した。
その後、賢者アドワールは開かれた古代遺跡を発見し、厳重に封印を施こした。
古代遺跡を暴くと疫病が発生することがあることを賢者アドワールは知っていた。
賢者アドワールは古代の呪いを解いたことを人々に伝えた。
やがて疫病は終息していき、人々は賢者アドワールを讃えた。
しかし事態はそれで終わらなかった。
少しの後、町には再び疫病が流行り始めたのだ。
賢者アドワールは病を見て困惑した。その症状は以前の病とは違い、マレフィムの土地にある風土病に似たものであった。
更にその病で死んだ者の多くはアンデッドとなり暴れはじめた。
そしてもう一つの出来事があった。
古代遺跡を暴いた男が捕まり、真相が明らかになったのである。
シスターには罪は無く、懸命に疫病を食い止めようとしてくれていたことが判明した。
人々は悔やみ、シスターを丁寧に弔おうとした。
シスターは罪人の墓地に埋められており、そこは普段は誰も訪れない場所であった。町の人々は改めてシスターの墓を建てようと墓地を訪れた。
しかしそこで驚くべき光景を見た。
墓は掘り起こされ、シスターの遺体が無くなっていたのだ。
最初は盗掘であろうと思われていた。
古代遺跡から持ち帰った宝がシスターと供に埋められていたからだ。
しかし掘り起こすと宝はそのまま残っており、持ち去られていなかった。
その後もマレフィムの疫病は止まらなかった。
賢者アドワールは懸命に病を止めようとした。
アドワールは過去にも幾度か古代遺跡の瘴気による病を見ており、疫病を食い止める方法を知っていた。
しかし、その病を止めることは出来なかった。
町は疫病の恐怖に覆われ、人々の心は荒廃していった。
そして、いくつかの噂が広がり始めた。
シスターの墓を確認した者の一人が言った。
『墓は内側から掘り起こされていた…』
またある者が言った。
『教会で薬を調合しているシスターの姿を見た…』
そして、誰かが言った。
『疫病はシスターの呪いだ!』
やがて賢者アドワールが疫病に倒れ、亡くなった。
賢者アドワールは最後の時に言った。
『これは遺跡の呪いでも、風土病でもない… 至急、王に報告を… 必要なのは医者ではなく、兵だ……!』病気に対して兵士を要請した賢者アドワールは、病により気が狂ったのだと報告された。
町の人々は絶望に覆われていた。
人々はマレフィムの丘にある教会で祈りを捧げた。
シスターに許しをこうた。
しかし、疫病は止まらなかった。
周囲の町に逃げたものはその様を伝えた。
しかし逃げた者もやがて発病して倒れ、疫病は周囲の町にも広がり始めた。
疫病はまたたく間に周辺地域を飲み込んでいった。無数の土地から人々が消え、代わりにアンデッドが徘徊する廃墟が出来た。
ようやく事の異常に気付いた王国は、疫病に対して医師ではなく兵隊を送り出した。
王国軍は廃墟を徘徊するアンデッドの駆逐にあたった。
アンデッドは知性が低く、徘徊するだけであり、統率のとれた王国軍の敵ではない。
しかしこの戦いは予想外の反撃を受けることになった。
そこにはアンデッド軍団を指揮するシスターが居たのだ。
その戦いは周辺地域を巻き込み、アンデッド軍団と王国軍との激しい戦争に発展した。
かつての敬虔なシスターを知っている者はそれを否定した。
シスターの薬師としての名声は周辺にも及んでおり、シスターに病を治してもらった者が各地に居た。
また、疫病はマレフィムの土地に因がある風土病だと唱える学者もいた。
しかし人々には魔女に対する恐怖が過去から根付いており、シスターは『マレフィムの魔女』と呼ばれるようになった。
多くの謎を残しながらも、その後は病や呪いを怖れてマレフィムには誰も住まなくなった。
☆リッチー