キホール

Last-modified: 2024-03-24 (日) 11:47:01

Cichol.jpg

概要

  1. キホール(Cichol)は黒いローブに白い翼の魔神。残虐にして狡猾な魔族(ポウォール)側の神。
  2. 日本マビノギのゲームサーバーのひとつ(キホールサーバー)。

魔神キホール

  • ローブで顔や容姿がつかめない為、男神か女神のどちらかはわからない。
    ローブの袖から手が伸びているため一応「中の人」はいるようである。
    • 開発者へのインタビューからすると男神であるらしい。
    • マビノギ英雄伝ではシーズン1最終章のエピソード10に登場。ここでの描写からも男神である可能性が高い。
  • 元ネタは大洪水時代以降のフォモール族の統率者である脚無しキッホル。キコルとも。
    ケルト神話と同じくバロルより前の先代のフォモールの王である。
    • WikiPedia.en:Cichol_Gricenchos
    • 脚無しというだけあってか他の神のように歩かず、地面をゆっくりと滑るように移動する。が、作中のムービーやNEXON777での画像では黒い足があるのが確認できる。
      足元には常に黒いもやが漂っているため、足がないように見えるだけであると思われる。
      • ちなみに元ネタのキッホルは「手も足もない怪物」とされるが、マビノギでは前述のとおり手も足もしっかりある。
        マビノギ本編では白い手をしているが、英雄伝では手は黒い。
      • キホールのフライングパペットのローブの裾には白い足が見える。彼(女)の手足の色は開発の中でも統一されてないようである。
    • マビノギではモリアンがキホールを「バロルの後継者」と言っているため、世代が逆転していると勘違いする人が多いが、G1のシラのセリフやG12のラストシーンから、一度は死んだもののバロルが滅んだ後、何らかの方法で蘇り再びポウォールの王になったという経緯が伺える。
      • その証拠として、アルファベットのつづりもケルト神話のキッホルと同じく「Cichol」である。

作中のキホール

  • 詠唱の中断させられやすさと狙った相手への命中率の低さに定評がある。
  • 妙なところで詰めが甘い事でも有名。
    メインストリームの佳境で度々敵対者として対峙、ラストバトルへと突入し、その詰めの甘さから作戦をことごとくプレイヤーによって阻止されるという流れがある種のお約束となっている。
    失敗したことを本人は認めるが、それでも「問題ない」と負け惜しみを吐く。
    • ただし、その後のリカバリーにも割と成功しているので、案外単なる負け惜しみ、ハッタリとも言い切れなかったりする。C3における立ち回りを見ても、その強かさが見て取れよう。腐っても魔神、転んでもただでは起きないのだ。
      • まあ、結局よく転んでるという事実は何ら変わらないのだが。
  • そのドジっぷりから「正体はドジっ子幼女」説が極々一部のユーザーで広まっている。
    • 容姿が見えないということで「中の人」を想像して描いたファンアートが投稿されることがあるが、そこでも大抵は少女(もとい幼女)として描かれることが多い。
  • G1~G15に至るまでちょくちょくメインストリームに絡んでくる重要キャラなのに、本国のサービス開始7周年記念の絵には影も形もない。
    G1ラスボスやら神々の中で一番の新参ですら堂々と写ってるのに…。
    • ついでに言うとG15現在実装されている神々の中で唯一、テーマBGMを持たない。
    • 実態はあくまで不明ということなのか、NEXON777のマビノギ台でもキホールのみCVが当てられていない。
      同じNEXON777に登場するリダイアやモリアンにはCVがあるのに…。

ストーリーへの関わり

  • モリアンと対立する関係から、ほぼ同じ頻度でストーリーに登場する。
    • ストーリーの関係上悪役であるはずなのだが、一部プレイヤーからは「ある意味モリアンよりも常識的」と突っ込まれることも。
  • 詳細はネタバレに譲るが、キホールは合理的である故にリスクが伴う行動を忌避する慎重な性質であり、逆に必要とあらばどんな残酷な所業だろうと躊躇無く実行する果断さを併せ持つ。
    一方のモリアンは合理性よりも慈悲と情を優先する性格で、そして安定よりも変革を志向している。
    それゆえにリスクに見合わぬ行動に出る事も度々あり、そのあたりがキホールの不信と怒りを買っているようだ。
    • 両者の対立は単純な善悪二元論では語りきれない。ストーリーを進める際は、このことを念頭に置いておくとより深みが増す……かもしれない。

Chapter1

G1ネタバレ
  • 対立している女神モリアンをティルナノイに封印し、自ら女神モリアンに化けて支持者をたぶらかすという味のある工作をしていた。これによって、女神が人間を見限ったと誤解させ、あわよくば人間同士の同士討ちを画策していた節もある。そうしてエリンを混乱に陥れておいて、力を蓄えていたポウォールが侵攻するという算段である。
    偽モリアンは表情がやや不遜なのがポイント。
  • グラスギブネンの召喚は布石に過ぎず、実はその消滅で発生する膨大な闇のエルグで次元に穴を開け、そこからポウォールの軍勢を送り込もうとしていた。いわばギブネンの肉体を爆弾とした国境壁の破壊工作であり、中の人はたまったものではない。
    仮にグラスギブネンが破壊されなかったとしても、倒せるもののいない、その凄まじい戦闘力を持ってすれば、エリンを蹂躙することも可能だったろう。二段構えの計画だったのである。
    • 結果、復活した女神モリアンは開いてしまったエルグの大穴を封じることに釘付けにされ、以降の対処をミレシアンに啓示を与えることでしかできなくなり、対応が後手に回ることになる。G1での計画は失敗に終わったとはいえ、モリアンを無力化したことで以降の作戦がやりやすくなった、という考え方もできる。なかなかの策士である。
  • RPで怪物的な性能を見せた大魔法士マウラスダルカセリムメデルダウサビ連打でアッサリと瞬殺。
    その気になれば人間をねじ伏せることなどは容易い、という魔神の真の力をまざまざと見せつけられる。この時点では神族と人間の間には絶望的な格差があった。
G3ネタバレ
  • G1での計画は失敗したとはいえ、好機と見たキホールはポウォールの軍勢を率いてエリンへの侵攻を本格化させる。
  • G2でのイメンマハの内紛もあり、一度はルエリを配下に収める。ルエリを利用し、各地の女神の封印を破壊させ、着々と準備を整えるものの、タルラーククリステルをはじめとする協力者達の力を借りて、ミレシアンはこれを妨害する。
  • キホールは更にクロウクルアフの投入を画策する。これを察知したミレシアンとバオルダンジョン最深部で対峙。そのさなか、駆けつけたタルラークを始末しようとしたためルエリに反逆される。
  • ルエリを蹴散らした後、モリアンを糾弾しながらクロウクルアフを召喚。しかしその正体は似せて作った石像で、一種のハッタリであった。その直後に本物にネタバラシされるなど、相変わらずのドジっ子ぶり。
    • ちなみにクロウクルアフ復活成功時は「世界は終わりだ!止めたきゃ止めてみな!」とテンションが上がってキャラが崩壊する。このクルアフが偽物だった事を思うと大分面白い。
  • やや唐突であったが、ティルナノイエリンの真実を隠蔽するモリアンを糾弾し、なおもエリンをつけ狙うと言い残して去る。

Chapter3

G9ネタバレ
  • このメインストリームではポウォール勢と積極的に剣を交える事になる。あまり表舞台に姿を表さず、手駒であったモルガントを使い、人間に絶望したファロンを唆し、クラウ・ソラス練成に着手させるなど暗躍。キホール本人はラスボス戦直前で姿を現す。
  • それまでは裏方に回っていたようで、目立った行動や台詞も無く、G9では印象が薄い。毎度のお約束で肝心のクラウ・ソラスは不完全起動。結局、レイモアケイの協力もあって撃破される。
  • クラウ・ソラス起動の際に「ネヴァンの翼がはばたき出した」と漏らしており、G10への布石となっている。G4~G8の間は全く姿を表さなかったが、ここへ着てさらなるエリン侵攻作戦が画策されていることが明らかになった。
G10ネタバレ
  • クルクレの心臓に関する調査のため、ロンガ砂漠遺跡に向かったプレイヤーの目の前に突然その姿を現し、ドッペルゲンガーと化したケイをけしかけてくる。
    プレイヤーはあっさりと敗北し倒れてしまうのだが、何故かとどめは刺さずにその場を去ってしまう。いつもながら詰めの甘いお方である。好意的に捉えれば、その後クルクレの心臓をめぐる顛末をミレシアンが中心となって動いていたことから、わざと危機を煽り、その対処に動いたところで目的のものをかすめ取っていくという作戦だった、とも思えなくもない。
  • マタはネヴァンがポウォール側についている事を語っている。G9ラストの台詞から察するに、キホールとネヴァンが手を結んだのはG9の後か。
  • キホールらの目的はカリバーン(ドッペルゲンガー・ケイ)とクルクレの心臓を一体化させ、その力を以てエリンを浄化し、新たな楽園を築くというものであった。
    ただし、キホールはネヴァンとは異なり、何よりも優先して排除すべきものとしてソウルストリームに拘っていた(その理由はG16で明らかになる)。そのためにキホールはエラサを連れ去り、彼の持つ神力をもドッペルゲンガーに取り込ませたのである。
    これらの全ては最後の最後で明かされ、ネヴァンもまたキホールによって利用されていた事が明らかとなった。怒りに燃えるネヴァンと、計画達成を間近にしたキホールが激突するその瞬間にモリアンが降臨、その場を収める事となる。
    • そしてモリアンはプレイヤーにソウルストリーム防衛を依頼し……というお約束の流れに。
  • こうして息子を失ったネヴァンは絶望と悲嘆の中で暴走をはじめ、それがキホール自身の破滅をも招く事となる。ある意味自業自得ではある。
G11ネタバレ
  • 常に敵対する相手として度々登場していたが、今回の彼はなんとプレイヤー側の協力者の一人というポジションに立ち、その本心の欠片を覗く事が出来る。
  • キホールはあくまで「ポウォールの理想」を実現させる為に動いていただけに過ぎず、それこそが世界の安定に繋がると考えていた。
    一方、悲憤に暮れるネヴァンは世界が消滅するリスクを度外視した暴挙に出ようとしており、そのために両者は明確に敵対する事となったのである。
    • 補足しておくと、ネヴァンとて世界そのものと心中しようと考えていたわけではない。
      もしかしたらそういう本音もあったのかもしれないが、少なくとも建前は相変わらず「ティルナノイ=現エリンの浄化」である。
  • そんなわけでキホールはG11序盤早々に現れ、プレイヤーにネヴァンの暴走を警告しにやってきてくれる。
    • このキホールの行動はポウォールの総意によるものではなく、寧ろマタ一派をはじめとする配下達の離反を招き、キホール自身は孤立してしまっている。
      キホールがあくまで「自分の正義」に従って動いている事を窺わせる一幕と言えよう。
      • 単にポウォールの勝利だけを求めるマタと、より広い視点で世界を見ていたキホールとの見解の相違がこの破局の原因。燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんというところか。
      • しかし、ここに至ってプレイヤーを利用しようと考慮するあたりはクレバーというか節操なしというか……。「敵の敵は味方」という理屈は、キホールが合理的な思考の持ち主である事を窺わせる。
      • あくまでも合理的に事を進めようとしたキホールのこと、仮に配下の離反がなかったらとしたら、そのまま組織ぐるみでプレイヤー側と手を結ぼうと考えたかもしれない。
        つまりポウォールとの共闘という、考えようによっては実に面白いシチュエーションが成立しえた可能性もあった訳で、それを思うと少々残念な気もする。
  • ネヴァンを止めるためにブリューナクを手に入れようと試みるも、逆にブリューナクを手にしたジェナの攻撃により致命傷を受けてしまい、最後の力をプレイヤーに託して消滅してしまう。
    そしてパイソンナイトとの対決においてキホールに託された力が発現、半神化専用スキル「シャドウオブスピリット」が使用可能に。これによってパイソンナイトの絶対の守りを打ち破る事が可能になる。
    • この事からも解るように、キホールはパルホロン族にとっては最も恐ろしい存在だったようだ。
      実際、族長のパイソンナイトブリューナクさえ手に入れれば神々に勝てると息巻いていたが、唯一の障害と見なしていたのがこのキホールであった。
      そのため彼の退場はパルホロン族の増長という新たな危機を招き、この世界が単純な二元論では片付かないことを改めて示した。
  • ソウルストリームを破壊しようとしたり現エリンに侵攻しようとしたりと、ミレシアン人間の立場から見れば邪悪そのもの。
    しかし、人間だけを現エリンに隔離したモリアン、ドラゴン放逐の為にエルフジャイアントに行き過ぎた力を与え結果として決定的な対立と戦乱をもたらしたネヴァン、一人の人間を愛するあまり神である事を捨てたマハ、この三女神と比べると、ポウォールを現エリンに移動させようとする、ソウルストリームによる外界からの来訪者を増やさないよう破壊する、といった行為の方がよっぽど世界のバランスを保とうとしているように見える。
    • とはいえ、世界のバランスさえ保てればそのための犠牲は容認するのか、という誹りを受けるのはやむを得ないところ。
      • 前述したように、キホールの行動には慈悲の欠片もない。
        ポウォール全体の意向を無視して独断に走ったのも、言い換えれば彼らが抱く憎悪や怒りをそれだけ軽視していた、という事でもある。
        そして今回の危機も直接的にはネヴァンの暴走によるものだが、それは彼女の息子エラサの死があってのこと。
        つまり、間接的にはエラサに手を下したキホール自身が招いた事態とも言えるのだ。
        これだけ見ても使命感や目的意識が強すぎるが故の無情という事が見て取れるが、結局そのために目的達成をより困難にしているのだから皮肉なものである。
G12ネタバレ
  • 死亡したものかと思いきや、G12の最後で神の地「ファリアス」で復活。ヌアザに対し「久しぶりだな」と呟く。
    それがどういう意味なのかは、現時点では不明。今後の展開に(素顔にも)期待しよう。
    • 力を授けて消滅するフリをしてプレイヤーの中に潜り込んでいただけでは……とすら思わせてくれる予定調和な復活っぷりである。
    • 余談だが、両名とも自軍に見限られて孤立した経験を持つ者同士である。さぞ部下のグチに花が咲いたことだろう。
  • G2以降は戦いを避けたり人間に傷を負わされたりと強そうな印象が薄いが、ここに来て急浮上。
    G11においてその力がネヴァンの力も効かない相手を倒したのに続き、今回はモリアンの力が効かないヌアザにも有効打を与えている。
    バイブカハのライバルのように描かれることが多いが、案外もっと格上なのかもしれない。

Chapter4

G15ネタバレ
  • シェイクスピアRPでは、謎の女性ベラを危険視しており、シェイクスピアの前に現れて警告、また実力行使するなど、相変わらずの調子である(過去の出来事だが)。
    • 例によってキホール自身の攻撃は邪魔されているが、配下のオーガによってシェイクスピアを倒した。
      シェイクスピアはミレシアンとなっていたため、エリンでの命を奪うことはできなかったが、いつものキホールからは想像もできない堂々たる戦果といっていいだろう。
  • このシェイクスピアRPの記憶の中、ソウルストリームに関わるエピソードで、フードをかぶった子供の姿で登場する。もちろん後姿だけで、顔はおろか性別もわからない。
    • わからないのだが、箒の乗り方は女性のそれではなかった。
    • 同時に登場する黒髪の少女と仲の良さそうな関係で、二人で彼らの世界に開いた「向こう側の世界」と繋がる大穴を発見していた。その際には「はやく閉じてしまおう」「空の大穴は塞ぐのがきまりだ」と慎重な意見を述べている。口調は現在とは大きく異なり、少年のようなくだけたものであったうえに、黒髪の少女に振り回されている。
      • しかしこの当時からリスクを嫌うキホールの保守的な志向が既に見て取れる。三つ子の魂百まで、とはよく言ったものだ。
  • 時が流れ、成長した両者は何らかの理由で対立することとなる。それは憎悪というよりはお互いの信念や思想の相違から来る対立のようではあるが、過去の仲の良さそうな関係からよほどのものであったことが容易に伺える。
    • この対立した黒髪の少女とは女神モリアンのことである。
  • G12で衝撃の復活を遂げたものの、このように今回の出番は回想シーンのみに留まっている。
    とはいえ、今後に向けた布石はこれでもかというほど打ってきており、本格的な復活を期待させる演出となっている。
    表舞台に登場しない理由は、未だブリューナクによる傷が癒えていないためか、ヌアザと一緒にうっかりファリアスに閉じ込められてしまっているためか。
    • これまでのキホールのドジっぷりからして、後者の可能性も十分ありそうではある。
      • 登場シーンをよく見ると後ろにファリアスの広場のオブジェがあるので、ヌアザと同じファリアスの王座の中に閉じ込められている可能性は0に近い。実際、G16のエンドロールでは何事もなかったかのように広場にたたずむ二人の姿がある。
  • モリアンとかつて仲良しだった事が発覚した件との関連は不明だが、2011年12月21日のアップデートにて、モリアンとキホールを模したパペット人形がゲーム内に実装された。
    パペット化されたコンビキャラとしては、エラサアンドラスロナパンに続いて三組目。
    禍々しい(はずの)魔神キホールそっくりの愛らしいパペット人形である。
G16ネタバレ
  • ついに現在の時間軸に復帰した魔神キホール。その真の目的とは、自身がモリアンと共に生み出したソウルストリームの影響で徐々に衰退する楽園ことティルナノイ(=エリン)の崩壊を阻止することであった。
  • キホールは自分自身が作ったソウルストリームが楽園崩壊の端緒となってしまった事に強い責任を感じていた。
    そのために楽園に住まいながらそこを汚し続ける人間達をポウォールを使って滅ぼし、かつての楽園を取り戻す事を決意したのだ。
    • ムービーでキホールの述べる「汚れた楽園を卑しい存在たちの血で洗い流す」「たとえ数千人の血が流れ、川になるとしても」というのはこのこと。G1からその姿勢が常に一貫していた事が分かる。
    • 人間(トゥアハデダナン)を保護する立場に立ったモリアンとは元々見解が一致せず、二人の話し合いは平行線を辿るばかりだった。
      • 業を煮やしたモリアンは崩壊の根本原因であるソウルストリームを使用しミレシアンを招き入れ、キホールによる凶行、ティルナノイの崩壊の双方を阻止しようしたのだが、これが両者の対立を決定的なものとした。
      • かつての親友であり、敵対する相手モリアンもまた目的は同じティルナノイの崩壊阻止である。全く同じ目的を、全く異なる手段で敵対してでも成そうとする意志は、邪神、魔神と貶められようと揺らぐことがない決意が見て取れる。
  • モリアンの計画を阻止すべく、キホールは本来敵対しているミレシアンであるシェイクスピアに協力し、「真実の兜」を授ける(材料を持ってくるのはシェイクスピア=ミレシアンのRPだが)。
    世界を滅ぼしかねないミレシアンに協力する自らを、自嘲気味に話すところも見られる。
    • 物語が佳境にはいり、各場面で思い起こされる過去の記憶から、キホールもモリアンに対してかなり譲歩していたようだった。にも関わらず、依然として自分のやり方を変えようとしないモリアンに業を煮やし、とうとう決別した旨が語られている。
      • その際に、モリアンに「君は私の頼みを一度も聞いてくれはしないのだな」と言い残している。よほど我慢に我慢を重ねてきて、最後にこぼした恨み言なのだろう。
        今のキホールの姿は本来の性格ではなく、むしろモリアンに散々煮え湯を飲まされ続けた結果ではなかろうか。どちらが魔神なのやら……。
      • G12スタッフロールなどにも描写されていたが、パルホロン族を滅ぼしたのも恐らくはモリアンの意図でもって、キホールが手を下したのではないだろうか。
      • とは言え一方で強い決意を持っての行動とは言え「戦争を起こすな」「これ以上血を流すな」というモリアンの頼みを聞かず、ポウォールを使って人間を滅ぼす方向に走ったことも事実。
        モリアンから「先に約束を破ったのはあなた」と非難されるのはこのため。
    • モリアンの今回の計画(ソウルストリームの封印とミレシアン族滅)はキホールにとっても都合が良いはずだが何故か阻止する方向に動いている。
      やはりベラの破壊の欠片という恐ろしい力をモリアンが利用することが何らかの形で世界の崩壊に繋がってしまう可能性を恐れてのことか。
      • この件については、ブリューナクの力を利用しようとしたネヴァンを阻止するという部分に似通っている。
        キホール自身、ソウルストリームは破壊したいが、それの副作用として他の世界に影響が及ぶことは避けたいという意図が伺える。
        皮肉なことに、どちらのケースでも自身が排除しようとしたミレシアンと協力して世界の危機を押しとどめた形になった。
        それでもなおミレシアンと手を結ぼうとしない姿勢は、この世界に住まう魔神としての矜持か。
  • モリアンの策は成就しなかった。鍵であるベラがタラ王城の戦闘に巻き込まれて命を落としてしまったからである。
  • だが、ベラは最後の力を振り絞り、世界の崩壊を食い止めていた。結果として、モリアンとキホールの両者の目的をまた別の手段で達成された。
  • その後、キホールは一足先に廃墟となったファリアスに帰り、ヌアザとともにモリアンを迎えた。こうしてG1以前から続くモリアンとキホールの対立は、目的の達成という形で理由を失った。
    • しかし、キホールはポウォールの王、魔神として人間に復讐をする立場にあり、モリアンは世界への介入を今後は行わないと明言したものの、キホールは以降も何かしらの方法で手を出してくる可能性は(そして例によって失敗する可能性も充分に)あるだろう。

Chapter6

G21ネタバレ
  • 前半でまずミレシアンの夢の中にモリアンとともに現れ、シャドウオブスピリットの威力を無条件で1.3倍にしてくれるアイテムをくれる。
    • 隣の人と違ってなにかと実用的な物をくれるお方である。ただこのアイテムを通じてミレシアンの状態と居場所を把握していたようでもある。後述の登場タイミングを見る限り
  • 後半では終盤で一瞬登場。ポウォールの裏切り者ともいえる先覚者三人をもとあるべきとこに送り返し(ただし1名には命で償えと言うような言動の為に殺しているもよう)、また長年の悲願(?)を達成するために、感謝と謝罪を言いつつミレシアンの魂を現実世界に送り返そうとするも、トルヴィッシュに邪魔をされたためさっと撤収した。
  • この際キホールから詳しい説明はされず、過去のメインストリームの話を覚えていなければ何が目的だったのか非常に分かり辛い。
    キホールの最終目的とは、強い力を持った異世界の存在(つまり最強のミレシアンことプレイヤー)を滅ぼした際に起きるエルグ崩壊現象により、エリンとティルナノイを1つの世界にしてしまう事である。
    2つの世界を1つにする野望自体はG1から一貫しているのだが、G11では半ば諦めたような空気になっていたので驚いた人も多いだろう。
    • 意味深な「今のお前なら…」の台詞は「神をも超えた今のミレシアンなら世界を1つにしてしまうほどの崩壊を起こせる」の意だと思われる。
    • エルグ崩壊現象はG1のグラスギブネン消滅時にも小規模ながら起こり、G3ではその影響で魔族の大規模侵攻が発生しそうになっていた。
      G9ではこの時の次元の裂け目が拡大し、エリンとティルナノイの中間に影世界を誕生させている。
    • そもそもメインストリーム全体を通じてもキホールが何をやりたいのか説明される台詞は一言か二言程度しかない。残念だが9割のプレイヤーは「エッ・・・そういうストーリーだったの!?」な感覚だろう。ドラクエの魔王みたいに人類絶滅か奴隷化でも考えているのかな?ぐらいにふわふわした認識を持ってる人が多いはず。実際G3ではヤケクソ気味にエリンを滅ぼそうとしていたし。
    • 補足しておくが、人類抹殺もポウォール達にとっての目的の一つに間違いはない。モリアンによって別の次元(あの世)に閉じ込められた魔族達を解放し、人間に奪われたエリンを奪い返すことがキホールの悲願なのだから、モリアンの配下である人類を滅ぼしてもそれは達成できる訳だ。もっとも、このようなストーリープロットが存在したのはC3までであり、G11でキホールが倒された事でポウォールは敗戦、魔族と人類はプレイヤーが全然知らん間に和解した扱いになっているっぽいが…。
    • とはいえそれはミレシアンが直接関わったことで起きたものではないので、人間とポウォールを対立させていた最も大きな存在が失われたことで世界はその(人間とポウォールとが手を取り合う)ような選択をしたのだ、と薄ぼんやりと感じ取ってくれればいい、というスタンスなのかもしれない。

その他

年代記ミッションネタバレ
  • 第一次モイトゥラ戦争をモチーフにした年代記ミッションでも登場。
    キホールは歴史書においては第一次、第二次とも戦争に加わってはいないとされているのだが、実は影で暗躍しており、特にピルボル族の敗北はキホールによるものが大きかった。
  • キホールにしては珍しく周到な計画を立てており、トゥアハデダナン族とピルボル族の血みどろの対立を煽り、どちらが勝つにしてもポウォールには利益しかないという策士ぶり。
    ヌアザの甘さにつけこんでトゥアハデダナン内での不和を呼び、ピルボル族の王を拐ってスレイを怒りでヌアザへ反発するよう仕向けるなど、魔神ここにありを大いに見せつけた。
  • 結果として最大戦果のヌアザを殺害させることには失敗したものの右腕を失わせ、のちの第二次モイトゥラ戦争に影響を残した。また、ピルボル族は失墜してトゥアハデダナン族は味方を失い、ポウォールは勢いづくことになる。
    ミレシアン登場後のキホールはG1以降はいいところがなくさんざんダメキャラ扱いされていたが、どうやらミレシアンとの相性が最悪らしく、本来の彼はこれくらいのことは容易いようだ。
  • それにしても一切表舞台には姿を表さず、徹底して裏で立ち回るというのもなかなか魅力的な姿であり、また違ったキホールの姿を見られたとファンからは好評らしい。

関連項目