【スキル】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 19:37:08

概要

skillとは手腕、技量、技能、技術といった意味を持つ言葉。
ゲーム的には、キャラクターが持つ魔法や各種の技能、常時発動の特殊効果といった能力を指すことが多い。
 
DQシリーズにおいては、DQ8で初めて公式にこの用語が使われ、以降【プレイヤーキャラクター】育成システムの主流となった。「スキルマスターシステム」とも呼ばれる。
ただし、DQでの「スキル」の定義は他のRPG作品と異なり、「各種【武器】を扱う特技、あるいは【素手】で戦う特技を集めた武器・盾・格闘スキル」「【職業】やキャラクターの個性を生かした特技を集めた職業・キャラクター固有スキル」といった具合に、個々の呪文・特技・特殊能力ではなくそれらをカテゴリー別に詰め合わせたものを指す。
キャラクターが【レベル】アップや【スキルのたね】の使用で得る「スキルポイント(SP)」を消費することで、決まった特技や能力などを習得していく。
 
装備系スキルで習得した特技・能力は該当した装備の状態でないと発揮できない(例:【剣スキル】で習得する【はやぶさ斬り】は剣を装備していないと使えない)などといった制約がある。
一方、【呪文】と、キャラ固有スキルで得た特技・能力は、一部を除いて装備状態に関係なく有効。
これまでの作品と違い、使用できる武器が制限されるようになったため、武器を買う際は【こうげき力】や追加効果だけでなく、種別まで考えて買うことが求められるようになった。
 
各種スキルの一覧はスキルを参照。

DQ8

各プレイヤーキャラがそれぞれ5つのスキルを所持する。内訳は武器スキル3つと格闘スキル、それとキャラごとの固有スキル1つ。
各スキル(カテゴリー)に対してスキルポイントを振り、一定値まで溜まるとそのスキルに関連した特技・呪文や能力を得る形式である。
例えば、ゼシカの【おいろけ】スキルに8SP振ると【投げキッス】の特技を覚え、18SPで「敵をお色気で見とれさせる能力」を身につける。
なお格闘スキルは全員に備わっており、他にも2人に備わっている同名の武器スキルもあるが、同じスキルでも習得する内容はキャラによって異なる。
 
当然、スキルの後半になるほど強力な特技・能力が手に入ることが多いため、一つのスキルに特化した方が明確な役割を持ったキャラになるが、逆に補助技などを浅く広く覚えて万能キャラを作るのも道の一つである。
一度SPを振るとその後のやり直しは効かないので、慎重に考えながら振っていく必要がある。
どのスキルを選ぶかで戦闘方法は大きく変わってくるため、周回プレイの醍醐味でもある。
 
各スキルにはSPを振れる上限が100と決まっており、最後までSPを振るとそのスキルを極めたことになる。
ただし、DQ8では「25+Lv×2」までしか上げられない。100ポイントまで振れるようになるのは、25+38×2で条件数値が100以上になるのでLv38以降となる。
序盤~中盤で主に一つのスキルを集中的に上げていると上限に当たるため、2つのスキルを上げていくことになる。主に「武器スキル+固有スキル」または「武器スキル2つ」にする人が多い。
武器スキル2つにする場合は武器の付け替えも必要になるため、予算が嵩む場合は【錬金釜】も活用しよう。
格闘スキルは、公式も認める【縛りプレイ】向きスキルなので、初心者は避けたほうがいいだろう。
 
レベル99までにレベルアップで得られるSPは全キャラ一律350。それ以上はスキルのたねを投与する必要がある。
またPS2版では得られたスキルポイントはすぐに振らなければならず、取り置きはできない。
 
また、初心者がやりがちなことに、スキルを集中して上げるのではなく全スキルに均等に配分するということがある。
この場合どのスキルも中途半端にしかならず、強力な技を覚えないため結果的に難易度は上がってしまう。
どのくらいのレベルでボスを倒すか計算していれば、無駄なスキルを取らずに済むが、場合によってはスキルのたねが必要になることも多い。
事前情報がある場合はピンポイントに配分することもあるが、いずれにしても上級者向けのテクニックだろう(例:【ヤンガス】の格闘スキルを33だけ上げて【忍び走り】を習得、【ゼシカ】【ムチスキル】を23だけ上げて【双竜打ち】を習得)。
 
スキルシステムに関しては【ポルトリンク】アドバイスをくれるお姉さんがいるが、あまり活用されない。
新システムとしてジャンプやゲーム誌で大々的に宣伝されていたせいか、ポルトリンク到達前にスキルが上げられてしまうからなのか、それともお姉さんのダジャレが不快だったのか。

スマホ・3DS版

SPを取り置き可能、移動中にも振り分け可能、スキルテーブルを見ながら振り分けできる、というDQ9の仕様が逆輸入された。移動中は【さくせん】コマンドの「スキル振り分け」を選ぶと振り分け画面になる。さらにスマホ版では【つよさ】のステータス画面からも遷移可能。
またスキルのたねの上位アイテムとして【超スキルのたね】が登場した。
転職システムの無いDQ8では、DQ9に比べて取り置くメリットは薄いが、どうしても今すぐに決められない場合は仕方ないし、目的のポイントに中途半端に届かない場合に保留しておくのも良い。
「25+レベル×2」のSPの上限は続投している。
また、あえてスキルを振らずにノースキルで進めるといった、PS2版では不可能だった縛りプレイが可能になっている。
 
3DS版では後半に加入するメンバーが100ポイント以上保有しているが、レベル38以上になっていないため、いきなり100ポイント振ることはできないので注意。
 
なお、ポルトリンクのお姉さんはリストラされてしまった。

DQ9

前作のシステムを継承している。
武器スキル全12種に【盾スキル】・素手スキル、それに12の【職業】ごとの固有スキルがあり、これらをあわせて26種類のスキルが登場した。
各職業ごとに5つのスキル(武器・盾・素手を合わせて4つ、残り1つは固有スキル)が割り当てられており、【転職】をするとSPを振れるスキルもその職業のものに変化する。
なお転職をしても、既に振ったSPが失われることはない。
武器・盾・素手のスキルについては同じスキルが複数の職業に割り当てられているが、同じ名前のスキルは全職業で共通となっている(例:【旅芸人】で剣スキルを20まで上げて【バトルマスター】に転職した場合、バトルマスターの持つ剣スキルも20になっている)。
また前作のようにキャラごとに習得内容が異なるといったことも今回は無い。
 
今回はSPを得てもすぐに使用せずにとっておき、戦闘後だけでなく移動中でも、【さくせん】コマンドの「スキルふりわけ」によって必要なときにいつでも振り分けることが可能となった。振り分けの際には、スキルテーブルで習得内容を確認しながら振ることもできるようになった。
また本作ではSPを他の職業に使い回すこともできる。これを利用して、今の職業で上げたいスキルがないときは保留しておき、上げたいスキルを持つ職業に転職してSPを振るということもできる。
さらにレベルによって振り分けられるポイントの制限が撤廃されたため、極端な話、レベル1の職業であってもSPさえ溜まっていれば、その職業が持つ全スキルを極めることもできてしまう。
当分使う予定のない職業にあえて転職して、欲しい分だけSPを稼ぐといった手段も今作では重要になってくる(例:旅芸人のLvを1から18まで上げてSPを34取得後、バトルマスターに転職してそのSPを【とうこん】に注ぎ込んでHPの底上げをするなど)。
 
今回のスキルで習得できる技は特技のみだが、これらの特技は他の職業に転職しても使えるという利点がある。逆に呪文はスキルでは覚えずレベルアップでのみ習得でき、こちらは転職すると使えなくなってしまう。
 
武器・盾・素手の各スキルで得た能力は前作同様、該当する装備状態でないと有効にならない。したがって、素手以外の武具スキルの特技はその武具を装備できる職業でないと使えないということである。
ただし、これらのスキルは100ポイントまで上げてマスターすると、全職業でその武具を装備可能となり、そして関連する特技も全職業で使えるようになる。
また、武器・盾・素手の各スキルは、30ポイントまで上げたとき、およびマスターしたときにそれぞれ受注できる【クエスト】が用意されている。前者はクリアすると該当するスキルの武器・防具を、後者はクリアすると【秘伝書】を貰うことができる。
 
各職業の固有スキルは、一定値まで上げると特定の能力値をアップ(底上げ)させることができる。このスキル振り分けによってアップさせた分はどの職業に転職しても活かされ、失われることはない。
DQ9ではレベルアップによる能力値の上昇幅が従来作より抑えられているため、キャラ育成においてはこのステータスの底上げが非常に重要である。
特に高レベルの【宝の地図】の敵や【大魔王】を相手にする場合は、【HP】【みのまもり】の底上げを完璧に行うことが必須といえる。
 
前作ではスキルのたね集めで非常に難しかった、全スキルコンプリートのやり込みも今作ではかなり楽になった。
ただし、1職業でレベル99までにもらえるスキルポイントは200。
レベル5からポイントがもらえ、次第にポイント量が増えていきレベル40までに108ポイントまでもらえるが、40過ぎた辺りからもらえる量が減っていき、50くらいからまばらに2ポイントずつふえていくような感じになり、レベル99で200ポイントに到達する。
職業は全部で12種類なので(200×12=2400ポイント)、26のスキルすべてを極めるには最低1度は【転生】が必要。
ちなみに、溜められるスキルポイントは最大2600ポイントである。
 
これらの要素から、1職業だけを極端にレベルを高くするのではなく、全職業をレベル50まで上げてスキルポイントを稼ぎ盾スキルと武器スキル一つ、主要な職業スキルをマスターしていくやり方が推奨されることも多い。

DQ10オフライン

DQ11と同様、【スキルパネル】を採用。新たに【スキルアップパネル】も登場した。
主人公は1カテゴリごとに1つのボードで、スキルポイントの他職への持ち越しも可能。仲間キャラはDQ11同様に所持するすべてのカテゴリを1つのボード内で扱う。
【スキルリセット】はいつでも可能。

DQ10オンライン

Ver.4.5まではDQ9の方式を継承。ただし、SPを他の職業に使い回すことができなくなった。
Ver.1.1より、スキルポイントを振り直すことが可能となった。
Ver.5.0でスキルシステムの仕様が大幅に変更。スキルラインが各職業ごとに独立し、DQ8のシステムに近い形となった。
特定の武器スキルのみ独自仕様になっている職業もある。
詳細はスキル及び【スキルポイント】を参照。

DQ11

今作では初めて【スキルパネル】を採用。
パネル制にしたこと、DQ10オンラインのスキル振りなおしをアレンジした【スキルリセット】などで、スキル・技能習得順の自由度が少し上がった。
が、【ミラクルソード】が地雷化してしまった。
 
また、3DS版の【時渡りの迷宮】でも「スキル」という用語が登場する。
こちらは本編とは意味が異なり、【ヨッチ族】のパーティが戦闘で使用する呪文のことを指す。
ダメージを受けたり敵を攻撃したりすることで画面右上にある「スキルゲージ」が溜まっていき、これが満タンになるとヨッチ族の色とランク・数に応じたスキルを使うことができる。

モンスターズシリーズ

ジョーカー1以降の作品に導入されている。
モンスターの各種族には種族固有のスキルが一つ設定されており、【配合】でスキルを継承できる。
配合以外で仲間にしたモンスターは固有スキルとプラスアルファのスキルを0~2個持ち、配合で生まれたモンスターは子の固有スキル、親の所持スキル、後述のスキル派生によって生まれたスキルの中から枠の許す限り選んで継承することができる。
性質上、ナンバリングタイトルのものと比べてスキル種類が非常に多い。
レベルアップで入手できるスキルポイントは所持しているスキルが多いほど多く手に入る。
 
【VS呪文】【VS呪文2】(ジョーカー2以降は【最強VS呪文】)のように、下位スキルをマスターすることで上位スキルに派生するものもある。
また、【メラ&イオ3】【バギ&ドルマ3】【やみのばくえんSP】のように、複数のスキルを組み合わせることで生成する「SPスキル」も存在する。
 
極めるために必要なポイントは50~250になり、スキルによって異なる。ジョーカー2プロ以降はほぼ全てのスキルの必要SPが上がり、極めるのがさらに難しくなった。
 
ジョーカー1ではスキルの種の回収が容易だったが、ジョーカー2以降では手に入りにくくなった。
その代わりにレベル上げに最適な場所が増えたり、スキルポイントを稼ぎやすくなったりと親切設計になった部分も。
配合に勤しみすぎてポイントが余りまくるのはS~SSランクを仲間にするとありがち。

ヒーローズ1

特技と呪文を習得する「とくぎ・じゅもん」、キャラ固有の能力を身に付ける「(キャラクター)専用」、HP、【MP】【ちから】、みのまもり、【かしこさ】の5つのステータスを強化する「パラメータ」、特殊効果を身に付ける「特殊なこうか」の4種類にスキルポイントを割り振ってキャラクターを強化していく。
 
なお、全てのスキルをマスターするには3周(スキルポイントボーナス+50×2)必要である。

ヒーローズ2

武器の熟練度が上がっていくと、ゼビオンの師範に話しかけることで武器熟練度スキルやパーティスキルが習得できる。
パーティスキルは絆コストの総コスト数から任意にコストを振り分けて使用する。

ビルダーズ1

【回転ぎり】のみが存在する。

星ドラ

本作の武器や防具に付加されている。
武器のスキルは所謂アクティブスキルに分類され、防具スキルは防具ごとに固定されている。
武器固定のメインスキル以外は武器のサブスロットに付けることができる。

ドラけし!

同じドラけしを5つ以上同時に消す、またはメーターを満タンにすると出来るスキルドラけしを使用すると発動。
スキルによって1回のバトルで発動できる回数が決まっており、他の特殊ドラけしとミックスすると威力が上がる(同じスキルドラけし同士をミックスすると回数を2回分消費して更に威力アップ)。
そのスキルで他のしましま&スキルドラけしを攻撃するとそのドラけしの効果も発動する。

余談:他作品におけるスキル

前述の通り、他のRPG作品ではスキルというと呪文・特技・特殊能力の一つ一つを指すことが多い。
この意味でのスキルは、コマンドを入力して能動的に実行する「アクティブスキル」(DQで言えば呪文・特技)と、習得すれば自動的に効果が発揮される「パッシブスキル」(DQで言えばスキルによって後天的に得た能力・耐性アップや特性など)に大別される。
DQ界隈でも(特にオンラインのDQ10界隈)、他のゲームと同じ用法で「スキル」という言葉を使ったり、「パッシブスキル」などの用語を使ったりする場合がある。
 
スキルの習得形態は作品によって様々だが、その中でも特に有名なのがMMORPGなどで採用されている「スキルツリー」システム。
このシステムはレベルアップ毎にSPを獲得し、SPの振り分けでキャラをカスタムしていくという点ではDQ式のそれに近いが、SPを振る対象が個々のスキル(=呪文や特技)であることがDQとの大きな違い。
さらに最初は初歩的なスキルしか取得できないが、その初歩スキルのレベルを上げたり、複数のスキルを習得したりといった条件を満たすと、より高度なスキルが解禁されていく。
ツリーのようにスキルが派生していくことから、スキルツリーと呼ばれるのだ。
DQ的に言えば、「ホイミ」にSPを振るとまずは「ホイミLv1」を覚え、そこに再びSPを振ると「ホイミLv2」(≒ベホイミ)に成長し、さらにスキルレベルを上げていくと上位の回復スキルの「ベホマラー」や「ザオラル」を覚えられるようになる。
また、「メラ」と「ヒャド」を極めていくとそれらを組み合わせた上位スキル「メドローア」に派生するといった具合である。
 
DQ8~DQ10やモンスターズシリーズのスキルシステムは、決まったルートを一直線に通ってスキルを覚えていくことから、スキルツリーと対比する形で「スキルライン」と呼ばれることもある。
スキルツリーはスキルラインと比べて自由度が高いが、反面取捨選択の要素があまりに多く、中途半端なスキルビルドをして失敗してしまうなどRPG経験の乏しい初心者には優しくない面もある。
ライト層を含む幅広い層を対象とするDQシリーズでは、スキルラインくらいの自由度と複雑さのバランスがちょうど良いのかもしれない。