流体ネットワークは、液体や気体を扱うための流体用ネットワークである(以下、液体・気体は流体と総称する)。
液体と気体の間に、ゲーム上の性質に違いは無い。貯蔵タンクのグラフィックが少し違うだけである*1。
流体は通常のアイタムと異なり、そのままではプレイヤーが持ち運んだり搬送ベルトやチェストで扱ったりすることはできない。流体を扱うには、専用の施設を用意する必要がある。
アイテム
流体そのものは資源として「水」「原油」、加工品として「蒸気」「重油」「軽油」「石油ガス」「潤滑油」「硫酸」がある。
流体を通すもの
全ての流体の制御・移動・貯蔵に用いる
パイプ (Pipe) | 流体を通す管。容量100、流速はこちらを参照。 真っ直ぐに並べると窓がついて中身と流れが見える | |
地下パイプ (Pipe-to-Ground) | 地下を通して障害物を跨いだり、邪魔にならないようにする 最長で10マス先までつながる(間9マス) 流速はこちらを参照。 | |
ポンプ (Pump) | 電力を使って流体を吸いだして送り出す。 流速はこちらを参照。 回路を利用して輸送を止めることもできる。 タンク貨車に流体を出し入れするのにも使用する。 ※「ポンプ」と「汲み上げポンプ」は全く別のアイテムなので間違わないよう注意。 | |
貯蔵タンク (Storage tank) | 流体を25,000ユニットまで貯蔵できるタンク 接続口は、片方の対角線のコーナー2箇所に2つずつ(合計4つ)ある。 | |
タンク貨車 | 流体を運べる鉄道車両。容量25,000。 ポンプを使って注入/排出を行う |
- パイプの上を歩くことはできない。プレイヤーにとっては通行の邪魔で、敵にとっては簡素な防壁になる。地下パイプを使えば邪魔にならなくなる。
- パイプは四方の隣接するパイプ/パイプ用出入口と接続するが、地下パイプは一方向ずつ、ポンプは前後2方向、貯蔵タンクは対角の隅から上下左右へ各方向1マスずつにしか繋がらない。
(パイプの配置が隣接してしまうが繋げたくない場合は地下パイプやポンプを使う手がある) - 地下パイプは地下ベルトと同様に、
- 直線にしか繋がらない
- 直角に交差しても問題ない
- 反対側への接続は一番近い繋がる所へ繋げる(2セット以上を重ねて通すことはできない)
- 設置時に左クリックを押しっぱなしで最大距離で設置
流体を生産・処理する施設
流体を生産したり流体を消費して生産を行う。
汲み上げポンプ (Offshore pump) | 湖から水を生産する(生産1200/s)。電力は不要、水源は無限 水辺にしか配置できない。持つと設置可能な場所が表示される。 設置した水辺を埋め立てると「井戸ポンプ」に変更される(性能の変化はない)。 ※「ポンプ」と「汲み上げポンプ」は全く別のアイテムなので間違わないよう注意。 | |
電気ネットワーク・原子力ネットワーク | ||
ボイラー (Boiler) | 燃料を消費して水を蒸気(165 ℃)へ変換する 最大変換 60/s、熱量換算で 1800 kW 汚染の主要発生源の1つ。設置場所が悪いと大襲撃を招く。 | |
蒸気機関 (Steam engine) | 蒸気(通常は 165 ℃)を消費して発電する 最大消費 30/s、熱量換算で 900 kW | |
熱交換器 (Heat exchanger) | 自身の温度が 500 ℃ 以上の場合のみ稼働する。 熱を消費して水を蒸気(500 ℃)へ変換する 最大変換 103.09/s、熱量換算で10 MW | |
蒸気タービン (Steam turbine) | 蒸気 (通常は500 ℃)を消費して発電する。 最大消費 60/s、熱量換算で 5.82 MW。 | |
石油関連施設 | ||
油井 (Pumpjack) | 油田から原油(Crude oil)を汲み上げる。 油田の上にしか配置できない。 | |
原油精製所 (Oil refinery) | 原油などを石油ガス(Petroleum gas)・軽油(Light oil)・重油(Heavy oil)に精製する。 | |
化学プラント (Chemical plant) | 原油から精製された流体を加工し、さらにその加工品も再加工する。 | |
その他 | ||
組立機2/3 (Assembling machine) ※1では不可 | 一部のレシピでは流体も扱う。 流体を要求する場合パイプの接続口が開くのでそこに流し込む。 また、流体を空のドラム缶に詰めたり、ドラム缶から中身を取り出したりもできる。 | |
ドラム缶(Barrel) | 組立機で流体を注入し「固体」の状態に変換する素材。 固体のドラム缶は持ち運び、組立機を使ってドラム缶から流体を取り出して使用できる。 中身を出した後のドラム缶は再使用できる。 | |
電動掘削機 (Electric mining drill) | ウラン鉱石の採掘時に限り、電動掘削機に硫酸を入れる必要がある。 鉱脈など採掘場所の上にしか配置できない。 | |
火炎放射タレット (Flamethrower turret) | 原油/重油/軽油いずれかを燃やして攻撃するタレット。 油を消費するので配管が必要。 |
流体の基本ルール
- プレイヤーやロボットは流体を直接持ち運べない。パイプなどの流体専用の施設の中でしか存在できない。
- 流体を含んだ状態の施設を撤去すると、中の流体は隣接した施設に逃げる。それができない場合、流体は消える。隣接した施設があっても、スペースの上限を超えた分は消える。なので、内容物が欲しい場合は、ポンプと臨時タンクで保存する必要がある。
- 本当に隣接した施設だけが対象。例えばタンク→パイプ10個のラインの場合、タンクを撤去すると、すぐそばのパイプ1個(容量100)だけが対象。
- 流体を含んだ状態の施設を撤去すると、中の流体は隣接した施設に逃げる。それができない場合、流体は消える。隣接した施設があっても、スペースの上限を超えた分は消える。なので、内容物が欲しい場合は、ポンプと臨時タンクで保存する必要がある。
- 1系統のパイプラインは1種類の流体しか扱えない。
- パイプラインの内容物を固定して混ざる事を防止するため、どんなに吸い取られても、中の流体は手動で廃棄しない限り最低でも0.1残る。
- 2種類以上の流体が混ざるようにパイプを設置しようとしても「流体を混合できません。」と出て設置できない。
- 上記制限を回避してパイプを設置する方法もあるが、2種類の流体が混ざった時点で流体が流れなくなるので実用はできない。
- コンベアベルトと異なり、パイプには向きが無い。
- 生産する施設が排出口から流体を押し出し、流体を消費施設が吸入口から流体を吸い込む。
この力でパイプ内を流体が流れる。
これだけだけでは流速が足りない場合、ポンプを使うと流速が向上する。
- 生産する施設が排出口から流体を押し出し、流体を消費施設が吸入口から流体を吸い込む。
- 回路ネットワークと併用すると、ポンプをバルブとして使用できる。詳細はこちらを参照。
- 流速(流体の移動速度)については、こちらを参照。
- 流体の量は0.1以下の小さい単位まで管理されている。
パッチノートによると流体の単位はリットルらしい。そのためか、流体の量は固体と違い最小単位は1個ではなく、小数3位(ミリリットル)まで細かく管理されている。
- 流体の量の表示が0.0でもアイコン自体が無い無表示でなければ中身があることを示している
- 表示数値は100未満なら小数第一まで表示。100以上で小数表示無し、1000以上で0.1k単位で表示
- 小数の表示は小数第二位で四捨五入されており、0.05なら0.1、0.0499...以下なら0.0となる
- 「99.95以上、100.00未満」の場合は100.0と表示されるらしい
- またk単位表示も同様に第二位=10の位で四捨五入で表示。1250なら1.3k、1249...だと1.2k
- 回路ネットワークへ送信される数値は現在の値の小数第一位、0.1の位で四捨五入された数値である
- 例えばタンク側では「9.5」と表示されていても、回路ネットワークへ繋いだ場合
9.45~9.49では回路Nへは「9」、9.50~9.54なら「10」を回路Nへ送る - とても少ない誤差ではあるが、回路を組む際には少し注意したい
- 例えばタンク側では「9.5」と表示されていても、回路ネットワークへ繋いだ場合
- 表示数値は100未満なら小数第一まで表示。100以上で小数表示無し、1000以上で0.1k単位で表示
- 貯蔵設備をクリックして中身を見る場合、カーソルを数字に合わせると小数3位まで表示される。
- 流体の量の表示が0.0でもアイコン自体が無い無表示でなければ中身があることを示している
パイプの流速
パイプやタンク内の流体は、圧力の高い方から低い方に向かって流れ、その流速は圧力差に依存する。
圧力は、各パイプやタンクにおける「内容量/容積」と規定されている。
その結果、以下の性質を持つ。
- ラインの立ち上げ直後などでパイプライン中の流体が少ない場合、十分に流体が貯まるまでは流れが遅くなる。
- パイプが長いほど流れが遅くなる。
- パイプの90°カーブなどは、流速の低下要因にならない
単純な「ポンプ-パイプ-ポンプ」の並びの場合、パイプの長さと流速は以下の関係になる。
- 短距離
パイプ(セル) 最大流速(/s) 備考 1 6000 2 3000 実用最大流速 3 2250 4 1909 8 1434 12 1285 16 1212 汲み上げポンプ1台分 - 中長距離
-
パイプ
(セル)最大流速
(/s)パイプ
(セル)最大流速
(/s)パイプ
(セル)最大流速
(/s)1 6000 24 1141 198 1012 2 3000 28 1120 199 1008 3 2250 32 1105 200 1004 4 1909 40 1085 208 971 5 1714 48 1069 224 912 6 1588 56 1059 256 813 7 1500 64 1052 320 668 8 1434 96 1034 384 567 10 1344 128 1026 448 492 12 1285 160 1021 512 435 14 1243 192 1017 640 353 16 1212 194 1017 768 297 18 1188 195 1017 1024 226 20 1169 196 1016 2048 115 22 1153 197 1016
このグラフからも分かる通り、197セルを超えると急激に流速が下がる。
中規模発電所用の水など、1000/s近い流速が必要な場合はポンプ同士の距離を197セル以下にしよう。
なお、地下パイプは出入り口のみが長さにカウントされる。
例えば、「ポンプ - 地下パイプ出入口 - 地下5セル - 地下パイプ出入口 - ポンプ」の場合、パイプの長さは2である。
この仕様を利用すると、最大3000/sの流体をパイプライン1本で無理なく搬送できる。
パイプ・タンクの流量問題
液体輸送の途中にタンクを入れると、「貯蔵タンクに10000も入っているのにパイプへ流れる量は40ほどしかない」といったことが起きる。
これは、タンクの容量の大きさと圧力の仕様に起因している。
すなわち、パイプラインでは互いの圧力(容量の割合)を均すように流れるので、貯蔵タンクに10000 (最大容量の40%) 入っているなら、パイプに流れる量は40 (パイプの最大容量の40%) 程度になる。
イメージとしては、下図のようになる (P: パイプ)。
100%↓ | 貯蔵タンク | P |
80%↓ | ||
60%↓ | ||
40%↓ | ||
20%↓ | ||
0%↓ |
貯蔵タンクから全量を取り出したい場合、ポンプを使って押し出そう。
ボイラー等の場合
ちなみにボイラー(水側)や蒸気機関などは200の容量を持っているが、パイプなどとは扱いが少々異なる。
これらの施設は自身が消費するために流体を引き込む性質がある。
具体的には、施設内の流体の数値から100を差し引いてから隣接するパイプやタンクと圧力比較を行う。
そのため、例えば水が120入ったボイラーと隣接するパイプが同じの圧力になるのはパイプ内の水が20の時である。
100%↓ | パイプ | ボイラー | |
80%↓ | パイプが20で安定する状態では | ||
60%↓ | |||
40%↓ | |||
20%↓ | |||
0%↓ | |||
-20%↓ | × | ←ボイラーなどは120入っている | |
-40%↓ | |||
-60%↓ | |||
-80%↓ | |||
-100%↓ |
流体挙動の詳細
- 流体は隣り合った施設と圧力の差(≒容量の割合の比)に合わせて動く。
差が大きいほど近づくのが早く、差が限りなく少ないと変化しなくなる - 加えてパイプ内では流れる量に応じて「流れる勢いのような性質」が加わる。
(パイプの窓から「流れる方向」を確認でき、強い流れが止まると波のように往復する)- この性質によって流体は流れる
- 「片方で生産して片方で消費する」という状態では生産側で量が増えて消費側は量が減るため、基本的にパイプの中身は生産側から消費側へ流れる
ただ通常一方向へ動いているように見えても状況が変われば流れは止まったり逆流したりもする - なお貯蔵タンクでは容量が大きすぎるせいか流れるような動きは見られない
- 「片方で生産して片方で消費する」という状態では生産側で量が増えて消費側は量が減るため、基本的にパイプの中身は生産側から消費側へ流れる
- 自然に流体の動く速度・流れる速度には限度があり容量が多い場合は均すまで時間がかかる
その性質上長いパイプだと流れが遅くなり、特に少ない流量だと流れがほぼ止まる。
消費より流量の方が多ければ気にする必要はないが、
流量が少ない・消費が多いといった場合はポンプが必要になる。- パイプは最大流量およそ6000/sだが自然に流れる量はそれほど多くない。
毎秒12000/sのポンプを前後に配置することで6000/s近くの流量を確保できるが、
「ポンプ→パイプ・パイプ→ポンプ」と2マス並べると流量は激減しおよそ3400/sくらいに落ちる
たった1回分の自然移動を挟むだけで最大流量から2割以上流量が減る。(2回以上、3マス以上のパイプではそれほど下がりはしないが、間3マスでおよそ2.5k、4マスでおよそ2.2k、5マスでおよそ2kと確実に速度は減る。)
特に発電で「遠くから水を引いてきて毎秒数千単位で消費する」といった場合はパイプの構成に要注意。 - 地下パイプは地上に出ているパイプ2本分の扱いのため前後にポンプを置いてもおよそ3400/sほどの流量にしかならない。
(反対に言うと地下パイプは最大限伸ばしてもパイプ2本分の扱いで、単純にパイプを並べるより流体の流れを抑えにくい)
- パイプは最大流量およそ6000/sだが自然に流れる量はそれほど多くない。
- 割合の性質として、例えば中身が100のパイプとつながった中身が50のパイプがあると、同じ割合に均されてほぼ75ずつのパイプになろうとする
この「量ではなく容量の割合」という性質は容量の大きいタンクと小さいパイプを繋げると露骨に出る
>公式フォーラムの0.15流体力学の情報の図が分かりやすい- 例えばタンクに10000入っている場合、自然にパイプへ流れる量は40ほどしかない。
中身の量は大きく異なるがどちらも同じ割合だ。詳しくはパイプ・タンクの流量問題]で
この問題がある為、貯蔵タンクはなるべく出し入れにポンプを繋いで使うこと
- 例えばタンクに10000入っている場合、自然にパイプへ流れる量は40ほどしかない。
- ちなみにボイラー・熱交換器などは「一定量の水をパイプから吸い取る」性質があり、
ポンプは「流体を吸い出す/一定以上ならやや高い圧力で押し出せる」性質がある
また生産施設は消費する流体を吸い取り、また生産した流体はパイプへ押し出す- なおポンプも圧力の差の影響を大いに受ける
例えば自身の割合(量)に比べて、押し出す側の割合が大きいと流れが遅くなる
場合によってはポンプの中に中身が残ることも
- なおポンプも圧力の差の影響を大いに受ける
- この性質によって流体は流れる
- 流体の入った施設を撤去すると、パイプなど逃げ場があればそこへ移るが
逃げ場が無い・逃げ場があっても容量が足りない分などは消失する。- 繋がったパイプを撤去すると、隣り合うパイプに中身が移る。
しかし「80の中身が入ったパイプ同士」などの容量を超える場合は超えた分が消える。 - 特にタンクは容量が大きく、安易に撤去すると大量の流体が消失する
- なお流体が逃げるのは撤去した場合。破壊された場合はそのまま中身ごと消える。
- 繋がったパイプを撤去すると、隣り合うパイプに中身が移る。
(以前の異なる流体の共有パイプによる問題はv0.17で接続不能の仕様になった)
- なおタンク貨車に対するポンプは
「タンク貨車の中身がパイプの予定流体と異なる種類の場合に接続しない」という動きをする。- 流体を搬出する駅で1両に対して異なる流体ラインにつなげたポンプを用意した場合、
タンク貨車の中身を自動判定をして、適正なポンプだけが伸びる
- 流体を搬出する駅で1両に対して異なる流体ラインにつなげたポンプを用意した場合、
パイプライン以外の流体輸送方法
パイプを伸ばし、その中を通して移動させる以外にも流体を動かす方法はある
- ドラム缶に詰めて運ぶ → 詳細は下記参照
- タンク貨車に詰めて運ぶ → 詳細は列車ネットワークを参照
ドラム缶は、中に流体を充填することで、これを固体同様に運搬できるようにするための容器である。
この搬送・物流の大まかな流れは以下の通りである。
ドラム缶を生産する | ||
↓ | ||
組立機2か3を使い、流体をドラム缶に詰める | ||
中身入りドラム缶はを固体として運ぶ | 循環 | ↑再利用 |
↓運搬 | 空になったドラム缶を返送する | |
組立機2か3を使い、ドラム缶から流体を取り出す |
- 利点
- 固体アイテムになるので、プレイヤーやロボットが持ち運べる。
そのため、臨時の利用や極少量の利用に適している。 - 欠点
- ドラム缶を用意する手間やコスト、出し入れに組立機を通す手間がかかる。
さらに、ドラム缶の返送も必要になるので、ベルト搬送との相性は意外と悪い。
そのため、大量に扱うことには適さない。
短距離なら通常のパイプやポンプ、長距離ならタンク貨車の方が効率的である。
また、高温高圧のためか、蒸気を扱うことができない。 - 補足
- ドラム缶1個に流体50が入る
- ドラム缶は10個で1スタック
- 出し入れ速度は組立機2で流体187.5/s、組立機3で流体312/s
- 用途例
- 火炎放射タレット用に原油等を少量運ぶ
- 石炭の液化のスタートアップ用に重油を少量投入
- 物流ネットワークの物流ロボットによりパイプを使わず工場内へ運ぶ
- 配管スペースを節約ができるが、物流システムの解禁は研究後半なのがネック
特殊用途
- 多種類の流体を搬送ベルトで運ぶ
- 3種類以上の流体をドラム缶に詰めて1本のベルトで運べば、空缶返送用のベルトを踏まえても省スペースになることがある。
- 生産量の制限
- ドラム缶による輸送では流体量がドラム缶の数で制限される。
例えば、ドラム缶ラインで20個を使いまわすなら、工場へ流れる流体の量がドラム缶20個分までに抑えられる。
この量は、搬送距離がいくら長くなっても変わらない。
そのため、在庫を少量に抑えたい場合 (大抵は潤滑油) に有用である。
- ドラム缶による輸送では流体量がドラム缶の数で制限される。
- 少量生産品の長距離輸送
- 生産量に対して次までの距離が遠すぎる場合でも50単位で確実に運ぶことができる
(パイプラインは流量が少ないと滞る・タンク貨車は確実だが設備が大きくなる)
- 生産量に対して次までの距離が遠すぎる場合でも50単位で確実に運ぶことができる
- 貯蔵スペースの圧縮、超高コスト省スペース化
- 貯蔵タンク1杯分25,000の貯蔵に、ドラム缶換算で鋼材500個分が必要になるが
ドラム缶なら鋼鉄製チェスト1個につき合計24,000の流体(ドラム缶480個分)が入る
貯蔵スペースの比較として、貯蔵タンクの面積は3x3(ポンプ付き3x5)に対し
チェストならインサータ付き1x2・物流チェストであれば1マスと数倍の容量となる
- 貯蔵タンク1杯分25,000の貯蔵に、ドラム缶換算で鋼材500個分が必要になるが
- 多種類の流体を搬送ベルトで運ぶ
発電(電気ネットワーク)
火力発電や原発は蒸気の力を使う。
そのため、水と蒸気を扱う流体ネットワークを構築する必要がある。
扱う流体の種類が少ないかわりに流量が大きいので、多くのパイプラインやポンプが必要。
ボイラーによる発電は電気ネットワーク、原子力発電は原子力ネットワークを参照。
- パイプラインが長い時はポンプを!
- 発電は水の消費量が多いので、十分量の水を汲み上げていてもパイプがボトルネックとなって最大出力を出せないことがある。
パイプの理論最大流速は6000/sだが、これはパイプとポンプを交互に配置した場合しか出ない。
実用的な中長距離配管は最大流速1000~3000/s程度、状況によってはそれ以下にもなりうる。
したがって、発電施設など水を大量消費する場所の供給パイプは、十分な流量が確保できているか確認する必要がある。
石油処理
流体ネットワークのメインイベント。
原油処理技術の解禁によって「原油」を元とした様々なアイテムの開発・生産が可能になる。
大まかな流れとしては、
- 油井で原油を抽出する。
- 原油を原油精製所で精製する。
- 生産された各石油製品を化学プラントで再加工し、石油化学製品を生産する。
- 以下、同様に組立機や化学プラントで加工を続ける。
発電の流体ネットワークよりも扱う流体の種類が多く、管理が煩雑になる代わり、流量はそんなに大きくない。
なお、石油関連のレシピでは水も多用するので、無理なく水を用意できる位置が望ましい。
建設には大量にパイプ・地下パイプを使うのであらかじめ用意しておこう。
更に、フローコントロールや製品の貯蔵のため、ケーブル・ポンプ・貯蔵タンクもある程度用意しておくと良い。
油井
油田の上に設置する、原油採掘施設。
油井で採掘した原油はパイプなどを使って次の工程へ運ぶ。
油井の出口はRキーで変更できる(4方向の計4種類のみ)。
原油の産出量
油田では、パーセント単位の「産出量」が埋蔵量の代わりになる。
この産出量で油井からの原油生産量が決まる。
具体的には、10/s×産出量/100% になる。
原油の採掘を続けると油田の産出量は低下していき、最終的には20%か最初の1/5の内の高い方まで落ちる。
この産出量(現在地)が油井のUIに表示されるが、この数値は研究「掘削効率」やモジュールを考慮していないことに注意が必要である。
産出速度の制限が厳しめな一方で、通常の鉱石と異なり完全に枯れて無くなることは無い。
そのため、貯蔵タンクを多めに用意して油井が止まらないようにすると、累計産出量を稼ぎやすい。
油田は、生成時に百分率で表す産出量が決まる。
油井などの採掘設備は、一回の作業で(基準値×産出量)の資源を抽出する。原油の基準値は10なので、150%の油田なら一回の作業で原油を15抽出する。
隠しデータとして、油井自体は1000まで産物を貯蔵できる。そのため、産出量が10000%以上になっても、一回の作業で産出量が1000を超えることはない。
モジュールなどの影響がなければ、油井の生産速度は1回/秒です。モジュールがつければ速度が変わる。
油井が300回作業する度、油田の産出量が1%減る。モジュールなしの状態なら5分ちょうど。
油田の産出量には下限が存在する。「産出量が生成時の1/5以下になる」と「産出量が20%以下になる」のいずれかを満たした時、産出量が固定されてそれ以上減ることがなくなる。
そのため、生成した時に産出量が20%以下の場合以外、油田の産出量が20%以下になる事はない。
Modによって追加される無限資源もこのルールが適用される。基準値、産出量、減る頻度や下限などの数値はModの設定による。
原油精製所
油井から採掘した原油を石油ガス・軽油・重油に精製・分離する施設。
サイズが5×5と大きく、パイプの入口2つ、出口3つある(ALTキーの詳細表示で確認可能)。
最初にアンロックされる「基本的な石油加工」では入力・出力ともに1種類のアイテムだが、後ほどアンロックされる「発展的な石油化工」では入力2種類・出力3種類になる。
原油精製所の建設・レシピ設定は、以下の手順で行う。
- 原油精製所を建設し、レシピを選択する。
- 必要な液体の入ったパイプを入口へ接続する
- 生産物が所定の出口から出てくるので、そこからパイプを伸ばして次の工程へ運ぶ。
- 基本的な石油加工:原油から石油ガスを生産する
- 発展的な石油加工:原油と水から石油ガス・軽油・重油を生産する
発展的な石油加工では、生産した流体が1つでも詰まると生産が停止して他の2つも生産できなくなる。
したがって、必要な流体が1種類のみの場合、他の流体の処理方法を考えるか貯蔵タンクに貯める必要がある、
また、水の入口は左側・原油の入口は右側で、入れ替えることはできない。
重油 | 軽油 | 石油 ガス | ||
水 | 原油 |
また、工場が拡大してくると原油精製所は大抵多数並べることになる。
原油精製所の横の方を開けておくと、必要な時に追加で並べることがしやすい
この時、パイプ同士を隣接させると自動接続されてしまうため、各流体のパイプは間を空ける必要がある*2
パイプのスペースが思いのほか大きくなりがちなので。原油関連施設は建物同士の間隔に余裕を持たせて建てよう。
応用技術:石炭の液化
原油処理技術系の研究を進めると、石炭の液化がアンロックされる。
このレシピでは、石炭・重油・蒸気から重油・軽油・石油ガスを生産する(重油の収支は黒字)。
蒸気は水と石炭から生産できるので、実質的には石炭を消費して石油製品を生産するというものである。
石炭は石炭で用途があるので、石炭と原油の需給バランス次第で採用価値が大きく変わる。
原油が足りない(油田が少ない)場合に限って採用すること基本になる。
また、本レシピのアンロック後も石炭火力発電を使用する場合、石炭を液化を経由して固形燃料にすると熱量がおよそ2倍に増える。
汚染が増えるが、石炭の消費量を大幅に抑制できる。
蒸気を大量に消費するので、ボイラーで蒸気を生産すると汚染が結構増える*3。
しかも、ボイラーはエネルギー効率モジュールによる汚染軽減ができない。
そのため、汚染コントロールを重視する場合は原子力ネットワークから蒸気を調達する選択肢もある。
マラソンモードの場合、軽量化素材のプラスチック棒の要求量は5→30になるので、終盤で石油ガスの需要が膨れ上がる。
その結果、原油だけでプラスチック棒を量産するには無理が出てくる。
更に、石炭需要の大半はプラスチック棒の生産である。
そのため、石炭鉱脈に液化プラントを立て、石炭を全て石油ガス経由でプラスチック棒を生産するのが有効である。
必要な輸入品は水または蒸気だけなので、物流も便利。
化学プラント
石油製品はまだ初歩的な中間生産物で、直接生産に使うことはできない。そのため、更に化学プラントで加工する必要がある。
基本的な操作は石油精製所と変わらないが、レシピが多様なので出入口と流体の種類との対応関係を忘れずに確認しよう。
また、一部レシピは固体の入力・出力も必要になる。
この場合は、組立機同様にインサータで出し入れする。
重油・軽油の分解:石油ガスの加増
重油/軽油/石油ガスの中で最も大量に使うのは石油ガスである。
一方、重油と軽油は固形燃料にして極端な量を燃やさなない限り余り気味になる。
- 重油
- 固形燃料(低効率) → 軽油と合わせてでロケット燃料
- 潤滑油 → 電気エンジンと超高速ベルト類
- 軽油
- 固形燃料(高効率) → ロケット燃料
- 石油ガス
- プラスチック棒 → 発展基板/軽量化素材
- 硫黄 → 化学サイエンスパック
- 硫黄 → 硫酸 → 制御基板/電池/ウラン鉱石採掘
- 固形燃料(低効率、普通は使わない)
特に、石油ガスの加工品から生産される「発展基板」は、上位のサイエンスパックを筆頭に様々な利用方法がある。
そのため、石油ガスは大量に消費される。
その結果、重油や軽油が詰まって原油精製所が止まることがある。
そこで、化学プラントでの油の分解が活躍する。
油の分解は、以下の2種類のレシピがある。
- 重油40 + 水30 → 軽油30
- 軽油30 + 水30 → 石油ガス20
このレシピにより、余りがちな重油や軽油を石油ガスに分解できる。
ただし、変換しすぎると今度は固形燃料や潤滑油が不足する。石油ガスが溢れて原油精製所が止まる恐れもある。
化学プラントの数を調整したり、ポンプと回路で優先順位管理をしたりしてバランスを取ろう。
回路で管理する場合、パイプ用の土地確保とパイプの誤接続には十分に注意する必要がある。
石油精製や石炭液化の生産速度と建物比率
石油ガス・軽油・重油を生産する時の生産量と必要施設数は、以下の通り。
生産量は、原油精製所1基あたり、モジュール不使用として計算している。
原油精製
生産方法 | 原料 (/s) | 生産物 (/s) | 施設数 | 施設比率例 (近似値) | |||||
原油 | 水 | 石油 ガス | 軽油 | 重油 | 原油 精製所 | 化学プラント 軽油→ガス | 化学プラント 重油→軽油 | ||
基本的な石油加工 | 20.00 | - | 9.00 | - | - | 1.00 | - | - | - |
発展的な石油加工 + ガス化 | 20.00 | 26.50 | 19.50 | - | - | 1.00 | 0.85 | 0.25 | 8:7:2, 12:10:3 |
発展的な石油加工 + 軽油化 | 20.00 | 13.75 | 11.00 | 12.75 | - | 1.00 | - | 0.25 | 4:0:1 |
発展的な石油加工 (単独) | 20.00 | 10.00 | 11.00 | 9.00 | 5.00 | 1.00 | - | - | - |
石炭の液化
生産方法 | 原料 (/s) | 生産物 (/s) | 施設数 | 施設比率例 (近似値) | ||||||
石炭 | 蒸気 | 水 | 石油 ガス | 軽油 | 重油 | 原油 精製所 | 化学プラント 軽油→ガス | 化学プラント 重油→軽油 | ||
石炭の液化 + ガス化 | 2.00 | 10.00 | 23.25 | 11.17 | - | - | 1.00 | *40.92 | 0.65 | 3:3:2, 12:11:8 |
石炭の液化 + 軽油化 | 2.00 | 10.00 | 9.75 | 2.00 | 13.75 | - | 1.00 | - | 0.65 | 3:0:2, 20:0:13 |
石炭の液化 (単独) | 2.00 | 10.00 | - | 2.00 | 4.00 | 13.00 | 1.00 | - | - | - |
バージョン変更点
- ver.0.18~1.0
- 汲み上げポンプの設置位置が水タイルから地面タイルへ変更。またグラフィックも変更された。
- パイプ・地下パイプ・貯蔵タンクのGUI(メニュー)に中の流体を消去するゴミ箱ボタンが追加
- ゴミ箱ボタンを押すと「繋がって流れる所の中にある全ての流体」を消滅させる。
- 貯蔵タンクには全ての流体を削除するボタンの他に、そのタンクの中身だけを消滅させるボタンが追加
- ver.0.17
- 各種原油精製のレシピが変更。 基本的な石油加工では石油ガスしか生成しなくなるなど。
- 中身が混ざってしまうようなパイプの接続はできなくなった。
- ver.0.16
- 汲み上げポンプ周りの環境が変更
- 汲み上げポンプを持つと設置可能場所が表示されるように
- 汲み上げポンプの大きさが変更され、前後で重なるような設置も不可能に
- 水辺の表示や判定も見直され、汲み上げポンプは(進入不能/他は設置不能な)水辺側に設置されるように
※ver0.15以前のセーブデータの場合設置位置が少しおかしくなるが機能に問題は起きない。
- タンク貨車の容量が25k×3つから「25kのみ」に変更。それに伴い素材も変更。出し入れ設備は変化無し。
- ドラム缶に出し入れする容量が250から50に変更され、注入時間も1秒から0.2秒に短縮。
- 汲み上げポンプ周りの環境が変更
- ver.0.15
- 流体全体の単位が10倍に(これまでの10が100に)
- それに伴い全体的に圧力など流体の動きに関する処理用のデータが調整
- 処理時間なども一部変化(化学プラントの分解処理が基本5秒/補正から基本3秒/補正に)
- 「小型ポンプ」が「ポンプ」に変更され、処理能力も向上
- 「蒸気」の追加と、それにより「ボイラー」の大きさ・性質が変化
- 旧小型ポンプ・ボイラーのある古いセーブデータを読み込むと新しいサイズに挿し変わるが、大きさ・性質が異なるためパイプのつながりが破綻する
- ドラム缶の出し入れがほぼ全ての流体に対応(蒸気を除く)
- 原油加工技術に「石炭の液化」が追加
- 流体全体の単位が10倍に(これまでの10が100に)