概要
DQ2とキャラバンハートに登場する国家。『ロトの姉妹国』の一角。
ローレシア大陸の北側の真ん中あたり、【ローレシア】の城から見ると北西に位置する、山と森に囲まれた国。
SFC版の【公式ガイドブック】での英字表記はSumaltria。英語版での地名は、全機種共通でCannock。
【初代ローレシア王】の第二王子がローレシアの国土を分け与えられて独立した、というのがこの国の成り立ちらしい。
【公式ガイドブック】などでは、ローレシア地方(大陸とも)に属するとされている。これは、元々この地域にはローレシアしか国がなかったためだと思われる。
現在は、ローレシア地方の西方と北方を治める。
南側に国境の宿場町【リリザ】がある他、領土内に多くのダンジョンを抱えており、
東に【勇者の泉の洞窟】、西に【ローラの門】と【湖の洞窟】がある。
名前の由来については、【堀井雄二】の談話によるとウズベキスタンの古都「サマルカンド」らしい。シルクロードの要衝として栄えた街で、世界文化遺産にも登録されている。
当初は【湖の洞窟】の位置にサマルトリアが設けられる予定であったらしいが、ローレシアからは遠すぎるということで、現在の位置になったとのこと。
なお、その位置にサマルトリアがある開発画面は2パターン確認されている。
DQ2
【サマルトリアの王子】の祖国。統治者は彼の父である【サマルトリア王】。
王子に会うためにここに来ることになるが、王によると当の王子はここには居らず、【勇者の泉の洞窟】に行ったという。
すれ違いの旅の始まりの地である。
王と話さないと勇者の泉の洞窟で王子の話が進まないので、ゲームの進行のためには王と話す事になる。
なお、この「サマルトリアの王子もこちらが来る前から出動している」描写からすると、OPに出てきたムーンブルクの兵士かその仲間がサマルトリアにもムーンブルク壊滅の報告をしていた模様。いくらなんでもあの瀕死の兵士をローレシアに送り出すほど外道ではないはずなので、後者だと思いたいが…王位継承者をこんぼう一本で過酷な旅に叩き出す国なので、否定しきれないのも恐ろしい。
王様から【復活の呪文】が聞けるほか、施設は道具屋・宿屋に加え教会がある。
北東部にはサマル王子の妹である【サマルトリア王女】の部屋があり、王子の性格について教えてくれる。
サマル王子を仲間にした後に話しかけると一緒に連れてってなどと駄々をこねるが、王子に一蹴される。
一応ロトの血は引いているはずなので、その実力のほどは気になるところではある。
【きんのカギ】の扉に閉ざされた宝物庫があり、中には伝説の防具である【ロトのたて】がある。
ローレシアにあった【ロトのしるし】と同じく、あるなら最初からよこせよと言いたくなるが、
「未熟者が伝説の防具を付けるなど10年早い」ということなのだろう、多分。
そうなると「そんな未熟者を一人で放り出すなよ」という話になってしまうのだが。
ただこちらについては、放り出した王子がもともとこの盾を装備できないという事情があったのかもしれない。
リメイク版
武器防具を扱う行商人が追加された。
また城内には2階へ上る階段が追加されており、2階にはサマルトリアの王子の性格について話す兵士がいるほか、【きんのカギ】の扉の向こうに王様の寝室がある。
しかしわざわざ鍵がかかっている割に、中を調べても何も見つからない。
小説版
ローレシアの20年後に建国されたという設定である。
ロトの盾は王子が持ち出している。
ゲームブック(双葉社)
下巻では、金のカギがあればロトの盾ではなく【ロトのかぶと】を入手できる。
DQ11(3DS版)
悪霊の祭壇から行ける【冒険の書の世界】の1つ。必要な【冒険の書の合言葉】は【時渡りの迷宮】第8階層の宝箱にある。
グラフィックはSFC版DQ1・2を再現している。ただし範囲は玉座から教会までのごく狭い部分だけで、例えクリア後であってもロトのたてがある宝物庫やサマルトリア王女の部屋、城の2階には入れない。
サマルトリアの王子が行方不明になっており、王様から王子を探すクエスト【さらに遥かなる旅路】を依頼される。クエストをクリアすれば王子は戻って来る。
また余談だが、ここで【ルパスのお宝メモ】を使うと「お宝があと1個ある」と言われるが、宝物庫にある宝箱は取れないし、「しらべる」コマンドで床を片っ端から調べても何もアイテムは得られない。
他の場所では中身が取れない宝箱はカウントされないので、単純なミスの類だと思われる(このミスはDQ11Sにも残っている)。
DQ11S
冒険の書の合言葉は、世界に異変が起きた以降のみ入れる【ヒノノギ火山】の秘密基地で手に入る。
グラフィックはリニューアルされ、3DS版よりもやや広範囲を見られるようになった。ただし出口に通じる扉は施錠されている。BGM【王城】はFC版DQ2のメロディが使われる。
キャラバンハート
DQ2から数百年が経過した【キャラバンハート】の時代では、他国の王政が崩壊する中、王政を維持している唯一の国である。
……が、玉座の間にいる兵士に話しかけると、
*「わが王は あの でんせつのロトのゆうしゃの
ちすじを ひいているとか。
でも それなら まものたいじを
人に たのんだりしないですよねえ。
とか、
*「でんせつの ロトのゆうしゃたちは
魔王との決戦のあと しばらくして…
*「いずこかへと きえていったと
いわれています。
*「うちの王は その あとがまに
すわっただけなんでしょうねえ きっと。
といった話を耳にできる。この兵士は、王家が変わっているのではないかと疑っているのだ。
彼はこんなことを言っているが、行方不明になったのはあくまでDQ2のパーティーメンバー3人だけらしく、サマルの妹についての言及はなし。兄に代わって王女が継承することになるだろうから、ロトの血筋は続くはずである。
彼の発言はただの憶測で全くあてにならないものの、【ムーンブルク】の【たましい】が「いまはロトの血筋は眠っている」みたいなことを言っているので、おそらく今のサマルトリア王家はロトの血筋ではない、つまり王女の子孫でもない。
王様は【ベビーパンサー】をネコだと思い込んで飼ったりと、血筋はどうあれ相変わらずのんきもの。
設備はひと通りそろっているほか、ここで医術士の【イクサス】王子と、王様のペットのベビーパンサーの【キャロル】を仲間にできる。
また、宿屋には占い師の【リーラ】が再登場する。今度は仲間になってくれるので忘れずに。
なお、王様はその後新しくネコを飼い始めた。
余談
【CDシアター ドラゴンクエスト】のDQ3版に何故か「私はサマルトリアの【サイモン】」という台詞がある。
当たり前だがDQ3のサイモンの出身地は【サマンオサ】であり、DQ3にサマルトリアは登場しない。
名前が似ているとはいえ、別作品の地名と間違えるとはずいぶん珍しい話である。
収録から発売まで、誰も気づかなかったのだろうか?