【ムーンブルク】

Last-modified: 2024-05-25 (土) 22:42:06

概要

DQ2と同作を舞台とした外伝に登場する国。
度々間違われるがムーンブルではなくムーンブルである。
SFC版の【公式ガイドブック】での英語表記はMoonburg。ムーン(Moon)は英語で月、ブルク(burg)はドイツ語で城塞をそれぞれ意味する。双方の単語を和訳して繋ぎ合わせると、「月の城塞」といった意味合いになる。
英語版での地名はMoonbrooke(GB版のみMoonbrook)。
 
ロンダルキアを含む世界最大のV字型大陸に位置し、その北東側がムーンブルク地方である。
城はムーンブルク地方の南西側の内陸部にあり、周囲には平原が広がっている。
第2代【ローレシア】国王の妹が、国土を分けられて独立した国とされる(FC版の【取扱説明書】、SFC版の公式ガイドブックなどから総合的に判断)。
しかし、小説やCDシアターではムーンブルクは元々独立した王国として存在していて、ローレシアの初代国王ローラ王妃との間に生まれた王女が嫁いだ事でムーンブルク王家にロトの血が入ったという設定になっている。この辺りは【統一されていない設定】を参照して欲しい。
いずれにせよ、現在のムーンブルク王家が【勇者ロト】の女系子孫であることは確実である。他の王家もそうかもしれないが、明確に女系子孫なのはここだけである。

DQ2

【ムーンブルクの王女】の祖国であるが、ハーゴンの軍勢に攻められ滅ぼされている。
ゲーム中ここに訪れた時はすでに【廃墟】であり、フィールドのオブジェも【毒の沼地】に囲まれ痛ましい。城内には魔物に殺された人の無念の魂が彷徨っている。その中には同じく殺されて魂となった【ムーンブルク王】もいる。
この魂達から王女や【ラーのかがみ】に関する情報が聞ける。また、王女を連れていると台詞が変わる者もいる。
BGMは洞窟ダンジョンの【恐怖の地下洞】が流れる。
 
城内は中庭を除いてほとんどが屋根の下に隠れる形になっているが、屋根の壊れた広間の部分はむき出しになっている。
宝箱が二つあるが、どちらも空っぽ。もしかしたら【ロトのよろい】が入っていたのだろうか?
中庭から地下室へ行けるが、中庭へ行くには北西隅から外壁沿いに回ってこなくてはならない。外壁沿いはずっと毒の沼地なのでこまめに回復すること。
 
荒らされた城はモンスターの巣窟と化しており、【リビングデッド】【スモーク】など魔物に殺された人々の成れの果てのようなモンスターが多数出現する。
城の外にもいる【キングコブラ】【よろいムカデ】も出てくるが、いずれも【どくこうげき】【毒】を盛ってくるので別の意味で厄介である。
【メタルスライム】も出現するが、この頃は【ローレシアの王子】にこの時点で最強の【はがねのつるぎ】を装備させてもダメージが通らない上に、偶然出た【会心の一撃】で倒しても単体のため135しかもらえないので旨みは少ない。
ただし幸いなことにこの地方で最強の敵ともいうべき【マンドリル】は出現しないので、3人揃ったらここで稼ぐという手もある。
 
特にアイテムが落ちているわけでもなく、また亡霊から情報収集する必要もない。その為ラーの鏡の在処とその使い道を知っているなら訪れるメリットはゼロといっていい。
 
ちなみに、世界地図を確認するとムーンブルクの南方の岩山地帯が敵の本拠地の【ロンダルキア】であり、5つの王国の中でここが最も近い。ここが最初に襲撃されたのは地政学的な理由も考えられる。
そのあたりの状況は次作の【テドン】とよく似ているが、あちらは王国ではない。城が無いからと言って狙われないとは限らないようだ。
なお王国以外でロンダルキアに近い【ペルポイ】は既に大半が地下に避難しており、地上は一見して攻める価値があるようには見えない。
また【テパ】の場合は奥地にあり誰も行き方を知らない(主人公達に対してもノーヒントである)ために難を逃れたのかもしれない。
 
北米NES版では、後述のリメイク版に先駆けてプロローグが追加され、在りし日の城の姿を見られるようになった。

リメイク版

ゲームスタート時のプロローグで登場し、正常な城から始まって魔物に滅ぼされる様子が描かれるようになった(このOPの初登場は北米NES版)。
大量のホークマンの襲撃に巻き込まれ、さらに牢に投獄されていたあくましんかんがワープ(何故か牢屋の扉を開けていたが)で脱獄し、乱戦の末に王は討ち取られる。
「ぎょえーーっっ!!」
その後、グレムリンも1体出現するが、辛うじて撃退し一人の兵士がローレシアへ向かうことになる。
 
また屋根による画面切り替えがなくなり、探索がしやすくなった。外周の毒沼マスも減り(毒沼で受けるダメージそのものも低下)、地下室にも行きやすくなっている。城内のBGMも【レクイエム】に変更。故郷を滅ぼされた王女の心境と併せて、訪問時に更に悲しい気持ちにさせてくれる。
地下室の砂地に【いのちのきのみ】、床に【ふしぎなきのみ】が落ちている(なぜかWii版【公式ガイドブック】では、前者の事しか書かれていない)。これにより、オリジナル版と違って攻略が有用となった。
なお、メタルスライムは今回かなりの強敵。特にガラケー版以降は出会っても狩りどころではないかも。
またシドーを倒した後にムーンブルク王の魂に話しかけると王と王女との会話イベントが発生する。
 
因みに地下室にいた生き残りの兵士は、一度話すと死亡し魂と化すようになったが、一度も話さずに【シドー】を倒すと姿を消している。
また、王女を仲間にしてからこの魂に話しかけると、安堵のセリフとともにやはり姿を消し、その後現れることはなくなる。
 
なお、OPと崩壊後の本編では、設置されている宝箱の数が違い、5個から2個に減っている。
魔物たちが荒らしていった結果だろう。
この5個のうち、部屋の角に設置され、他の宝箱と壁に阻まれて絶対に取ることのできない配置のものが一つある。
初出の北米NES版であれば、宝箱の上に乗れる形式のため、問題はなかったのだが……。

ゲームブック(双葉社)

下巻でも行ける。なまじ原作を知っていると行く必要がないように思えるが、あるアイテムを入手するために行く必要がある。
手に入るアイテムは上巻下巻で違うのがいやらしい所。

ゲームブック(エニックス)

原作と同じく王女ナナとラーの鏡の情報が得られる。
城内では死んだ住人がリビングデッドとして襲い掛かってきて戦闘になるが、それに負けるとなんとサマル王子のカインがリビングデッドになってしまう(ムーンペタ帰還後に治療可)。
また城内にいる兵士の生き残りと戦って殺してしまうと、カインがその兵士の亡霊に取り憑かれてしまうなど、ホラー要素満載の場所となっている。

小説版

ローレシアから独立した国ではなく、古来からあった国家という設定になっており、アレフとローラの長女が嫁いだ事で姉妹国家という関係になった。
16歳から成人として扱われ、女性は成人の儀式である「髪上げの儀」を行うという風習がある。
 
ハーゴンの軍勢の襲撃を受け、城はおろか城下町にも、兵士や住民の白骨化した遺体が散乱しているという目も覆いたくなるような惨状と化している。
また、ロトの兜はではなく、ここで国王の魂から授けられる。
シドー討伐後は、アレンセリアが5年の歳月をかけて再建している。
 
DQ3の小説でも、名前だけ登場している。なお、滅びたのは「ムーンブルク暦2003年」と明記されているが、小説版DQ3の設定と照らし合わせるとアレフガルド創世の約250年前から存在していた事になる。作者のミスだろうか?

DQ7(漫画版)

【キーファ】の最初の転生先であるブルク編の舞台となっている。
当時の名前は「ブルク王国」といい、敵国である「ムーラン王国」と戦争状態だった。
だが、キーファがムーラン王国の橋渡しとなって平和協定を結び、一つの国となってムーンブルクになったとされている。
なお、キーファが国王になってムーンブルクの王女が成長した後、モンスターに襲撃され滅びている。

キャラバンハート

一度再建されたようだが、キーファが訪れる頃にはやっぱり滅んでおり、幻魔【クシャラミ】の住処となっている。
ムーンペタの老婆曰く、

*「いちどは ほろびかけたんじゃが
  キセキの ふっかつを とげたらしいんじゃ。
*「しかし 王女でもあった ゆうしゃが いずこかへ
  とつぐと ふたたび ほろんでしまったと。

ムーンブルク王女のカリスマの高さと、王女に依存していた国家体制がうかがえる。
「せっかく再建したというのに、嫁いだばかりに滅ぶとは……」と【ムーンブルク王】は草葉の陰でその皮肉をやるせなく嘆いていることだろう。

ビルダーズ2

【ムーンブルク島】に存在する国家。これまでの島とは違い独立した自治権を持ち、崩落寸前ではあるものの城の原型が残っている。
主人公は兵士達に協力して多数の兵器を製造し、城内に設置することで魔物の橋頭堡攻撃を撃退していく。
 
注意深く見ると玉座や牢屋の扉、地下室のある中庭等、DQ2本編の頃と配置が同じになっている。
ストーリー中は魔物が襲ってくる頻度からそんな余裕はないだろうが、クリア後に落ち着いたらDQ2と同じ形に再建してみるのも一興。