【旅芸人】

Last-modified: 2023-03-12 (日) 12:14:46

概要

【職業】の一つで、旅をしながら各地で芸を披露して笑いをもたらす芸人。
ドラゴンクエストではDQ4で一時的に仲間になるNPC【パノン】が初出。DQ7では【吟遊詩人】★4の称号となった。
DQ9では初めて【プレイヤーキャラクター】の職業(基本職)として登場し、DQ10にも初期職として受け継がれた。DQ11では【シルビア】が該当する。
 
パノンの職業や日本社会における「芸人」という語のイメージから「お笑い芸人」のイメージを持たれがちだが、本来の意味は歌・踊り・演奏・話芸・曲芸など様々な形の芸を生業とする職業全般を指し、ドラクエシリーズでもそちらの意味で使われることが多い。つまり【旅の詩人】【吟遊詩人】、旅をしていれば【踊り子】【笑わせ師】【スーパースター】も旅芸人に含まれる。
 
DQ9~11の旅芸人の大まかな特徴は「良く言えば万能型、悪く言えば器用貧乏」と言ったところ。武器は剣を初めとして有用なものが揃い、回復魔法をある程度習得でき、攻撃魔法も【バギ系】を中心に覚える。DQ9、10では【ヒャド系】も覚えるが、今のところはヒャダルコ止まりである。
 
海外版表記はMinstrel。元の意味は「吟遊詩人」。

DQ4

第五章で仲間になるNPCのパノンの肩書き。
肩書きは芸人だが、見た目はなぜか【ミスター ハン】と同じ武闘家になっている
(リメイク版ではきちんと旅芸人らしい格好をしている)。
しかも装備しているのは【まどろみのけん】【ほほえみのつえ】という芸人らしい武器を差し置いて、なぜ眠りの武器なのだろうか。
とはいえ加入時期的に微笑みの杖を持って来られても戦力外でしかないのだが。
飽くまで彼は人間の客を相手にする芸人なので、魔物は対象外なのだろう。
 
どこぞの自称【旅の詩人】とは違ってちゃんと旅をしているようで、別れた後は【モンバーバラ】の劇場に戻ることもなくどこかへ旅立ってしまう。
PS版のみ、旅の果てに【移民】として再会することがある。
 
なお、【アリーナ】の偽者である【メイ】の本業もこれである。

DQ9

能力値

ステータスLv99能力値12職中順位
最大HP4809
最大MP1797
2468
素早さ3595
身の守り2378
器用さ3043
魅力2452
回復魔力1955
攻撃魔力1614
経験値45239999

解説

ステータス最大HP最大MPちからすばやさ身の守りきようさみりょく回復魔力攻撃魔力
ランクDD+D+B+CBACD

E:最低値 D:低い C:普通 B:平均より上 A:高い S:非常に高い +:そのランク内で上位 -:0
 
主人公は最初この職業に就く(というかいつの間にか旅芸人にさせられている)。
概要のとおり幅広い意味をもつので、かつての【遊び人】【笑わせ師】【踊り子】のイメージを統合して登場したものと思われる。
ステータスはどの能力も平均的、魅力と器用さが比較的高いが、あまり戦闘に大きく影響するわけではない。
 
習得呪文は主人公の初期職業だからか、攻撃、回復とバランスよく覚える。
ホイミから始まり、ヒャド、リレミトなど実用性の高い呪文を早く覚えるためパーティのリーダーとして頼りになる。
回復系は2段階目のベホイミまで覚え、ザオラルも習得するので本編までなら回復役としての適性もある。
攻撃呪文も氷系はヒャダルコ、風系のバギクロスまで習得できるが、MP自体はそこまで高くない。
一見なんでも出来そうだが、補助系の呪文はほとんど覚えない。
しかし旅芸人は比較的素早さが高い上に、主人公は【おうえん】を覚えるのでサポート適性自体は高い。
 
ここまで見ればいかにも勇者的なポジションと言えなくもない。
しかしよく見ると、HPや力など直接戦闘に関わる能力がかなり低めになっている。
ちからがD+と僧侶に毛が生えた程度であり、HPも賢者と同等と他のバランス型の職業と比較しても勝負になっていない。
また、回復呪文や攻撃呪文を覚えるがどちらも中途半端でMPも後衛職には及ばないため連発もできない。
攻撃呪文はグループ攻撃止まりという点でも微妙さに拍車を掛けている。万能職の宿命だろうか。
その半端さにDQ2の【サマルトリアの王子】を思い浮かべる人も多いだろう。
ただし彼のように多芸では無いし、能力も後半爆発的に伸びたりしない。サマルトリアの王子はああ見えて優秀なのだ。
このタイプの職業は補助系統の能力に特化してる場合が多いのだが、残念ながらそれは【魔法戦士】に譲ることに。
攻撃面の能力はともかく、他のステータスはバランスが取れており素早さも高い。力を強化すれば素早い前衛として働いてくれる、
ように見えるが、武闘家や盗賊の方がより強く素早いため、打撃の戦力を期待するなら旅芸人に拘る意味は無い。
ただ、それでも回復呪文や攻撃呪文の両方を扱える稀有な職業のため、本編であれば十分な活躍が期待できる。
 
クリア後は敵の強さのインフレに真っ先において行かれる職業である。
あくまで序盤の主人公の職業なので、転職できるようになれば育成方針を定めるために他の職業に転職するのが無難だろう。
旅芸人はあくまで下積みの職業と考えよう。あるいはサポート役として育てるのも悪くはない。
 
旅芸人の必殺技の【アクロバットスター】は6ターンの間みかわし率とカウンター率を大幅に上げる効果がある。
魔法戦士の証や必殺の扇で必殺技のチャージ率を上げればそこそこ使いようが出てくる。
これを利用しての回避盾としての役割を受け持つことが出来る。しかし呪文や特殊技には無力なので注意。
上手くすればカウンターで反撃も可能だが、あくまで確率なので安定しない。

装備・所持スキル考察

所持スキルは剣、鞭、扇、盾、きょくげい。
序盤から剣と盾を装備できるため、あまり悩まずスキルを振り込めるのは長所。
防具面も優秀で、重装備こそ出来ないがコーディネートの幅が広く、装備に困ることはないだろう。
全職業で見ても極めて優秀な部類。戦士系の鎧やガントレット、魔法使い系のローブも装備できる。
最初から装備出来る武器はそれぞれ方向性が違うが、旅芸人で最後まで進むことは考えず、先を見据えた育成を考えよう。
 
序盤から旅芸人を使う場合、攻撃力に関しては所持スキルの武器を伸ばしていくと良い。
範囲攻撃手段は呪文で賄えるが、MPが高くないためすぐにガス欠を起こすので出来るだけ打撃を強化するのが無難。
戦士系よりMPはあるので、特技の燃費が悪い武器スキルも使いこなせるのはメリット。


    • 最初から装備出来るもので最も扱いやすいのが剣、攻撃力が高く特技のバランスがいい。
    • 単体威力技の「はやぶさ斬り」やダメージ+回復技「ミラクルソード」がそれぞれ使いやすい。ギガスラッシュはコストが高いので連発は出来ない。
    • 旅芸人は攻撃力が低めなので、隼の剣よりも攻撃力の高い武器を選ぼう。積極的に剣スキルに振って攻撃力を上げていくといいだろう。
  • ムチ
    • 剣に比べて攻撃力が低いものの、グループ攻撃が出来る。後半で覚える「双竜打ち」は打撃系の特技では最強の部類、ただし燃費が悪いのでボス用。
    • 「ヒールウィップ」は回復と攻撃を同時に行える。その他はあまり使い勝手が良くなく、MP消費もあるのであまり使うことは無いだろう。

    • 「花ふぶき」「といきがえし」など補助系の特技を覚える。旅芸人をサポート中心にするなら扇も選択に入れるといいだろう。
    • 本編中は扇の種類によって属性を変えて戦うことができるため、上手くすれば攻撃要員としても活躍できる。ただし燃費が多少悪い。
    • 秘伝書の「ハッスルダンス」はコスト0で全体回復を行える貴重な特技。色々こなす旅芸人には色んな意味でお似合いである。

  • きょくげい
    • 魅力、攻撃魔力、回復魔力が+30、器用さが+50。瀕死時に身かわし率アップ。
    • 旅芸人らしくいかにもな技が多いが、結構便利。
      「ツッコミ」は仲間の眠りと混乱を回復させる効果、「キラージャグリング」は攻撃系の特技で、火力の無い武器でもかなりの攻撃力を期待できる。
      旅芸人の秘伝書の【たたかいの歌】は味方全員の攻撃力を上げる非常に強力な特技。
      パッシブスキルはさほど有用でも無いので、適当に欲しい特技まで取ったら残りは後回しにしてしまっても良い。
      とりあえず「ツッコミ」だけは覚えておくか、火力に期待し「キラージャグリング」まで粘るか、そこまで伸ばしたならいっそ「たたかいの歌」まで極めるか。

呪文考察

  • ホイミ系呪文(ホイミ、ベホイミ)
    主人公がこの職業なのでホイミがかなり重宝する。ベホイミも僧侶の回復が間に合わない時は役に立つだろう。
  • ザオラル
    後半は痛恨や即死呪文での即死もあるため復活呪文があるというだけで安心する。しかし過去作より性能が落ちているので戦闘中に使って復活してもすぐ倒されてしまう可能性も。回復魔力も低いため成長には期待できない。
  • ヒャド系呪文(ヒャド、ヒャダルコ)
    MPの関係上連発はできないが、ヒャダルコは中盤数少ない貴重なグループ攻撃として活躍する。
    2段階までしか覚えないため本編用だが、幸いと本編では使い勝手の良い属性で、しかも習得時期がちょうどいいタイミングでもある。
  • バギ系呪文(バギ、バギマ、バギクロス)
    風属性のグループ攻撃呪文で盾ガードされない能力を持つ。風属性は軽減する敵が少なく扱いやすい、風属性は。
    バギは威力が低く使いづらく、バギマは出番なし、唯一活躍できそうなのはバギクロスだが、MPの問題で乱用は出来ない。

時期別評価

習得する呪文や能力から考えて本編用の職業という側面が強い。

本編(転職可能になるまで)

主人公の初期職業なので、必ず1人は連れて行くことになる。
主人公らしく、ホイミやリレミトなど、必須といえる呪文を使えるので便利。
ただ、戦力としては平凡なので主人公以外に追加する必要性はほぼない。

本編(転職可能になってから)

転職可能になって以降も、主人公をそのまま旅芸人にしておくのもあり。
MPはやや低いがベホイミ、ザオラル、ヒャダルコが使えるのはありがたい。
パーティの穴埋めとして最適な能力で素早さもあるため、「おうえん」の使える主人公向き。
終盤に使えるバギクロスはMPの回復手段は豊富であるなら主力として使える。
また、必殺技を上手く使いこなせばパーティの壁要員として活躍できる。
ただし、わざわざ他の誰かをこれに転職させて連れて行く意義はあまりないだろう。

宝の地図

僧侶より少し上程度の力しか持たないので敵にダメージがあまり通らない。
MPがそこそこあるため固定ダメージのギガスラッシュなどに頼るのも手だが、他の職業に転職した方が早い。
旅芸人の使える攻撃呪文はこの時点では戦力外なので期待はしない方がいい。FC版サマル王子みたい。

魔王戦

攻撃要員としては全く使い物にはならない。
素早さを生かしてサポート要員として働くのが唯一の使い道だが、そのために旅芸人を使う程の価値があるかは微妙。

習得呪文

DQ10オフライン

【主人公】が最初から選べる職業の一つ。
 
ステータスデータ

 初期
(Lv1)
Lv70
基本増強最大
さいだいHP32451-581
さいだいMP15270-370
こうげき魔力9210220290
かいふく魔力9210220300
ちから11223-278
みのまもり5186-251
すばやさ11241271461
きようさ11338388528
みりょく8243263393
スキルポイント099
経験値02,308,068

増強=その職業で得られるパッシブを含めた値
最大=他の職業を含めたすべてのパッシブを取得した状態
 
使用可能スキル

※大盾は装備できない。
 
レベルで習得する能力

 
職業クエスト
受注場所は【オルフェア地方西】の洞穴「ポルファンのけいこ場」。他の初期職業と違い【オルフェアの町】の中ではないので注意。
Lvは受注条件

解説

DQ9と同じくバランス良く攻撃、回復、補助を覚えるため、序盤などの一人旅期間にうってつけ。もっとも強制一人旅が長い都合上ゲストキャラクターなどの補助が充実しているため、他の火力のある職を使っても問題はあまりないのだが。
それでも早期からバイシオンやルカニ、ザオなど便利な呪文を覚え、ほぼ必須スキルであるツッコミを全職で使えるようになるため早めに育てておいて損はない。
一方中盤以降は他の仲間がどんどん器用になっていくし、かつての生命線だったハッスルダンスも習得がかなり遅い器用貧乏気味になってくる。ツッコミ以降のパッシブはそこまで重要ではないので、レベル30になって上位職の条件を満たすか、その後でも【フウラ】がバイキルトを覚えたあたりで他の職業に転職してしまおう。
もっとも育てきればバイキルトこそ覚えないもののルカナンやザオラル、ベホイムにハッスルダンスと便利な特技を多数覚えるし、補助効果、威力とも非常に強力なゴッドジャグリングやそれと相性がいい特技ダメージ+も得るので攻撃性能もある。パネルで強化すれば棍や扇スキルもなかなか。
下級職ながら終盤は再び万能職らしい活躍もできると言ったところに落ち着くため、気に入っていれば使ってみるのもいいだろう。

DQ10オンライン

器用貧乏なのは相変わらずだが、専用スキルや武器にポイントを振れば主にバフとサブヒーラーを兼ねる優秀なサポーターとなる。
Ver5.0からブーメランも使えるように。
また、すごろくでは全員の初期職業。
詳しくはこちらを参照。

DQ11

職種・転職システムは存在しないが、【シルビア】の職業である。
他作品と同様に「きょくげい」スキルを所持。中庸な能力値やバギ系呪文などに旅芸人の形質が見られる。

シアトリズムDQ

悟りの不要な基本職の一つ。短剣、棍、専用スキル「きょくげい」を持つ。
原作と同じくDQ9主人公の初期職業…ではなく、何故か【少年アルス】(DQ7主人公)の初期職業になっている。
ステータス補正は運の良さ以外がマイナスになってしまうが、
「常時特別リズポ追加かくとく」の特性を得られるので長く使うつもりのキャラクターには早めにマスターさせたいところ。