解説
もしかして:【テリー】
DQM
異世界を旅する【テリー】の前に現れては意味有りげな言葉を残して去っていく謎の男…なのだが姿を見れば一目瞭然。ターバンのような覆面で顔を隠してはいるものの、どうみても未来のテリーである。
名称はGB版では「テリー?」、PS版1・2では「なぞのけんし」と表記される。
ちなみにこれ、たとえ主人公の名前を変更していても「テリー?」の表記は変わらない。そういった理由もあってPS版で変更されたのだろうか?
【ゆうきのとびら】、【いかりのとびら】、【かがみのとびら】、クリア前の【図書館のとびら】に登場する。
最初は「お前は魔物使いだな」と見るや「己は戦わず剣も使えない腰抜けめ」と馬鹿にして来るが、最終的には「剣を使わずとも最高のファイターだ」と称賛の言葉を口にするようになる。
いくら子供時代の自分が相手とはいえ、子供相手に威張ってる事そのものは事実なので、非常に大人げない。
そんな彼と戦うことになるのは、かがみのとびらの最下層。
DQ6本編と同じく【デュラン】の前座として登場し、プレイしたことのある人をニヤリとさせた。
剣士なだけに【さみだれぎり】や【まじんぎり】などの剣技を使ってくるが、【1ターン休み】耐性や【ルカニ】耐性が低いので、そこを突けばそんなに苦戦する事は無い。
ちなみに【ももんじゃのしっぽ】を使うと「まだ仲間にしたことが無い」というメッセージが出るが、もちろん仲間にすることは出来ない。
肉を差し出しても「しかし何も起こらなかった」と表示されるだけである。ちなみに使った肉は消費されてしまうので、投げるのは全くの無駄である。そして何故か経験値も貰えない。
そして、モロに人間なので、もちろん配合でも作れない。本作でプレイヤーと戦闘するキャラで仲間にできないのはこの「テリー?」のみである(対戦格闘ゲームにおけるCPU専用キャラクター的な立ち位置)。
そのためか、GB版【公式ガイドブック】にも詳細は記載されていない。
上巻にて、黒塗りのシルエットと共に、(GB版の正式名称である)「テリー?」でなく「謎の剣士」として大まかなデータが紹介されているのみである。おそらくネタバレを防ぐ意図もあるのだろう。
【集英社】より刊行された攻略本の【DRAGON QUEST MONSTERS FINAL EDITION】では「テリー?」とハッキリ書かれている。
デュラン撃破後は「オレのようにはなるな」、「何があっても姉さんを大切にな!!!」と二つの忠告を残してくれる。
最後は何故か【ワルぼう】に連行されて行くのだが、一体どこへ連れて行かれたのだろうか。
また、後日談である漫画「【ドラゴンクエストモンスターズ+】」ではテリーは皮肉にも力に溺れて道を踏み外している。
ゲームの中では主人公の未来の姿でありながら、扱いとしては完全にモンスターと同様である。
前述の通り1ターン休みにはかなり弱く、【さそうおどり】でつられて踊る、【ひゃくれつなめ】で鳥肌立てる、挙げ句の果てには♀モンスターの【ぱふぱふ】でうっとりする……。未来の自分の無残な醜態を見た少年テリーの心中はいかに。
【4コママンガ劇場】の5巻では「白鳥ハト」が実際にネタにしており(内容は 【あしばらい】ですっころぶ→さそうおどりにつられる→【リップス】のぱふぱふでうっとり)、少年テリーが「それ以上僕のイメージをさげないでェェ!!!」と叫んでいる。
また、同じく5巻で【岡村多香子】が【オーガー】と【バルザック】にぱふぱふされ、大人テリーが泡を吹いて気絶するというネタを描いている。
余談だが、敵として登場するテリー?のグラフィックは、SFC版DQ6公式ガイドブック下巻の職業完全リストの頁における、【戦士】扮するテリーが元になっていると思われ、当該イラストとGB版・PS版のグラフィックとポーズ・装備とがほぼ一致している(鞄や覆面等の差異はある)。
……のは良いのだが、そのイラストにおける彼の装備である金色の剣と四角い盾はどう見ても【どうのつるぎ】と【せいどうのたて】。
PS版では色がついたため、かがみのとびらでの決戦時もこの装備であることがハッキリと確認できる。そんな装備で大丈夫か?
というか、【らいめいのけん】はどこへやってしまったのだろう?
なお上記のDQM公式ガイドブック上巻でのシルエットも、VI公式ガイドブック下巻の戦士テリーのイラストを流用・加工したものとなっており、どうもこの覆面で顔を隠した「テリー?」の絵は公式のモンスターイラストとしては存在していないようである。
【ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑】でも、GB版のドット絵で紹介された。
一応、公的に発表されたイラストとしてはVジャンプ99年4月号の付録として付いてきた「ドラクエシールコレクション」プレミアムシールのうちの一枚があり
【かねこ統】によってゲーム中のグラフィックを基にしたイラストが描かれている。
更に余談だが、当時一部のプレイヤーの間でこんな噂もあった。
「【ダークドレアム】とデュランの配合でこのキャラクターを作ることができる」。
本編ともどもテリーと関わりの深いデュランが配合に関わっているだけに妙に信憑性のある噂だが、【エスターク】が仲間になる件と同様、完全なデマである。
PS版で【チート】を用いて無理矢理仲間にした場合、何故か歩行グラフィックは【かりゅうそう】になる。
一体何の関係が…?
テリワン3D
名称を「剣士テリー」と改めて登場。
今作でもかがみの扉で戦うことになる。
当初こそ顔を隠しているが、彼と戦う時は全く顔を隠さない完全にテリーそのものの姿。DQ6の頃と全く同じ格好をしている。
魔神斬りは使わなくなったものの、【らいじん斬り】とさみだれ斬りの他、【ゆうきの斬舞】、【ギガデイン】も使うなど更に攻撃の幅を広げている。…でも呪文があるんならそれは剣士じゃなくて【魔法戦士】っていうんじゃ?
ちなみに【しんらばんしょう斬】も繰り出してくるが、【てんいむほう斬】は使ってこない。
またオリジナルと違い経験値ももらえるが、前座だからか多くはない(4768。4枠埋めてると1体につき1192だが、これはかがみの扉の雑魚枠とどっこい程度)。
攻略本によれば???系のランクSSでHP2280、【AI2回行動】、【テンションアップ】(ハイテンション)、【れんぞく】(5回)、【カウンター】と、かなり恵まれたラインナップの特性を持っているようだ。
とはいえ、ここまで来たプレイヤーならまず苦戦する事はない。
…というより次に大将戦が控えているので、前座のこいつに苦戦するようでは話にならない。
デュランの口上では「世界最強の剣士」だと述べられているが、これでは諸君の手持ちにいるかもしれない剣士(系モンスター)達の方がよっぽど強いだろう。
余談だが、通常攻撃(とらいじん斬り)のモーションは、後に登場する【魔戦士ルギウス】と瓜二つ。
だが、よく見ると残像の有無や軌道等が異なっている。
また、ギガデインは後ろに回した左手に魔力を溜めた後に突き出して発動し、森羅万象斬の発動時には眼前にエネルギーを溜めた後に縦にぶった斬るなどなかなかカッコよく、【アルテマソード】っぽい発動アニメになっている。こっちはこいつの固有モーションなので、しっかり目に焼き付けておこう。
そしてデュラン撃破後はオリジナル版と同じセリフで忠告し、光の中に消えながら「姉さんを大切にしろよ」と言い残して去っていく。
一方で、「体が軽い……そうか、もう起きる時間だな」の台詞が「どうやら お別れみたいだな……」に変更されているので、リメイク前の「6のテリーが見ていた悪夢」という側面はなくなっている。
ついでに言えばワルぼうも出てこなくなっている。
台詞もなく唐突に出てきて唐突に消えるので、グラフィックを3Dにする以上不自然だと判断されたのだろうか。
本作では敵モンスターの性別を確認できるが、当然このテリーの性別は♂固定である。
旅の扉の主として登場するモンスターは【イケメンマガジン】等でも変わらないので、未来の自分が♀やまさかの両性になってて二重にショックを受けるようなことはない。
たとえ変わったとしても【魔王の使い】を倒した後に戦う為、この個体を♀にする事はできないだろうが…。
なお、本編で感動的な別れを果たしたくせに勝ち抜きバトルのときにもたまに出現することがある。
異常耐性の穴がなく、ステータスがインフレする後半では恐ろしい強敵になる。
また、本作はモンスターごとに性別の偏りが存在し、アイテムを使わない限り特定の性別でしか出現しないモンスターも居るのだが、勝ち抜きバトルではその制約が解除されている為、ごく稀に♀のテリーが出て来る事がある。
配信で仲間に出来るのではとも噂されたこともあるが、流石にそんな事はなかった。
J2に登場する【ブオーンJr.】や【ゲソアーノン】などと同じく、完全な敵専用枠。
そもそも流石のテリーくんも未来の自分を使役するなんて嫌だろうしこれが妥当なのかもしれない。
仲間に出来たと紹介している動画も存在するが、詳細な説明がどこにも無く十中八九チートである。
没モンスター
テリワン3Dに登場した剣士テリーはイルルカでも登場させるつもりだったのか、没データとして存在している。
イルルカの没モンスターの例に漏れずアイコン無し、全上限値0、特性は「スモールボディ」のみで、スキルは「びゃくやの剣技」。早めに没にされたのだろう。