【グランドクルス】

Last-modified: 2020-03-01 (日) 21:08:00

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場した攻撃技。
勇者【アバン】の技であり、劇中ではその弟子【ヒュンケル】の切り札として何度も活躍している。
クルス(Cruz)はスペイン語やポルトガル語で、英語のクロスと同じく、十字架を意味する。
日本ではより宗教色の強いキリシタン用語として用いられることが多い。
名前はゲームシリーズの特技【グランドクロス】と似ているが、あちらは真空刃系の技なので性質はかなり異なる。
 
クルスの名の通り、十字型の、あるいは交差させて十字に構えた武具などに精神を集中させ、自らの生命エネルギーを【闘気】に変換した十字の光線を発射する。
圧倒的な破壊力を発揮するが、強烈な反動に加えて生命力を一気に消耗するハイリスクな面もあり、生命エネルギーが残り少ない状態で使おうとするとチャージに時間がかかるという弱点も描写されている。
その点では扱いが難しく、本来はそこまでの大出力で使う事を想定しない技らしい。アバンがヒュンケルに見せたときは小さな岩を割る程度の出力で「かなり小さめに放つのがコツ」と説明している。
 
チャージ量を使用者が自由に設定し、大きな生命力を注ぎ込むほど威力が増す、ゲームシリーズで言えば【マダンテ】のHP消費版といった感じの技であり、現在HPギリギリやオーバーする威力で撃とうとすると力尽きてしまうという所か。
 
かつてアバンが幼少期のヒュンケルを教育していた時、呪文が使えない戦士の為の、剣術以外の隠し技として伝授しようと披露している。
意固地になっていた当時のヒュンケルは「要は剣だけで敵を確実に倒せばいい」と一笑に臥したものの、技の撃ちかた自体は覚えていた。
バルジ島での魔王軍総攻撃の際に【ハドラー】達に追い詰められ、意を決したヒュンケルは切り札としてグランドクルスを使用。自爆覚悟の高出力で繰り出したため威力は絶大で、部下を盾にしたハドラーこそ仕留め損なったものの、他の敵をまとめて全滅させた。
生命力を消耗したヒュンケルも気絶してしまったが、地面に深々と刻まれた十字の痕跡を目の当たりにしたハドラーは、その圧倒的な破壊力に戦慄していた。
 
竜騎衆の一人、陸戦騎【ラーハルト】との戦いでは、彼の必殺技【ハーケンディストール】を誘い込み、【アバンのしるし】のペンダントチェーン部分を突き出して【鎧の魔槍】を受け、その交差を起点にカウンターで放ち勝負を決めた。
この時も、放った直後は思うように動けないほど消耗したヒュンケルだが、気絶はしていない。
圧倒的不利な態勢から相手の武器まで利用してとっさに大出力のグランドクルスを放つという不屈の闘志、そして、その状況でも敵を倒しつつも意識を保てる程度に出力を制御し生き残る戦闘センスを見せつけるシーンとなった。
 
物語中盤に【ミストバーン】【鬼岩城】で襲撃して来た時にも放とうとしたが、この時は「出て来ないと城の首ごと吹っ飛ばす」という脅しの意味もあった。実際にミストバーンが姿を現したため撃つには至らず、これから暫くは出番が無かった。
 
【バーンパレス】での最終決戦では、【キルバーン】【殺しの罠】(キル・トラップ)の究極呪法『◇の9(ダイヤ・ナイン)』に囚われた【ダイ】達を救うため、巻き込んでダメージを与えてしまうのは承知の上で久しぶりに使用する。
しかしトラップ自体が魔法力による攻撃以外を全く受け付けない性質を持っていたことで、完全にはじかれてしまい無駄撃ちに終わる。
 
その後、アバンと合流してバーンパレス本丸に乗り込む際、後ろに現れた魔界の魔物達の軍勢を止めるために2発目を放ち、大多数を倒すことに成功する。
先述のように、生命力を消費するグランドクルスの連発は非常にリスキーかつ威力不足になりやすいのだが、死んだと思われていたアバンとの邂逅を果たし、胸のつかえが取れて気力が充実していたヒュンケルは「今日のオレは疲れを知らん・・・」と不敵に笑いながら発射。
それを見ていた【ポップ】達も「2発目!?」と驚愕していたが、万全の状態で撃つものと変わらない威力を見せた。
 
さらにその後の昇格【ヒム】との対決でも、後ろから羽交い絞めにした状態で手甲の剣とナイフを交差させ、道連れ覚悟となる内側向けの3発目を放とうとしたが、流石のヒュンケルも3連発には無理があったようでチャージが長引き、その隙にヒムに振りほどかれ不発に終わってしまった。
 
ヒュンケルが戦闘不能になった事でグランドクルスも出番は終わりかと思われていたが、物語の最終盤で【ダイ】を除く全員が【バーン】にバーンパレスの心臓部内に落とされた際に使用されている。
心臓部は魔力炉と同じ材質で、呪文攻撃は【メドローア】【閃華裂光拳】すら接触前に魔力を吸収され通用しない上、異常なまでの再生力と耐久性を持つため物理攻撃も通じず万事休すかと思われたが、各々が自分の技を試した結果、闘気でつけた傷だけ治りが遅いことに気づいたポップは、十分に威力のある闘気技ならば破壊できると推測。
かつて圧倒的威力で魔力炉を破壊した【ドルオーラ】の使い手ダイが不在の中で、近い威力を発揮できそうな技としてグランドクルスが候補に上がる。
 
満身創痍のヒュンケルに代わり誰が撃つかという事になり、ポップが技の元祖として名を出したアバンが一瞬の間の後に軽いノリで立候補するも、当のヒュンケルはそれを止める。
その上で、死線でコツを見出だした自分でなければ魔力炉を破壊するほどの威力を出せるとは限らず、仮にアバンが放って成功しても消耗が激しすぎて命の危険がある、だからこそ確実に技は成功する自分がやるべきだと無理を押して請け負おうとする。
しかし、既に消耗し傷だらけのヒュンケルもまた、技は成功しても反動に耐えられず確実に命を落とすとマァムに制止される。
 
どちらがやっても仲間の命が犠牲になるという状況でバーンパレスの崩壊が目前に迫る中、勝手に進み出たのは、ヒュンケルの想いに感じ入りパーティーに加わっていたヒムだった。
見様見真似で腕を交差させ、チャージの時点で腕にヒビが入りヒュンケルに止められるも、ここにいる仲間たちや人間たちの事をかつての【ハドラー親衛騎団】達と重ね合わせて好意を抱いてしまった事を吐露し技を強行。
ヒュンケルへの「見そこなうなって…!! てめえが不死身ならっ…!!! …不死身ならっ!!! オレも また不死身だぁーーーっ!!!!!」という叫びと共に放たれた見様見真似グランドクルスはパレス心臓部の壁に巨大な十字の亀裂を入れ、すかさずアバンとポップの【ルーラ】により全員が脱出した。
 
ヒムはこの技の反動で散ったかと思われ、獣王遊撃隊長【チウ】は涙と共に敬礼しつつ、ヒムにつけた隊員番号12番の永久欠番宣言までしていたが、ヒムは両腕を失いながらもポップに拾われて生きのびていた。
腕が吹き飛ぶ程の強烈な反動だったが、幸い金属生命体であるヒムの体はホイミで再生可能だった為、大事には至らなかった。
 
ダイ大の闘気技は「自滅や消耗覚悟なら強引に威力を高めて撃てる」という特徴があり、ヒムが腕を犠牲にドルオーラに匹敵する火力を出して見せた通り、これはグランドクルスにも当てはまる。
もともと「小さめに放つのがコツ」と伝授されていた技だが、ヒュンケルは生身で敵の大群を吹き飛ばすほどの威力を出したり、武器ですらないペンダントを利用し反動で壊すこともなく状況に応じた破壊力で発射するなど、想定外の威力の上乗せと制御を何度も実践しており、これは開発者のアバンでさえ「自分には無理かもしれない」「神業」と評している。

余談

星ドラでは反動ダメージこそ無いものの、確実に1ターン休み状態になってしまう。
スーパーライトでは単に無属性の体技ダメージを与えるだけの効果。ちなみにこの作品では「グランドクロス」と共演している。