【復活の呪文】

Last-modified: 2024-03-02 (土) 09:35:50

概要

ここで解説する復活の呪文とは【ザオリク】【ザオラル】などのことではなく、唱えることで以前その呪文を聞いたときとほぼそのままの状態でゲームの世界に「復活」できる【呪文】の言葉。すなわち一般的なコンピュータゲーム用語で言うところの「パスワード」。
DQでは「パスワードという呼び方は冷たい」という理由によりこの「復活の呪文」という名称が採用された(『月刊LOGiN』1986年7月号)。【冒険の書】が登場する以前のFC版およびMSX・MSX2版のDQ1・DQ2で採用され、後述する一部の例外を除き他機種同士で共用も可能。
 
この意味でのパスワードとはプレイヤー(【主人公】)の【名前】【経験値】【ゴールド】【アイテム】、ストーリー上で必要な【フラグ】などといった情報をある一定の法則に従って数値化し(エンコード)、さらにそれを文字列に変換したもの。
画面に表示することでプレイヤーがそれを紙に書き写して保管し、次回の再開時にそれを入力することで文字列がゲーム内の情報に逆変換(デコード)され、以前とほぼ同じ状態で再開することができる。
現在使われているセキュリティのためのパスワードとは異なり、IDとのセットだったり、入力時に文字が伏せられたりはしない。
現在ではデータをそのままメディアやストレージにセーブすることが当たり前であるが、1987年に後述のバッテリーバックアップが登場するまでは本体やゲームカセットにデータとしてセーブをする手段が無かったのだ。
一応、ファミコンディスクシステムのディスクカードやPC用のカセットテープなどに保存する手段はあったが、これらはセーブ・ロードに時間がかかるという難点があった。
当時はDQ以外でもRPGに限らず多くのジャンルでパスワード方式が採用され、ゲームごとに独自の名称がつけられていることが多かった。意外なことに、RPG以外でならスーパーファミコンでもパスワードを採用していたゲーム(がんばれゴエモンなど)はあった。
なお海外のNES版【DRAGON WARRIOR】では最初から冒険の書を採用しており、復活の呪文は存在しない。
 
文字列をできるだけ短くするために、復活の呪文には必要最低限の情報しか格納されていない。
例えば、経験値から【レベル】、さらにそれ(DQ1ではさらに名前)から各ステータスを算出することで、「レベル」や各ステータスの情報を省略している。
【宝箱】の取得フラグも省略しているため、FC版のDQ1・DQ2では建物や【ダンジョン】などに置かれた宝箱を何度でも取ることができる。
 
DQ2の発売後、カセットに内蔵されている電池を使ってセーブを行う「バッテリーバックアップシステム」の登場で大量の情報を格納できるようになった。ストーリーやシステムをより充実させることができるようになり、DQ3以降ではこれが「冒険の書」として採用された。
【ファミコン神拳 奥義大全書 復刻の巻】に収録された【堀井雄二】のインタビュー記事によると、

(DQ3は)セーブができることで、主人公にいろいろなデータを持たせられるようになった。
パーティプレイでは、自分の仲間を入れ替えできて、しかも転職までできるという…。
こんなことを “ふっかつのじゅもん” でやろうと思ったら、いったい何百文字必要なんだっていう感じです(笑)。

とある。DQ3発表当時の記述によると、同作を復活の呪文にすると800文字もの長さに及ぶとのこと。
もしDQ3があのボリュームそのままで復活の呪文を採用という暴挙に出ていたら、ゲームを終わりたいときには原稿用紙丸々2枚分という小中学生の作文並みに長い文字列を延々書き留め、再開時にはそれをいちいち入力するという拷問のような作業を強いられるところだったのだ。
バッテリーバックアップも今でこそ遠い過去の旧技術だが、書き留め→入力という煩わしさや「じゅもんが ちがいます」から解放してくれる画期的新システムであった。
ただ、冒険の書を初めて導入したDQ3の発売当初は、途中の進行状況を多く残しておける利点のある復活の呪文の廃止を惜しむ声も多く、これには堀井も驚いたという。
(参考 https://s.famitsu.com/news/201812/08168586.html
 
シリーズ30周年を迎えた2010年代後半以降は、ファンサービスのような感じで、当初とは別の用途で「ふっかつのじゅもん」もしくは「◯◯のじゅもん」と呼ばれるものが登場してきている。これらは公式にはひらがなで「じゅもん」と表記され、ゲーム中の魔法の呪文と区別されている。

復活の呪文の使い方

ゲームを終えるときは【国王】または【老人】【神父】からこの復活の呪文を聞き、それをメモする必要がある。
復活の呪文を入力するときは、タイトル画面で「CONTINUE」を選ぶ(わかりやすい表現がドラクエの特徴のひとつなのだが、このように当時は他のビデオゲームと同じように、メニューに横文字が使われていた)。
すると、名前を入力するときのように画面に五十音の文字盤が表示されるので、メモしておいた復活の呪文を入力する。
当時のプレイヤーであればこの説明を読んだだけで、脳内BGMとして【街の人々】【Love Song 探して】がPSG3音で流れてきたはずだ。
そして入力した復活の呪文が正しければ、レベルやゴールド、持ち物などが以前と何一つ変わらない状態で勇者が復活し、続きを遊ぶことができる。
特に王様が【主人公】の名前を覚えているのは当時非常に画期的で、わざわざ【取扱説明書】に書かれるほどのことであった。
 
ただし先述したとおり、復活の呪文には必要最低限の情報しか格納されておらず、現在の【HP】【MP】、また【毒】の有無といった情報も記録されないため、【宿屋】代わりにもなる
DQ2の場合は【教会】に行かずに仲間を生き返らせることも可能だが、この場合は仲間の分の蘇生代金をあらかじめ引かれた状態での再開となってしまう。ただしゴールドがマイナスになることはないので、特に序盤で蘇生代金が所持金を上回っている場合であればちょっとした金策として利用できる。

悲劇

FC版DQ1やDQ2世代のプレイヤーはよく復活の呪文をメモするための専用のノートを用意しており、訳のわからない「呪文」がビッシリ…という事もザラだったようだ。
しかし復活の呪文が違うと【じゅもんが ちがいます】というメッセージが表示されゲームを再開できず、それまでの数時間から数十時間におよぶプレイが水泡に帰してしまう場合もあった。
 
通常の復活の呪文は無意味なひらがな文字の羅列であるうえ、当時のテレビの画質はあまり良くなかったため、「ぬ」と「め」、「わ」と「ね」などの似ている文字、また濁点や半濁点などを書き間違うことも多かった。
文字の順番間違いも意外に多い。平仮名なので知っている単語と似たフレーズにこじづけて覚えやすくする利点はあるのだが、逆を言えば無意識に間違った文字列に認識してしまうリスクもあった。一般的に3~5文字程度の短いフレーズは最初の文字(と最後の文字)さえ合っていれば、他の文字は順番が違っていても意外に気付かないと言われている。1文字程度の間違いであれば適当に試して復旧できる可能性もあるが、文字の順序の入れ替わりは一気に2文字以上の間違いを伴うため、復旧することが難しい。
テレビの画面解像度が向上して以降は字体そのものは誤認しにくくなったのだが、フレーズの勘違いよる文字順の間違いには無力であり、相対的に起こりやすくなったミスと言える。何度も何度も確認したはずの復活の呪文がなぜかどうしても合わない場合は、ダメ元で先頭から隣り合った文字を1文字ずつ入れ替えながら試してみるのも手である。
なお手作業で書き写す際の対策としては、縦読みを併用した二重チェックが有効。横読みだけでは気付かなかった文字の順番違いも、縦読みで比較すれば気付きやすい。後述のように近年では手作業で復活の呪文を書き写す機会は少ないかもしれないが、FC版DQ1/DQ2をプレーする機会があるなら覚えておくと良いだろう。
 
現在は身近なスマホで撮影することでゲーム画面を写真(デジタル画像データ)として残し、それをスマホの画面に表示させることで容易に入力ができるが、当時はスマホはもちろんカメラ付き携帯電話はおろかデジタルカメラすら無く、ほとんどのカメラは専門店などでフイルムを1週間ほどかけて現像・プリントしないと撮った写真を見られないフイルムカメラで、とてもじゃないがパスワードの記録に使えるような代物ではなかった。例外としてすぐ写真としてプリントされるポラロイドカメラやある意味最強の奥の手たるビデオデッキもあったが、これらは高額で普及率も低かった。
いずれにしても、当時完璧に残しておけるものは主力のプレイヤー層である少年少女たちがどうにかできるものではなく、大多数のプレイヤーはノートなど紙に書いておかなければならなかったわけだ。
そんな彼らが出来る対策といえばせいぜい「予備の復活の呪文を取っておく」ぐらい。
DQ1の【公式ガイドブック】の「ゲームの進め方・実践編」でも

冒険メモ18
念のため、復活の呪文を2回聞き、メモしておいた。電源を切ってゲームを終ろう。

と、予備を取ることを推奨している。
当然これも完璧なはずなく予備まで間違っていて結局パーになったという悲劇が後を絶たなかった。
 
他には復活の呪文そのものは間違っていなくても「ゲームプレイ結果の価値」を理解できるはずもない当時の祖父母や両親たちに、折角メモした復活の呪文を書いたメモ用紙や、それが満タンになったノートが単にゴミとしか見られずに捨てられ、その成果がパーになった悲劇も散見された。
特にこれはメモ用紙を使っていたプレイヤーに多く、ゲームの外に「とてつもなく恐ろしい存在」が存在していたのだ。それでもくじけぬ心で幾たびとなく冒険をやり直してクリアを成し遂げた幼き猛者たちもいた。
同じく親や祖父母がらみに起因した悲劇としては、発行のポイントに行きつく前に彼らがテレビ番組を見たいために問答無用で電源を切ったり(当時の親や祖父母世代の娯楽の主流はテレビ視聴が圧倒的)、発行まで待ってもらえたとしても彼らに急かされたため書写しミスに繋がったといったものもあった。
 
なお上述の通り現在では技術の進歩のおかげで「書き写し間違える」こと自体がなくなっているが、かつて子供時代に書き写しに失敗して涙を飲んだ復活の呪文のノートが手元に残っていて、それを正しく修復したいと思ったら、できる可能性がないこともない(詳細はこちらを参照)。

その後

FC版DQ1・DQ2の発売から長い時を経て復活の呪文の仕組みが解析されたことで、【復活の呪文作成プログラム】を使って【成文型復活の呪文】を作るという、当時には無かった遊びが生まれた。
特にDQ1の復活の呪文は文字の区切りが五・七・五の韻律であるため、俳句や川柳のような完成度の高い作品も数多く存在する。
またDQ2で有名な【ゆうていみやおうきむこう…】も意図的に仕込んだものではなく、偶然の産物である。
この語呂合わせ復活の呪文の捏造は言葉のパズルを解くようなおもしろさがあり、黎明期のドラクエならではの楽しみ方といえるだろう。

DQ1

長さは20文字の固定で、フォーマットは

□□□□□ □□□□□□□
□□□□□ □□□

のように「5文字・7文字・5文字・3文字」の区切り。
基本的に復活の呪文はラダトームの城で【ラルス16世】から聞く事になる。
DQ1では名前によって決まる成長パターンのどれかに従って固定のステータスの伸び方をするため、各種パラメータは復活の呪文の内部には格納されていない。名前と経験値が分かれば再計算できるからだ。
 
竜王の城でも【りゅうおう】の取引に応じた直後に聞くことができる。が、こちらは勇者の現在のデータは破棄され、経験値もゴールドもゼロで、【道具】も武器・鎧・盾も何一つ持っていない状態に変えられてしまう。
 
なお『月刊LOGiN』1986年7月号の堀井雄二のコラムによると、「最後の3文字を詠み人の名前と考え、"復活の俳句" という名称にしよう」という案も出て、スタッフ一同爆笑したエピソードもあるという。
雑誌で紹介された「復活の呪文」には、実在の俳句(+三文字)を使ったものもある。
それがこれ↓

ふるいけや かわずとびこむ
みずのおと ばしや

なんだかツールで作った語呂合わせのような感じもするが、偶然プログラムが有効だと認識したから成立した一句。
入力すると当然復活でき、ステータスは以下。

  • 名前:4ひえた LV.10
  • 装備:こんぼう、くさりかたびら
  • 主要所持アイテム:ぎんのたてごと、たいようのいし、のろいのベルト、ようせいのふえ×2

ようせいのふえが2つあったり、本来名前には使えない数字が入っていたりと少々カオスだが成文型の呪文にはよくあることである。

格納されているフラグ

これらは基本的に一方通行のフラグであり、竜王から貰った復活の呪文を使いでもしない限り、フラグが解除されることは無い。
唯一の例外は戦士の指輪で、売ろうが捨てようがフラグが解除されないのは竜の鱗や死の首飾りと同様なのだが、別途解除する方法が用意されている(詳細はそちらを参照)。
なお戦士の指輪のフラグ状態は、使った際の表示が「はめた」のか「はめなおした」のかで確認できる。

DQ2

長さは18文字から52文字までの可変。
当初の試算ではキャラクターデータだけで56文字になってしまうと思われていたが、【中村光一】によるプログラムの工夫によって上記の文字数に抑えることができた(『ファミコン通信』1987年8号)。
【パーティ】がゲームを進めるごとに増えていくのと同様に、復活の呪文の長さも人数が増えるごとに長くなる方式にされた。
所持品が多いほど長くなるので【やくそう】【キメラのつばさ】など、どこでもすぐ買えるようなモノは処分してから聞いたほうが短くて済む。
 
フォーマットは

□□□ □□□ □□□□
□□□ □□□ □□□□
□□□ □□□ □□□□
□□□ □□□ □□□□
□□□ □□□ □□□□ □□

と、一行の区切りは「3文字・3文字・4文字」で、52文字フルの長さの場合は最後だけ2文字。
 
今作では復活の呪文の文字から「だ」行が削除された。「ぢ」と「づ」の発音が「ざ」行の「じ」と「ず」と被っていて、声に出してメモ・入力する作業に支障を来すからと思われる。
代わりに半濁点(「ぱ」行)が登場したが、これはこれで迷惑なものであり、当時のテレビの画質では読みにくく、書き間違いが増えた大きな要因になったことと思われる。
途中の文字を多く入力しすぎていたことを後から気付いたときのために「けずる」というコマンドが追加され、パソコンのキーボードのDeleteキーのように、カーソルの位置よりも先にある文字を削除してそれ以降の全ての文字を1文字ずつ前へスライドすることができるようになった。
 
DQ2では【ローレシア】【サマルトリア】【ラダトーム】【デルコンダル】の城の他にも、【ムーンペタ】【ベラヌール】の町、そして【ロンダルキアのほこら】の合計7箇所で聞くことができる
【ふっかつのたま】を持っていればどこでも復活の呪文を聞くことができるが、現在地の情報は上記の7箇所のいずれかしか記録されない。このため、このアイテムで復活の呪文を発行した場合、レベルや持ち物などの情報はその時点のものになる一方で、現在地だけは「王様などから最後に復活の呪文を聞いた場所」に戻される。
【サマルトリアの王子】【ムーンブルクの王女】の名前は【ローレシアの王子】の名前をもとに決定され、また各種パラメータは固定であるため、いずれのデータも復活の呪文の内部には格納されていない。
 
MSX・MSX2版限定アイテムの【あぶないみずぎ】を所持している復活の呪文はFC版では使えなくなるため、複数の機種でDQ2をプレイしている場合は注意しておこう。
 
JICC出版局のフライデースペシャルでは「マル負技・呪いの装備を身に着けていると間違った復活の呪文が発行されて復活できない」という記事があったが実際にはそんなことはないので、恐らく投稿者自身が単に間違えただけ(上述の通り間違いやすい)でガセネタである。

格納されているフラグ

DQ1・2・3(Wii版)、ニンテンドークラシックミニ

2011年9月に発売された【ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III】にはFC版DQ1とDQ2が、また2018年に任天堂から発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」にはFC版DQ1が復刻されており、それらではFC版の復活の呪文がそのまま使える。
これらにはプログラム中断機能があるためそれを利用すれば復活の呪文は必須ではないが、自分が最強レベルまで育てたキャラの復活の呪文を暗記しているリアルタイム世代のプレイヤーは、昔を懐かしみながら試してみたことだろう。
これは保存の永久性ではどんなセーブ方式もかなわない、まさに "人間冒険の書" という表現がピッタリだ。
DQ1・2・3発売当時のCMでは昔復活の呪文を書き留めたノートを見つけて大喜びする人や実際に使うシーンも登場していた。
呪文の書き取りに苦労したFC時代とは違い、前述したようにWii版時代はカメラ付き携帯電話、そしてミニファミコン発売時にはスマホが普及しており、これらの手軽なツールで簡単に復活の呪文を残せるようになっている。DQ1・2・3の取扱説明書にも「写真を撮るなどして記録すれば安心だ。」と書かれているほどである。
時代は変わったと実感せざるを得ないが、これならば書き間違いによるデータ消失を防げる。便利な世の中になったものよのう。

DQ10オフライン

『目覚めし五つの種族』のエンディング後になると【教会】のメニューに「ふっかつのじゅもん」が追加される。
これで表示されるじゅもんをDQ10オンラインで入力すると、オフ版での名前(主人公、兄弟姉妹)を引き継ぎ、さらにオフ版に登場する14の職業がすべてレベル70になった状態から始められる。
ただし引き継ぎ可能なのは同じハードに限られる(PS5はPS4版オンライン、SteamはWindows版オンライン)。
 
また、類似システムとして「フレンドのじゅもん」も登場する。詳細は後述

DQ10オンライン

『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』発売記念コラボイベントで出張していた【クルッチ】に話しかけると、DQ11のふっかつのじゅもんの入力が出来、アイテムを獲得することができた(2017年7月29日~11月15日)。

DQ11

システムとして復活。
発売前年のDQ30周年カウントダウン特番で発表され、注目された。表記は「ふっかつのじゅもん」。
フォーマットはDQ2と同じで、入力画面も当時のものを再現している。
主に、以下の3つに使われる。

  • DQ11の【教会】で発行される呪文を入力して、同じ名前と進行状況から再開する
  • オリジナル版DQ1・DQ2の呪文やDQ11内で確認できる呪文を入力して少し強い状態から始める
  • 他のDQ作品をDLする(無印版では既にサービス終了)

日本語のひらがなを使用しているため、当然欧米版では対応していない。代わりにFC版のふっかつのじゅもんを使わないと入手出来ない限定アイテム【おうじょのあい】【しのくびかざり】【ふくびきけん】は、ゲーム内で普通に貰えるようになった。

名前と進行状況を引き継ぐ

DQ11内で生成されるふっかつのじゅもんを他のハードで入力すると、その時のデータをだいたい再現できる。長さは17文字。
だが、通常プレイで聞けるふっかつのじゅもんで引き継がれるのは主人公の名前とシナリオの進行度のみで、それ以外は全て用意されたものに置き換わる、という不完全なもの。
キャラのレベルや所持アイテムは進行度に合わせて固定、各種図鑑や【クエスト】は全く埋まっていない状態からとなる。また、【討伐モンスターリスト】【ボス級モンスター】をはじめ強制戦闘のあるモンスターのみ埋まり、討伐数は最低限倒さなければならない数になっている(各種ボス級モンスターなら1匹、【イビルビースト】【デルカダール兵】なら2匹といった具合)。
しかも進行度は世界に異変が起きた直後までしか引き継げずこれはDQ11の不満要素としてよく挙げられる。
ただし、当初と比べてデータ量が膨大になっていることと、PS4版・3DS版それぞれに独自要素があることから、引き継げるのがシナリオ進行のみなのは致し方ない事であろう。

少し強い状態から始める

DQ1・DQ2で生成されるふっかつのじゅもんを入力すると、特別なアイテムを持った状態で開始できるという往年のファンを感動させる仕様となっている(持ってない場合もある)。
3DS版では【冒険の書の世界】のクエスト【いにしえの呪文】クリア時に特別な復活の呪文を教えてもらえる。
 
DQ1・DQ2で生成されるふっかつのじゅもんは【ゆうていみやおうきむこう…】を除き、レベルは最低2~最大10、所持金は10分の1で固定されている。名前は当時のまま(例外あり)。
また、特別なアイテム以外の所持品も元のデータの所持品そのままではなく(【おおかなづち】のように存在しない物が多いため)DQ11内のアイテムに合わせて変更される。
運が良いと【ゾンビキラー】等のように長い間使える物を持っているが、運が悪いと【どうのつるぎ】等を大量に持って始まることになる為、長年大事にしていた呪文がハズレだった時には目も当てられない。
シナリオもオープニングムービー(スキップ不可)から始まるため、後者だと3分以上をムダにすることになる。
メニュー画面の「ふっかつのじゅもん」の項目から当時のふっかつのじゅもんを入力する訳だが、これを選んでも

教会で聞くことができる
『ふっかつのじゅもん』を 入力すると
だいたい同じ所から 冒険を始められます。

と、DQ1・DQ2との連動に全く触れてくれないため、どこに当時のふっかつのじゅもんを入力すればいいのか分からなかったプレイヤーも少なくないはず。
 
DQ1・DQ2側の主人公の【名前】がNGワードであった場合は、「*」で埋められてしまう。
また、「DQ11でのキャラ名をひらがなで書いたもの」は受け付けてくれるため、「ろう」や「ろと」など、偶然DQ11のキャラ名と当時の主人公名が被ってしまった人も安心してDQ11の世界を冒険出来る。
 
DQ11側では濁点や半濁点、上述の「*」を自由に使うことが出来ないので、「゜へ゜」のような自由に(半)濁点が使えることを利用した名前や「*」で埋められた名前でDQ11を遊びたい場合は、オリジナル版のDQ1・DQ2や先述した復刻版を経由する必要がある。
 
DQ11Sの他機種移植版の発売直前、【週刊少年ジャンプ】2020年52号には下記の特別なふっかつのじゅもんが掲載されている。

そづぢ ごすり ぶちあけ
たやむ みぬが すぎよで

勇者「かはせり」Lv8でゲーム冒頭から開始され、所持金6378ゴールド、なんと【王者の剣】を所持しているので序盤の進行が非常に楽になる。
ちなみにこれは「だ」行が使われている20文字のDQ1形式の復活の呪文で、DQ1のチェックコードはパスしているのだが、薬草の所持データが6個を超えるため、残念ながらFC版等のDQ1では使用できない。
薬草以外のデータは「かはせり」Lv18のもので、本来の装備はなんとただの【こんぼう】である。
 
なお、DQ1と連動しているので、後述するファイナルファンタジーXIIの「トロの剣」に記されている復活の呪文も当然有効。

他のDQ作品をDLする

真EDのスタッフロールのDQ1の動画内に表示されるふっかつのじゅもん

ほりい とりや ますぎや
まどら くえす とぺぺぺ

を入力すると、DQ1冒頭を模したミニゲームの後、PS4版、3DS版それぞれの『ドラゴンクエスト(無料版)』をダウンロードできた(2018年1月28日をもって終了)。
 
PS4版では

あすと るてい あへたび
だとう
【アストルティア】へ旅立とう)

と入力することで、PS4版DQ10オンラインの体験版を先行ダウンロードできた。

DQ11S

DQ11シリーズで生成されるふっかつのじゅもんの場合、入力時にストーリーの開始時期を選べるようになった。時期に関しては下記参照。しかし、やはり異変直後までしか対応していない。
とはいえ、無印版を遊んでいたプレイヤーなら、その勇者の名前で新規追加シナリオをすぐに体験できる。また、「そろった6つのオーブ」から開始してアイテム収集後にモード切替を行い、改めて「成人の儀式」から開始するという遊び方もできる。
DQ11Sで聞いたふっかつのじゅもんも逆に無印版で使用可能。
 
真EDのスタッフロールのDQ1動画内に表示される前述のふっかつのじゅもんも有効で、ミニゲーム後にSwitch移植版DQ1のニンテンドーeショップに飛ぶのだが、無印版と異なり、今回は当初から無料ダウンロードは実施されていない
Switch版DQ10オンラインの体験版のダウンロードにもPS4版と同じじゅもんで対応していた。

選べる時期一覧

「古代の遺跡がある村」以外はモード切替時と共通しているが、開始場所は異なる場合が多い。
ルーラの行先は、その時点で攻略済みの地域やダンジョンの拠点は登録されているが、【イシの村】とその周辺、および【メダル女学園】は未登録となる。
また「古代の遺跡がある村」以降では、【ロミア】に真実を伝えるルートが選択されている。

どこから始める?時期・開始場所備考
成人の儀式最初から【ルーラ】使用不可(未習得)
カミュとの旅立ち【デルカダール地下水路】から脱出後
【導きの教会】から開始(カミュ加入前)
修理された橋【ナプガーナ密林】で橋が修理された直後
導きの教会から開始
たどり着いた見知らぬ場所【ホムスビ山地】に着いた直後
【荒野のほこら】の神父前から開始
命の大樹を求めて【ベロニカ】【セーニャ】加入直後
【ホムラの里】の神父前から開始
ルーラ習得済
港町ダーハルーネ【シルビア】加入直後
【サマディー城下町】の教会から開始
大海原を手に入れた後
【ネルセンの宿屋】のシスター前から開始
【ソルティコの町】【ソルティアナ海岸】キャンプ(3D)はルーラ未登録
盗まれた虹色の枝【仮面武闘会】終了後
【グロッタの町】の孤児院から開始
外海への旅立ち【ソルッチャ運河】の水門を開いた直後
ソルティアナ海岸(ソルティコの町の前)から開始
古代の遺跡がある村【プチャラオ村】到着直後
プチャラオ村の教会から開始
【グリーンオーブ】入手済、【シルバーオーブ】は未入手
救われたプチャラオ村【まほうのカギ】入手直後
プチャラオ村の教会から開始
シルバー・パープルブルーの3オーブは未入手
【クレイモラン城下町】がルーラ登録済、メダチャット地方南キャンプ(3D)はルーラ未登録
そろった6つのオーブオーブを全て揃えた後
クレイモラン城下町の教会から開始
【バイキングのアジト】(3D)はルーラ未登録
崩壊した世界世界に異変が起きた直後
キャラ操作は【希望の旅芸人】冒頭から
ふっかつのじゅもん対応はここまで

強くてニューゲーム

真EDのスタッフロール、DQ2のシーン中にてふっかつのじゅもん

とがり あてれ くてしい
れぷい ぱつい ぺぺぺ
(逆から読むと「ぺぺぺいっぱいプレイしてくれてありがと」)

が新たに追加された。
これは、いわゆる【強くてニューゲーム】を行うためのじゅもんであり、冒険の書には常に水色のマークが付いており、真EDを迎えた主人公名が引き継がれる。
名前の変更はできず、ふっかつのじゅもんである関係上しばりプレイは設定できず、2D/3Dの選択肢も無く強制的に3Dモードで始まる。
【主人公(DQ11)】【カミュ】が脱獄して【デルカダール地下水路】から飛び降りるシーンから開始される。
なお他のふっかつのじゅもんと異なり、開始時の強制セーブは行われない(飛び降り後に再生されるタイトルムービー後のセーブ確認はある)。
なお、真EDを見たことのない状態でこの復活の呪文を入力しても「じゅもんが 早すぎます。この じゅもんは 今はまだ 使えません。 まずは ゲームをクリアしましょう。」というメッセージが表示されてゲームを始めることができない。
 
初期状態は以下の通り。

ステータス全員Lv90(過ぎ去りし時を求めた後の【グレイグ】含む)
スキルパネルは初期状態、スキルポイントはLv90相当
種・きのみは全て未使用
所持金1000000G
所持アイテム主人公E【どうのつるぎ】、E【皮の盾】、E【皮のぼうし】、E【皮のよろい】【どうの大剣】【イシのつるぎ】【イシの大剣】
どうぐぶくろ【やくそう】×10、【上やくそう】【どくけしそう】【せいすい】【キメラのつばさ】【おかしなくすり】×2
そうびぶくろ【エマのおまもり】【きんのネックレス】【きんのブレスレット】【きんのゆびわ】
だいじなもの【ヒスイの首飾り】【ロトゼタシアの地図】【時のオーブのかけら】
せんれき【討伐モンスターリスト】【スライム】×3、【スモーク】×2
【収集アイテムリスト】時のオーブのかけら以外の上記の所持アイテム、【あつでのよろい】【グレイグの大剣】【誓いのペンダント】【デルカダールの剣】【ナイトアックス】
【称号】【囚われの勇者】までのシナリオ称号(ほか、開始直後にゴールド関連称号などが自動的に獲得される)

 
その他の詳細な情報は以下の通り。

  • 上記の初期状態とスタート位置を除けばシステム的には完全なニューゲーム扱い。【クエスト】や各種ミニゲーム、【せんれき】に登録される情報なども全て真っ新な状態で始まる。
    なおプレイ時間は「DRAGON QUEST XI S」のタイトル画面でボタンを押して冒険の書メニューに移行させた瞬間をゼロとしてカウントされる(ふっかつのじゅもん入力中もカウントされている)。
  • 【旅のおもいで】は通常のふっかつのじゅもんと異なり、スタート地点で既に攻略済みの「断崖絶壁に追い込まれ」までは既に登録されている(【ブラックドラゴン】は倒しておらず、逃げ切った方が登録されている)。
  • ゲーム開始時点で入手できないアイテムや討伐モンスターリストに埋められないモンスターなどは特になく、【イシの村】が滅ぼされる前に村で入手できるアイテムは、生前の【テオ】に会う前に回収できる。
  • スタート位置の関係で過ぎ去りし時を求めるまでは【デルカダール城】の一部のアイテムの回収と、最初のクエストである【みんなに やさしく】の攻略ができない(クエスト一覧にも表示されない)。
  • 主人公以外の各キャラの【初期装備】は特に変化はないが、過ぎ去りし時を求めた後のグレイグの初期装備が世界に異変が起きた後と同じ(あつでのよろい、グレイグの大剣、誓いのペンダント、デルカダールの剣、ナイトアックス)になっている。これら5つのアイテムはゲーム開始時点では所持していないが収集アイテムリストには最初から登録されており、それぞれ2つずつ入手することになる。一方【デルカダールメイル】は所持しておらず登録もされていないので、これを入手するには世界に異変が起きた後に【ダーハルーネの商人兄弟】の所に行く必要がある。
  • モード切替によるストーリーの巻き戻しは可能だが、一度でもモードを切り替えると時のオーブのかけらは消失し、再度切り替えても戻って来ない。
  • 初期状態や水色マーク以外は、基本的に普通のセーブデータと変わらず、真【エンディング】まで迎えても特にこれといった変化はない。

剣神

本編とは異なり、あらかじめプログラミングされた特定の文字列を入力する形式。
入力できる呪文は以下の通り。

呪文名確認方法
マジンノイカリステージ5の【氷の洞窟】でまっすぐ進む
ブキヤユキノフステージ6の【メルキド】の行商人の台詞
ギガッシュステージ7の【モモたん】の遺言
モモタンホンキ(作中ではノーヒント)
パフパフムスメ【ちいさなメダル】5枚と交換
メタルオウ(作中ではノーヒント)
ヤミノコロモ条件を満たしてからりゅう王結託する

バトルロード2レジェンド

最終章「勇者たちの挑戦」のプレイヤーの強さ確認画面で確認でき、これをWiiのバトルロードビクトリーで入力すると戦いの成果によって特別な【おしゃれ着】【称号】を貰える。
ただし、あくまでWii版の特典を貰うためのシステムで、レベルや経験値を引き継ぐことができず、バトルロード2レジェンドの冒険の書の名前とビクトリーの冒険の書の名前が違ったり、冒険の書のデータが書き込まれた日の翌日の24時を過ぎていたりすると入力は無効となる。

ウォーク

2019年に実施されたDQ1とのコラボイベントのクエスト3章5話で、りゅうおうからの誘いを受けるとある復活の呪文を教えてもらえる。
この呪文は実際にDQ1及びDQ11シリーズで使用できるものである。
DQ1ではアイテムこそ何もないが経験値とゴールドが最大の65535になっている。
DQ11シリーズではレベル10【イシのつるぎ】【布の服】を装備し、【イシの大剣】【みかわしの服】【カメのこうら】【きんのゆびわ】【どくけしそう】【めざめの花】【おうじょのあい】【しのくびかざり】を所持した状態で最初から開始される。
いずれでも名前は「すらみち」となる。
 
また、2022年4~5月のイベント「失われしふっかつのじゅもん」でも登場。【はめつの使者】がこの復活の呪文を利用し、
主人公達が悪党になるように仕立て上げ、更にはどうやってもりゅうおうに勝てなくなるよう改悪。
歴史が歪められたことで、はめつの使者が復活を目論んだりゅうおうは、結果としてより強力な「闇の覇者りゅうおう」となって復活する。
主人公は出会ったスライムヒーローズらと共に、歪んだ歴史をもとに戻すために奔走することになる。

派生システム

「復活の呪文」とは呼ばれないが、同じくひらがなを用いたパスワードシステムとして以下のものがある。

フレンドのじゅもん(DQ10オフライン)

【討伐依頼書】ではフレンドの登録が必要となり、オフラインゲームである本作ではインターネット通信の代わりに「フレンドのじゅもん」を使用する。
依頼書システムの解禁後、酒場では他者のフレンドのじゅもんを入力することでそのキャラを登録し、依頼書のモンスター討伐に行かせることができるようになる。自分のフレンドのじゅもんも同じく酒場で発行してもらい、ゲーム外で公開することができる。

転送の呪文(PS版DQM1・2)

PS版DQM1・2は、発売当時ケータイ(ガラケー)でサービスされていた『ドラゴンクエストモンスターズi』または『ドラゴンクエストモンスターズJ』との間の相互でモンスターをやり取りすることができたが、その際に派生版である「転送の呪文」というパスワードが使われた。
まず受信側で認証キーを発行してそれを送信側に入力し、そして送信側で発行される転送の呪文を受信側で入力するという方式であった。
なお現在はガラケー版がサービスを終了しているため利用は不可能。

デッキの呪文(ライバルズ)

ネット等で公開されている優秀デッキをコピペするもの。

他作品での登場、パロディなど

ファイナルファンタジーXII

言わずと知れた【スクウェア・エニックス】開発のRPGシリーズの一つ。
ロトの剣のパロディアイテムである「トロの剣」の説明文にDQ1の復活の呪文が書かれており、これをDQ1で実際に入力するとFF12の主人公の名前にちなんだ「う゛あん」で再開できるというお遊びが入れられている。
 
さらに、11年後に発売されたDQ11では、これを入れるとやや強い装備を複数所持した状態でゲーム冒頭から開始されるという特徴がある。
所持品は【ビッグブレードII】【ホワイトシールド】【せいどうのよろい】【風のイヤリング】【光のイヤリング】。レベルは2。

みんなでまもって騎士 姫のトキメキらぷそでぃ

エインシャント開発のアクションゲーム。
高難度モードのエンディングムービーにて、「わたしの おもいを じゅもんにするわ」という歌詞と共に、背景に

きけば おちぬ ひぜあき 
したと ねふい おしつぢ

という復活の呪文風の文字列が流れる演出がある。これは実際にDQ1にて入力するとゲームの再開が可能。
内容は

  • 名前:すきすき LV.30
  • ゴールド:0G
  • 装備:全て無し
  • 主要所持アイテム:おうじょのあい×8

所持アイテムが重要アイテムの王女の愛で埋め尽くされているので、他の重要アイテムが入手できずに詰み確定となっている。

クイズマジックアカデミー

コナミ開発のクイズゲーム。
次のような問題が出題されている。

FCゲーム『ドラゴンクエスト』第1作でゲームを中断する時に書き留める
「復活の呪文」は全部で何文字? 数字で答えなさい

  • 解答 20

 

次のうち、FCゲーム『ドラゴンクエスト』で復活の呪文が聞ける場所を1つ選びなさい

  • 解答 ラダトームの城・竜王の城
  • ダミー選択肢 ドムドーラの町・城塞都市メルキド・マイラの村・リムルダールの町

ゲームセンターCX

CSフジテレビで放送されているゲームバラエティ番組。
【エンディング】に王様がつぶやいた呪文を公式ホームページ上で入力すると、サイン入りゲームソフトと名刺プレゼントの抽選に応募できる。
第1シーズンの呪文は意味のない文字の羅列だったが、第8回の【チュンソフト】の回からは呪文に意味を持たせている。

日常(アニメ)

水上麻衣(みなかみ まい)という女子高生が、友人2人とジャンケン遊び「グリコ」をしながら階段を上っていて、チョキで勝ったときに、
「ち・よ・た・に・け・ら・は・と・ほ・ら・す・て・の・は・て・き・ら・と・な・り・は・し・て・と」
と言いながら階段を一気に上りきったあと、静かに「復活の………呪文。」と言い放った。
しかし後に間違った呪文であることが判明するため、彼女も復活の呪文の被害者と言えるだろう。
なお、全部で24文字あるためDQ2の復活の呪文だと思われるが、これをDQ2で実際に入力してみてもゲームは再開できない
ただ多少改変した呪文なら復活できるらしい。

この素晴らしい世界に祝福を!(アニメ二期)

第1話冒頭に登場し、『かずまはゆこのすばむいちだつたゆのだよむ』と入力するも間違っていたらしく【じゅもんが ちがいます】と表示される。
さらにこの後「ぼうけんのしょはきえてしまいました」と表示されるというオチまで用意された。
なおこのオチの二段構えはそれぞれパスワード間違い及びセーブデータ消滅というドラクエユーザー2大トラウマを融合させた形になっている。

銀魂

銀魂自体ドラクエのパロディが数多く、各話リストの中にも「【ベギラマ】な夏」とサブタイトルが題される程多い。
その中で長編「芙蓉篇」、おなじく長編の「たまクエスト篇」、一話完結の「人はしらないうちに借りパクという罪を犯している」に復活の呪文が登場している。
特に「たまクエスト篇」は全編に渡ってドラクエ色の強いパロディで、復活の呪文を入力する場面も再現されている。
復活の呪文入力画面は一番上の表記が「ふっかつのじゅもんを いれやがれ」と微妙に変えられている他、ゲーム音源の【Love Song 探して】という凝り様。
「かぐら しんぱち ぎんとき あまち ひであき ほりいゆ うじぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ…」と入力する場面が流れた。ちなみに途中から区切りが変わっているので復活の呪文としては成り立っていない。実際DQ2で入力しても当然再開は出来ないが、銀魂本編では入力し終わると…。
ちなみに本編のラストには【序曲】が流れていたが、DVD化された際には音源が差し替えられてしまった。
序曲を作曲したのは誰あろうすぎやんだが、彼はJASRAC評議委員でもあるので権利関係にはかなりシビア。恐らくそういうことなのだろう。
尚、権利関係は基本的に担当が取る事になっており、それを忘れた結果作家のほうに責任が降りかかってきた例が存在している。

世にも奇妙な物語

2021年11月6日に【フジテレビ】制作の「世にも奇妙な物語」から、FC版DQ2のプレイヤーを描いた物語「ふっかつのじゅもん」が放映された。
パーティメンバーの名前はローレシアの王子が「けんいち(賢一)」、サマルトリアの王子が「りょすけ(良介)」、ムーンブルクの王女が「みき(美紀)」。
賢一と美紀の息子「中岡祐樹」がかつて父が遊んだDQ2と復活の呪文のメモを見つけたことから物語は始まり、その復活の呪文を使うたびにプレイヤーの前に現れる幽霊「石村良介」との交流を描く。
 
ドラマ撮影のために使われた復活の呪文はきちんと使えるものである。

べぴべ むにか ゆはぞげ
がぽや つじし えくおみ
もねぽ ぐやげ ぎえらつ
るざの うたさ えられれ
がずへ きぞぴ ぶほ

ちなみに名前変更の裏技を使わないで始めると仲間の名前は「トンヌラ」と「りンタ゛」になる。
 
ドラマの演出のためには仕方がなかったのかもしれないが、「クリア(シドー撃破)が目的ならば買い物を始める前の【ベラヌール】ではなく【ロンダルキアのほこら】から再開する復活の呪文を残しておくべきでは?」という要素は突っ込まれがち。
 
ラストではFC版DQ3も登場し、冒険の書が消える演出を利用したオチまで用意された。

復活の呪文にまつわる有名人のエピソードなど

堀井雄二

(ラジオ番組『漫学~Nちゃんねる(仮)~スペシャル!!』より)
「当時ね、この『パスワード』っていうのがどうしても冷たいような気がしたので、『復活の呪文』って名前にして、五七五の俳句っぽくしたんですよね。
1はね、まだ短くてよかったんですけど、これが2になるとすごく長くなってしまって、いろんな悲劇が生まれたんですけどね(笑)
なんかね『じゅもんが ちがいます』っていうとサッと血が引いたとかね。」

すぎやまこういち

(雑誌「WiLL」増刊号『すぎやまこういちワンダーランド』~二人で話そう! vs 中村光一 より)
すぎやま (中略)「I」は復活の呪文が二十文字だったから書き写してたけれど、「II」は文字数が増えましたよね。
中村 五十二文字ですね。 
すぎやま これで書き間違えちゃかなわん、と思って当時、大金をはたいてテレビ画面のプリントアウトができる機械を買いました(笑)。それをノートに貼って保存しているから、まだ使えますよ。
(後略)

編者註

ここですぎやまが述べた「テレビ画面のプリントアウトができる機械」は当時「ビデオプリンター」と呼ばれており、1991年2月発行の『スーパーマリオワールドのすべて』(JICC出版局)によると、ソニー製の「カラービデオプリンターDPE CVP-G500」という機種で標準価格は165,000円とのこと。
要するにサラリーマンの給料一月分と同程度のお値段。

田尻智

(『HIPPON SUPER! ドラゴンクエストI・II発売記念特集 一億人のドラゴンクエスト』より)
「復活の呪文は、正に呪文を唱えてるような不思議な感覚」
(中略)
また、復活の呪文も、初期ドラクエの忘れがたい思い出である。
日本語でありながら日本語でない言葉の連なり。
パスワードだけが、遠大なゲーム世界を維持させられるなんて、ハイテックなような原始的なような…
まあ、今の僕は、バッテリーバックアップの利便さを味わってしまった以上、もうあの文字の羅列を書き留める気にはなれない。
しかし、当時のあの行為には、ゲームの世界を記述するという充実感と、正に呪文を唱えてるような不思議な感覚と楽しみがあったと、懐かしく感じるのだ。
(後略)

淡路恵子

(ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』より)
「もう、昔のはね、あの『復活の呪文』っていうのが大変だったの。
大学ノートを広げてね、『ぱ』だとか『び』だとか『ぺ』だとか『ふ』だとか書いていくわけよ。
ところがね、急いで書いて、次にそこへ戻ろうと思ってそれを入れようと思うと、『ぱ』だったか『ば』だったか、『ぷ』だか『ぶ』だか、もうそれでそこへ帰れなくなるとかね、昔はそんなでしたよ。
でもそれが楽しくて、攻略本も何にもないのに、全部それで制覇してったんですからね。」

新元号「令和」

2019年4月1日、新元号「令和」が発表された際、話題になった復活の呪文。

へいせいわ れいわへなりあ
たらしいじ だいへ

これで始めると

  • 名前:へっ0゜ LV.15
  • EXP:11656 ゴールド:52046G
  • 装備:こんぼう、はがねのよろい
  • 主要所持アイテム:たいようのいし、ようせいのふえ、せんしのゆびわ、ぎんのたてごと、ぎんのたてごと、たいようのいし、あまぐものつえ、せいすい

の内容で再開する。