概要
攻撃力。物理攻撃の強さを表す。
ここでいう物理攻撃とは、「◯◯の こうげき!」と表示される、肉体を使った通常攻撃と、それを応用した剣技や格闘技系などの【特技】を指す。
シリーズを通して使用されているパラメータの一つで、これが高いほど相手に物理攻撃で与えるダメージが大きくなる。つまり相手を早く倒せるようになる。
高いほど物理攻撃によるダメージを受けにくくなる【しゅび力】とは対をなす。
プレイヤー側とモンスター側、両方に設定されている。
FC・SFCなどでのゲーム内での表記は「こうげきカ」である。片仮名のカを共用。
通常攻撃で敵に与えるダメージに密接な関係があり、本編シリーズにおいては、
(「攻撃側の攻撃力」−「受ける側の守備力÷2」)÷2×乱数 =「ダメージ値」
となる。
この計算式から、実質的に攻撃力が2ポイント上がれば通常攻撃で相手に与えるダメージが1ポイント増えることになる。
攻撃する側の攻撃力が受ける側の守備力の半分に満たないと、ダメージが0か1にしかならない。ただし一部の作品では例外があり、【メタル系】に関して通常とは異なる計算式が適用されている作品もある。
各種物理特技のダメージも基本的にはこの値をベースにして算出される。
上記の計算式からDQシリーズは攻撃力に対するダメージ倍率が低く(他のRPGではそもそも攻撃力が1000を超えて9999まで上げられる作品も少なくない上に、ダメージ計算で最後に2で割られることも無い)、全体的にダメージレートが低いRPGと言える。
本編
味方サイド
「キャラクターの攻撃力」=「【ちから】」+「【武器】の攻撃力」+「【装飾品】の攻撃力」+「【スキル】ボーナス(DQ8以降)」である。
DQ2までは上限255。
それ以降は基本的に上限は999だが、DQ5以前ではちからが255までしか上がらないため999まで届かない。DQ6でもちからの最大値は500であり、武器攻撃力145と【ちからのルビー】の攻撃力20を足しても665までしか上がらない。
スキルシステムのあるDQ8以降では、武器スキルを一定まで鍛えるとその武器を装備している時に限り、ちから+武器+装飾品の数値に、さらにボーナスで攻撃力が加算されるようになる。
自軍キャラクターは稀に【会心の一撃】を出すが、この時は敵の守備力を無視して、キャラクターの攻撃力×乱数がそのままダメージになることがほとんど。
DQ6とDQ7、DQ11では【せいけんづき】など格闘系の特技にも武器の攻撃力が含まれるという少しおかしなことになっているが、DQ8~DQ10では【素手】でないとこれらの特技を使えないので、【ヒップアタック】や【とうこん討ち】等、見た目はどう見ても格闘系なのに格闘系に分類されていない一部の特技を除いてそのようなことはない。
DQ6以降はステータス(ちから)のインフレもあって、この値がかなり高くなりやすい。特に終盤、キャラクターの攻撃力が高まってくると、数ある攻撃呪文を押しのけて、物理特技が最強の攻撃手段となることも多い。
特にDQ6とDQ7では攻撃力がインフレしたのに、攻撃呪文のダメージは据え置きな上にステータスによる強化も無いので、攻撃呪文の価値を大きく下げる原因にもなった。
【MP】を消費する規定ダメージ(威力が攻撃力などのステータスに左右されない)の呪文特技を中心に戦うキャラクターは、攻撃力が低いと、MPが無くなった途端に戦闘力がガクッと落ちてしまう。
攻撃力が低く、かつMPを使えない事情がある場合、無闇に通常攻撃をするよりも、【ぼうぎょ】させるべきである。
キャラクターの戦闘力に大きく関わる、非常に重要なパラメータだ。
ちからと武器の強さなどの合計が1000を超えても攻撃力は999留まりだが、DQ11のPS4版ではちからの「その他」が999になるまで【ちからのたね】をつぎ込むことができ、二刀流の逆手の攻撃力の基本値を500以上にすることができる。3DS版ではちからの合計が999以上になるとちからのたねを使えなくなり、攻撃力は何を装備しても999表示であるが、実際には4桁を超えており武器によってダメージに明らかな差がある。両手剣などでは実質上1300を上回る攻撃力も得られる。
お店で装備を調達する場合は武器を優先すると、基本的に相対的に被ダメージが減少して戦闘効率が上昇する。
正に「攻撃は最大の防御なり」の諺を象徴している。
事と次第では【複数攻撃武器】の方が効率が良い事もある。多少攻撃力が低下しても複数の敵を同時に撃破すると相対的に被ダメージが減少する。素早さが高いキャラクターに装備させると、倒しそびれても後続へ繋いで殲滅し易くなる。
敵サイド
敵の場合、このパラメータが300以上だとかなり高い。400以上はなかなかいなかったが、DQ8以降の終盤やクリア後には500を超えるものも多くなった。
作品別にみると、DQ1は1対1ということもあってそれほど高くなく、100を超えるのは【ラスボス】の【りゅうおう】と一部の雑魚敵のみである。
DQ2ではラスボスの【シドー】を除き200を超える敵は存在しないが、味方のステータスも低いため、100台の攻撃力でも十分脅威である。
DQ3では極端な例としてトラップモンスター【ひとくいばこ】が序盤でありながら200と異常。
【ひかりのたま】を使用する前の【ゾーマ】(所謂「闇ゾーマ」)が550を記録し、DQ7までの間長らく最高記録保持者となった。
リメイクの裏ダンでは裏ダンだけあって【ダークトロル】【てんのもんばん】【バラモスエビル】など本編と比較にならない攻撃力となっており、最高レベルでも苦戦する高さ。
DQ4では全体的に低めに抑えられていて、FC版では300に達する敵はおらず、リメイク版の裏ボスでも300台前半である。
DQ5も全体的に低く、裏ダンの敵でも雑魚は200台までに収まっている。
ただし、【たたかいのドラム】による上昇で【メカバーン】が520、【セルゲイナス】が500まで跳ね上がるので要注意。
DQ6以降はインフレが進み裏ダンになると雑魚でも300以上の敵が普通に登場する。
DQ8の【竜の試練】では【白銀の巨竜】の553を筆頭に【永遠の巨竜】が760と記録を18年ぶりに塗り替えた。さらに言えば【モンスター・バトルロード】の【自分のチームと対戦】で戦える【マジーン】が777である。
DQ9では雑魚敵のステータスもインフレを起こしており、最高値はSランクの【宝の地図】水マップに出現する【オーシャンボーン】の748。味方のパラメータの強化が比較的容易な影響もあるだろう。
味方の値はどう足掻いても999までだが、敵の場合は1000以上になる事も可能なので、高レベルの大魔王が【テンション】を上げたりバイキルトを使ったら、素早くこちらも対抗手段を打たないと危険である。
しかし、反してストーリーの最高攻撃力は300にすらラスボスも届かない。DQ9は宝の地図から超絶インフレを始めるのでその影響が。
ステータスのインフレはDQ10でも留まることを知らず、2020年現在のナンバリング最高値はDQ10の【ダークネビュラス】で、2952という桁外れの値。
更にその後のバージョンではボスはほぼ当たり前のように4桁に達し、ザコモンスターすら1000超も珍しくなくなるなど、例外的なインフレが起こっている。
DQ11では【邪竜ウルナーガ】が本編のラスボスとしては初の600超えを達成。その後では雑魚でも500超えがしばしば登場する。ストーリー外のやり込み要素は少ないのでインフレ具合ではDQ9・DQ10に及ばないものの、その分ストーリーが長く敵の種類も多いのを反映している。
DQ1~DQ3には特殊な仕様があり、敵の打撃攻撃のみ攻撃力の数%~10%程度の最低ダメージが保証されており、ある程度以上の攻撃力がある相手では、こちらのしゅび力をいくら高めてもシャットアウトはできない(このため特にDQ3では【メダパニ】で混乱させて同士討ちでメタル系のスライムを狩る、という戦術が有効である)。
モンスターズシリーズ
こちらのレベルで変動するため書かないが、対戦では999がほぼ当たり前である。
ジョーカー2以降は、2枠の【メガボディ】持ちのモンスターを中心に1000を超えるものも現れ始めた。
スキルと武器次第で、DQ9の【ダークドレアム】Lv99の1567を上回る事も可能。
トルネコの大冒険シリーズ
操作キャラクターの場合は、基本的に【レベル】による基本値、装備した【武器】の強さ、【ちから】の三要素を掛け合わせたマスクパラメータ扱いであり、「攻撃力」として目に見える形で示されることは無い。
NPCの場合は、それぞれに設定されている「攻撃力」の値がダイレクトに反映されており、「攻撃力の値=防御力0のキャラクターに与える値(ランダム幅有り)」となっているが、同じくゲーム中にプレイヤーが目に見える形で確認する術は無い。
トルネコ3では、NPCの攻撃力がそれまでのマスクパラメータでなく、仲間にすることで確認できる値となったせいか、攻撃力の値から更に約1.3倍の補正を掛けたものが、防御力0の相手に対し与えるダメージとなっている。