【ゴールドカード】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 04:59:30

概要

DQ2とリメイク版DQ5、トルネコ3、テリワン3D、イルルカに登場する道具。
作品によって割引率は違うが、全てにおいて持っているだけで通常より安く買い物ができるという夢のようなカード。
そのうえ、どの作品でも売ったり捨てたりしない限りはなくならないため、事実上永久にその恩恵を受けられる点もすさまじい。
同じような名前の【ゴールドパス】も、DQ3を除いてほぼ同様の効果である。

DQ2

持っていれば定価の4分の3(25%OFF)で買い物ができる。
しかし、割引前定価のゴールドを所持していないと割り引いての買い物ができないという思わぬ欠点もある。
ゴールドカードを持っていようと、元々定価で買ってくれるつもりのお客にしか割り引いてくれないということか…。
従って現実世界でいうところの「割引き」ではなく「現金キャッシュバック」に近い。
 
入手方法は【福引き】で1等を当てるのみ。手にするには運と根気が必要。
ゲーム雑誌『マル勝ファミコン』の記事によると、FC版でのこのアイテムの当選確率は 1/2048 とのこと。
目押しの効く機種であれば早々に入手することも不可能ではないが、件のFC版ではボタンを押してから止まるまでのランダム幅が大きく、目押しは事実上不可能になっている。
どうしても欲しければ、FC版であれば【復活の呪文作成プログラム】を利用するのもひとつの方法だ。
 
序盤で入手できればメリットは非常に大きく、買値5桁の武器防具が店に並ぶ後半には数千ゴールド単位で割り引かれるため、資金稼ぎの手間を軽減してくれる恩恵は計り知れない。
しかし、市販の武器防具を揃え切った後にはお金を貯める意義がほぼなくなり、アイテム欄を圧迫するお荷物となってしまう。
預かり所もないFC版では切実な問題となるが、貴重故に捨てるのも惜しい気持ちにさせるなど中々困ったアイテムである。
その他FC版では、高額な武器防具が店に並ぶ頃には【いかづちの杖で金稼ぎ】という便利な裏技も登場するため、これを狙うよりもそちらに頼った方が効率的である。
 
なお、このカードを「どうぐ」として「つかう」と、ちょっぴり嬉しさがこみ上げてくる。
没アイテムの【みみせん】を使った時にも、なぜか全く同じメッセージが出る。

リメイク版

割引後の金額を持っていれば買い物が可能となった。
ふくびきけんを狙って入手できたり、リールの目押しがFC版と比較してやりやすくなったり、冒険の書のセーブ機能によるやり直しの手間が減ったことなどにより、(FC版に比べればだが)入手しやすくなった。
セーブ場所と福引き所が近い【ムーンペタ】を利用するのが良いだろう。
 
いかづちの杖で資金稼ぎの裏技がなくなったこともあり、入手することでの恩恵はFC版より増している。
預かり所の登場により、不要になった後のアイテム欄圧迫の問題も解消している。
目押しのコツなどもネット上で広く公開されているので、ムーンペタに着いたら少し頑張って狙ってみるのも悪くない。

ゲームブック(エニックス)

上巻のサマルトリア城下町で貧しい人にお金を恵むと貰える福引券を【リムルダール】の福引きで使うとこれが当たる。当たったときには町中で大層なパレードも行われる。
効果は原作版と同じ。

DQ5(リメイク版)

福引きの特賞の景品としてのみ入手できる。
こちらは定価の5分の4(20%OFF)とやや割引率が渋くなっているが、仲間モンスターのための装備品などで金欠になりやすい本作では非常にありがたい。
道具屋で【やくそう】を買いまくって【ふくびきけん】をもらいまくり、ひたすら回せばいつかは当たるので、【福引き所】のあるポートセルミに着いたら入手しておきたい。当たった後は福産物のばくだんいしやらファイトいっぱつやらを売っぱらえば元手も戻ってくる。大量のやくそうも地味に役立つ。
ちなみに当たる確率はPS2版ではおよそ200分の1。DS版以降は黒玉と緑玉の割合が非常に増えたため、それより遥かに低くなっている。
確率は低いが、DQ2ほど理不尽なものではない。何度も粘れば手に入る可能性は高い。
反面、目押しはできなくなったので完全運任せ。リアルラック頼みなので運が悪いとDQ2よりも入手に時間がかかることも。運良く複数枚手に入っても割引の効力は1枚分しかない。
なお、【オラクル屋】の商品と名産品の【ボトルシップ】【メダルがたチョコ】は割引対象外。
 
PS2版公式ガイドブック下巻のイラストには古代文字が書かれているが、これはふくびきけんの文字を、ローマ字変換した景品のアイテム名に当てはめることで文字を割り出し、解読することができる。
書かれている内容は

安く買えちゃう ゴールドカード

NORO-MI専用ゴールドカード
だけど・・・まれに REINA-も 使えるよ!

SAY YEAH! もっと ミラクル・ナイト
NON STOP! マロン・メロン

一見すると全く意味不明な内容だが、「Say Yeah!~もっとミラクルナイト~」は、アイドルグループの「モーニング娘。」が2001年にリリースしたベストアルバム「ベスト! モーニング娘。1」収録の楽曲名。
同様に、「NON STOP!」は2003年に行われたモーニング娘。コンサートツアーのサブタイトル、「マロンメロン」はモーニング娘。のメンバーであった安倍なつみと辻希美が2000年に結成した非公式のユニット名である。
ここから類推するに、「NORO-MI」と「REINA-」は、当時モーニング娘。に所属していた辻希美と田中れいなを指すと思われる。
恐らく、公式ガイドブックのイラスト担当者がモーニング娘。のファンで、自分の趣味をこっそり盛り込んだのであろう。
それにしても「ノロ美」とは…

トルネコ3

こちらも入手方法は福引きのみで、入手してもアイテム欄には収まらず内部的に所持していることになる。
町などでの買い物が半額になるという効果になった。
残念ながらダンジョン内では効果は発揮しない。【ガーゴイルの店】で売っているアイテムを半額で手に入れたい場合は【値切りの指輪】を使うこと。
福引きをする際にアイテム欄を全て埋めてゴールドカード以外を当てると福引き券を返してもらえるので、券を大量に持っていって、当たるまでセーブ&ロードを繰り返すとゴールドカードのみを狙いやすい。
なお、ゴールドカードを当てると【冒険の履歴】に記録される。

GBA版

福引き廃止に伴い、削除されている。

テリワン3D

定価の2割引きで買い物ができる、DQ5と同じ効果で登場。
なにかと福引きに縁のあったこれまでの作品とは異なり、【スカウトQ】を15問全てクリアした賞品として貰える。
福引きによる運や根気は必要無い為、これまでよりは入手が楽になったと言えなくもないが、必然的に入手はエンディング後になる上に、配信限定【スラ忍軍団】まで必要とする為通信なしでの入手は不可能。
その分リターンは大きく、【わたぼう】or【ワルぼう】を手に入れる為に【にじのタマゴ】を大量購入するのに重宝する(普通に買えば15万Gだが、これがあれば12万Gで買える)。
【しもふりにく】やタマゴ、装備品などでやたらと出費が多い本作では非常にありがたい存在。

イルルカ

テリワン3Dと同じ効果で登場。
今回もスカウトQで入手できるが、15問全てをやる必要はなく、12問目(【大地の竜バウギア】)までをクリアすれば手に入る。
入手がエンディング後になるのは前作と同様だが、今回はこれを手に入れる為に配信限定モンスターは必要ないので、前作とは異なり、通信なしでの入手が可能。
ただし、買い物金額は割引されるものの、本作の目玉システムである【錬金カギ】を作成する為の費用と壊れたカギの修復費は割引されないので注意(素材のカギは一応割引される)。
 
前作と違ってにじのタマゴから孵化するモンスターがショボいものが多く、タマゴからしか入手できないのはせいぜい【かくれんぼう】くらいであり(前作とは異なりリセットしてのやり直しも可能)、肉の値段も前作より高騰しているので体感的な恩恵は前作と比べると少ないかもしれない。
それでも、持っているだけで買い物金額が割引されるのには変わりがないのでエンディング後の冒険をスムーズに進める為の回復系アイテムの調達や、武器強化の素材の調達、錬金カギを作る為の素材のカギを調達する際には重宝する。

DQM3

ちいさなメダル70枚で貰える。本作では買い物価格が2割引。

トレジャーズ

【お宝】の一種として登場。

お宝No.247
レアリティトレジャー
カテゴリーヒストリー
コレクションだいじなもの
標準価格2,000,000G

また贋作として【コールドカード】が存在する。

ドラけし!

課金限定のメンバーズカード。

アイテム物語

この本によると、ゴールドカードの発案者は【ムーンペタ】で宿屋を営むクラップ老人。
 
【竜王】が倒されてから百余年、【ハーゴン】の軍勢が世を脅かすより少し前の時代。
世界が平和になったことによって武器や防具、薬草などが売れなくなり、宿屋も旅の冒険者が減った煽りを受けて、商売不振が続いていた。
【アレフガルド】中の商人が集まるムーンペタの商工会議所では、状況を改善すべく話し合いが行われた。
そして各自でできる工夫として、細工物の武具や薬草ドリンクといった新商品の開発、宿屋のデラックスルームや特別料理の提供サービスなどが発案され、実施されたものの売れ行きはさほど好転しなかった。
次の会議では、多くのお客に店に足を運んでもらうためのアイデアとして【福引き】が提起され、妙案に賛成が相次いだ。
こうしてアレフガルドの各地の街に【福引き所】が設けられた。
ムーンペタではスロット、【リリザ】では三角クジ、【リムルダール】ではルーレット方式と、地域によりさまざまな方法でサービスが始まった。
 
福引きの効果はてき面で、【ふくびきけん】目当てに多くの人々が街から街を行き来し、どんどん買い物をするようになった。
しかし、やがて街ごとにお客を奪い合うかたちになり、他の街に先んじようと、お客を呼び込める目玉景品の豪華さを競い合うようになってしまった。
多くの店で商売が活況を迎える一方、景品があまりに高価になった弊害として、リリザでは一等景品の【いのちのいし】を欲しがった大金持ちが商品を買い占めて三角クジを独占してしまう事件が起き、ムーンペタでも【さとりのしょ】が絶対に当たらないように仕掛けがしてあるといううわさが流れ、人々が騒ぐようになった。
こうした事態により、アレフガルド中の福引き所が一旦閉鎖されることになった。
 
福引きがなくなったことで人々は買い物をしなくなり、アレフガルドを再び不景気が襲った。
このため福引きを再開してほしいという声が集まり、まもなく緊急の会議が開かれた。
これまでのような混乱を防ぐために、福引きの方法や景品をアレフガルド全域で統一することになったが、肝心の新しい景品がなかなか決まらない。
これまで福引きが人気を集めたのはデラックスな景品によるところが大きく、新しい目玉となる景品が必要だったのである。
話し合いが進み、「ボクたち(商工会員)が手に入れやすくて、街の人たちにはなかなか手に入らない物」をということになって、議長のクラップ爺さんが「何かいい景品をわしらで作ればいいんじゃ! たとえば、う~ん、いろいろな店で使える割引券なんてのはどうじゃろうかの」と発言した。
この提案をもとに、景品を手に入れたら永久に割引を受けられるものとし、デザインはゴージャスに薄く伸ばした銀に金箔を貼ったカードにしようと話がまとまった。
このようにして、福引きの一等景品としてのゴールドカードが誕生したのである。
(書かれてないが、福引きの方法も、この際にDQ2のスロット方式に決まったのだと思われる。)
 
このゴールドカードの物珍しさから、以前ほどの勢いではないものの福引きは段々人気を取り戻していき、商売の方も程々に繁盛していった。
福引きで偶然にもゴールドカードを当てた旅の吟遊詩人が【キメラ】に襲われたが、これまた偶然にも彼の上着のポケットにはこのカードが入っており、キメラはちょうどその部分に噛みついたために軽傷ですみ、彼は一命を取り留めた。
この吟遊詩人が街から街へとこの話を広め、ゴールドカードは『幸運のカード』と言われるようになったという。
なお、このカードの発案者であるクラップ爺さんにも特別にこのカードを1枚プレゼントされ、クラップ爺さんはこれを見て「街の噂のように、このカードが『永遠の幸せ』を約束してくれるといいんじゃがなぁ……」と複雑な思いで呟いていた。
そのときクラップ爺さんの頭上には、あたかもその想いに水を差すかのように【ムーンブルク】の全滅を知らせる白い伝書鳩が飛んでいた…。