【HP】

Last-modified: 2024-03-26 (火) 12:23:15

概要

RPGにおけるキャラクターやモンスターの能力値の一つ。アクションゲームなどで言う「ライフ」に相当するもので、これが0になることは【死亡】(戦闘不能)を意味する。
 
DQシリーズではhit point(ヒットポイント)の略称であり、「エイチピー」と読まれる事も多い。DQ1の【取扱説明書】では生命値とも書かれており、一般的に「キャラの生命力を表す数値」と説明されている。
大抵のRPGではHPという表記を使っているが、他のゲームではhealth pointやheart pointの略とされることもある。
プレイヤーおよびゲーム内の台詞からは「体力」とも言われ、実際に和風のRPGでは「体力」となっているものが多い。しかし現実には体力が尽きても死ぬことはないし、やはり本来は「生命力」と言うのが正しいだろう。
実際、DQ3とDQ4では【たいりょく】はHPとは別のパラメータを意味するので注意が必要。
単にHPと言った場合はそのキャラの生命力の最大値、つまり【さいだいHP】を指す場合が多く、それに対して現在のHPを「現在HP」と呼ぶこともある。
 
味方全員のHPが0になると【全滅】となるため、それを避けるために冒険中は常にこのHPの数値に気を配り、回復を怠らないようにする必要がある。

HPの増減

HPは相手から攻撃を受けると減少する。HPが減るのは主に戦闘中だが、移動中でも【毒】【猛毒】【呪い】の一部といった状態異常にかかっている時や、【ダメージ床】などのトラップで減少することがある(詳細はリンク先参照)。
HPが減ること、あるいはその減少量のことをダメージ(damage、「被害」「損害」の意)といい、「◯◯(ポイント)のダメージ」という形で減少量が表現される。DQ8以降の作品ではギザギザのフキダシなどの形でもダメージ量が表示され、この時のフキダシと数字には赤と黄色が用いられる。
ダメージ量は相互のキャラクター(モンスター含む)のパラメータや呪文・特技の基礎威力・耐性などによって算出され、この数値が現在のHPを上回るとHPは0になりそのキャラクターは倒れる。
最大HPの数値以上のダメージを受けると一撃死するが、味方側は簡単に一撃死させられるほどHPは低くなく余程場違いな強敵に出会わない限りは【痛恨の一撃】以外でHP満タンから一撃死することはあまりない。しかし、終盤は敵の攻撃が激しく、あっという間にHPを削られるので注意が必要である。
また、【即死】系の呪文や特技の効果を受けたり、自己犠牲の呪文・特技を使ったりすると強制的にHPが0になり倒れる。
 
逆にHPの現在値が上昇する現象を「回復」と呼んでおり、メッセージでは「キズが かいふくした」などと表現される。
【ホイミ】などの回復呪文・特技、【やくそう】などの【道具】で一定量回復でき、【宿屋】【タダ宿】に泊まる、【回復の泉】を利用することなどで最大値まで回復する。また3DS版DQ8以降に新たに発売された作品の多くでは、【レベル】が上がると自動的にレベルアップ後の最大値まで回復する。
DQ7までは回復量は表示されなかったが、DQ8以降の戦闘中では緑のフキダシによって回復量がわかるようになった。
ただしHPが0になっているキャラクターは上記の方法では回復できず、【ザオリク】【教会】などで「蘇生」を行う必要がある。

HPの表示

味方側のHPは移動中・戦闘中ともステータス表示欄に数値として表示され、DQ3~DQ7の時代では「HP」が「H」と略されている。ターン中に表示が消えるDQ8では変化が起こった時のみにキャラクターの頭上に表示される。DQ9以降では【ライフゲージ】が数値に併設され、視覚的にわかりやすくなった。
また【つよさ】コマンドでパーティ全員のHPの最大値・現在値を一覧表示する機能もある。
HPの現在値が低下するとステータスの文字の色も値によって変化する。詳しくは【ウィンドウカラー】を参照。
 
敵の現在HPは原則として非表示であるが、DQ10以降ではHPの減少したモンスターの表示色が変化するようになった。
一部のモンスターはHPの残量によって行動が変化することもある。

本編

味方キャラクター

基本的に戦士系ほど伸びやすく、魔法使い系のキャラは伸びにくいが例外もある。
これが高いキャラほど攻撃を受けやすい前衛に置き、これが低いキャラは後衛に置くのがセオリーである。
他のステータスよりも数値が伸びやすく、戦士系のキャラならば序盤を終える辺りで100を超える事も珍しくない。
 
DQ3とDQ4(FC・PS版)では【たいりょく】と密接に関係しており、たいりょくの約2倍が最大HPの数値となる。
DQ6とDQ7では【職業】によって変動するが、やはり戦士系ほど上昇率が高い。
DQ8以降では【命のブレスレット】などの【装飾品】で最大HPを高めることも可能である。
 
DQではアイテムによるHP回復手段に乏しく、大幅なHP回復には【ベホイミ】【ベホマ】などの上級回復呪文の使用を強いられる。
シリーズが進むに連れて【せかいじゅのしずく】【アモールのみず】【上やくそう】といったアイテムによる回復手段は増加していったが、入手性に優れないものが多いためか、近作でもHP回復は呪文や宿泊で行う傾向が強い。
DQ2からは戦闘中に自分のHPを回復できる【ちからのたて】、DQ3からは戦闘中に全員のHPを回復できる【けんじゃのいし】や歩くとHPを回復できる【いのちのゆびわ】、DQ4からは装備して攻撃してダメージを与えるとHPが回復する【きせきのつるぎ】、DQ5からは戦闘のターンの最後にHPを回復する【しんぴのよろい】と、無消費で回復させる手段は作品を重ねるごとに増えてきている。
DQ6とDQ7では【勇者】に転職し職業レベルを上げると、戦闘のターンの最後にHPが回復するようになる。
 
HPの上限はDQ1~DQ2では255。以降の作品では基本的に999が上限となっている。FC版DQ3のみ、65535が上限だがそれ以上上げると0に戻る。
シリーズによってレベル99までに増える量は決まっており、DQ5では一部(リメイク版で追加された【ターク】【プオーン】)を除き大体510まで上昇する。リメイク版では【ドーピング】無しで522まで到達する。
FC版DQ3では1000以上にする事が可能だが、オーバーフローを警戒しているためか、レベル99までに体力が255までたどり着きにくくなっている(成長限界値がオーバーフローを起こしているのも原因)。いずれにせよ命の木の実を大量に投与しないとこの数値に辿り着くことはない。
この他、DQ10の【仲間モンスター】に限りHP1000超にすることも可能。PCも【コロシアム】ではHPが大幅に上がるので1000を超えることも。最近では素の状態でもHP1000超えが確認されている。これらの達成も物凄いやりこみを要する。
ちなみに上限は1999。
 
例外的に、DQ7・DQ8でNPCとして戦闘に加わるサブキャラはHPが65000や20000になっており、まず倒されないように設定されているようだ。【猛毒】を食らうと毎ターン999のダメージを受ける。

敵モンスター

こちらも【モンスター】の種類ごとに最大HPが設定されている。
ただし、出現時のHPは必ずしも最大HPになっているわけではなく、多くの作品で最大HPの80%~100%の間のランダムな値となる(例:最大HPが50の敵なら40~50、300なら240~300の範囲内で出現する)。
範囲の下限は作品ごとによって微妙に異なっており、66%や75%が下限となっている作品もある。
このため最大HPが3や4しか無い敵の場合は事実上固定HPで現れる作品もある。
【どくばり】などで敵のHP量を計る際には、正確な数字を計算できなくなっている弊害にもなっている。

DQ1~DQ9

FC版DQ3まではボス含めほぼ全ての敵が変動しており、最大HP固定の敵は【りゅうおう】【ゾーマ】くらいだったが、以降の作品ではイベントなどで出現する固定雑魚やボスは最大HPで出現するのが基本となっている。
ただ、リメイク版DQ2の【アークデーモン】は雑魚にもかかわらずプログラムの仕様上最大HPで出現するなど、例外もある。
 
最大HPは、DQ2までは255までだが、DQ3とDQ4では1023まで増え、DQ4では早くも雑魚の【だいまどう】がこの1023を記録した。FC作品のリメイク版ではパラメータや行動内容を調整した上で4桁になったボス(【シドー】【バラモス】など)もいる。
DQ5では11ビットの限界である2047まで設定可能で、特定の数値を実際の戦闘では、より高い数値に変換して登場させる手法を使うことで高HPの敵を登場させている。具体的にはHP2046⇒HP4500、HP2045⇒HP9000となる。しかしこれに関連した【HP無限バグ】も起こり得る。
DQ6からはさらに増え、DQ6の裏ボス【ダークドレアム】とDQ7の裏ボス【神さま】の最大HPは5桁となった。ボスだけでなく雑魚敵のHPも過去作よりも高めに設定されたが、最大でも990であり4桁雑魚はいない(リメイク版では雑魚敵のHPが全体的に下方修正されたが、ボスのHPは変更されていない)。
DQ8ではDQ4のだいまどう以来となる4桁雑魚【グレートジンガー】が登場。DQ9では【宝の地図】の洞窟に潜む最強クラスの敵ともなると4桁雑魚がゴロゴロ登場し、1500近くもの数値を持つものもいる。DQ9の高レベルの大魔王は5桁に届く。
 
ここまでの作品(含リメイク)で最高のHPを誇るモンスターは、ストーリーの都合上負けるモンスター(DQ5幼年時代の【ゲマ】や、DQ7の初遭遇時の【イノップ】&【ゴンズ】など)がいるため、本編では不詳。
こうした【負けバトル】を含めなけれDQ9の【ラプソーンLv99】の17074が最大であった。その後、3DS版DQ8の追加裏ボス【エスターク】が25600を記録した。

DQ10オフライン

オンラインからの移植である本作においては、外伝クエストに登場するボスは5桁が当たり前になっている。
Ver.1での最大は【レオン・ビュブロ】の30939。雑魚でも【転生モンスター】【アスタロト】は18630にものぼる。

DQ10オンライン

MMORPGであり戦闘システムの大きく異なる本作では、敵HPの伸びは他とは桁違い。
雑魚でも中級あたりからHP4桁になり、最強レベルの雑魚ともなると5桁に達してしまうものも。
ボスはVer.2あたりからは5桁、更にVer.4以降は6桁をも当たり前のように超える。更に所謂エンドコンテンツにおいてはHP7桁の敵も登場している。
詳しくはDQ10大辞典:【HP】を参照。

DQ11

ボスのHPはDQ9までと同じぐらいのバランスだが、雑魚のHPはDQ9以前よりさらに高めであり、世界に異変が起きた後【シルビア】再加入辺りから集団で出現するにも関わらず力999のキャラの通常攻撃でも一撃で倒せない敵がちらほら出てくるようになる。
エンディング前のラストダンジョンで登場する【グレイトドラゴン】は、最大3体同時に出現する敵にも関わらずHPが1900ある。そのため、必ず単体で出現する【サバクくじら】以上に強敵となっている。
過ぎ去りし時を求めた後となるとさらに4桁雑魚は増加する。
 
DQ11Sの【失われし時の怨念】【失われし時の災厄】で両者ともに20000。一戦闘では両者合わせて40000になる。

モンスターズシリーズ

やはりモンスターの種類ごとに伸びが異なる。
上限はキャラバンハートまでの旧作では他の能力ともども999だったが、ジョーカーシリーズからはモンスターの種類ごとに上限が定められる様になった。
【ギガボディ】の巨大モンスターが登場したジョーカー2以降はHP上限が1000以上の味方モンスターも多数存在している。
 
敵の場合は、本来のHP上限を無視したHPを持つモンスターも数多く出現する(特にジョーカー以降の大型の雑魚が顕著で、その地域のボスを上回るHPを持つものが少なくない)。
こうした敵は仲間にすることができないか、仲間にした場合敵としてのステータスを無視して大幅に弱体化する。
ちなみに、キャラバンハートでボスキャラとして登場する【マスタードラゴン】はHPが50000ある。
 
DQMSLでは味方側のHPは本編よりやや低めになっている一方で敵のHPは大幅にインフレを起こしており、ストーリー中盤辺りからHP4桁の雑魚がちらほら出てくるようになる。ボスに至ってはHP6桁のものも登場している。
Ver.8で味方の火力を底上げする「冒険者の証」というアイテムが実装されてからは敵のHPが更にインフレし、雑魚でもHP5桁のものが珍しくなくなった。
 
出現時のHPは初期の作品では必ずしも満タンになっているわけではなかったが、PS版DQM1・2以降は必ず満タンで出現するようになった。これにより、PS版DQM1・2では1ターン目で敵に回復アイテムを使うことができなくなってしまった。
例外として、イルルカの【リバイアさま】から吐き出された【マータイガー】【しんかいりゅう】は必ずHPが半減した状態で出現する。

不思議のダンジョンシリーズ

不思議のダンジョンシリーズでは回復手段が本編以上に少ない代わりに、【ターン】ごとにHPが自然回復する。
これは味方のみの効果であり、手負いの敵を放っておいても復活したりはしない。
ターンあたりの回復量は「最大HP/150」。初期HPは大抵15なので、その状態なら10ターンで1回復する。
計算式からわかる通り割合回復なので、最大HPが増えても【瀕死】から全快までにかかるターン数は変わらない。
ただし、トルネコ2の【魔法使い】だけは回復速度が遅く「最大HP/225」。
また不思議のダンジョンMOBILEのみ、回復量は最大HPに依存せず10ターンで1で固定。
トルネコ3の仲間モンスターの回復速度については【回復定数】も参照。
 
本作にはシリーズにも珍しいHPの最大値の方にダメージを与えてくるモンスターも登場する。
 
HPが最大HPに等しい時に薬草を飲むなどすると最大HPが上がる。

スラもりシリーズ

ハートの個数で表現され、1ダメージ受けるごとにハートが半個減っていく。

バトルロードシリーズ・スキャンシリーズ

チームメイトの合計HPを共有する。

ヒーローズシリーズ

味方キャラのHPはこれまでとほぼ同様だが、本作はアクションゲームに近く、
攻撃が多段ヒットするのが基本なシステムの関係上、敵のHPの量はDQ10オンライン同様かなり高い。
序盤であっても比較的大きな敵の場合は4桁に達する上、ボスともなれば中盤以降は5桁に達する。
そんな連中がしかも数の暴力で襲ってくるのだからたまらない。更にクリア後は10万以上のHPを持つものまで現れる。
 
ヒーローズ2では、ストーリーの途中で【アトラス】を操作するステージがあるのだが、このときのアトラスのHPは30000であり、(FC版DQ3を除けば)ドラクエの仲間キャラ史上初の5桁のHPを誇る。

ライバルズ

リーダーのHPとユニットのHPが存在する。
リーダーのHPは最大値25から始まり、ユニットの攻撃やカードの効果で0まで減らされると負け。
ユニットのHPはユニットごとに固有で、ユニットの攻撃やカードの効果で0まで減らされると死亡する。
回復手段は限られている他、そのバリエーションの豊かさは職業ごとに違う(例えば僧侶は豊富だが、魔法使いは乏しい)。

ウォーク

味方キャラのHPはこれまでとほぼ同様。ただし一部の職ではこころの装備次第では1000を超えられるなどDQ10オンラインに近い水準。
 
これに対し、敵モンスターのHPは当初開始時点ではメガモンスターを除けばDQ10以外の本編シリーズとほぼ変わらない水準であった。
しかしオンライン作品ゆえの宿命か、上級職の実装や強敵モンスター等の様々なシステムが実装されていくに従い、大幅に引き上げられていくようになる。
レベルを上げ、ふくびきで入手した装備の強化やこころの入手・強化などをやって突き詰めれば、4桁以上のダメージを当たり前のように出せるバランスになっていった。
このため、6章以降ではフィールドに出るザコモンスターでも当たり前のように4桁に達し、覚醒千里行のようなハイエンドコンテンツでは5桁のHP持ちがゴロゴロ出る。
強敵モンスターともなれば、強敵レベルを上げていくとあっという間に5、6桁に達する。ボスとして出現する複数体の敵が全員5桁のHPを持つというのも、本作では何ら珍しくない。
 
複数人で挑むレイドバトル形式のメガモンスターは、最弱のトロルですらHPは10000と5桁に達しており、こちらも現在は最強レベルの強敵やほこら出現のものの倍以上を誇る。
また、2022年3月末より開始したギガモンスターは、メガモンより更に多い人数を全国から集めるため、HPは7桁をゆうに超え、2年後の2024年3月には遂に8桁の領域に突入。
インフレが激しいDQ10すらもはるかに凌駕する前代未聞の水準にまで達した。

ダイの大冒険

HPという単語は基本的に出ず、体力という言い方が多い。
ただし【レオナ】のベホマでは体力と傷が同時に回復できないという様に、体力と身体状態を纏めて言う場合もあり、若干曖昧である。
作中で一番印象に残るのは【マキシマム】がキングスキャンで【ヒュンケル】を見た時のHP:1だろう。
かすり傷でも死ぬと言われながらもオリハルコン軍団相手に奇跡の大立ち回りを演じた。
作中に登場する暗黒闘気と竜闘気は回復呪文を受けつけず、自然回復以外不可能である。
単行本のオマケページであるキャラクターパラメータにはさいだいHPが出ている。

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場

【柴田亜美】の作品で、DQ3の勇者が【バラモス】に「エッチスケッチピッチピチギャルの略だ」と嘘を教えるというものが存在した(4巻)。