【ロトのしるし】

Last-modified: 2024-09-06 (金) 22:24:45

概要

DQ1とDQ2に登場する【道具】(重要アイテム)。かつての伝説の勇者が遺したもの。
【ロト】の紋章が大きく刻まれたメダルのような形状をしている。
剣や鎧といった他のロトにまつわる遺物と異なり、元のアイテムの名称が明言された唯一のアイテムである。

DQ1

ロトの血を引く勇者であるしるし。
【聖なるほこら】では、これを持っていないと追い出されてしまう。つまり、【たいようのいし】【あまぐものつえ】と並んで、この場所で【にじのしずく】を貰うために必要となる最重要アイテムである。
移動中に使うと握り締めるが、特にしわくちゃになるわけでもなく、何も起こらない。また戦闘中には使えない(選択しても受け付けない)。
 
どういうわけか【メルキド】南方の巨大な【毒の沼地】に落ちており、そこから拾い上げる必要がある。
そのヒントはメルキドにある神殿で、

ゆくがよい。そして さがすがよい。
ラダトームの おしろまで きたに70 にしに40の そのばしょを!

と、具体的な落下地点の座標として聞ける。その地点は、沼地の東側のほぼ中央。毒沼地帯の細い道のりからそのまま東へ直進しながら足元を調べれば見つけることができる。
これだけ離れた距離を割り出すには方眼紙にマッピングを行う必要があると思いきや、【ローラ姫】を助け出すと貰える【おうじょのあい】を使えば主人公がどれだけラダトームから離れたかはっきり教えてくれるので、それを頼りにすれば解決する。
しかし場所さえわかっていればおうじょのあいは必須ではなく、したがってローラ姫を助けないままクリアすることも可能。
マッピングが当たり前だったFC時代には、自力で見つけたゲーマーも多かったのではないだろうか。
あるいはラダトームから一歩ずつ座標の増減を数えながら歩いていけば、多少の数え間違いはあっても調べるべき大まかな位置は目星が付くだろう。
 
なお一般に座標を用いる場合は最初にフィールドの原点を定義するものなので、本来なら「ラダトームのおしろから…」のように説明したほうが分かりやすいところを、いきなり「ラダトームのおしろまで…」という聞き慣れない言い回しをされたことで、少々戸惑ったプレイヤーもいるかもしれない。
台詞全体が倒置法になっていることで、最後まで聞かないと文意が取りづらいという点も疑問に拍車をかけていた。
しかし落ち着いて考えれば、これはおうじょのあいの言い方と同じく主人公が座標の中心になっていることが分かるので、おうじょのあいを持っているなら言い回しの意味に気付くのは容易だったと思われる。
 
また、このメルキドの神殿の老人は何歩分もの【バリアー】地帯を越えた先にいる。そしてロトのしるしも毒の沼地を何十歩も歩かないと辿り着けない場所にあるため、あたかも神殿の老人が「ロトのしるしを得るにはこれだけのダメージに耐える覚悟が必要」と教えてくれているようである。
同じメルキドではダメージ床を無効化する【ロトのよろい】の場所のヒントも得られるので、先にそれを見つけた上でロトのしるしを入手することを想定しているようにも思われる。
 
たいようのいしとあまぐものつえは、にじのしずくを創り出す材料であるために消失するが、ロトのしるしだけは手元に残る。
他に使い道は無いので失われても問題は無いのだが、さすがにこれを取られたら不自然だからだろう。
FC版等では道具欄が空いても【たいまつ】【せいすい】【キメラのつばさ】のストックくらいしか使い道が無いので、道具のコレクションでもしていない限り、残っても大した問題はない。
 
なお、あちこちに「おまえが ロトの ちをひくもの? なにか しょうこがあるのか?」と疑いの目を向けてくる者がいるのだが、FC版ではロトのしるしを所持していても彼らの台詞は変化しない。
いかにも「ロトのしるしを持っていれば子孫と信じてもらえて有益な情報をくれる」人物だと思いきや、何もなかった。

SFC版以降

SFC版でのメッセージウィンドウでの表記は「ロトの印」。
SFC版では移動単位が半マス単位になったことで、ヒントの座標が「ラダトームの城まで北に140・西に80」と変更されている。GB版ではFC版と同じ。
 
用途自体はFC版と同一だが、それ以外にも持っている状態で「ロトのしるしをもっているのか?」と尋ねてくる人達の質問に「はい」と答えれば、台詞が変わるようになった。

*「ん? そ それはロトのしるし!
  ロトの子孫が 現れたという話は
  本当であったか…。
*「うたがって 悪かった…。
  どうか あなたの力で 世界に
  光を 取りもどしてくれ。

ただ、特に有益な情報をくれるわけではなく、該当アイテムを取れるほど主人公が成長したことをプレイヤーが実感するためのミニイベントと言える。
 
また、装備品が道具枠に加わるようになったため、にじのしずく入手後にこれをずっと持っていると道具枠を圧迫してしまうこともある。
これに限らず、用が済んだアイテムは【預かり所】に預けてしまった方がいいだろう。

スマホ版以降

スマホ版の配信当初はSFC版と同じく半マス単位の移動だったため、メルキドで聞ける情報が「北に140・西に80」となっていた。
しかし後のバージョンで1マス移動に仕様変更された際にはメッセージの修正が行われず、実際にそこを目指すと現実世界の某歴史書よろしく海の上にあることとなってしまう不具合があった。
現在はこのヒントは修正されている。
 
また上記のバージョンアップ以降(後に各機種で配信された2D移植版も同様)は調べることができたりNPCと会話できる場所に立つと「!」が表示されるようになったが、その出現に特別なフラグは用意されていない。
よって、ヒントやアイテムがなくても、適当にメルキド地方の毒沼をなにげなく歩いていると、事前情報一切なしで拾えることがある。
いくらなんでもヌルゲー過ぎるのでは…

ゲームブック(双葉社)

赤い宝石が埋め込まれたペンダント、という設定。同書の発売はDQ2発売より前だったので、挿絵では鳥の紋章ではなく古代の護符のような丸い物として描かれている。

小説版

【聖なるほこら】で、主人公アレフが【ローラ姫】にキスをすると、彼女が身に着けているペンダントの宝石から【ロトのよろい】に向かって光が放たれ、その鎧の表面に紋章として浮かび上がった。
つまり、独立したアイテムではない。
 
この設定との整合性のためか、小説版DQ3でルビスから貰えるのは聖なる守りではなく【ルビスのまもり】となっている。
なおこのペンダントの宝石は、かつて勇者ロトが【ゾーマ】を倒すために旅をしている途中、森の妖精から授かったと【ガライ】が語っているが、小説版DQ3にそのようなエピソードは出てこない。

ゲームブック(エニックス)

原作とほぼ同じ「メルキドの真南」の毒の沼地にある。情報を聞いていれば、その場所で項目番号をプラスした項目に行くことで手に入る。
なお本書の【ゴーレム】はメルキドの入口ではなくここに出現し、【妖精の笛】別の場面で活躍する。
 
本来の輝きを失った【ロトの鎧】【ロトの盾】を覚醒させるイベントがある。
錆だらけになったロトの鎧と共鳴して復活させ、ゲームブックオリジナルの盾「失われた盾」の背面の窪みに嵌めこむことでロトの盾として復活させる。

DQ2

【ローレシア】の城に保管されている。正統なロトの末裔であることの証なのだが、入手するには【きんのカギ】を手に入れて、自分の城の宝物庫に侵入する必要がある。
 
使用すると握りしめ、移動中・戦闘中を問わず、勇気が湧いてくる。
…といっても、祈りの指輪などと違って何かが回復するという様子でもなく、単なる演出のようである。
下記のように交換するためのアイテムなので、もしも仮に有用な効果があったとしたら、どちらを残すべきか悩んだかもしれない。
 
【聖なるほこら】にいる【老人】(リメイク版では【神父】)に見せると【ロトのかぶと】と引き換えてくれる。
ロトの兜は高い守備力を持つ兜なので貰っておいた方が断然有利なのだが、逆に言うとそれだけなので、前作と違ってクリアに必須というわけではない。
また、FC版では売ることも捨てることも可能。失ってもローレシアの宝箱に戻るので気にする必要はない。
ただし、ロトの兜を所持しているうちはローレシアの宝箱からの再入手ができなくなっている。つまり、ロトの名を冠する5種類のアイテムを同時に揃えることはできない。
それまでの聖なるほこらの老人とは違い、ロトのしるしを回収して預かったり、ローレシアに送り返したりしているということだろうか?

リメイク版

兜をもらっても手元に残るようになり、晴れてロトの名の付く5種類のアイテムを揃えることができるようになった。それ以外はFC版と同じ。使うと特有のコメントが出る。
装備することで即死効果を(確率で)無効化できれば【ブリザード】【デビルロード】戦が楽になったであろうが…。

ゲームブック(エニックス)

ゲームブック版(リメイクの3年前に発売)では、上巻で【ロトの剣】を手に入れていなかった場合、下巻で錆だらけの【王者の剣】と共鳴してロトの剣を復活させる(ちなみに上巻で手に入れる場合は、マイラの刀鍛冶の子孫が打ち直す)。
さらに終盤、【バズズ】【メガンテ】から他に身を守るすべを何も持っていない場合、身代わりとなって砕け散る。ただし誤植かどうかは不明だが、表記は「ロトの紋章」となっている。
失われつつあった聖なる護りとしての力の最後の残照か、はたまたDQ2のメガンテが他作品とは比較にならない威力であることの表現なのだろうか…。

DQ3

【精霊ルビス】より授けられた【せいなるまもり】がロトのしるしとして、剣や鎧ともに後世に伝えられたと【エンディング】で語られる。
 
ちなみに、DQ1でこのアイテムが落ちていた同じ場所に【精霊のほこら】がある。
つまり、DQ1と3では「雨雲の杖とロトの印の入手できる場所が逆」になっているが、何か意図があるのかは不明。
また「せいなるまもりは せいれいルビスさまの あいのあかし ですわ。」という話を聞けるので、DQ1は「王女の愛を使ってルビスの愛を探す」というとらえ方ができるが、こちらの意図も不明である。

DQ6

【聖なるほこら】で絵合わせをするときのマークの一つに、このアイテムの紋章によく似たマークが存在する。
ハズレ模様の一つなので使用することはないが、他にも【5つの紋章】と同じ模様が用意されている(こちらは正解が2つ、ハズレが3つ)。

DQ10オンライン

大きなロトのしるしに台座がついた【ロトのオルゴール】が登場。
自宅のBGMを【序曲X】にすることができる。

イルルカ

ファンサービス的演出として、【ドークの館】にDQ1を象徴するアイテムとして飾ってある。DQ2にも登場しているが、クリアに必須なDQ1の方がふさわしいという判断だろう。

ビルダーズ1

【いにしえのメダル】に名を変えて登場。かつてメルキド周辺で拾えたためか、メルキドの闇を晴らすアイテムとして抜擢された。
他の重要アイテムが、湖に囲まれたリムルダールに雨雲の杖、温泉に囲まれたマイラに太陽の石、闇に覆われたラダトームに光の玉と順当な繋がりを見せる中、これだけ共通点が乏しい。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.11
レアリティトレジャー
カテゴリーレジェンド
コレクション伝説のだいじなもの
標準価格36,100,000G

バトルロード1

ここでは「ロトの紋章」という名称で【SPカード】として第七章で登場したものを扱う。
使用時にロトの血を引く者がこれを使用する。
この印に描かれた紋章の力で、そのターンの間自分のモンスターの攻撃が終了した際に、攻撃がヒットした相手に120の追加ダメージを与えることがある。
もちろん全体攻撃でダメージを与えればさらにダメージが増えるので、全体攻撃をメインとして戦うチーム編成をすると効果的。
また、この追加ダメージは固定なので軽減や防ぐ手段が無い。唯一の対策は攻撃する前に攻撃モンスターを足止めすることである。
【とどめの一撃】に際してスキャンすると、【勇者集結】が発動する。
 
バトルロード2レジェンドでは、同様の効果を持つカードとして【精霊の紋章】が登場した。

ウォーク

サービス当初の2019年9月に行われたDQIイベントにて、クエストのクリア報酬で入手できたアクセサリー。
その後も期間限定で交換所に復刻することがあるが、入手できるのは1個のみ。
守備力+12に加えてデイン属性斬撃・体技ダメージ+10%の強力な効果がある。

ドラけし!

2周年記念イベント「時空を超えしらくがきと伝説の勇者」で登場。
イベント中盤にドラけしとして実装され、強敵【カンダタ】の報酬として入手できる。
星6の青属性で、スキルは広範囲の敵の行動を遅延させつつHPを回復する「聖なる紋章」。

ロトの紋章

ロトのしるしと呼ばれるのは第1話くらいで、もっぱら「ロトの紋章」「紋章」と呼ばれる。
ルビスの守りと呼ばれることもあるが、アイテムのルビスのまもりとの関係は不明。
 
ロトの子孫であるローランとカーメンの兄弟がそれぞれ上下に割ったものが、末妹フローラに中央の赤い玉がそれぞれ受け継がれた。分けられた紋章は互いに共鳴し、所有者が死亡すると止まる。
上の紋章は上部に、下の紋章は断面に鎖を取り付たペンダントとして、赤い玉はピアスの宝石としてそれぞれ身に着けることができる。
作中では様々な奇跡を発現し、剣からかばったり、救難信号を出したり、ロトの血と共鳴して瞬間移動させるなど、子孫を守ろうとすることが多い。
赤い玉はその中でも特別な力を秘めており、【アステア】はこの力で封印されていた旅の扉を通ってアリアハンへやってきた。
ロトの子孫と紋章が一堂に会することで再び一つの紋章になり、勇者ロトからの【異魔神】に関するメッセージと【オメガルーラ】が発動するようになっている。
 
【ラダトーム】には、「三つに分けられし紋章が再び一つになる時、大いなる希望が甦る」という言い伝えがある。
それはオメガルーラのことだけでなく、真の勇者の誕生も意味しており、アルスがオメガルーラを使わずとも、異魔神を倒す決意を固めた際、一つになった紋章はアルスを選んだ。
 
【ジャガン】【アルス】の二戦目の戦いで三人のロトの子孫が一堂に会し、ロトの紋章が一つになったが、魔人王の血に反応してジャガンが遠くに飛ばされたことでまたバラバラになってしまう。
【レイアムランドのほこら】【闇のオーブ】を安置した後、赤い玉はアルスの紋章に重ねる形で譲渡された。
最終決戦で異魔神によってどこかへ飛ばされ、単行本の最終ページでは毒の沼地らしき場所に埋もれている様子が描かれている。
DQ1にてなぜ毒の沼地にあるのかという上記の疑問に対する回答の一つと言ってよいものであったが、続編の執筆によってこの時点で飛ばされたものではなくなった。

ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~

続編にも登場。前作で飛ばされた時点では毒の沼地ではなく、【ラダトーム城】地下の【ひかりのたま】【闇のオーブ】があった聖域に落ちている。
【アニス】が発見のきっかけを作るのだが、その際に起きた悲劇がアニスと【アロス】姉弟の心に暗い影を落とす。
その後、かつての分割ギミックを利用して【紋章剣】の鍔と鞘の装飾として移植された。さらには最終決戦の際に紋章剣を錬金したことで完全な形でよみがえり、ロトのつるぎの鍔部分に埋め込まれる。
エピローグにてチキの背に乗ってアレフガルドの上空を旅するアロスが、未来へ託すために上空から投げ飛ばし、毒の沼地に落下した。
この際の遠景は竜王の城やメルキド北の山岳地帯が映っていることから、落下した沼地はメルキド南のそれであり、DQ1で毒の沼地にある理由へ改めて回答したことになった。
そうして長い月日は流れ、おうじょのあいを持っている一人の若者がロトのしるしを手にしたところで、物語が締めくくられるのだった。