概要
DQ4以降に登場した【状態変化】のひとつ。
身をすくませる、踊らせる、笑わせる、見とれさせる、転ばせる、捕らえる等、さまざまな攻撃によって生じる。
この状態になってしまうと行動1回分(基本的には1【ターン】)、一切の行動ができなくなってしまう。
あるターンに対象が行動する前に効果を受けた場合は、そのターンの行動が不能になる。
同じく思うような行動ができない【眠り】や【混乱】、【麻痺】などと比較すると動けなくなるのは1回だけなので侮りがちだが、
この状態になる攻撃のほとんどが対策が困難であるため、実際の脅威度は必ずしも劣るわけではない。
「行動不能」などと呼ばれることもあったが、「1ターン休み」が【公式ガイドブック】等で使われる正式名称であり、近年ではこの呼び方が定着している。
もっとも、DQ5以降の作品では【複数回行動】する敵は1回分行動不能になるだけなので、2回行動してくる場合はもう1回分は普通に行動することが可能。
つまり、正確な効果は1ターンではなく「1手」休みであり、その名の通り「必ず“1ターン”休みになる」というわけではないので注意が必要。
ただし、近年のナンバリング作品(リメイク版DQ7など)やモンスターズジョーカーシリーズでは呼称に合わせたのか、複数回行動する敵でも1ターンの間行動しないようになっているものもある。
この効果を生じさせる【特技】や【アイテム】が持っている属性については【1ターン休み系】を参照。
状態変化ではない行動不能
「状態変化としての1ターン休み」とはまた別に、行動時にランダムで硬直するというものもある。
初登場はDQ2で、【はかいのつるぎ】など【呪い】の武具を装備していると一定の確率で行動不能になる。
また、DQ2(MSX版、MSX2版)では【あぶないみずぎ】を着ていると敵が行動時にランダムで見とれるという、これに似た効果がある。
この効果はDQ6の【スーパースター】の職業特性などに引き継がれているが、そちらの方は状態変化であり【1ターン休み系】の耐性を参照する。
FC版DQ3の【遊び人】の遊びも、すべて【無駄行動】なので実質的にランダムで硬直(1ターン休み)しているのと全く同じ。
DQ4の第5章の【NPC戦闘員】のうち、【ドラン】だけは【判断力】が低く、ターンの初めに行動選択するため、【いれかえ】で馬車から飛び出したターンは行動できず、1ターン休み同様の状態になる。
また、DQ5やDQ6では【主人公の声真似】で他の作戦から【めいれいさせろ】に変更された場合、そのターンで未行動だった仲間はやはり1ターン休みと同じ状態になる。
DQ11の【主人公】は【はずかしい呪い】縛りをしていると、まれに固有の「はずかしがり」という状態で1ターン休みになる。
11Sでは超はずかしい呪いを選ぶことで主人公以外の仲間も対象になる。
DQ4
状態変化としては初登場。
敵側の【おたけび】が成功するとこの状態になる。
また、【トルネコの特殊行動】のいくつかの効果が敵を1ターン休みにするものがあり、これらは敵の行動回数に関わらず完全に1ターン行動不能にする。
このうち、大声をあげる以外は【無属性】でボスを含めたすべての敵に必中という凶悪な性能を誇る。
また、【ほほえみのつえ】を道具使用すると、【ラリホー系】耐性に応じて相手がにっこり微笑んで1ターン休みになることがある。
味方側からは意図して発動することができるのはこの方法のみ。
リメイク版
トルネコの足払いやダジャレもラリホー属性で統一され、価値が暴落した。
また、後の作品に合わせて、2回行動の敵は1回分しか封じられないという弱体化も受けている。
DQ5
本作以降、【1ターン休み系】という固有の属性を持つようになった。
前作からあるおたけびに加えて【さそうおどり】など単体対象の特技も登場し、敵モンスターが使うだけでなく味方モンスターも習得してくれる。
ただし、SFC版DQ5の【まもののエサ】だけはなぜかラリホー属性。
眠りや麻痺のように行動不能状態が持続するわけではないが、【耐性】を上げられず防ぐ手段にも乏しいのでくらうと厄介な場面が多い。
味方が使う場合は、全体攻撃のおたけびは強力なものの、単体対象の特技は使いどころが難しい。
ただし、【トラップモンスター】など、必ず単体で出てきてこれに弱い敵には非常に有効。
ちなみにSFC版に限り、ターン開始時に行動不能状態になっているキャラクターを【いれかえ】(そうがえも含む)でいったん馬車に入れてから再び外に出すと、行動不能状態が解除されるというバグ(?)がある。
なお、上述の通り2回行動の敵は1回分の行動しか封じることができなくなった。
ただし、SFC版DQ5の【パルプンテ】の効果の「はやぶさのようにすばやくなった」状態では、マニュアル入力の【主人公】や【めいれいさせろ】で命令した場合に限り、2回とも行動が封じられる。
めいれいさせろ以外の作戦なら仲間は、1回分は行動可能。
DQ6
【あしばらい】などの特技が新登場。
【転職】システムによりキャラを選ばず使用できるようになった。
主人公1人旅の最序盤から敵側に使い手が登場し、くらうと一方的にボコボコにされる。
【マジックバリア】を使用することで1ターン休み状態になりにくくなる。数少ない対策だったが、リメイク版では効き目がなくなってしまった。
DQ7
【ステテコダンス】、【マッスルダンス】などが追加。
どんどん種類が豊富になっている。
その一方で依然として耐性装備は存在せず、【神さま】のステテコダンスなどには大いに苦しめられることになった。
武器の追加効果でこの状態にする【ユバールの剣】が登場した。
DQ6と同様、リメイク版ではマジックバリアが1ターン休み系に効かなくなった。
DQ8
本作で導入された【テンション】も解除されるので影響が大きい。
戦闘中に味方キャラのグラフィックが表示されるようになり、メンバー各々の【踊り】などの反応を見られるようになった。
【あるきかたシリーズ】に細かく掲載されており、あえて休みを食らって反応を楽しむという新たな楽しみ方が生まれた。
側から見たらヤバい人に見えてしまう。
内部データとしては1ターン休みA、1ターン休みBの2種類に分かれている。
【ぱふぱふ(特技)】や【ハートブレイク】など味方の使えるものはすべてBに該当する。
2種類になった理由はおそらく、ゼシカ(とゲルダ)が無効化するぱふぱふの休みと、全員がかかってしまうぱふぱふ以外の休みを区別するためだろう。
こちらもマジックバリアで効きにくくすることが可能。DQ6・7とは異なり、リメイク版でも変わらず効果を発揮する。
3DS版にて、ついに念願の耐性装備が登場した。
DQ9
食らった場合はステータス欄に「やすみ」と出るようになった。
【一喝】、【ダンスフィーバー】でボスやメタル系含む全てのモンスターを強制的に休みにできる。
【リッカのバンダナ】などの【耐性防具】がちらほら出始めた。
DQ10オフライン
オンラインと同様に「笑い」「転び」「【踊り】」「【おびえ】」「しばり」「スタン」「【みとれ】」に細分化されている。基本的にスタンは【耐性】を持つ敵が少ないので、行動を止めたいならとりあえずスタンを与える必殺技を使うのが安定する。
受ける側としては転び、怯え、踊りは装備で数割しか耐性をつけられず、他にいたっては装備で耐性をつける手段がないので厄介。【まもりのたて】で確率を減らすか、【キラキラポーン】や【弓聖の守り星】でまとめて防ぐのが安全。類似の【いただきボール】なども存在するがこれは【バシルーラ】に近いか。
【タナトスハント】などの親戚として、発生手段を問わず休み状態の敵に大ダメージを与える特技【オネロスハント】も登場している。
Ver.2
こちら側が使うものにはショック(連続耐性も含めて完全確定の【勇者の光】)が追加。【ひゃくれつなめ】ともども複数ターン休みなので「1ターン休み」ではないが…
また敵が使うようになった「変身」のうち、【パンパカパーン】は他の休み系と同様のアイコンが出る。
DQ10オンライン
休み系統の耐性が発生手段に応じて【ボケ】等による【笑い】、【あしばらい】等による【転び】、おたけび等による【おびえ】、【さそうおどり】等による【踊り】、【チャージタックル】などによる【スタン】、他にも【たいあたり】による「ふっとび」や「変身」といった具合で細分化されている。
転びは効かないが怯えは有効など敵によって耐性が個別に設定されており、味方サイドも敵の使う技によって耐性装備を使い分ける必要がある。
また、休み状態では【盾ガード】などの【防御】も行えない。
特技によって行動不能の時間も違い、また【すばやさ】に関わらず固定の時間操作不能になるのですばやさが高いほど被害が大きいといえよう。
全般についての詳細は【休み】を参照。
DQ11
この状態のキャラは【いれかえ】ができない仕様になった。
今回も休み系は細分化されており、DQ10にもある「笑い」「転び」「【おびえ】」「踊り」のほか、【ぱふぱふ】等による「うっとり」を含めて5種類に区分されている。珍しいものには「なめまわし」「ゆきだるま」などもあるが、それらは成否は「おびえ」耐性を参照する。
ただし、これらは味方の素の耐性にのみ影響する。
踊りが大好きな【シルビア】は踊り系弱点、女性キャラはうっとり系無効、一方むっつりスケベの【ロウ】と【グレイグ】はうっとり系弱点といったようにキャラ設定に応じて固有の耐性が設定されている。
DQ10と違って装備品の耐性は「休みガード」に統一されており、休みガードのある装備をすれば、どのキャラも全ての休み効果に対して耐性を付けることができる。
敵の方は大雑把に「うっとり」「転び」「おびえ」の3種に分けられており、それぞれ耐性は別個である。氷浸けなども前作同様おびえに属する。【みとれる】耐性はまた別。
この中でも転びだけは、浮遊している敵に効果がない代わりに、強い耐性を持つ敵は少ない。
意外にも旅芸人のシルビアがいながら敵を踊らせたり笑わせたりする手段は存在しないため、敵についてそれらの状態は設定されておらず、踊らせたり笑わせたりする特技を使用する敵が出てきたときに敵を【魅了】して特技の効果範囲に含めても絶対に効かない仕様になっている。
モンスターズシリーズ
最初のDQM1の時点では、【さそうおどり】の成功率が異様に高く、しかも休んだ相手には【まじんぎり】が必ず当たるため、1ターン休みが猛威を振るっていた。
逆にそれ以外の休み系特技は影が薄かった。
その後は【眠り】や【混乱】など継続する状態異常の方が有効だったり、そもそも【メタル化】で休ませることすら叶わなかったりしたのでやはり影が薄かった。
最近のモンスターズでは【耐性】の見直し等により、1ターン休みが戦略的に重要になっている。
なお、DQMJ2~イルルカでは属性名が「やすみ」から「マインド」になっている。
おたけびや【なめまわし】はともかく、さそうおどりも精神攻撃なのだろうか?(一応「踊っている」と表記される)。
DQMJ3では「休み」という名称に戻った。
DQMJ2P以降は【メタル系】と【自然系】のモンスター全般が軒並みマインド耐性が低いので、使う方も使われる方もこれを念頭に入れておく必要がある。
一方で【ドラゴン系】の多くはマインド系無効なのも覚えておこう。
また【キラーマシン】を筆頭とした機械系を含む【物質系】や、歴代の大ボスを含む【????系】が無効とは限っていないあたり、DQらしいと言えばDQらしい。
DQMJ3では1ターン休み効果とマインド耐性低下を追加された【根に持つタイプ】が猛威を振るった。
あまりの暴れっぷりにアップデートで耐性低下は削除されたものの、依然使用率は高い。
なぜか【亡者の執念】発動中はマインド系の変化が無効化されるので【超ギガボディ】のモンスターが上記の根に持つタイプを突破するときなどに有利に働く。
一方で【不屈の闘志】によるマインド解除も無効化されるため、解除からテンションを上げたカウンターを放つことはできない。
DQMSL
本作では「マインド」という呼称と「行動停止」という呼称が併用されており、特技・特性の説明文では「行動停止」という呼称になっている場合が多い。かかっているモンスターには赤い×がつけられる。
サービス開始当初はモンスターごとに耐性が設けられていたが、現在では撤廃され後述の防御手段がない限りはどのモンスターも一定の確率でこの状態になる。
特技の多様化が著しい作品であるため必然的にこの状態になる攻撃も多く、特に【はげしいおたけび】などは多くのプレイヤーにとって脅威となった。
対策としては2ラウンド(後に上方修正され3ラウンドになった)の間マインドにならなくなる【マインドバリア】などの特技や、特性の「つねにマインドバリア」や各種状態異常バリアで防御可能。
また、光の波動などで治療することも可能で、かかっても行動前にそれらの特技で治療してしまえば普通に行動は可能。
防御できる特性を持っているモンスターは増えているが、耐性に左右されないということで現在でも脅威になりやすい状態異常である。
類似の状態異常として、前述のマインドバリアなどで防げず光の波動などでの治療もできない【封印】というものも存在する。
バトルロードシリーズ
眠り・麻痺・混乱(【とまどいながらこうげき】ができない場合)といったストップ系の状態異常はほとんど「1ターン休み」効果を持っている。
一試合6ターンしかないシステム上、それ以上休ませてはバランスが保てないためである。
ただし、【メイクアップ】だけは耐性によっては複数ターン行動できないことがある。
本来の1ターン行動不能系については、足払いなどをかける「物理的行動不能」、おたけび等で足をすくませる「精神的行動不能」に分化されている。
DQ10に先んじて、発生手段による休みの属性の細分化が行われていたのである。
また、行動が回ってくるとその状態異常は終了することを活用した、【2ターン拘束】というテクニックが存在する。
ライバルズ
本作では「攻撃不能」と呼ばれている。
本作では眠りが存在しないため、【ラリホー】などの原作で眠らせる効果だったものが1ターン休みの効果を持っていることが多く、エフェクトも眠っているようなものとなっている。
攻撃ができないだけで効果やテンションスキル、特技などは発動可能。
ウォーク
怯え・転び・踊りに細分化されているが、心珠に関しては転び・踊りが一本化されて「休み」と表記されている。
また【レンジャー】の職業特性「影縛り」も1ターン休みに相当する。レンジャーの上位職にあたるニンジャの職業特性「影縫い」は1回休みだが、こころ道の風道で1ターン休みに強化できる。
影縛りと影縫いは敵によって成功率が異なるものの、ほとんどの敵に有効。完全耐性を持つとされる敵は【メタル系】や一部のボスなど極少数。
仲間モンスターの状態異常耐性の欄では「休み」に統一されている。