昇格エルビラ

組織から除名され、追われている赤ずきんエルビラが、新たな武器を手に入れて帰ってきた！

犯罪組織「溜池のスネイク」の構成員であったエルビラは、かつては、誠実に任務を遂行することで、ボスであるグランドマザーに認められ、組織の幹部になることを目標としていた。ところが、偶然出会ったガーディアンに戦いを仕掛けて敗北をしてしまったことで、目論見が破綻してしまう。一度でも、敗北した構成員は除名された上に処分されるのが「溜池のスネイク」の掟であり、それはたとえボスの孫娘であり最年少の幹部候補として将来を嘱望されたエルビラであっても、例外ではなかったのだ。こうして組織にいられなくなったエルビラは、己の運命を狂わせたガーディアンに付きまとい始めた。

ガーディアンの後をついて回ったことによって、図らずもエルビラは様々な経験をすることになった。これまで組織の任務で、モンスターを相手に賞金稼ぎをしてきたエルビラにとって、浮遊城と共に世界を巡る冒険は新鮮な衝撃であった。ガーディアンを中心に巻き起こる日々様々な出来事に退屈している暇などなく、やがてエルビラは旅そのものを楽しむようになっていた。次の冒険にはいつ出るのかと、ガーディアンを急かすようにすらなっていた。

ところが、ラー帝国へと発ったガーディアンはいつまで経っても戻ってこず、エルビラの日常は再び退屈なものに戻ってしまった。気を紛らわそうと、エルビラは真夜中に爆弾で花火をしたり人々にリンゴ爆弾パイを投げたりもした。だが、ガーディアンとの冒険の楽しさには遠く及ばず、ついに退屈に耐えられなくなったある日、エルビラは自らガーディアンを探しに行くことを決意し、浮遊城を後にした。そうして、ラー帝国に到着したエルビラであったが、ガーディアンを見つけるよりも先に、エルビラの行方を追跡していた「溜池のスネイク」の構成員に発見され追われる身となってしまう。エルビラは追手から逃れようと、遠く砂漠まで逃走するも、組織の執拗な追撃の果てに、砂漠の村で捕まってしまった。

構成員に始末されかけたエルビラであったが、偶然出会ったロゼッタによって危機を救われる。奇しくも、ロゼッタは自分と同じく「溜池のスネイク」の出身で、過去に除名されながらも、長きに渡り組織の追撃からしぶとく生き残っていた。これを知ったエルビラは、強くなるためにロゼッタの弟子になることを望んだ。エルビラからの弟子志願を、ロゼッタは断りはしたものの、エルビラの固い決意と目的を知るや、新しい武器と手紙を残していなくなっていた。新しい武器を手に入れ、強さを身につけたエルビラは、もはや逃げ回る必要はないと、襲撃してくる構成員たちを返り討ちにして、悠々と村を去った。

こうして、一段と成長したエルビラであったが、ロゼッタが貯め込んだツケを押し付けて行ってしまったために、今度は借金取りに追われる身となってしまう。エルビラは血眼になってロゼッタを探し回るも、毎回すんでのところで逃げられてしまい、さらに、行く先々でロゼッタがエルビラの名前でツケをしているせいで、借金が増えるばかりになっている。

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