【はかいの かみ シドーは しにました。】

Last-modified: 2024-02-17 (土) 19:11:39

DQ2

【シドー】討伐を果たした直後の【ロトの子孫たち】に対して、どこからともなく聞こえてきた美しい声の一部。
FC版のメッセージを忠実に再現すると、次の通りである。

*「はかいの かみ シドーは
  しにました。これで ふたたび
  へいわが おとずれるでしょう。
*「わたしは いつも あなたたちを
  みまもっています。
*「おお カミよ!わたしのかわいい
  しそんたちに ひかりあれ!
*「さあ おゆきなさい。

注目すべきは「わたしのかわいい しそんたち」という箇所。
声の主は、パーティーメンバー3人の共通の先祖で、しかもおそらく女性キャラクターであるようだ。
DQ1の【ローラ姫】だとする意見が多いが、【精霊ルビス】だとする説を唱える人もいる。
 
なお、リメイク版では「しにました」の部分が「ほろびました」に変更されている。
神なのに「死ぬ」という表現はおかしいという判断だろうか。
多神教の神話では神が死ぬことはさほど珍しくはないが、それとも「死ぬ」という表現は「社会的に不適切な言葉」だと判断されたためだろうか(事実、DS版DQ5などでは、SFC版で「しんでしまった」と書かれていた部分が「ちからつきた」に差し替えられている)。
 
なおビルダーズ2で実際には死んでいなかったことが判明する。

ローラ姫説

FC版DQ2の時点で確実に主人公たちの先祖であるといえるのは、【勇者ロト】【主人公(DQ1)】【ラルス16世】とローラ姫の4人だけである。
口調から推測するに女性であり、DQ1の主人公でもラルス16世でもない。
勇者ロトについては性別を選べるものの、DQ3が発売される前に女性だと考えていた人はおそらくいなかっただろう。
そうすると必然的に選択肢はローラ姫しかなくなるのであった。
ただし、口調から女性だと推定されるだけで必ずしも女性とは限らないので丁寧口調の男性、つまり勇者ロトやDQ1主人公である可能性も完全に否定されるわけではない点に注意が必要である。男性でもフォーマルな場であれば普通一人称は「わたし」であるし、実際にDQ1のエンディングでも主人公の一人称が「わたし」であることが確認できる。
 
また、ローラ姫説については、【ふっかつのたま】使用時に流れてくる「美しい声」とセットで語られることがままある。
こちらについては、王子たちのことを「私と愛しき人の子孫たち」と言うし、さらにあの有名な(?)【そんな、ひどい…】まで使うので、ローラ姫だということはほとんど確実視されている。
ただし、ふっかつのたまを入手できた人は全体でみるとほんの一握りなので、この二つをセットで語れる人は多くない。
ちなみに、リメイク版ではシドー撃破後にふっかつのたまを使用すると、専用のメッセージが用意されている。もちろん、「そんな ひどい……。」も健在である。

精霊ルビス説

DQ3の「聖なる守りはルビスさまの愛の証ですわ」というセリフや、【久美沙織】によって書かれた【ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説】などを根拠として、「ルビスはロトの妻になった」とする説。
 
ただしDQ2発売当時の視点で考えるなら、もちろんDQ3はまだ世に出ていないし、精霊ルビス伝説が出版されたのもDQ4の頃であるため、ルビスが主人公たちの先祖であるとする根拠は少なく、上記のメッセージ以外ほぼ皆無である。
一方、勇者ロトについても、精霊ルビスについても詳細が不明な時代であり、ロトがルビスと結ばれなかった、と断定できる要素もまた存在しないため、「もしかしたら、そうなのかもしれない」と想像できる余地があったといえる。
 
また、【5つの紋章】をそろえて【精霊のほこら】に行って、ルビスの声が聞こえてくる場面では、「どこからともなく うつくしい こえが きこえてくる……。」と、全く同じメッセージが出ることも、ルビス説を補強する材料となっている。
さらに、リメイク版では【ハーゴンの神殿】の幻を暴くためにルビスの守りを使ったときとシドーを倒したとき、その両方で「どこからともなく声が聞こえながら周囲が光で満ちる」と演出が統一されており、さらに使用されるBGMも共通して【ルビスの守り】である。
視覚効果・音楽・メッセージともに共通していることから、声の主がルビスであるかのような演出が強まっている。
 
また、大地の精霊ルビスはアレフガルドをはじめ、大地を生みだした存在であるので、地上に生きる人間をすべて我が子、子孫として慈しんでいるがゆえの発言ととらえることもできる。
 
なお、ドラゴンクエスト2のNES版であるDragon Warrior2では、以下のようなメッセージにより、声の主がルビスであることが明示されている。

"I, Rubiss, have watched thy struggles and I am proud of thee.
(私ルビスはあなたたちを見守ってきました。そしてあなたたちを誇りに思います。)"

どちらでもある説

ローラ姫とルビスのどちらも妥当なので、2人は実は同一の人格であったということをこのセリフが暗に示しているという説もある。

ルビスが人間に生まれ変わる理由自体は想像するしかない。別世界のルビスは人間に憑依するのは確かだが。
しかし、裏返しとして、竜王がローラをさらった理由の説明がつくことになる。ルビスの化身とはつまりこの大地の支配権の象徴であり、竜王はそれをラダトームから奪い取って生かしたままにしておく必要があったのだ。

ローラが主人公の位置情報を正確に把握できるのも、まさしく大地の精霊らしい。
しかも、そのおかげで手に入る【ロトのしるし】は、ルビスの【せいなるまもり】と同じものである。
主人公以外でも拾おうと思えば拾えるものがなぜロトの子孫の証明になるのかという疑問も、DQ3でロトとルビスが交わした約束を踏まえれば説明がつく。

実際、DQ3のアレフガルド編でルビスが務めた物語上の役割は、DQ1でのローラ姫の役割を踏襲している。
公式にこのような説が語られたことは一度もないため可能性は低いが、こう考えれば一応いろいろと辻褄があう説ではある。

DQM+

上記のメッセージをオマージュした次の言葉が登場する。

導かれし 魔物使いの少年によって
迷いの道は 解かれました…
さあ お行きなさい 子孫達よ

声の主は勇者ロトと結ばれた女賢者【ミルト】。原作と同じく、ハーゴンの神殿での戦いを終えたロトの子孫たちに対して発せられる。
遠くからハーゴンの神殿を見つめる彼女の傍らには勇者ロトも立っている。