作品/【FF4 THE AFTER 月の帰還】

Last-modified: 2023-11-24 (金) 14:14:48
FF4TA-Wii.png
月が導く、新たな運命──。

解説

FF4の続編。
2007年12月頃(DS版FF4の発売と近かった)に翌2008年2月に携帯電話向けに配信予定であることが発表された。(追記:2008年2月8日、iアプリ版が配信開始)
その後au(2008年5月15日配信開始)、ソフトバンク(2008年11月4日配信開始)と配信が開始された。


時田貴司氏によると、FF4のリメイクをニンテンドーDSで開発中に
FF4のアフターストーリーを作らないか、という話があって制作することになったらしい。
また時田氏はDS版をプレイした人に続けてプレイしてほしいとも語っている。
確かに「赤き翼」等DS版の変更を元にした部分が見られ、キャラクターデザインがオグロアキラ氏、開発元がマトリックスという点もDS版と共通している。


主人公はセオドアというセシルとローザの子供で、FF4に登場したほかのキャラクターのストーリーがリディア編、ヤン編、という形で毎月配信されていった。
その形式はキングダムハーツコーデッドに流用されている。
基本は、オリジナルのFF4と同じ画面デザイン。
モンスターのグラフィック等もオリジナルのものを多く使用している。


キャラクターは渋谷員子氏が久しぶりにドットを担当している。
グラフィックや音質は携帯アプリにしては結構綺麗。
新曲もある。


略称は説明書等では”AY”となっているが、ファンからはもっぱら”TA”と略される。このwikiでの表記もFF4”TA”である。

  • ガラケーでのアプリ名は「FF4アフター」(半角カタカナに時代を感じる…)。
    日本語では"THE"を省くことが多いため通常であれば「FF4A」と略されていたのだろうがいかんせん先駆者がいたため"THE"も含めた略称が定着した珍しい例。
    • するとFFTAと被るのであった。
  • スマホ版の説明文では「TAY」を自称していた。諦めたんだろうか…。

グラフィックの多くをSFC版から流用しており、キャラクターもSFC版のものを基準に加工されている。

  • むしろWSC版からの流用が基本。
  • 戦闘でのキャラの見た目・動きががロマサガっぽくみえる。
    • どちらかというとFF6からの改造な気も。
    • 等身が高めで、6に近いし、一部のキャラクターの動作が似てるからでは?(魔法詠唱時のセシルとエドガーとか)

話はまたしてもバロンの異変から始まることになる。
町や通常のダンジョン、をはじめ、世界は基本的に本編と同じものである。
ストーリーも本編でのバトルやイベントを意識したものが用意されている。


本編から10年以上後のことであるため、登場人物もそれぞれ変化している。
セシルが妙に老けていたり、ローザが本編の露出度高な服装から普通の王妃になっていたり、
ミシディアの双子も立派な大人の魔道士になっていたりと時代の変化を感じさせる。
なお、男性ファンから人気のリディアは御年30を超えている計算になる。
しかもしばしば幻獣界に出入りしている関係で、年齢よりも老けている可能性があるが…。

  • 海外版だと「17年後」らしいが、公式のソースはどこにあるのだろうか。
    英語が苦手なので、どなたか詳しい人、よろしくお願いします。
    • 単にFF4が91年に発売で、アフターの携帯版が2008年配信という事に合わせただけだと思われるが。
  • セシルはあれ老けてるか?どうみても37歳には見えないんだが。

他には新キャラクターが複数登場する。
アーシュラをのぞき、今のところ名前は明かされていない謎キャラであるが、一部には本編に登場したキャラだという説も。

  • ルカは本編にもサブキャラとして出てたね。レオノーラも後付けだけど扱いとしてはギリギリ?
    • フリーシナリオが多い都合上、各編の使用可能なキャラは少ない。
      そこで救済処置としてモブキャラが参戦することもある。名前付きのキャラが使えないことを残念がるプレイヤーも少なからずいた。

なお、今回は追加要素として「チャレンジダンジョン」が用意されている。

  • レアアイテムが何個もありかつ一周では一個しか入手できず、しかも毎回絶対にレアアイテムが入手できるわけではない。
    さすがにこの露骨なプレイ時間の水増しは不評である。

ちなみに、多くのファンにとって気になる「彼」だが、今回もちゃんと登場する。
「またお前か」という反応を示すファンは多いだろう。


基本的にSFC版の仕様を引き継いでいる。が、一部はDS版の仕様も引き継いでいる。
DS版では無かった利き腕制が復活している。
恐らくオリジナル版の雰囲気を出すためなのと、あるキャラクターの伏線のためではないかと思われる。
 
また、DS版ではSFCの時の超低確率だったレアドロップが改善され、やや入手しやすくなっていたが今作はまたSFCと同じ確率に戻っている。


セオドア関連のエピソードはFF10のそれを踏襲しているようにも見える。カインがアーロンポジションか?


終章では、FF1のSOCと同様に歴代FFシリーズで登場するボスと戦える。


月の満ち欠けによって魔法や物理攻撃の威力が変わる月齢システムが導入された。
これにより、月齢を調節しておいてボスと戦う(黒魔法を使うボスと戦うときは満月を避けて上弦の月のときにする、など)という戦術が追加された。
別に満月だからといってモンスターが強化される訳ではない。


弱点、特効効果によるダメージ計算式が前作と異なっているらしく、武器で弱点を付いた攻撃をした場合や、防具での耐性が前作よりも弱体化している。
例えば、前作では弱点を付いた場合、通常の2~4倍のダメージを与えられたのだが、今回は1.5倍程になっている。
また、耐性については前作では一部装備ではダメージを最大1ダメージにまで抑える事が出来たのだが、今作ではどの装備も最大1/2減となっている。
その他にも色々と変わっている部分があるが、この仕様は、後の携帯版FF4にも受け継がれている。

  • また、命中した場合の最低ダメージも変わっている。
    FF4では最低1ダメージだったが、本作では最低0ダメージになった。

特効倍率だけでなく、旧キャラ陣の能力値も前作と比べると弱体化している。
Lv99の能力値を見比べてみるとまずHPは皆下がっており、誰一人9999に到達する者は居ない。
MPは元から0だったキャラを除けば、減ったキャラもいれば増えたキャラもいる。
力~精神のパラメータは前作でのレベル70くらいのときの物に近い。
さすがに前作のヤンやシドの様に力や体力がバカ高く、一方で知性や精神が一桁というような極端なキャラは居ないが。
とまあ旧キャラ勢はこんな具合だが、かと言って新キャラ勢が劇的に強いかというとそうでもなく、皆旧キャラ勢に合わせた様な能力値となっている。
結論として、これは前作から新たにバランス調整がなされた結果という事であろうか。

  • レベル70以降のランダム成長が廃止された結果かと。
  • これにより、装備品の能力ボーナスを上手く活用することがより重要になった。
  • Lv99のパラメータがどれくらいかと言うと、前作のローザを最大吟味したものと比べて
    同等あるいはそれより一回り~二回りほど弱い程度である。

評判

FF4という人気の高い作品の続編だけに、賛否がかなり分かれている。
携帯アプリでは良作の部類だが、ゼロムスを倒した英雄である筈のセシルが(しかも序盤の序盤で)簡単に倒れたり、ラストバトルでセシルしか使えなかった筈のクリスタルが誰でも使える(パーティー編成の自由を保つためとの説あり)など、前作を軽視するような展開・仕様がFF4ファンの怒りを買った。

  • フォローとしては続編物としては前作主人公が元気なのに続編主人公の方が活躍すると、前作主人公の株が下がるため、理由を付けて前作主人公に早々にメイン舞台から退場して頂くのはよくある展開。
    幻獣神と一騎打ちの上で退場したセシルはかなり気を遣われている方。
    クリスタルに関しても「人間達だけではなくクリスタル自身も進化している」と理由を付けてある。
  • これでセシルが無駄に出張ったりしたら「セオドアは空気」とバカにされるのは目に見えてる。スタッフの判断は正しかったと思うが。
    • セシルには喰われなかったがカインには喰われてるような気がする。
    • 「セシルの不遇」自体を受け付けない前作ファンが多いことは理解できる。
      しかしその設定を受容できればストーリーを進めていくにつれ、セシルが非常に大切に扱われていることが分かると思う。

ストーリーが意図的に前作をなぞる展開となっている。そのため同じFF4ファンでも、

  • 「前作を知っている分、ファンサービスが多くニヤニヤできて楽しい」
  • 「前作とやっていることが同じ、わざわざ新作でこんなことをしなくても」

と感想が分かれるだろう。
SFC~GBA版までのFF4の攻略本を片手に、かつてのセシルたち一行が辿った道に思いを馳せながら今作を進めていくのもいいだろう。

  • ある意味、FF4のセルフパロディでもあるのかもしれない。

配信前はなにかと叩かれたものだが、今では楽しんでプレイしている人が多いようである。
レアアイテムの入手やこれからの展開の予想で盛り上がっている。
結局、皆2D型FFの新作をプレイできることがうれしいようだ。
新キャラは女性の割合が多いようだがカイエンのような老人からロマサガ2のベアみたいな男性キャラクターもいるあたり分かっていると思う。

  • 最終章配信後の評価は、2chではどちらかと言えば不評。
    • 唐突に出てきたラスボス、はいいとしてこれFF4だよね?と言いたくなるラスボスの動機や、投げっぱなしのゼロムスマインド等では当然だろう。
    • ラスボスの動機が賛否両論なのは分かるが、前作の月の民の設定を思い起こして欲しい。
      FF4は、SF要素が強いことをお忘れなく。
    • とはいえストーリーに賛否両論はあるにせよ、ストーリーの伏線を回収しきれなかったゲームよりはマシであるとも言える。
      どちらかと言うと今作は、ストーリーの伏線自体は回収できたが、それに伴ってサブ主人公のイベントを入れられなくなったFF9に近いものを感じる。
      • そもそも伏線じゃなかったりして…。つまり、謎は謎のまま解決することのない事態として存在しているだけとか。一番残酷だけど。
      • フースーヤの安否については、攻略本のインタビューを見る限り明確な答えは一切用意されていない。
        インタビューの雰囲気から、この作品の続編を作ることは無いと思われる。
        さすがに続編の続編となると、ジ・アフター発表当初以上に激しいバッシングが起こることは目に見えている。
      • 前作はゴルベーザがまんまダース・ベイダーだったりして、FF版スターウォーズだったが今作は創造主への反抗とさらにSFチック。

終章後編のファンサービスとラスボスの発言からすると、4を除くFF1~FF6の世界はとんでもないことになったと想像できる。
が、これに関しては公式からの反応は一切ない。
このことに関してはただのFFファンへのファンサービスとしてとらえ、FF4TA内のFF1~FF6ボスはそれぞれの本編とは全く関係の無い別個の存在、と考えるのが妥当だろう。


個人的にだがレアアイテムのドロップ率がSFCと同じ1/1000ってのはどうにかすべきだと思う。
据え置きハードならともかく手軽に遊べる携帯アプリであの確率は酷すぎる。
この辺はかなり不満が出てるようだし、同じ携帯ゲームのDS版くらいの確率がちょうどいいと思う。

  • 終章で緑と紫のしっぽを持ってる場合、その交換アイテムによりこれは大分改善されるが、そんな手間を掛けさせずにはじめからそうしろと言いたいな

ダウンロード数の経過は以下のようにアナウンスが流れた。
2008年の8月に100万、11月に200万、2009年の2月に300万突破。
5月に400万、8月に500万と流れたら面白いんだが、まあさすがに無理かな。

  • 一応350万DLされたらしい。成功した方なんだろうな。

終章後編の鬼畜度は異常。

Wiiウェア版

2009年7月21日にWiiウェアで「ファイナルファンタジーIV ジ・アフターイヤーズ -月の帰還-」(FF4 THE AFTER YEARS 月の帰還)というタイトルで配信された。
海外では日本より早く配信している。
所謂インターナショナル版。
Wiiウェア版の公式サイトは任天堂ホームページ経由でないと見られない。


携帯版のように、各キャラクターストーリーが毎週配信(8月11日と9月22日は配信なし)される。
価格は300~800wiiポイント。
以下配信順

  • 本編 7月21日
  • リディア編 7月28日
  • ヤン編 8月4日
  • パロム編 8月18日
  • エッジ編 8月25日
  • ポロム編 9月1日
  • ギルバート編 9月8日
  • 月の民編 9月15日
  • 真月編 9月29日

また配信日にあわせて壁紙のダウンロードも順次解禁される(9月29日分は無い)。


携帯でできなかった分、Wiiでやってみようかな……ってWii版ではチャレンジダンジョンが無いってマジ?
ここのページのFF4TAの攻略本の紹介にそう書いてあるのだが……果たして真意はいかに…。

  • Wii版でもチャレンジダンジョンはある。
    具体的にはセオドア編とカイン編が一つに統合されたからセオドア編のチャレンジダンジョンが無くなっただけで
    携帯版とWii版の違いの紹介ページにセオドア編のチャレダンが掲載されているというだけ。
    ちなみに今回はどういうわけか、一部のチャレンジダンジョンではレアをいくらでも取れるようになっているとの事。
    即ちアダマンタイトも99個集める事が可能になっている。これはさすがにひどいんじゃなかろうか。
  • ひどいといえばチャレダンのレア率みたが50%はひどすぎる。携帯版も改善して欲しい。

基本映像は携帯版のを横に引き延ばしただけの様である。
効果音はDS版FF4のものが流用されているらしく、
例として戦闘中の攻撃音等が同じだった。
アクションと合ってないのもあり、違和感が半端では無い。


インターネット環境のない人には非難轟々であった。

  • それを言ったら自分の持ってる携帯に対応してない人もそうだろう。
    むしろ携帯のアプリをダウンロードする際に数千円もかかる「パケット料金」無しで全部ダウンロードできるのがWiiWare版の魅力。
    それにPS2が出始めた頃に比べれば、現在では家庭用ゲーム機を簡単にネットに繋げられるようにはなってきている。

発売前は、DS移植を望む声もあった。


実は巷では乱数解析が進んでおり、それを駆使する事でアプリ版よりも一部のレアアイテムが非常に取りやすくなっている。


Wiiウェア版ではエンディングだけでなく、各シナリオ終了後にスタッフロールが出るようになっている。
また、エンディング中のスタッフロールで各キャラがバイバイするシーンでは
劇場の舞台を思わせる赤いカーテンが両側に付けられた。


一部の曲が、原曲(FF4)とは低音部分の音程が違っているようだ。
GBA版FF6の決戦の比じゃない違和感を覚えたのは自分だけだろうか?

  • DS版音源の流用でが原因。DS版の音源自体、一からの耳コピで譜面起こしされている関係で採譜ミスが散見されてる。

PSP版(FF4CC)

2011年3月24日に、FF4本編と本作、それに両編の間を繋ぐストーリーのInterludeを1本にまとめたFinal Fantasy IV Complete Collectionが発売された。略称FF4CC。
詳細は当該記事参照。


FF4TAに限った話をすれば、これまでのところ唯一の「パッケージ版」である。

iOS/Android版

いずれも2013年11月15日配信開始。全編一括販売のみ。
開発はマトリックス。iOS/Androidの本編移植版と同じく、DS版FF4をベースにしたシステムになっている。ただしキャラボイスは無し。
つまり「中身はスマホ版で、3D化したことでDS版4に見える」といえる。
例を挙げると、雑魚敵があんなに素早くて高火力ではない。セシルも弓を装備出来る。バイオは他機種版のように高火力即時発動の仕様。メガフレアらリフレクで反射する。
 
なお、GamePadには対応していない。FF4は対応してるのに…


チャレンジダンジョンの廃止、一部キャラクターの終章参加の条件撤廃など、簡素化されている。

  • リディア編では、カルコとブリーナから部品取りすることなくファルコンの修理ができる。
  • エッジ編では、四人衆がリタイアすることがない。
  • アダマンタイトは新設された宝箱から獲得する。
  • ダンジョンマップでは、階層丸ごとなくなっていたりする。宝箱は同ダンジョン内の別の場所に再配置されているので減っていない。
  • 歴代の出張ボスは削除。ポリゴンモデルを作るのが大変だったのであろう。
    代わりにルナ版の幻獣が出現する。
  • 終章の真月の地下渓谷で、B1F~B11Fまでは本編の後半・月の民編にある、月の地下渓谷と構造が基本的に同じであり、B12F(暗黒騎士と戦うフロア)については、携帯・Wii・PSP版のB13Fと同じ。深層部が携帯・Wii・PSP版のB30Fまでなのが、B14Fまでに削減された。
    地下渓谷はB12Fまでと、深層部はB14Fまでになり、よって、携帯・Wii・PSP版の合計B43Fが、B26Fまでに削減されている。
    また、魔導船のクリスタルを調べることによって、地上に戻ることが可能となった。ただし、真月に行く直前の状態のままである。
  • 開発室が削除されている。
  • 謎の男と聖竜騎士でHPとMPの成長が同じになった。
  • 真月編で参加するキャラは真月編以外のストーリーでもレベル99まで上がるようになっている(月の民編にしか登場しないフースーヤはこれまで通り40でカンストする)。

2015年5月に(日本国外の)Steamで配信開始されたWindows版はこちらの移植のようである。

シナリオ


※Wiiウェア版では序章、セオドア編、カイン編が一つにまとめられ【本編『月の帰還』】に、
  集結編、終章前編、後編が一つにまとめられ【真月編『星喰』】となっている。
  PSP版では本編が再びセオドア編とカイン編に分けられた。

  • iOS版では集結編と終章二つをまとめて『真月編・星喰』となっている。

エピソードは数多いが、各フリーシナリオは「本編」中に同時進行しており、
終章もほぼラストダンジョンを潜るだけなので、ごく短い期間の出来事だったことがわかる。

新キャラクター

味方