DQ11
【ダーハルーネの町】でそれぞれ別に店を構えて商売している兄弟。町の入り口近くにいるあらくれの方が兄で、ドックの近くにいる好青年の方が弟である。
兄弟で商売の腕を競っており、毎度一品限りの同じ商品を高額で売り込んでくるが、話しかけた後に買わずにもう片方の兄弟に話しかけると今度は値下げ合戦を始め、往復すると大幅に値切ることができる。
なおこの二人の店は連動しており、片方の店で購入すると、もう一方の店でも買えなくなる。
売ってる店は二軒でも買えるのは一種類につき一度だけである。
この二人はDQ3の【ぼったくり商店】とDQ6の【ドガ】&【ボガ】兄弟を合わせた作りになっている。
ただ、兄の口調が元から荒いのはDQ6と同様だが、弟はあらくれではなく普通の男性になり、購入を断った際も「チッ、あの野郎…」と兄に対して悪態をつく点はDQ6と異なっている。
初訪問時
【ネコのきぐるみ】を兄は10000Gで、弟は12000Gで売っているが、最終的に兄の方は1000G、弟の方は2000Gまで値切れる。
最初は兄の方が好条件なのもDQ6をリスペクトしていると見ていいだろう。
ちなみに、ネコのきぐるみは異変後にダーハルーネの防具屋に一般商品として並ぶが、そのときの値段は1500G。恐らくこれが定価だろう。
初訪問時まだ流通経路が確保できていなかったのならぼったくりとは呼べないかもしれないが、プレイヤーがその値段に付き合う必要は無い。キチンと値切った上で買いたい。
弟はどれだけ値切っても定価よりも高く売りつけてくるのに対し、兄は定価よりも安く、かといって安すぎでもない値段を提示してくる。ここは兄の方が上手だと言えるだろう。
また、一切値切らずに買えば【太っ腹大臣】の【称号】が、2000Gまで値切って買えば【太っ腹】の称号が貰えるが、これらの称号は他の場所で買い物をしても獲得できるので、わざわざこの兄弟からの買い物で獲得する必要は全くない。ここは素直に1000Gまで値切って買うのが正解と言える。
世界に異変が起きた後
どういった訳か【グレイグ】が着ていたはずの【デルカダールメイル】を100000Gで売っている。
グレイグがデルカダールメイルを手放した理由は後に設定資料で語られてはいるが、なぜか兄弟それぞれが売ろうとしてくる。
そして兄はこれをいきなり半額の50000Gにしてくる。
例によってこれも値切り可能であり、最終的に兄から10000Gで、弟から20000Gで入手できる…と思いきや前回の教訓からか弟はさらに半額の5000Gで売り込んでくる。
ちなみに今回の兄はどうあがいても10000Gまでしか下げてくれないため、元ネタ同様2戦目で弟に負ける結末を迎えることとなる。
目の前で自身の鎧がどんどん安く売りたたかれる様子を見せられたり、兄が「こんな値段で売ったと本人に知られたら怒られる」と本人を目の前にして言っていたり、グレイグの心中やいかに。
しかもこの兄弟、最初は「英雄グレイグの鎧」と呼んでいるが、途中から「グレイグ」と呼び捨てにしている。
それにしても、いったいどこで仕入れたのか?
1着については公式設定資料集でグレイグが(場所は不明だが)売ってお金に変えたという隠れ設定があるので納得できるが、兄弟それぞれが「グレイグの鎧」と称して売っているので、グレイグの鎧が2着あることになる。
前回の猫の着ぐるみは後で一般の防具屋に並ぶことを考えると量産品なので、複数あってもおかしくない。しかしグレイグの鎧はどう考えても一品モノのはず。
スペアがあったのか?それとも1着は別人が着ていたものが勘違いされているのか?はたまた片方はニセモノか?
かと思えば、片方で1着買うともう片方は売ってくれなくなるため、両方から合計2着を購入することはできない。商人対決の2戦目は、ツッコミどころが多すぎる展開なのであった。
過ぎ去りし時を求めた後
ダーハルーネ解放後商売を再開した彼らはなんと今度は【しんぴのビスチェ】を1000000Gという驚愕の価格で売り出してくる。
これも例によって値切りでき最終的に兄から200000G、弟から400000Gで購入できる…。と思いきやなんと弟は半額では生ぬるいという理由でよりにもよっていきなりひとケタ削りを敢行、なんと元の1/50の値段の20000Gでしんぴのビスチェを購入できてしまう。
なお兄はどうあがいても200000Gまでしか値下げできないが自分のものはツヤツヤと言ってる。
兄の売っている方が質は良いのかもしれないが、当然どっちで買っても性能は変わらないので、弟から買うのが正解。
どうせなら観賞用にツヤツヤな方も…などと思って2つ購入しようとしてもやっぱりできない。在庫があっても同じ客に同じものを2つ売らない主義なのか?商売としては複数買ってくれるなら買わせた方がお得なのに。
これはまたしても弟の勝利…と言えるかは意見が割れるだろう。
価格競争で2者がとことん争った場合、当然だがギリギリまで詰めた末の僅かな価格差で勝負が決まることが多い。
しかし今回の2人の最終的な価格を見ると、あまりに差が大きい。弟の最後の値下げが大胆すぎるのだ。
この品の売値が分からないので元値も仕入れ値も謎だが、これほどまでの価格差で安値で売ってしまうともはや原価割れ、つまり赤字になっているのではないか?
結果としては弟から買うのが正解とはいえ、売り手にしてみれば大損(か、損はせずとも極めて薄利)の可能性が高い。よって弟の勝利とは言えないんじゃないかというわけ。
ちなみに実際の商売では恒常的な得意先を確保するために原価割れ覚悟で大胆な値下げを行う場合もあるらしい。
もう一つの可能性として、「兄弟は実はライバルではなくグル」でありトンデモ底値と思わせた値段が本当は販売希望価格だった、というのも考えられる。
グルならば口頭での値下げはすべて計算の内なので最安値でも当然赤字の心配はないし、よしんば値下げ途中で買ってくれれば丸儲けになる。
大幅な値下げを受けている=得をしていると買い手に印象付けられるし、最初に商品にそれほど興味がなく冷やかしだったとしても面白いぐらいの爆下がりを見るうちに購買意欲を煽られるし、今回売れずともリピーターになり得る。これは現実でもテレビショッピング等でよく見られる手法である。
「明らかな一点物のグレイグの鎧が2つ存在している」「片方で買うともう片方で買えなくなる」というツッコミどころも、2人がグルで在庫が共通して1つしかないからと考えると矛盾もなくなる。
値段のチキンレースがすべてが計算の上であるならば…彼らはかなりやり手の【ぼったくり商店】と言えるだろう。
余談
しばりプレイで【買い物できない】にしている場合は、なんとこれらの品をタダで入手できてしまう。
また、買い物禁止のため防具屋で【ネコのかぶりもの】を購入することは当然できないが、【ダーハラ湿原】に出現する【とらおとこ】のドロップアイテム(レア枠)になっており、これを入手すれば兄弟からタダで入手できる【ネコのきぐるみ】とのセットを完成できる仕組みになっている。
ちなみに、ここで売っている商品を買わずに世界に異変が起きた後や過ぎ去りし時を求めた後までストーリーを進めると、新しい商品に置き換わり、前の商品は購入できなくなる模様。
最初に買える【ネコのきぐるみ】は異変後になると、防具屋で普通に販売されるので特に問題はないが、異変後の【デルカダールメイル】は過ぎ去りし時を求めると【しんぴのビスチェ】に置き換わる為、ここでは買えなくなってしまう。デルカダールメイルは過ぎ去りし時を求めた後の【グレイグ】の【初期装備】なので、ここで買わなくても入手不可能になる心配はないが、気になる人は忘れずに買っておこう。
DQ11S
追加ストーリー【希望の旅芸人】にて、開始早々【ドテゴロ】一味に兄が脅迫を受けている光景を目にすることになる。
弟は心配するものの、盗賊一味が怖くて手が出せず物陰に隠れている。
事件解決後は兄の無事を弟が喜んでおり、二人とも商売敵ではあれど家族としての絆はとても深いことが伺える。
前述のデルカダールメイル重複についてだが、ドテゴロ一味討伐後に弟に2度話し掛けると「兄貴が入荷する予定の黒いヨロイを自分の店にも入荷する」と言っているので、スペアが存在するのは確かなようだ。だが相変わらず、2着売ってはくれない。
ちなみに【時のオーブのかけら】を所持しているセーブデータでは、過ぎ去りし時を求めた後のグレイグの初期装備が異変後のものと同じになっている為、異変後にここでデルカダールメイルを買っておかないと入手不能になってしまう(モード切替でストーリーバックすれば問題ないが)。