【モンスター】

Last-modified: 2024-03-31 (日) 07:46:14

概要

怪物。monster。
【人間】とも動物とも異なる架空の生物。ファンタジー系ゲームでは切っても切れない存在である。
 
DQシリーズでは敵キャラクターのほとんどがモンスターであり、敵キャラを総称してモンスターということが多い。【エンカウント】によって【戦闘】する対象となり、勝利すれば【経験値】【ゴールド】、場合によっては【ドロップアイテム】も貰える。
その中でも強大で通常のモンスターとは異なる立ち位置にいるものや、ストーリーの一つの区切りとなるものは【ボス級モンスター】と呼ばれる。
作中では主に「魔物」「まもの」と呼ばれるが、【格闘場】などのお楽しみ要素などにおいては「モンスター」という語も使われる。
FC版初期の説明書では基本的に「怪物」と呼称されている。
DQ7以降では【モンスターずかん】【討伐モンスターリスト】など情報を確認できるシステムが搭載されるようになり、考えようによっては人間などの通常キャラクターよりゲーム内での情報量も多くなっている。
 
本格的に魔物を使役するのを主とする外伝作品として、ドラゴンクエストモンスターズシリーズも登場した。こちらは基本的にモンスターしか戦闘を行わないので、モンスターが主役のシリーズといえる。
 
モンスターの一覧についてはこちらを参照。

作中での位置付け

シリーズ黎明期は【魔王】やそれに準ずる存在の命令により、人間に対しては(ごく一部を除き)ただ襲い掛かってくるだけの完全な敵対関係に過ぎなかったが、後にNPCのパーティキャラ【仲間モンスター】としてこちらに協力してくれるモンスターが登場。
人間と生活を共にしていたり、【クエスト】で親しくしてくる個体も登場したり、味方として登場するモンスターが出てきたり、仲間モンスターを【モンスター・バトルロード】で戦わせたりとモンスターと味方との関係は近づいていった。それに比例するように友好的もしくは敵意のないモンスターが洗脳され戦いを挑むケースも増えているが、多くは撃破することで正気に戻る。また、戦闘後や撃破後、ストーリーやクエストクリア後などに和解、改心するという例もボス級モンスターを中心に増えてきている。
一方で、物語で世界に異変が起きた後などに「それまで生きていた人がモンスターに殺されてしまった」という話を聞くこともあり、やはり完全な共生関係とはいかない現実を目の当たりにすることになる。
DQ8以降の作品では野生動物に近い魔物も増えてきている。明確な敵対関係ではないので、縄張りに入った敵を迎撃するといった感じであり、下手をすれば無理に縄張りに入った人間が悪いとも言える。また、イルルカ、DQMJ3では動物をモチーフとしたモンスターを主とする捕食関係が視覚演出されるようになり、野生動物化が加速している。もともとDQのモンスターデザインは動物を元にしたものが割と多いので、必然であったのかもしれない。
 
DQ世界は「ゲーム進行で拠点が消えたりして後戻り・やり直しできない」状況を避ける基本コンセプトの影響か、それを招くような人間同士の本格的な戦争描写は少なく、謀略・暗闘や、兵をもよおしても小規模な衝突で終息しがちな傾向が強いのだが、(人間側に着く例を除けば)魔物同士で争うことは輪をかけて少ない。特に初期の作品では魔物達はみな魔王に忠実で、近年の作品でも魔物達の連携は良い。人間側に着いた魔物と普通に戦い、戦闘内で【死亡】させてくることもあることから魔物同士の連携より魔王への忠誠を重視していると思われる。
しかしDQ5の【ジャハンナ】にいた元魔物の話などでは戦いと【裏切り】の連続を経験してきたとあり、組織によっては個人レベルで闘争は絶えないようだ。リメイク版DQ4では【ピサロ】【エビルプリースト】という魔族同士の戦い、DQ10オンラインでは魔界の覇権争いが描かれている。明確に【めたる狩リの季節デス】の様な個人レベルでの争いが見られる例もある。
例外としては、上記のイルルカ等モンスターズシリーズの一部においては捕食関係やいがみあいが大きくピックアップされており、血肉を賭した争いそのものは日常的に行われる描写になっている。それらを他のシリーズにも通じる基準化するわけにはいかないものの、人間単一種文明の固定概念では済まない殺伐さはあると思うべきだろう。
 
また、一部作品では【神】【精霊】神獣や神鳥といった聖なる存在や協力的なモンスターが主人公たちへの試練などという形で戦いを挑んでくることもあり、これらも「モンスター」として扱われる。
中には試練のほか大会や闇堕ち、裏切りという形で【人間】(あるいは主人公と同じ人型の【種族】やモンスターになってしまった人間)との戦いを余儀なくされる場合もある。この場合の【テリー】【マルチェロ】といった人間も扱いとしてはモンスターになる。この際、【匹】と数えられてしまうためネタになる場合もある。
 
また、同じモンスターであっても登場するフィールド、ダンジョンによっては固有の設定を持つ場合もある。
モンスターズシリーズを筆頭に、図鑑システムの実装作品では固有どころでなく、成り立ちの根幹から異なるような設定が新作ごとに記述されるのがお約束化している。

モンスターができるまで

DQ5まで

書籍【ドラゴンクエスト モンスターズ】(1996年発行)の記事によると、モンスターの創作は【堀井雄二】【鳥山明】の共同作業で行われていたようである。
まずは堀井がラフスケッチと簡単な説明文のみを書いた資料を鳥山に渡す。この段階でのモンスター名は仮のものである。
次にこの堀井のイメージ資料をもとに、鳥山がイラストを描き起こす。堀井は「鳥山さんの意外性にも期待している所があって、出来上がった絵を見て決める。」と語っているように、モンスターの名前や攻撃方法などは、イラストが上がったあとに考えることが多い。
次に、モンスターをワールドマップに配置する作業に入る。
モンスターのイラストを全部コピーして会議室の壁一面に貼り、モンスターの強さ順に並べ替える。
ここで色違いのバリエーションやモンスターの大小といったバランスを調整し、足りないイラストを鳥山に追加発注することもあるという。
 
ただ、この工程に関しては情報が不足しているとみられる部分がある。
【ファミコン神拳 奥義大全書】特別編「キム皇のファミコン神拳110番」(ドラゴンクエストⅡファンブック)における鳥山明へのインタビューでは「モンスターのアイデアは宮岡さんが作ってくれたのだけど(以下略」と回答されており、少なくともDQ2に関しては、堀井雄二が出した発注に宮岡寛がアイデア出しとラフ画を描き加えたうえで鳥山明に渡っていたのではないかと推測される。
Wii版DQ1・2・3ゲームソフト内に特典として収録されている開発資料ではDQ2の【アークデーモン】の原案(グレーターデーモン 高級悪魔 と併記されている)が存在するのだが、上記【ドラゴンクエスト モンスターズ】掲載の堀井雄二によるとされるラフ画(グレターデーモン とても強い悪魔 と併記)とはまったく別のイラストで、画風も異なるように見える。
また【ドラゴンクエスト モンスターズ】では

[鳥山] 基本的にはそんなに変わってませんよね?
[堀井] 一番意外だったのが、キラーマシン。僕は、「機械」という風に発注した覚えがないんですよ。「鎧だけの化け物」とか「人間が入ってない」っていうポイントから、ロボットが出てきたんだと思いますね。絵を見て、逆にロボットっぽいから「キラーマシン」ってつけました。

というやり取りがあることからもその可能性が考えられる。

DQ6以降

これ以降の作品では、鳥山がデザインするのはラスボスなど一部に限られるようになった模様である。DQシリーズ30周年で発行された画集では鳥山自身が「雑魚キャラや雑魚モンスターとかの方がずっと楽しそうなんですが、時間的な制約ですべて描くわけにもいかず」と発言しており、実際にもDQ6以降のモンスターはごく少数しか載っていない。
DQ6や7では【中鶴勝祥】【かねこ統】、DQ8以降は開発スタッフによるものとされているが、一応鳥山のテイストを踏襲したデザインである。
 
なお、モンスターのイラストはDQ6の頃まではアナログで着色されていたが、それ以降は作画にMacintoshを導入した鳥山明の絵を含め、デジタルで着色されるようになった。

バリエーション

同一のグラフィックでも色違いによりモンスターのバリエーションを増やすことはDQ1から行われている。
単なる色違いだけではなく、FC時代は【よろいのきし】系統に代表されるように、下位種では原画から武器や盾などを削除した簡素なデザインとされることが多く、さらにDQ1のみ画像の反転でも差異を出したものが出ている。
ただしこれはモンスターの絶対数が少なかったが故の苦肉の策だったようで、モンスターの種類が増えたSFCやPS(リメイク版を含む)の時代は【わらいぶくろ】【おどるほうせき】のような例外を除いて色のみが変化するようになった。
その後、モンスターグラフィックが3D化したPS2時代以降は再び外見でバリエーションがつけられるようになり、得物以外のパーツの変更もされるようになった。
【ビッグモアイ】【クラウンヘッド】【青狼鬼グルバレイダ】【鉄鬼軍王キラゴルド】【妖剣士オーレン】【屍騎軍王ゾルデ】のように、全体のパーツが著しく異なるが、骨格やモーションが共通なものまで登場している。
 
慣例的に色違いモンスターで弱い方を下位種、強い方を上位種と呼ぶことが多い。
基本的に上位種の方が後で登場するが、章ごとにレベル1からのスタートとなるDQ4では上位種の方が先に登場したり、どちらが上位なのか区別しにくい例もあった。
基本的にはステータスの高さで判断することになるが、適正レベルなどの関係上、下位種の方が体感的な強さが高いということもあり得る。
また、シリーズによって上位下位が入れ替わる下剋上もよくある。
近年では【やまたのおろち】と怪竜やまたのおろちのように肩書きの有無や肩書きの違いで同一のモンスターが別モンスターとして扱われるパターンも存在している。その場合は肩書きがある方が上位種で、肩書きがない方が下位種であることが多い。

常連モンスター

これまでに様々なモンスターが登場しているが、シリーズを重ねるにつれて毎回のように登場する常連モンスターの顔ぶれが定まってきている。
シリーズのマスコットのような存在となっている【スライム系】はもちろん、トラップモンスターという立場のある【ひとくいばこ】系や、【メガンテ】の使い手でお馴染みの【ばくだんいわ】は登場以来皆勤を守り続けている。この他にも【くさったしたい】【マドハンド】【パペットマン】は皆勤でこそないものの、シリーズ初期のFC・SFC時代より常連入りを果たしている。
DQ7からはこれらに加えて【キメラ】系と【ゴーレム】系、モンスターがフル3Dで描かれるようになった次のDQ8からは【ドラキー】系、【キラーマシン】系、【ギガンテス】系、【さまようよろい】系、【トロル】系、【うごくせきぞう】系、【リリパット】系、【おおきづち】系、そして同作から新登場の【メタッピー】系と非常に多くのモンスターが常連として固定化されるようになった。
 
主な常連モンスター
4作品以上連続で登場したことのあるモンスターを挙げる。
(ナンバリングのみ、リメイク・移植版除く。DQ10でバージョンアップにより後発作品より後に出た場合は登場した順に記す)

初登場作品モンスターその後の登場作品
DQ1【スライム】【メタルスライム】全作品
【ドラキー】DQ2・5・8以降
【スライムベス】DQ3・4・6以降
【キメラ】【メイジキメラ】DQ3・5・7以降
【ゴーレム】【ストーンマン】DQ5・7以降
【ドラキーマ】DQ5・8以降
【ゴールドマン】DQ3除く)DQ7以降
DQ2【ホイミスライム】全作品
【バブルスライム】【はぐれメタル】
【しびれくらげ】DQ3~6・8以降
【くさったしたい】DQ3・5以降
【マドハンド】DQ3・5~8・10・11
【グール】DQ3・8以降
【パペットマン】DQ5~8・10・11
【メタルハンター】【キラーマシン】DQ5・8以降
【ギガンテス】
【タホドラキー】DQ8以降
【サイクロプス】
DQ3【ひとくいばこ】【ミミック】全作品
【ベホマスライム】
【ばくだんいわ】
【さまようよろい】DQ4・5・8以降
【おばけキノコ】DQ4・5・8・9・11・10
【じごくのよろい】【キラーアーマー】DQ4・8以降
【おどるほうせき】DQ5~10・11(3DS)
【わらいぶくろ】DQ5・7~10・11(3DS)
【トロル】【ボストロール】DQ6・8以降
【うごくせきぞう】【だいまじん】
【どくどくゾンビ】DQ7以降
【マタンゴ】DQ8・9・11・10
DQ4【キングスライム】【スライムベホマズン】【メタルキング】全作品
【リリパット】【どくやずきん】【アローインプ】DQ8以降
DQ5【スライムナイト】【メタルライダー】全作品
【メガザルロック】
【おおきづち】【ブラウニー】DQ8以降
DQ7【パンドラボックス】全作品
DQ8【メタッピー】【ガチャコッコ】【アイアンクック】全作品

DQ1

第1作で登場したモンスターはわずか40種だが、同じ姿で色を変えることによって【種属】の上位種・下位種の概念ができるなど、DQのモンスターの基本はある程度完成されている。
ラスボスの【りゅうおう】(第1形態・第2形態)が各々固有の種属であることを除き、基本的には1属2種または3種である。例外は【がいこつ】を最下位種とする属であり、早くも4種ある種属が登場した。
また種属の中で2番目に登場するモンスターに関しては姿が左右反転している(【スライムベス】の光沢は除く。【ドロルメイジ】は左右対称なのでわからない)。
加えて前述の通り、下位種では武具や炎のグラフィックが削除されているモンスター属もある。プレイヤーから見れば、上位種は従来種より装備などが増えて強敵になったと思える演出になっている。
まだ動きは見せず点滅(ダメージは赤、呪文詠唱は白)するのみであり、どのように動いているかはプレイヤーの想像に任せられていた。
今作ではモンスターの影も描写されており、影も本体と一緒に赤や白に点滅する(ダンジョンにしか出現しないメーダ属・ドロル属とりゅうおう各形態には影は無い)。また色数の都合上で縁取りは無い。
 
モンスター名の文字数は仮名(ひらがな・カタカナ)文字で最小3文字、最大7文字。なおカタカナは使用できる文字が限られているためその中からの命名となっている。
漢字は勿論、後のシリーズにみられるようなひらがな・カタカナ交じりのモンスターはまだ存在しない(厳密には【リカント】【ヘルゴースト】などのは上述の理由からひらがなで代用され、やむを得ずひらがな・カタカナ交じりとなっている)。ひらがなのモンスターは15種、カタカナのモンスターは25種ある。
 
また、ネーミングにはある程度規則性がある。
種属ごとにひらがなモンスターのみの属、カタカナモンスターのみの属と決まっており、やはり後の作品のように同属の中でそれらが混在することはない。
カタカナモンスターの種属は基本的に、最下位種が3文字または4文字の素朴な名前で、中位種以降はそれに1文字~3文字の接頭辞か接尾辞が加わって5文字~7文字となる。
例外は【ゴールドマン】の属のみである。
 
今作ではラスボスの竜王を除いて会話を行うモンスターは存在せず、【ランダムエンカウント】であるため目に見える【NPC】として登場することも無く、戦闘画面でのみ姿を見られる。
 
リメイク版ではDQ2ともどもDQ5並みのグラフィックになり縁取りも追加されたが、反転表示は廃止された。

DQ2

モンスター数は約80種で前作より倍増。ただし前作から引き続き登場したのは【スライム】【メタルスライム】【ドラキー】【ドラゴン】の4種のみ。一方ドラキーには新たな色違いに【タホドラキー】が登場した。それ以外はすべて新規モンスターである。
なお、発売3ヶ月前に【エニックス】より配布されたDMおよび各雑誌の記事には「100種類のモンスター」と記されていた。もしこれがこの時点での開発段階での正確な数字ならば、20種ものモンスターが【没モンスター】になったということになる(逆にこれ以降追加されたモンスターもいたかもしれない)。
実際に【まだらぐも】などの没モンスターが確認されているが、20種の中に具体的にどんなモンスターがいたのか、それともそもそも「100種類」というのは誇張された表現に過ぎなかったのかなど詳細は不明。
 
今作からはモンスターもパーティー制となり、最大8匹(メタルスライムのみ)出現するようになった(最大数はDQ4まで同じ)。
ただし、こちらが未熟な序盤では原則最大3匹までに制限され、これはDQ4の1章と3章、DQ5の幼年期序盤にも踏襲された。
グラフィック上の都合で反転表示は消滅し、戦闘背景が真っ黒になったため影も削除された。点滅もダメージ時(モンスターの消滅と再表示が高速で繰り返される)のみとなり、呪文詠唱時は画面全体がフラッシュする。
本作以降、前作と違い【おおナメクジ】のようにひらがな・カタカナ混じりのモンスターも数多く登場するようになった。最も有名なのは【はぐれメタル】であろう。
また、同種属で【リビングデッド】【くさったしたい】【グール】のように、ひらがなのモンスターとカタカナのモンスターが混在するケースも多用されるようになった。
このように、モンスターのネーミングが多様化した。
 
町やダンジョンなどではNPCとして姿の見えるモンスターが登場。ただし移動画面では悪魔型の汎用グラフィックや犬、神父の姿で代用されており、戦闘になると見た目が大きく変わって戸惑うというケースも多い。
話しかけると襲い掛かってくる場合が多いが、中には戦闘にならずヒントをくれる善良なものも登場した。
 
NES版とリメイク版で追加されたプロローグでは、「王国を襲うモンスターとそれに対抗しようとする国民」の構図が初めて描かれた。

DQ3

モンスター種はさらに増加し100種を超えた。
依然としてほとんどがオリジナルだが、スライム系のほか【くさったしたい】系列や【ミイラおとこ】系列などが前作から引き継がれ、【アレフガルド】では【キメラ】などDQ1からの再登場組もいる。一方ドラキー系列は姿を消し、ロト三部作皆勤はスライム、メタルスライム、ドラゴンの3種のみとなった。
【まほうつかい】【ゴールドマン】は名前こそDQ1と同じだが姿の異なるモンスターとなり、シリーズ内のモンスター名重複がこの時点から現れるようになった。
【ひとくいばこ】などの【トラップモンスター】が初登場し、【カンダタ】【やまたのおろち】のような物語半ばの中ボス専用のモンスターも増え始めた。
 
シリーズ初のモンスターを利用したお楽しみ要素として【格闘場】が登場している。
 
SFC版ではDQ6と同等レベルの描画になり、行動時アニメーションが追加。さらに今作で全モンスターに行動時のSEが初めて実装された。
GBC版では独自のコレクション要素【モンスターメダル】がある。

DQ4

今回も新規モンスターが多数を占める。ここでついに「ドラゴン」が姿を消し、シリーズ皆勤はこの時点より今に至るまでスライムとメタルスライムの2種のみとなっている。
モンスター名は仮名文字で最大9文字に拡張。ごく一部のみではあるが、アニメーションで動きを見せるモンスターが登場した。
【章】に分かれた今作では章が変わるとモンスターの配置も変わり、それによってボスモンスター以外ではシリーズで初めて、出会えなくなるモンスターも出てくる。
 
初めて主人公側の味方になるモンスターとして【ホイミン】が登場。それ以外にもNPCのスライムが登場し始め、主人公たちに冒険のヒントを与えたりする。
 
移動画面でのモンスターのドット絵の種類は【アーマー】【ぐしゃ顔】などといったバリエーションが増加。
ストーリー上では敵軍のモンスター同士の会話などが見られるようになり、敵の拠点としてモンスターの城(非ダンジョン)である【デスパレス】も登場した。
一方、第五章のオープニングでは【山奥の村】がモンスターに襲われる場面が登場したが、台詞と効果音のみであり実際にモンスターが侵入してくる描写は無い。
 
リメイク版でもドット絵での描写である点は変わらないが、DQ7と同等レベルの描画になり全モンスターに行動時アニメーションが導入された。さらにDS版からは戦闘画面の待機時にもモーションが付くようになった(DQ5・DQ6も共通)。

DQ5

モンスター総数が200種を超え、この作品より過去作からの再登場モンスターが増えだした。今作はDQ2からの再登場組が多い。
かな2文字のモンスター、および名前に英数字を含むモンスターが初めて登場した。使用できる文字が増えたことによりモンスター名の自由度も増している。
ハードの性能が上がったことによりモンスターの色もより鮮やかになり、縁取りも追加、さらに影の描写も復活した。アニメーションは基本的には無いが、呪文詠唱やブレスの使用時にはモンスターが属性に合わせた色に点滅するようになった。
前作同様に時代ごとにモンスターの配置が変化する。
 
モンスター同士の表示間隔が狭い本作では、【マドハンド】が仲間呼びによって1グループ内で最大9体まで現れる。また、【メダル王の城】周辺のスライムなどはグループ分けによって一度に8匹を超えて出現することもある。
 
【仲間モンスター】が導入され、モンスターは一気にプレイヤーから身近な存在となった。モンスターをコレクションできるという要素もこれが初めてである。中でもキラーパンサーはストーリーにも絡んでおり、主人公の幼少期から親しい存在となっている。
仲間モンスターの採用によって移動画面用ドット絵の種類も増えたが、仲間にならない種のモンスターがイベントで登場する際は他のモンスターのドット絵で流用されることもある。
 
PS2版ではナンバリング作で初めてポリゴンでモンスターが描かれ、行動時に加えて待機時や眠り・ダメージ時にも動くようになった。また一部の色違いモンスターの外見がリファインされた。
DS版以降では前作と同仕様のドット絵だが、前作よりも待機モーションが滑らかになった。

DQ6

従来はほとんど静止画像でしかなかった戦闘画面のモンスターが、今作からほぼ全てアニメーションするようになり、攻撃や呪文・特技など様々な動きが見られる。ただしSEはラスボスの【デスタムーア】にしか付いていない。一方、アニメーションの都合か影の描写はなくなってしまった。
また今作はDQ3からの再登場組が多くなった。
今作ではモンスターの配置の変化は無い。
 
仲間モンスター(リメイク版は【仲間スライム】)も前作から継承。今作では人間と同じように【転職】で好きなように育成できるようになり、自分の育てたスライム系を格闘に出場させる【スライム格闘場】も登場した。
 
【ライフコッド】のシナリオでは村を襲うモンスターとそれを迎え撃つ人間との戦いが視覚化され、NES/リメイク版DQ2に次ぐ例となった。
善玉モンスターの暮らす村【デスコッド】も登場したが、これは当時ボーナス的な位置付けだった裏ダンジョン内であり、本編ストーリーに絡むものではない。
移動画面のドット絵はデスコッドやスライム格闘場、【ベストドレッサーコンテスト】などでは仲間モンスターと同じものが使われるが、それ以外の場面では青い悪魔型グラフィック(【ストーンビースト】に近いイメージ)が多く使用されている。

DQ7

モンスター総数が300種を超えた。フォントの変更に伴いモンスター名に漢字も使われるようになり、過去に登場したモンスターも名称の一部が漢字化されたものがいる。
DQM1から一部のモンスターが逆輸入され、新たな色違いも登場。
ナンバリングからはDQ4からの再登場組が目立ち、ここまでの作品では「次に同じハードでリメイクされる作品のモンスターが多く登場する」というジンクスがあった。
新モンスターのほとんどは【かねこ統】【中鶴勝祥】がデザインした。
戦闘背景が3D化されたがモンスターはドット絵描写のままで、SFC版DQ3と同じく効果音付きでアニメーションする。
 
今作ではザコモンスターと一見同じに見えるものの各種設定が大幅に異なる中ボスや小ボスが多数登場している。
【異変後】の概念が初登場し、これによって終盤ではモンスターの配置が追加または変更される。しかし【モンスターずかん】が登場したことによって、進度によって出会えなくなるモンスターは極力発生しないようになった。
 
仲間モンスターは廃止されたが、代わりとして転職で自分がモンスターになれる【モンスター職】がある。また上述のモンスターずかんに加えて【モンスターパーク】も登場するなど、モンスターに関するコレクション要素は増加している。
モンスターパークの登場によって、移動画面用のドット絵もすべてのモンスターに対してユニークのものが用意された。
 
【ふしぎな石版】によって訪れる各町が魔王の影響を受けている本作では、モンスターが町や村を襲うシーンや支配している場面を目にする機会も多い。
 
リメイク版ではモンスターが3D化したが、トゥーンレンダリングではない。
配信限定の【トクベツなモンスター】が大量に追加されたほか、モンスターパークにいるモンスターをすれちがい石版(モンスター石版)に詰め込んで他のプレイヤーと交換する要素も登場した。

DQ8

過去作の再登場モンスターの割合が増え、その半数ほどが常連化または準常連化し次作以降にも登場している。
今作から完全3D化されトゥーンレンダリングでモンスターが描かれるようになり、戦闘でのモンスターの動きも攻撃時だけでなく待機中やダメージを受けた時、眠っている時などさまざまな動きが見られるようになった。
なお今作はDQ6からの再登場組が多いが同じPS2でのDQ6のリメイクはならず、前述のジンクスは崩れた。また本作の後に発売されたジョーカー1やソードでは多くの雑魚モンスターの顔ぶれが本作と共通している。
 
今作も【異変後】の概念によってフィールドマップ上のモンスター配置が変化するが、出会えなくなるモンスターは基本的に存在しない。
同じモンスターであっても出現場所によって強さが異なるというパターンが登場し、前作ほど数は多くないもののボスとして登場したモンスターが後にザコとなって登場するパターンもある。
 
仲間モンスターのアレンジとして【スカウトモンスター】が登場。このスカウトモンスターでは、初めてフィールド上をウロつくモンスターの姿も確認できるようになった。
また、前作のモンスターずかんが【討伐モンスターリスト】に改められ、モンスターの【系統】もナンバリングで初めて設定されるようになった。
 
シナリオではモンスターとエルフと人間が共存する集落【三角谷】が登場し、モンスターの営む店や教会もある。

DQ9

【シンボルエンカウント】の本格採用により、フィールド上やダンジョンを徘徊するモンスターを日常的に見られるようになった。
出現時や通常時、追跡時などの動きもバラエティーに富むものとなっている。
モンスター配置の変化は今作では無いが、【宝の地図】限定のモンスターが非常に多い。
 
モンスターを味方に付けるシステムは今作には登場しない。
善玉モンスターは【マンドリル】【ポギー】が本編で登場するほか、【クエスト】を依頼してくるものもいる。

DQ10オフライン

DQ10オンラインのVer.1、超大型拡張DLCではVer.2のモンスターを継承。
クエストの討伐対象モンスターが一部DQ10オンラインから変更されている。またDQ11Sと同じく【ガネーシャエビル】系統のモンスターが削除され、この影響で【邪教祖サダク】の姿が変更されている。
 
超大型拡張DLCで登場する偽りの【アラハギーロ王国】は、モンスターと人間の住民が入れ替わった国となっている。

DQ10オンライン

モンスターシンボルが活動していない時間帯に眠っている姿などが見られる。
【転生モンスター】のシステムも導入された。
仲間モンスターが使えるほか、デスマスターによる【死霊召喚】がある。
詳細はこちらを参照。

DQ11

純粋モンスターの数は300種強。過去作の再登場モンスターが半数以上を占め、【スライムタール】のような新たな亜種も多く追加された。DQ10同様転生モンスターも登場する。
モンスターの各種アニメーションはPS4版と3DS版3Dモードとで異なっており、PS4版では移動画面や出現時にもモンスターの鳴き声や武器の音などの効果音が流れる。
2Dモードはドット絵での表示で、ラスボス級モンスターを除いてアニメーションは行わない。
 
物語の節目ごとに大規模なモンスター配置の変化が起こり、フィールドマップだけでなくダンジョンも含めた【ロトゼタシア】の全てのマップで変化が起きる。このとき、新規のモンスターに加え、以前と同じ姿でも外部の影響によって能力の強化された【強モンスター】【邪モンスター】が登場するようになり、これらを含めると総数は600種を超える。
さらに3DS版では【冒険の書の世界】限定モンスターも登場する。
 
モンスターシンボルの描写は、複数で輪になっていたり隊列を組んで行進したりなどと、より生活感が演出されるようになっている。
モンスター名は最大11文字に拡大。「・強」「・邪」や「ギガ・」の修飾語を除けば従来どおり9文字に収まるものがほとんどだが、ボスである【マスク・ザ・ハンサム】【さまようロトのよろい】は例外的に10文字である。
また【デルカダール重装兵】はPS4版と3DS版とでモンスター名が異なり、前者では一般兵と共通の【デルカダール兵】という名になっている。
 
モンスターを味方に付けるシステムは登場しない。
ボスだけでなく非ボスモンスターもシナリオで登場し、王国・町を襲撃したり支配していたりする場面も多い。2Dモードではこれらの場面でDQ6と同じ悪魔型グラフィックが多く使われている。
善玉モンスターとしては【メダル女学園】【神の民の里】などで人間や【神の民】と共存しているものも見られる。

DQ11S

各モードの移植元の仕様に準じるが、3DS版DQ11の【ナウマンボーグ】系モンスターは削除され【ゴールデンゴーレム】系列に差し替えられた。
なお冒険の書の世界は全マップが2D化され、3Dでのモンスターの姿を見ることはできなくなった。

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】ではモンスターは魔王の邪悪な意志によって凶暴化すると説明されている。
元々は人間と親しくなれるほど温厚な性格なものもいること、魔王の影響で人間に対してただ襲いかかってくるだけの存在に成り果てることへの説明がうまくなされているといえるだろう。
 
原作では主にDQ1~3(いわゆる【ロトシリーズ】)のモンスターが登場しており、読み切り時代の「デルパ! イルイル!」では発売前のDQ4のモンスターを先行登場させている。
その後連載期間中にDQ4~DQ6までが発売されているが、それらのいわゆる【天空シリーズ】のモンスターは終盤に登場し、【魔界】のモンスターという扱いになっている。
 
モンスターの中には人間の言葉を話せるものもいるが、【ダイ好きTV】#62で【三条陸】が「【クロコダイン】【チウ】は『人語を覚えた特別なモンスター』なので(【ゴメちゃん】の言葉が聞き取れる)」と答えていることから、モンスター同士はともかく人間と話せるものは特別という事らしい。
なお終盤で【ヒュンケル】【魔界】のモンスター軍団と戦うシーンでは喋っているものが多い。これに関しては【バーンパレス】にいることを許されるような魔界のモンスターだから特別だとも考えられるが、新アニメにおけるモンスター声優の一人として該当回に参加した佐々木義人はダイ好きTV#66で「【地底魔城】でモンスターに囲まれて育ったからヒュンケルがモンスター語を理解していた(視聴者には魔界モンスター軍団が人語を話しているように見えた)のではないか」という解釈を示している。
 
2020年版アニメではDQ4~DQ10までのモンスターが普通に登場しており、上記の「地上モンスターはロトシリーズ、魔界モンスターは天空シリーズ」という区分はなくなっている。
また関連ゲーム作品であるクロブレにおいては、【ラスボス】を含む歴代DQボスモンスターや、モンスターズ出身の【闘神レオソード】なども登場している。

アベル伝説

DQ1~DQ4のモンスターが登場する。
作中での呼称は一部を除いて「モンスター」で統一されている。
大きく分けると、世界に元々住み着いている【土着モンスター】と、大魔王バラモスによって宝石から作り出される【宝石モンスター】に分けられる。後者は倒すと元の宝石に戻り、手に取ることができる。
この他、魔力によって動き出した【うごくせきぞう】【ハンターフライ】といった上記のどちらにも当てはまらないものも存在する。
 
【カードダス】ではアニメ本編に登場しないDQのモンスターが「異界モンスター」として扱われている。

ロトの紋章

DQ3の百年後という【ロトシリーズ】の世界観ではあるが、当時の最新作であるDQ4だけではなく連載期間中に発売されたDQ5とDQ6(つまり【天空シリーズ】)のモンスターも普通に登場している。
 
上の世界における海のモンスターは【リバイアサン】という海王に従っており、百年前は【人間】にも魔王軍にも組しない中立的勢力だったとされている。
 
ロトシリーズの世界観を使用しているだけに原作の【ボス級モンスター】も一部登場している。
【ゾーマ】は、【アルス】勇者ロトの戦いを追体験するという形で登場。
【バラモス】【冥王ゴルゴナ】によってゾンビとして復活させられ【やまたのおろち】は仮死状態で生き延び封印されていたが解放され、アルスたちと実際に戦う。
【異魔神】の配下である【竜王】は、デザインが異なるがDQ1の竜王本人(若い頃の姿)となっている。