T-28

Last-modified: 2024-01-27 (土) 14:17:42

R06_T-28.png

Tier 4 ソビエト連邦 中戦車

公式紹介ページ

スペック

車体

HP350
車体装甲厚(mm)30/20/20
最高速度(km/h)45
重量/最大積載量(t)15,94/18,9
本体価格(シルバー)135,000

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
初期状態M-5-40076 mm L-10T-28T-28 cylindrical535300
400AP
HEAT
HE
66
75
38
110
110
164
6930
7G
38
14.29
2.90
0.48
3520/20/2046320
57 mm ZiS-8開発時M-17L57 mm ZiS-8T-28AT-28 cylindrical360
450AP
APCR
HE
75
112
29
75
75
95
7835
5G
24
20.69
2.29
0.38
3520/20/2046320
76 mm F-32開発時M-17L76 mm F-32T-28AT-28 cylindrical550
450AP
HEAT
HE
67
75
38
110
110
156
6956
7G
56
15.38
2.70
0.45
4020/20/2046320
57 mm ZiS-4開発時M-17T57 mm ZiS-4T-28AT-28 conical350
500AP
APCR
HE
112
189
29
85
85
95
7856
7G
28
22.22
2.29
0.34
4020/20/2044340

解説

  • 概要
    Tier4ソ連中戦車
    強力な主砲と優秀な機動力を持つが、装甲や隠蔽に大きな問題を抱える、攻撃力に偏重した車輌。

  • 火力
    以前の初期砲だった76mm KT-28は削除されて、76 mm L-10が初期砲となった。
    どの砲も俯角は6°と狭く、稜線射撃をする際には身を乗り出しがち。起伏の激しい地形では満足に射撃できない。
    76mm砲と57 mm ZiS-8は当てになるとは言い難い性能なので、いっそフリー経験値を使って57 mm ZiS-4まで一気に開発しても良いだろう

    • 76 mm L-10
      KT-28に代わり初期砲となった。
      Tier4の砲としてはダメージが高いが低貫通であり、Tier5の重戦車たちを相手取るには力不足。
      特にKV-1相手だと、側背面へ回り込んでも金弾すら貫通しない。
      貫通出来ない相手は無視せざるを得ないのだが、KV-1は遭遇率が高く一度に見かける数も少なくないので完全に度外視する訳には行かないのも悩みどころ。
      できれば実戦投入の前に、別の砲に交換したい。
    • 57 mm ZiS-8
      ダメージは下がったが貫通力が向上し、KV-1相手でも金弾で車体を狙えば何とか貫通できるようになった。
      76mm砲よりはマシなのだが、こちらも頼りになるとは言い難い性能。
    • 76 mm F-32
      L-10の微強化版。
      精度と発射速度、照準時間を強化したが、肝心の貫通力がほぼ同一。
      おまけに榴弾のダメージが何故か下がっている。
    • 57 mm ZiS-4
      これまでの砲から一転して高い貫通力を得る最終砲。かのT-34と同一で、Tier不相応な性能を持っている。
      AP貫通・DPMの二つが最も高い水準で両立している。
      さらに同格トップの精度で、遠距離戦が非常に得意。
      しかし、単発火力が低く、ダメージ交換は苦手。
      機動力を活かして攻撃を躱しながらチクチクと削っていこう。

  • 装甲
    全く頼りにならないので、できることなら第六感持ち搭乗員を起用したい。
    最大30mm厚で機関砲でも十分貫通でき、例え格下相手でも棒立ちで撃ち合ってはならない。
    さらに105mm砲のHEが当たるとまず間違いなく貫通して一撃死する。
    もし第六感がないのなら、これらいわゆる10榴の照準速度最速は1.7秒なので「撃って2秒経てば死ぬ」つもりで回避行動を取ろう。
    逆にT-28を相手取る時は履帯切りまたは貫通大ダメージの両面狙いでHEを撃ち込んでやるのが良い。逃げ足は早いので照準の絞りを待ち過ぎて取り逃がさないように。

  • 機動力
    良好。出力重量比が飛び抜けて良く、急発進、急加速が得意。
    また履帯の旋回速度も良く、長い車体の割に至近距離戦も得意。
    ただ最高速だけは45km/hと平凡で、長距離の移動は得意ではない。

  • その他
    偵察役としての適性はイマイチ。
    視界は最終砲塔で340m(T-28-F30の350mに次ぐTier4MT2位タイ)と悪くはないのだが、自身の隠蔽率が低いので先に発見されやすい。
    被発見を前提とした走り偵察にしても、控えめの最高速と前後に長い車体がネックとなり被弾しやすいので、これも避けた方が良い。
    とは言え快速中戦車の常として、どうしても偵察を行わなければならない時もある。そんな時には加速の鋭さを活かし、稜線・障害物から砲塔だけ出したり引っ込めたりして偵察を行うようにすると被弾を抑えられるだろう。

  • 総論
    以上から、T-28の立ち回りの基本は「とにかく前に出ないこと」だと言える。
    前線を張る戦車には厚い装甲と強力な単発火力が求められるがT-28はそのどちらも持っていない。さらに隠蔽率も低いので、最悪前線までの移動中に発見されて撃破される恐れもある。
    突出するのは他の車輌以上に自殺行為なので、進軍する際は必ず味方に先行してもらおう。
    別の見方をすればT-28は近距離戦をする必要のない戦車だとも言える。
    遠距離戦に最も必要な砲精度を同格最高水準で備えている上、貫通・DPMも十分にあるので距離があるほど有利に戦いを進めることができる。低い隠蔽率を補うことにも繋がるので、できる限り敵を近寄らせないように戦いたい。
    味方の視界を利用して445m(敵発見距離限界)以遠から一方的に撃ちまくるのがT-28の理想的な戦い方となる。機動力もあって陣地転換は容易なので、射線が通らない時や敵が近寄って来た時などは一ヶ所に留まらず速やかに移動しよう。

    もう一つT-28の立ち回りで重要なのは「TD・SPGを護衛すること」である。
    敵との距離を保ちつつ俯角の許す範囲で敵を撃てる場所を求めていれば自然とTDと肩を並べることになるはずだが、彼らは回転砲塔を持たなかったり履帯性能が低かったりして接近戦に非常に弱い。そのため、前線を突破してきた敵への対応が難しいという問題を抱えている。
    もしT-28でそういう場面に立ち会ったら持ち前の機動力を活かして率先して前に出て、敵の注意を引きつけよう。
    その時には中途半端な距離を取るよりこちらから間合いを詰めていわゆるNDK状態に持ち込むと良い。


    ゲーム上のソビエト重戦車はTier5のKV-1を開発ツリーの分岐点とし、そこからKV-1ST-150KV-2と名だたる強戦車へと繋がっていく。
    T-28はその前段階にありながら装甲が薄く、一撃は軽く、そのくせ車体だけはいっちょ前に大きく見つかりやすい…と、重戦車を目指す人にとっては期待外れな要素が目立ち、クセが強く人を選ぶ戦車だが、これほど攻撃的な性格の車輌はゲームを通じても珍しく、一方的に撃ちかける状況を作り出せた時の爆発力はすさまじい。
    この後に続くHTたちが持つ重装甲や高い単発火力ももちろん魅力なのだが、T-28はそれらとはまた趣の違う強さを秘めている。第六感持ち搭乗員といくらかのAPCRを用意すればTier4とは思えない火力と機動力で目覚ましい活躍ができるだろう。

性能比較

他Tier4MT/HTとの性能比較(長いので折り畳み)
  • 他Tier4MT/HTとの主砲性能比較 最下部には参考としてTier4独TD Marder 38Tの砲性能を併記
    戦車名 / 主砲貫通力(mm)ダメージ発射
    速度
    DPM
    (AP)
    照準
    時間
    精度俯角/仰角
    AP金弾HEAP金弾HE
    T-28 / 57 mm ZiS-41121892985859522.2218892.290.34-6°/+25°
    Pz.Kpfw IV Ausf. D? / 7.5 cm KwK 40 L/43103139381101101751516502.500.40-10°/+20°
    Pz.Kpfw. III? / 5 cm KwK 39 L/6067130257070902416802.290.40-6°/+20°
    VK 20.01 (D) / 7.5 cm KwK 37 L/2443873811011017513.9515352.290.55-10°/+20°
    Howitzer Motor Carriage M8 / 3-Inch Gun M71011573811011017514.315741.90.39-10°/+20°
    M3 Lee / 75 mm Gun M3 L/3792127381101101752022002.090.41-9°/+20°
    Matilda / QF 2-pdr Mk. X-B121145-5555-28.5715711.890.36-10°/+20°
    Type 1 Chi-He / Experimental 57 mm Tank Gun Shin871312975751002518752.290.41-15°/+20°
    Durchburuchswagen 2? / 5 cm KwK 39 L/6063130257070902517502.290.40-10°/+20°
    B1 / 47 mm SA3766982455557028.5715711.500.38-10°/+20°
    Marder 38T / 7.5 cm PaK 40/3 L/461081543811011017518.7520631.500.34-9°/+9°
    (俯角/仰角の数値はPC版wikiより引用)

    T-28の主砲が高いスペックを誇っていることが分かる。
    貫通力かDPMのどちらか(または両方)に問題を抱える車両が多い中、T-28はその両方を高い水準で備えている。
    また精度とAPCRの貫通力は同格TDと比較してもまったく引けを取らない。
  • 他Tier4MT/HTとの機動性・偵察性能比較
    戦車名エンジン出力
    (hp)
    最高速度
    (km/h)
    旋回速度(°/s)重量
    (t)
    実用出力重量比
    (hp/t)
    視認範囲
    (m)
    通信範囲
    (m)
    隠蔽率
    車体砲塔静止時移動時発砲補正
    T-2850045404416.9831.373403600.23320.17480.2659
    Pz.Kpfw IV Ausf. D?44042404420.6221.343404150.29640.22230.2470
    Pz.Kpfw. III?44064454419.6622.383307100.32740.24560.2761
    VK 20.01 (D)40050424422.5817.713307100.31720.23780.2762
    M3 Lee44038434228.0915.663206150.16000.12000.2600
    Matilda19024363426.937.063404000.30280.22720.2853
    Type 1 Chi-He24044363016.6514.413405500.30740.23060.2602
    Howitzer Motor Carriage M835050434414.9621.023307500.28000.20000.2500
    D.W.230032424229.9510.023307100.15080.07540.2759
    B135028284429.4411.893307100.14920.07460.2895
    (隠蔽率の数値はPC版wikiより、重量の数値は公式戦車辞典より引用)

    こちらの比較では、T-28はだいたいトップかワーストのどちらか、という極端な性能を持っている。
    他の中戦車より得手不得手な事柄がはっきりしているので、他と比べて車両特性をきちんと把握することがより重要。
    特に、
    ・抜群の出力重量比を持つ割に最高速は控えめなので長距離移動は苦手(cap/cap妨害を試みる際に遅れを取りやすい)
    ・車体は巨大だが車重が軽いので衝突は避けるべき
    この辺りは見た目や操作感覚からやや乖離した特性で、勝敗や生死に関わる要素でもあるので頭に入れておきたい。
    また通信範囲も同格ワーストなので偵察役からの距離にも気をつけること。
 

史実

1927年、第一次工業化5カ年計画の開始と共に、ソ連軍の近代化計画が始まりました。 
航空隊、機甲部隊、科学戦部隊、技術工兵部隊を設立して、近代戦に要求を合致できるようにすることが目的とされ、旧来の歩兵、騎兵、砲兵のモータリゼーションによる機甲化と、それに伴う装備や訓練などの目標が立てられました。
戦車もそれに沿って開発が進められることになり、ゴーリキー自動車工場(GAZ)、モスクワ自動車工場、レニングラード・トラクター工場などが次々と建設されました、そのうちの1つキーロフ自動車工場で1931年から翌年にかけて設計されたのがT-28でした。
当初、イギリスのインディペンデント多砲塔戦車をライセンス生産しようとしたのですが、叶わなかったため、1931年から独自に開発し、1932年5月に試作車が完成、同年から生産されました。
1933年から配備され、1936年のスペイン内戦や1939年のノモンハン事件、ポーランド侵攻作戦、フィンランド戦役(冬戦争)に参加しています。
T-28は最大装甲が30mmで防御面で不安があり、フィンランド軍の対戦車砲や火炎瓶によって待ち伏せ攻撃を受け、多くの損失を受けています。
冬戦争では2両がフィンランド軍に鹵獲され、1941年からの継続戦争でソ連に対し攻撃を仕掛けています。
ドイツ軍は本車にあまり興味を示さなかったようで、懐古的な戦車と受けられ鹵獲して活用するまでには至らなかったそうです、

当時ソ連は、多砲塔戦車開発に熱を入れていて、T-28の他にT-35重戦車、後にフィンランドとの戦争に試験投入されるSMKやT-100など、試作車を含めて多数作っていました。 T-28もその1つとして製造されたもので、3~4門の機関銃を備えた副砲塔を前面左右に備えていて機銃手1名がそれぞれ乗り込み、主砲には76.2mm砲を搭載していました。
500馬力のエンジンを後部に搭載し、路上で時速32km/h、不整地で22km/hで前進が可能で、「敵陣を突破できる重戦車」を目的としていました。

しかし、多砲塔戦車は、武装・装甲と過大な乗員で、重量に対する機動性や巨体に対する被弾性、運用の考えの古さから、過去のものになりつつあり、スターリンが「戦車の中にミュールとメリリズ(どちらもモスクワにあった百貨店)はいらない」と言って多砲塔戦車を批判し、T-100、SMK、KV-1を試験投入したフィンランド冬戦争でSMKが散々な目にあった運用結果がそれを示したこともあって、1940年までには単砲塔のKV-1と順次交代されていきました。
また、エンジンやサスペンション系に問題を抱えており、設計者たちの努力によって多少改善されてはいましたが、これらの問題は依然最後まで残ってしまっていました。
これらは、T-28の持つ複雑な構造、機構を整備する事におけるソ連軍の経験の欠如や、整備に技術を要する部分が多かった事が原因となっていたようです。

同時並行で開発されていた多砲塔戦車T-35は、初期型から重量が非常に大きかったため、軽い本車に拡張性で劣り、最終的には61両しか製造されなかったのに対して、本車は約500両が生産され、世界でもっとも多く生産された多砲塔戦車となりました。

第二次大戦が始まる頃には、多砲塔戦車は陸上戦艦ではなく、もはや懐古的な夢物語となっていました。
それでも、軍部や設計陣の一部は、多砲塔戦車の夢を諦められ切れないのか、しばしば、KVシリーズなどの試作戦車の中にプランが現れては消えていきました。

なお、装甲を増強した1939年型では、車体の正面装甲が80mmもありますが、ゲーム内では1939年型に相当するパッケージがないので、惜しむべき点であると言えるでしょう。

1941年6月22日に独ソ戦が始まった時には、T-28およびT-35は独立戦車大隊および独立重戦車旅団に配備されており、激しい戦闘を繰り返し、勢いに乗るドイツ軍や初期のソ連軍の拙劣な戦車運用も加わって、多くが撃破されていきました。
1941年7月中旬のベルジチェフ村近くのセミョノフカではT-28の1個小隊がドイツ軍との戦闘で、戦車3輌を撃破、対戦車砲2門を破壊するなど、強化、改良の甲斐あって局地的な戦いではドイツ軍に対して勝利を収めています。

生き残ったT-28はモスクワ防衛戦に参加し、その後1943年初頭までドイツ軍への反攻作戦に使用されました。

なお、前述のSMKがフィンランド軍によって行動不能にされた時、同行のT-100(850馬力)を以ってしても回収不能で、諦めて放置されましたが、機甲局総監D.G.パブロフの指令により、三ヶ月後にT-28(350馬力)を6両投入してなんとか回収に成功しています。貨車に載せるにも大き過ぎて載らなかったのでバーナーで3等分する等、苦労して持ちかえって来るも、SMKは不採用になったのでいらないという徒労に終わった仕打ちが待っていたのでした。

コメント

  • 身を隠せる場所が多い、市街地ならワンチャン輝ける -- TDNカカシ? 2018-01-01 (月) 01:39:18
  • 最終砲作るまでキツイ… -- 2018-03-27 (火) 02:10:09
    • 最近最終砲まで研究終わったけど、やっぱ立ち回り方を気を付けて見ると相手によっては強いよ (^-^ -- 2018-03-28 (水) 07:30:06
  • 初期砲が見たことない精度してて笑うしかない -- 2018-11-28 (水) 17:32:07
  • 拡散がデカイ! -- 2019-12-10 (火) 20:39:34
  • ゴツい見た目にしてはヌルヌル動くから思ってたより快適。そこらの下手なMTよりよっぽど動く。 -- 2020-11-06 (金) 20:45:45