概要
ファンタジーRPGでよく登場する架空金属【ミスリル】のこと。
一般に【オリハルコン】と並び称されることが多いが、「オリハルコン」は超硬度、「ミスリル」は魔法の力を帯びた金属とされることが多い。
FFシリーズにおいて比較的早い段階から「ミスリル~」という名称の武器・防具が多用されたこともあり、現在では概ね「ミスリル」だけで金属・素材を示す単語として通用するが、90年代前半までは「ミスリル銀」と表記されることが多かった。
出典は近代ファンタジーの父と呼ばれる束教授ことJ・R・R・トールキンの小説にしてTRPGの発祥として名高い『指輪物語』(The Lord of the Rings)および前作『ホビットの冒険』(Hobbit)。近年はトールキン財団の版権管理が厳しくなったせいで英語圏では取り分け差し換えが進んでいるようだ。
DQ1発売当時すでにRPG界隈では基本用語となっていたが、DQにおいてはナンバリングタイトルのゲーム内で「ミスリルぎん」という言葉が登場したことは一度もなく、「ミスリル」という呼称が用いられたのもリメイク版DQ3が初と、結構遅めの登場だった。
その一方で、攻略本や【アイテム物語】等のアンソロジー本などではそれよりもはるかに前から用いられていた。
使用例としては『ファミコン神拳 奥義大全書 巻の二 ドラゴンクエストのすべて』が最も古いほか、『アイテム物語』では下述の通り、世界におけるオリハルコンとミスリル銀の分布図まで作られた。
【公式ガイドブック】でも、【まほうのよろい】・【みかがみのたて】・【マジックシールド】などのアイテム説明文において、ミスリル銀製であると明言されている場合がある。
ただし、これらも作品ごとに(それぞれの公式ガイドブックによって)設定がマチマチで、『特殊な金属』や『不思議な金属』のような曖昧な表現となっている場合も多い。
DQシリーズにおいては、DQ3のSFCリメイクで【ミスリルヘルム】がゲーム本編に登場。
ゲーム内で「ミスリル」という呼称が用いられたのはこれが初めてであったが、その後も先述の版権の関係もあってか「ミスリル」を冠するアイテムはあまり登場していない。
「ミスリルヘルム」の登場からだいぶ遅れて、DQ9にて錬金システムにおける素材として採用され【ミスリルこうせき】が登場し、製作物として【ミスリルフード】が登場。
DQ11ではレシピとして【ミスリル武具のレシピ】が登場したが、このレシピで作れる物で「ミスリル」を冠するものは「ミスリルヘルム」のみと、ここでも「ミスリル~」という武具が増えることはなった。
ビルダーズでも素材として採用されこちらでは【ミスリル】という名称で登場しているが、引き続き「ミスリル」を冠するアイテムは増えていない状況である。
モンスター物語
【モンスター物語】では、【メタルスライム】は、【みかわしのふく】にくるまれた【スライム】が、溶けたミスリルをあび、冷えて固まったことにより生まれた新種とされている。
各地にミスリルの鉱山があり、人間と【モンスター】で争奪戦になっている設定で、
メタルスライムが生まれる原因になった鉱山はモンスターが制圧しており、【トロル】が採掘していた。当然モンスターたちも武器に利用していた。
そのなかで、ミスリルの用途を【ひかりのつるぎ】や【みかがみのたて】、【がいこつけんし】の剣、【あくまのきし】の斧に使うと解説がある。
キャラバンハートではこの設定を採用したのか、モンスター図鑑でメタルスライムを「体がミスリル銀で覆われている」と説明している。
アイテム物語
同作では「流白銀」と書いてミスリルと読ませ、銀の一種と解説されている。
また、巻末にDQ2・DQ3世界における、ミスリルをはじめ金属の生産地図が掲載され、銀の一種と解説されている。
各地に鉱山があり、武器の素材として、人間と【モンスター】で争奪戦になっているという設定である。
また、【ゆうしゃのたて】【みかがみのたて】もミスリルを素材に製造していることが語られている。
「『最高の』ミスリルで~」という表現などから、両者は同じ素材を用いつつも、純度や製法などに違いがあると思われる。
【たいようのいし】と【つきのかけら】によって生まれる力を使えば普通の人間の鍛冶でも扱えるのだが、逆になしでは非常に困難であった。
【精霊神ルビス】の使わした【エルフ】、エアリエルの選んだ上質の石炭による火力で、ようやくゆうしゃのたての鍛造に成功している。
蒼天のソウラ
1巻で登場。
アズリア用の鎧の素材。
最初はソウラとマルチナのパーティが発見するもカティ達に横取りされた【宝箱】に入っていた。
ソウラがカティ達を助けた事で譲り受け、裸であったアズリアの装備となり、その後長く使用される。