【モンスター物語】

Last-modified: 2019-09-17 (火) 17:59:47

概要 Edit

その名の通り、ドラゴンクエストのモンスターを題材にした短編集。

  • 『ドラゴンクエスト モンスター物語』(1989(平成元)年7月)
  • 『ドラゴンクエストIV モンスター物語』(1990(平成2)年9月)

の2巻がある。
前者はロト伝説(DQ1~3)、後者はDQ4を題材としている。
本文構成として【横倉廣】がクレジットされおり、【小説ドラゴンクエスト】と共通した要素が登場している。 
 
ドラクエのモンスターや用語を用いつつも、かなり自由に創作されている。
当時はまだゲームやアニメに詳細な公式設定や背景世界が求められる時代ではなく、旧エニックス社の本だからと言って、内容も唯一無二の絶対というわけではないので注意が必要。
原作であるゲームでも作品ごとに設定が異なっているのだから、書籍なら尚更である。「物語」とある通りその位置は資料集ではなく小説版に近い。
 
特に【メタルハンター】のイラストで、左手がボウガンでなく鉤爪になっているのが代表例。
イラストレーターは【鳥山明】の原画を見ず、ゲーム中のドット絵から起こして鉤爪になり、それが鉤爪のまま掲載されて出版されたのか、矢筒を持っていないメタルハンターがボウガンを装備しているのは不自然だと考えた結果のアレンジなのかは不明だが、要はそういう時代であった。
この辺りは同じ1989年から連載が始まった漫画作品【ダイの大冒険】【アークデーモン】が鎖付きのトゲ鉄球を持っていたことと似ている。
 
また1巻巻末には【栗本和博】による4コマ漫画が掲載された。
のちにシリーズ化される【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】のルーツともいえる存在であり、かの【怪傑大ねずみ】も実は本書で誕生したキャラクターであった。
そして栗本も【キラーマシーン】の左手を鉤爪として描いている。

ドラゴンクエスト モンスター物語 Edit

  • 【ストーンマン】 金色のストーンマン
    • 素早くなるべくストーンマンは山で特訓し、紆余曲折の末に金色の体を手に入れるが……。
  • 【マドハンド】 無限増殖の謎
    • 何故マドハンドはあんなにも次々と涌いて出るのか?という謎を追求するエピソード。
      主役は戦士の少年・魔法戦士の少年・魔法使いの少女の三人の冒険者。DQ2の主人公たちに雰囲気は似ているが別人。
  • 【メタルハンター】 謎のメタルハンター
    • DQというファンタジー世界に機械という異質なモンスターが存在する理由とは……。
      メタルハンターを偶然発見した悪魔神官デヌスがその謎に挑む。
  • 【キラーリカント】 キラーリカントの栄光
    • 主君たる大魔王が討たれ、同族も全滅した一匹の熊の魔物の前に現れた、謎の黄金の狼の正体とは?
      なおこの熊の魔物はどう見ても【ダースリカント】だが、本エピソード内では一貫して「キラーリカント」と呼ばれる。
  • 【鎧の騎士】 呪いのブラックメイル
    • このエピソードは他の倍のページ数が使われており、副題付きのセクションまで付いている。
      下記の「メルキドの守護神ゴーレム」を経て【アイテム物語】「伝承の地 樫の里」に続いていく三部作のプロローグ。
      ある一人の戦士が見たことのない鎧の魔物と遭遇するが、それはこれから始まる大いなる物語の序曲に過ぎなかった。
  • 【爆弾岩】 爆弾岩・故郷への旅
    • 爆弾岩は思った、自爆して死ぬだけの生などごめんだと。そして始まるたった一匹だけの冒険。
  • 【ミミック】 宝箱に潜む恐怖
    • とある腹ペコミミックの回想録と、そして……。
  • 【泥人形】 泥人形の秘密
    • 泥人形が不思議な踊りで吸い取った魔力はどこへ行く?
      「無限増殖の謎」と同様の冒険者パーティー三人組が主役だが、同一人物かは不明。
  • 【ゴーレム】 メルキドの守護神ゴーレム
    • 小説版で僅かに語られた、ゴーレムと【竜王六魔将】の戦いを描く。
      「呪いのブラックメイル」にも登場したある人物が、ここで……。
  • 【ベビーサタン】 悪魔族出世双六
    • ベビーサタンのサクセスストーリー。双六らしく「ふりだし」の副題から始まり「あがり」で終わる。
      様々な修行と試練の果てに、彼を待ち受ける「あがり」とは。
  • 【キメラ】 合成魔獣異聞
    • モンスター合成技術でキメラを生み出した悪魔神官ドルバ。しかしキメラにはある欠陥が……。
      またキメラ以外にも様々な合成魔獣が登場し、魔王軍技術班の試行錯誤が描かれる。
  • 【スライム】 スライム年代記
    • ページ数は他の4倍、全体の4分の1近くを占める大作。
      スライム族が如何に環境へ適応して新種が生まれていったのか、その進化を物語る。やはり副題付きのセクション付き。
  • アレフガルド小劇場
    • 【栗本和博】による4コマ漫画。劇場の名の通り扉絵ではキャスト表記されているが、何の説明もなくDQ1勇者が【小説ネーム】の「アレフ」表記になっている。
      なお、本作ではこの扉絵以外の本文や4コマでは勇者としか表記されていない(続作の【アイテム物語】では本文でもアレフ表記)。

ドラゴンクエストIV モンスター物語 Edit

  • 【マネマネ】 オージャ姫さま手鏡騒動
    • 超個性的な容姿(穏当な表現)を持つ魔族姫・オージャ様の怒りで城中の鏡が割り捨てられてしまったが、そこから変化の術を持つ黄色い影が現れ、新たな魔族の仲間となる。しかしそのことがオージャ様の耳に届いてしまい……
      ちなみにこの話の中で、魔物の美醜の感覚も人間のそれと変わらないことが判明する。
  • 【悪魔の巣】 究極の魔物とは?
    • かつて賢者だった老人が孫に語る、「恐ろしい魔物」の仮の住処とされる悪魔の巣の研究の日々。
  • 【ドラゴンライダー】 騎竜魔戦士・われは無限に進化する魔物
    • とある村にやってきた旅の戦士が挑むのは、竜に騎乗する戦士。しかしこの騎竜魔戦士にはとある秘密が……
  • 【いたずらモグラ】 落とせや落とせ、いたずらモグラ
    • 辺り構わず落とし穴を掘る迷惑なモグラ達。しかしその許可を出したのはよりにもよって魔族の王様だった!?
      リリパットの少年にカメレオンマン爺さんが語る驚愕(?)の事実とは。
  • 【大ニワトリ】 ぼくのペットは大ニワトリ
    • 後に伝説の戦士となる少年と、彼に拾われ育てられた大ニワトリの友情の物語。
  • 【裏切り小僧】 悲劇の冒険者たち
    • 【信じる心】の秘密も語られる一節。
      何故かの洞窟に信じる心は封じられ、何故かの洞窟に裏切り小僧たちは住み着いているのかが明かされる。
  • 【夜の帝王】 マムーの純情ものがたり
    • 純朴な大コウモリ・マムー。彼が何故夜の帝王と呼ばれるようになったのかが語られる、割とギャグなお話。
  • 【ミステリドール】 わたしはあなたの金庫番
    • リリパット少年とカメレオン爺さんのお話その2。その身に300ゴールドを詰め込まれた人形は何故生み出されたのかが語られる。
  • 【大魔道】 闇の彼方より導かれし者
    • 魔界と地上を繋ぐ暗黒回廊。しかしその完成は異世界から強大な魔を呼び寄せることになった。
  • 【キングスライム】 8番目の仲間
    • 通常のスライムの数倍の大きさを持つ巨大スライム。彼は何故呼び出され、そして何故キングとなったのか。

関連 Edit

旧エニックス社は当時、【公式ガイドブック】を皮切りに出版業に乗り出していた。
初期の商品としては他に【知られざる伝説】【アイテム物語】小説ゲームブック4コママンガ劇場、陶器の人形がある。
 
またこの時期、サントラ集は【アポロン音楽工業】が販売。
カセットテープ媒体のものがあったことなど、若い人には想像もつかないのではないだろうか。
なお当時、オーケストラ演奏は【NHK交響楽団】が担っていた。