【そらとぶくつ】

Last-modified: 2024-10-29 (火) 12:07:40

概要

DQ4、DQ5、DQ10に登場する重要アイテム。
FC版DQ4・SFC版DQ5では「飛行能力を持つ生物をそのまま靴に加工した」らしく、触角や翼、羽毛の生えた何かの生き物のような見た目をしている。
リメイク版では生物的な要素はなくなり、子供向け絵本にでも出てきそうなファンシーなデザインに。
どちらにしても、無骨な王宮戦士の【ライアン】にはおおよそ似合いそうもない意匠である。
【天空シリーズ】として同じ世界線を共有するDQ4とDQ5はどちらも「使用可能な場所で使うと特定の場所に飛ぶ」という効果は同じ。
 
【衛藤ヒロユキ】の描いた4コマ漫画では、靴のサイズに対して明らかに足がでかいライアンが「そりゃあ~っ」と言って靴を踏み潰してしまい「王宮の戦士たち・完」となるネタがあったが(3巻P66)、公式イラストでの形状は靴というよりもスリッパに近いので、履こうとして踏み潰すことはなさそう。
また、【幸宮チノ】は靴自体が空を飛んでいるものと勘違いしたらしい……。
上述の公式イラストや設定から、靴自体に飛行能力がないとも言えないのであながち勘違いとは言えない。
というより、ギリシャ神話ではペルセウスがヘルメスから借り受けたそのものずばり「羽の生えた空飛ぶ靴」が登場し、これを履いて空を自由に飛び回る描写があるので、ドラクエの空飛ぶ靴もこれを参考にした可能性はある。
件の「エルメス(ヘルメス)の靴」はFFシリーズの方で常連アイテムになっている。
 
なぜか“誘拐”と縁が深いアイテム。

DQ4

第一章で【湖の塔】に侵入するのに必要になるアイテム。使うと湖の塔の最上階に移動する。
【古井戸の底】声に従って進んで行くと入手できる。
 
飛ぶ先が湖の塔であること、この地域で活動していた魔物の目的から考えると古井戸を子供が遊び場にしていることを知っており、子供が興味本位で履いて塔に迷い込んでくることを期待したものだろう。
しかし目論見どおり進んでいたその計画は、途中で子供ではなくムサいおっさんの王宮戦士が靴を履いて殴り込んできたことにより終止符を打たれる。
 
この靴によって既に何人も子供が拉致され、ライアン同様塔にたどり着いた王宮戦士もいることから、靴はその数だけストックがあるものと思われる。
なんにせよ子供のすることなので興味を持っても履かずに持ち去るだけという結末も考えられ、1つの同じ靴を使い回すのは無理がある。
ライアンが手に入れた靴は数ある中の1つなのだろう。
ちなみに【イムル】にいる【ププル】の母親が、自分の息子が目の前で消えたと証言しているので、彼は家に持ち帰ってから履いていることがわかる。
 
子供を攫うのが目的なら、こんな回りくどいことをせずに直接攫えば良いのではないのかという感じもするが、ダイレクトに攫っていては早い段階で「魔物の仕業」だと目撃されてその分【バトランド】が動くのも早くなるだろうし、子供を全て調べ終える前に子供の誘拐自体が難しくなってしまう可能性もある。
自分たちは表に出ず、あくまで子供たちが自身の好奇心でどこかに行ったという体裁を作ることで、発覚を遅らせる目的があったのだという解釈もできる。
そもそも、子供の秘密の遊び場に罠として靴を置いておくだけで、子供の方から次から次に塔に飛んできてくれるので効率も良い。
なお、ライアンが履くだけで、なぜか同行者の【ホイミン】も一緒に飛んでいく。
目的を考えると周囲の人を巻き込んで飛ぶ効果があるとは考えにくい(大人も巻き込んで飛んでくるリスクがある)ので、単にホイミンがライアンにしがみついていると考えるのが妥当か。
 
イムルの村で証言を集めて整理すれば、この靴を使うというヒントになっている。
というわけで、手に入れてその場で履いて天井に頭をぶつけたプレイヤーは数知れず。
4コマ漫画でも度々ネタにされ、ご丁寧にCDシアターでもわざわざ再現されている。
またFC版音源収録のサウンドトラックでも、状況的に空飛ぶ靴を履いて天井に頭をぶつけたと思われる音が収録されている。
なお、プレイヤーが「天井に頭をぶつける」最初の機会が空飛ぶ靴になるようにするためか、第一章では【キメラのつばさ】【道具屋】で買えず、空飛ぶ靴で飛んでいった先のダンジョンでしか拾えないようになっている。
さらにこれを入手できるのが天井判定のあるダンジョンの最奥であり、まさに使えと言わんばかりの演出が揃っている。
 
なお、湖の塔でボスを倒した後、塔のある島から脱出するには2階以上から飛び降りるか、キメラのつばさを使うしかないが、塔の1階の出口から出て空飛ぶ靴を履けば最上階に飛べるので、若干の時短になる。
意味はないが、塔の最上階で履くと空高く飛び上がって再び塔の最上階に着地する。さながら大ジャンプである。
 
五章で【勇者】とライアンが合流したときにはなくなっており、【せいじゃくのたま】と違って再入手もできない。
ゆえに【トルネコ】鑑定させることはできない。
PS版のみだが湖の塔の最上階は移民出現ポイントなので、あるとちょっと便利だったかもしれない。
 
公式ガイドによると、帰巣本能の高い空飛ぶ生物を魔法によって靴にしたもののようである。
履いた者を特定の場所へと瞬間移動させる効果もその本能によるものだろう。 
 
なおこれを入手すると【バトランド王】の台詞が変化し、「ほほう…その自信ありげな顔はなにか分かったらしいな。ふむふむ……。なんと空飛ぶくつとな?そうか そうであったか……」と言われる。
この台詞はFC版当時からあるのだが、上述の通り第一章ではキメラのつばさが非売品(しかも一点物)なのでバトランドに戻るのは基本徒歩。わざわざ聞きに行くほどのセリフでもないだろうが、「わざわざ報告しにきたプレイヤー」を想定して入れられたのは間違いない。
残念ながら使い方のヒントになっているわけでもなく、完全なオマケ台詞である。
 
リメイク版ならバトランドでもホイミンはいろいろしゃべるので、わざわざそっちまで行ったのなら色々話しかけて全セリフを見てみるのも一興。

小説版

元々はこの世とあの世のあわい(狭間)に存在する生物であり、その名前は人間には発音不可能。そんな生物を魔法で靴のような形状にした物らしい。
設定的には王道ファンタジーよりも、だいぶクトゥルフ寄りな代物な気がしないでもない。
移動シーンもゲームのように直接飛ぶというよりは旅の扉によるワープに近い描写である。

CDシアター

CDシアターでは、そらとぶくつが洞窟内に複数置かれてあるという設定がされている。
上記の通り、洞窟内で使用したため派手に頭をぶつけて大きなタンコブを作ってしまうが、直後にホイミンが回復してくれて事なきを得ることに。
これだけ書くと本編の再現およびギャグ要素の意味合いが強いが、CDシアターだとそらとぶくつ入手後の雑魚戦はダイジェストで省略され、その後のボス戦でのホイミンはライアンの回復どころではなかったので、実質的にホイミを使う機会が無かった。
つまりはギャグ要素だけでなく、「ホイミンがホイミを唱えてライアンを助ける場面を作る」という大任も帯びている。

DQ5

【グランバニア】での妻誘拐事件で必要になる重要アイテム。
【グランバニア大臣】の部屋で入手できる。使うと【北の教会】のすぐ側まで強制的に移動する。靴を履いた一人だけが飛ばされるという訳ではなく、後列の仲間はおろか【馬車】すらも一緒に飛ばしてくれるスグレモノ。ゲームブックでは、【主人公(DQ5)】一人が飛ばされるも、仲間モンスター達が野生のカン?で、こういう展開を予想して先回りしており、教会の手前で合流、その場でパーティメンバーの選択を行う…という、やや御都合主義的な筋書きとなっている。
なお、前作とは違って「靴を使用してどこかへ移動できる」というヒントは全くなく【インパス】でも「効果がわからない」と言われるため、前作を知らない人は使い方に迷うかもしれない。
しかし、【ドリス】から「大臣が空を飛んで行った」という証言を聞くことができ、大臣の部屋からはこれが見つかるので普通に考えればこれを使うという答えにはたどり着けるだろう。
北の教会は【ルーラ】の行き先に登録される場所なので、以降は原則的に必要なくなる。
 
ただし、ルーラの使い手が【死亡】していて蘇生させるアイテムやMPも無いなどで使用不能の場合は、これを使えば一発で宿泊所まで戻れるので一応の保険にはなる。
【キメラのつばさ】だと直前の行動によってはダンジョンに飛んでしまって帰るのに使えない場合があるが、この靴ならばいかなる場合でも必ず北の教会に飛ぶからだ。
リメイク版なら、つねに袋に入れて持ち歩くことになるので、困ったら使ってみるとよい。
ルーラを使えないような状況に陥ってしまうことは当然ながら好ましくないが、このアイテムでそういう危機から脱出する方法があるということぐらいは覚えておいて損はない。
ちなみに戦闘中は使用しても効果を発揮しない。
 
先述のドリスの証言からわかるように、大臣はこの靴で【デモンズタワー】まで飛んでいっている。
【ジャミ】は主人公が乗り込んでくることを想定して待ち構えていたようなので、主人公をおびき寄せて抹殺する罠だった可能性が高い。
事件後警戒体制の城に再び靴を戻しにくるのは現実的な作戦ではないので、大臣が自分で使ったものと主人公らが発見し使ったものとで少なくとも2足存在していることになる。
 
なお、イベントの都合でSFC版では常時ルーラ不可のグランバニアだが、青年時代前半の妻が誘拐されている期間に限り、このフラグが解除されて空飛ぶ靴の使用も許可される。
青年時代後半は再びグランバニア城内でルーラ&ラナルータと共に使用不可になる。後半突入直後、息子と娘を加入させずに城外へ脱出するのを防ぐためのフラグ管理だろう。
ちなみに「天井に頭をぶつけた!」の元祖ともいえるアイテムだが、本作ではこれを使用して天井に頭をぶつけることはできない(「しかし 何もおこらなかった。」と表示される)。

小説版

あまりに御都合主義なアイテムだったせいか、小説版には登場しない。
代わりに【パペック】が策を用いてデモンズタワーへの道案内を行うが……。

DQ10オンライン

外伝クエスト【大盗賊の伝説】にて登場。
今回は【カンダタ】の先祖が遺した品で、そのサイズと臭いから主人公が履くことはできない。
詳しくは【空とぶくつ】を参照。

ビルダーズ1

はくと カラダが軽くなる ふしぎなくつ

アクセサリ枠の裝備アイテム。
効果は「ジャンプ中にもう一度ジャンプができる」。俗に言う「2段ジャンプ」が可能。
つまり実質的にジャンプの高さが2倍(3ブロック)になる。
他作品のようなシナリオ攻略のための必須アイテムではない。
 
本作ではブロック2つ分の高さの壁で囲った空間が「部屋」になるので、3ブロックジャンプができるこのくつがあれば、部屋の壁を直接飛び越えて移動できるようになる。
それまでの2マス以上の高さの場合はブロックを積んでのぼるといった操作が必須だったのを大幅に省略できるため、【フリービルドモード】では【ほしふるうでわ】と共に重宝するだろう。
ただし、スマートフォン版では装備すると操作が置き換わり、ジャンプ中にブロックを足元に積めなくなってしまう。
 
ストーリーモードでは【1章 メルキド編】で入手できる。
【旅のとびら・青】で行ける島にある白い岩山の洞窟に野ざらしの白骨があるので、その上に【土】【石の墓】を置いて弔ってやると【幽霊】が現れてくつを譲ってくれる。
この洞窟の場所はある程度ランダムらしく、新メルキド廃墟の周辺かと思えばおおきづちの庭園の周辺にあったりと、プレイヤーによって位置が異なる。さらに厄介な事にこのエリアには他の洞窟も多く、加えて木々の陰に隠れた洞窟を見逃しやすい。根気良く探そう。
この時、石の墓は「おおきづちの墓」から採取したものでも問題ないので、ドムドーラで【ブラウニー】から石の墓のレシピを教えてもらう必要は無かったりする。かなり罰当たりだが。
 
フリービルドモードでは、ストーリーモードの【3章 マイラ・ガライヤ編】を30日以内にクリアするという【チャレンジ】を達成すると作成可能になる。
材料は【キメラのはね】20個と【イエティの毛皮】5個と【上質な毛皮】5個。
材料は3章でのみ全て揃えられる点、3章では上質な毛皮に何の使い道も無い点、3章のチャレンジ項目の特典である点を考えると、もしかしたら本来は3章内で作成可能にするつもりだったのかもしれない。
Switch版では【ベビーパンサー】に乗ることでこれなしでも2段ジャンプが可能だが、乗ったまま建築はできないので、出番が無くなったわけではない。

トレジャーズ

【お宝】の一種として登場。

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