柳田國男〔オルタ〕

Last-modified: 2018-08-21 (火) 20:33:16

キャラシート

【クラス】キャスター
【真名】柳田國男〔オルタ〕
【容姿】和装のメガネおじさん
【英雄点】30点(ステ10点・スキル20点):令呪0画消費
【HP】5/5
【筋力】E:1
【耐久】E:1
【敏捷】E:1
【魔力】D:2
【幸運】C++:5
【スキル1】道具作成:E-
10点:移動フェイズ時、味方陣営1体のHPを(耐久値D6)回復する。
交戦フェイズごとに1回まで、味方陣営の任意の判定に補正値5を与える。
【スキル2】民俗学(歪):B
5点:交戦フェイズ中に相手前衛に対し、奇襲攻撃を行える。
【スキル3】無辜の怪物:B
5点:先手判定と奇襲攻撃時、ダイスの面数を1増やす。
【宝具】『民族創造・源郷探究』(そはげんそうせるやまとびとなり) 1/1
【ランク・種別】B+:対民宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1000人
【効果】移動フェイズ、または交戦フェイズに現在地で陣地を作成出来る。
交戦フェイズ中に作成した場合、交戦フェイズ終了時に消滅する。
陣地内では、先手判定時に補正値5を得る。また、敵陣営の前衛一体に対し、補正値5を得て奇襲攻撃を行える。
【属性】秩序・善・人 男性 人間

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【キャラクター詳細】
 明治初頭から昭和中期にかけて生きた、民俗学者にして国家官僚。
 その生涯を終えるまで、民俗学という新たな学問の振興に努め、後進の同学達に大いなる影響を与えた。
 著作『遠野物語』は、その名文と共に日本人の多くが知る名作であり、民の生きる世界を描き出した柳田は、まさしく、日本民俗学の祖にして大家と言えよう。
 “――否。否。否。否”
 
【パラメーター】

筋力■■■■E耐久■■■■E
敏捷■■■■E魔力■■■■■D
幸運■■■■■C++宝具■■■■■B+

 
【絆Lv.1で解放】
 身長/体重:164cm/46kg
 出典:史実
 地域:大日本帝国/日本国
 属性:秩序・善・人 性別:男
 別側面としての召喚。彼のこの姿を知るものは、多いとは言えない。
 
【絆Lv.2で解放】
 ――多くの人々が抱く、“柳田國男”という人物へのイメージとは裏腹に、この霊基における彼は、民俗学という学問について語りたがることはない。
 自罰的に、己の功績を嘲りながら、彼は嗤う。そも、「民俗学」とは何ぞや? 常民のあるがままの姿を以て歴史を探求するという定義に対し、彼自身が達成した研究は、どれほど合致していただろうか?
 「私はあるがままを記録しなかった。私は常民全てを対象としなかった。私は歴史を探究しなかった。そら、これの何処が民俗の学問と言えるかね」
 国家官僚として、国家統治政策に関わったものとして。新時代に放り出された民の意識を統一する為に、それは行われた。現実から情報を選別し、そこから伝承を逆構築し、存在する筈のない“あるべき過去の姿”を創り出す。無数の異民族、アイヌや琉球、大陸に南洋の人々が混じり合って生まれた民を、“日本国に住まう日本国民”という虚構の母体で包括する為の手段。彼の民俗学とは、要するにそういうものであった。
 
【絆Lv.3で解放】
 ○民俗学(歪):B
  今そこに生きている人々の生活を記録し、これを以て過去の在り方を探らんとする学問。それに対する習熟、理解の程度を示すスキル。
  対面した相手の情報を蒐集することで、その存在がどのような文化圏にあるものかを識別する。場合によっては、真名を看破することすら可能。
  但し、この霊基ではこのスキルの効果は歪曲しており、意図的に情報を捨象することで、対象の文化圏に対する認識を偽装する――『対象の帰属文化への認識を、柳田の思う通りに書き換える』ものとなっている。
  文化に依存する土着の魔術体系を用いるもの、或いは地域に於ける知名度によって霊格を引き上げているものなどに対し、その効果を打ち消すデバフを付与する。翻って言えば、固有の文化・地域に依拠しないところまで魔術基盤や知名度が強固なものである対象には、殆ど効果は発揮されない。
 
 ○専科百般:C
  官職を転々としてきたことと、自身の幼年よりの能力による、複数の技能への習熟。
Dクラス相当のずば抜けた記憶能力、書籍の読解能力という生来の技能に加え、文芸創作、農政学、政治学、法学など、生前のキャリアに関する学問については、EからCクラス相当の習熟度を発揮する。
  柳田國男という人物を語る際に、彼が国家官僚であったこと、農政学者として国の施策に関わっていたことにまで言及するものは少ない。
 
【絆Lv.4で解放】
 『民族創造・源郷探究』
 ランク:B+ 種別:対民宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1000人
 そはげんそうせるやまとびとなり。
 民衆の無意識下で認識を規定する模倣子(ミーム)、即ち文化を書き換えることで、事象に対する認識を根本から変容する。但し、その為には柳田自身が認識を上書きするに足る説得力を有する文章を書き上げ、これを流布する必要がある。
 行使の形は幅広いが、一般的な聖杯戦争では、敵対サーヴァントに対する認識を一時的に書き換えるような文章を速記。戦闘領域内にそれをばらまき、擬似的な結界として対象の能力を削り落とす効果を発揮する。
 しかし、もしこの宝具の効果を完全に発揮できるような文章を柳田が書き上げ、そして広域に流布したとするのであれば、その影響は驚異的なものとなる。例えば――英霊一人を霊長の記憶から打ち消すことなど、容易いことだろう。
 
【絆Lv.5で解放】
 ○無辜の怪物:B
  日本民俗学の祖、遠野物語の著者。
  本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相をねじ曲げられたものの深度を指す。
  柳田の場合、それは“民俗学者としての幻想”から構築されている。
  その生涯の半ばほどを官僚として過ごしてきた柳田であるが、後世、彼を知るものが早逝し、自伝に於いても多くを語らなかったことから、彼の生涯は、ただ民俗を探求するためだけにあるものだとする認識が人口に膾炙し、それが彼という存在を逆立した。
  この点から、彼がサーヴァントとして召喚される際、属性反転の是非を問わず、必ず“民俗学”スキルが付与される他、習俗を基盤とする魔術の行使を可能とする“魔術”スキルが発現する。
  ――皮肉なものであろう。その功績を否定する反転召喚の状態でこそ、彼に向けられた“虚構”はより強い束縛として機能するのだから。
 
【幕間の物語『遠き野に落とした影』で解放】
 『生まれ消えゆく民草の生命を聞け』
 ランク:B+ 種別:対民宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1000人
 ねがわくはこれをかたりてへいちじんをせんりつせしめよ。
 通常の霊基で柳田が召喚された場合に有する宝具。確かに現存する常民――魔術という神秘を知らぬ民草の持つ文化を採録し、これに魔力を与えることで再現する。
 『民族想像・源郷探究』の対となるもので、認識のままに現実を歪めるのではなく、現実のままに認識を改変し、虚構を現象させる宝具である。
 ――柳田の死後、彼の研究を受け継いで、民俗学は更に展開した。無論、それは成否の両面を含むものではあったろう。しかし、それでも、彼が志したそれは、決して完全な間違いではなかったのだ。
 

セリフ集

●柳田國男〔オルタ〕
一人称:私 二人称:貴君、君 マスター:マスター
・キーワード
:民俗学者としてではなく、国家に仕えた官僚としての側面を強調された霊基。
:好々爺というよりは冷めた秘書のような性格。己の業績とされるものが植民地統治などの為に用いられたとし、それに追従した己自身を忌んでいる。
:本質的に、民俗に対する興味を失ったわけではない。しかし、それを探究した学徒として自分を称することは避けたがる。
:基本的なスタンスは、まさしく官僚。上司から降りてきた雑務を、確実に達成することをこそ是とする。
 

召喚「サーヴァント、キャスター。貴君の行いたる呪儀に応じ、身を晒した。この愚者の身、思うままに使い潰して頂こう」
レベルアップ「この身が、満たされるというのか」
霊基再臨「力を望まれるならば、応えよう。何。官僚とはそういうものさ」
「しかし、このような者を育てたとて、詮無いことだと思うのだが」
「この装いには、或いは見覚えがあるのではないか? ……そう、か」
「……望むまま、それに応えてきた。だが、何故だろうな。同じ行為でも、君の為ならば、悪い気はしない」
戦闘セリフ
戦闘開始「死してから戦う機会があるとはな」
「ただの文官だ。期待はしないで欲しい」
スキル「皮肉なものだよ」
「もう少し煮詰めようか」
カード「承知した」
「こうだな」
「ふむ」
宝具カード「あぁ。精々、歪めてやるとも」
アタック「咒よ」
「符よ」
「幻よ」
EXアタック「これぞ民の在り様だ」
宝具「創造された共同幻想、いとも尊き虚構の真実。己の罪科に、私は灼かれよう。お前はもうこの世にいない……『民族創造・源郷探究』(そはげんそうせるやまとびとなり)」
ダメージ「がっ」
「これが戦闘かっ……」
戦闘不能「私のような人間には、相応しかろうさ」
「おさらばだ、マスター」
勝利「決着か。いざとなれば、呆気ないものなのだな」
「安らかにあれ。私には、そう祈ることしかできん」
マイルーム会話
「マスター。そろそろ出立だ。予定は私が組もう」
「一種の、識神に近い存在なのだろうか。個人的に興味はあるがね」
「あぁ、今の私は君に従うものだ。公僕……いや、単なる下僕だな。サーヴァントとは言い得て妙だ」
「文筆家という職業にとっては、何とも頭の痛い存在だが。棄ててはならないものでもあるのだろうな」(ナーサリー・ライム〔イマジナリ〕所持時)
好きなこと「……そうだな。ただ其処にある現実を、私はかけがえのないものと思うよ」
嫌いなこと「嫌うもの、か。私自身だと言いたいところだが……どうなのだろうな」
聖杯について「私の望みは、ただ、日本という国家の深層を、真相を明らかにすること。その為に――何もかもを捨象しない、完全なる記録を求める」
絆Lv.1「何か用だろうか」
Lv.2「……あぁ。君もその話をするのか。いや、いい。そうだろう。私という人間は、そうなのだろうさ」
Lv.3「私に功績などない。あるとすれば、それは過去を記録に留められたことだけだろう」
Lv.4「人は、私をFolkloreの学者だと云う。成る程、確かに、私はその様に称してきたとも。然し―――それは、私が被った、少しばかり上等で、人の耳目に心地よい、飾り立てただけの襤褸布に過ぎなかった」
Lv.5「そうだ……私は、始まりを知りたかったのだ。遠く、記憶の果てに霞んだ、辻川の小家の風景を。そして、それ以前の、嘗て確かにいた筈の遠祖の辿った道を」
イベント「祭事か。君も、ハレを楽しむといい」
誕生日「君が生まれた日なのだな。おめでとう。祝いの品は、生憎用意できていないが」
絆礼装
礼装名レアリティCostHPATK
懐かしき原景、蔽われた現景☆4(SR)9100100
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効果
柳田國男〔オルタ〕装備時のみ、味方全体のArtsを15%アップ。
新たな国家の確立の過程に、彼は関わり続けてきた。
郷里を離れ、家族を失い、養子として別の家に出された彼にとって、この新しい国家こそが、依って立つべきアイデンティティの一つだった。
だからこそ、彼は努めたのだ。彼が彼である本源を求め、その影を追い求め続けた。それを確立する為にこそ、彼は“民族”を創造し、“民俗“を想像したのだ。

だが――結局の所、それは必要ないことだったのかもしれない。
どれだけ探したとしても、彼の本当の世界は、彼の本当の郷里は、最早心の中にしかないのだから。

過ぎ去った過去を追い求める限り、人はそこに辿り着くことはできないのだ。