【アバンの書】

Last-modified: 2022-03-02 (水) 06:15:47

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場した重要アイテム。
【アバン】が後世のために残した手書きの本で、武芸について記した「地の章」、闘気の技や呪文をまとめた「海の章」、心の持ちようを論じた「空の章」からなる。
 
【ダイ】【竜の騎士】だと知った【マトリフ】は、精神的な壁に突き当たるであろう彼のためにアバンの故郷である【カール】を訪れ、図書館からこの書を見つけ出した。
その後、【バラン】との戦いで疲弊しきっていたダイ一行を【ハドラー】【ザボエラ】が暗殺しに来たのを食い止め、空の章を読むよう促して手渡している。
マトリフの示した空の章には

「…傷つき迷える者たちへ… 敗北とは 傷つき倒れることではありません そうした時に 自分を見失った時のことを言うのです」
「強く心を持ちなさい あせらずにもう一度じっくりと自分の使命と力量を考えなおしてみなさい 自分にできることはいくつもない」
「一人一人がもてる最善の力を尽くす時 たとえ状況が絶望の淵でも――必ずや勝利への光明が見えるでしょう…!」

と書き記されており、このアバンの言葉によってダイは悩みを吹き飛ばし、その場に居合わせた【ポップ】【ヒュンケル】も励まされ、レオナも自身でやるべきことを見つけている。
 
中でも、バラン戦で【鎧の魔剣】を失うと同時に【鎧の魔槍】を得ていたヒュンケルは短期間のうちに書を読み込んで、戦闘スタイルをアバン流刀殺法から槍殺法に大転換する修行を決意している。
「一人の武人としてまみえたかった」とアバンの心に感じ入っていた【クロコダイン】からは修行に書を持参してはどうかと薦められたが、「オレが持ち歩くには少々重すぎる本だ」と漏らし「ダイたちにこそふさわしい…」と彼らの元に残して旅立った。
槍の極意とは別に、「これだけは真似できぬ」と認識しつつ奥義である【無刀陣】も学び取っていて、バランとの対峙や【ヒム】との戦いに活用している。
 
ダイは難しい文字が読めないため【レオナ】【ノヴァ】に読んで貰う必要があったものの、ノヴァとの修行時には書の内容を再確認しながら【アバンストラッシュ】の撃ち方の使い分けを学び、新必殺技「アバンストラッシュX(クロス)」を編み出している。
 
バーンをも恐れさせた「仲間を成長させる」アバンの力が集約された書物と言っても良いだろう。

余談

マトリフが言うには、この本があった図書館はカール王国滅亡時に焼失していたらしい。
幸いにもアバンの書は宝箱に保管されていたため、超竜軍団に襲われた後にも燃えずに残ったのだろうとのこと。もし【バラン】がドラクエプレイヤーのように隅から隅まで探索するタイプだったなら、この本がダイ達の手に渡ることはなかっただろう。
 
モデルは宮本武蔵の記した兵法書「五輪書(ごりんのしょ)」だろうか。
五輪書も地~空の5巻で構成されており、空の巻では武道の真髄を簡潔に語っている。興味のある人は読んでみて欲しい。