【種泥棒】

Last-modified: 2024-01-18 (木) 19:14:18

概要

永久離脱してしまう仲間に種や木の実などによる【ドーピング】を行ってしまった時に使われる表現。
民家のツボなどから種を入手したり、モンスターから盗んだりといった文字通りの泥棒行為を指すわけではない。

永久離脱する仲間は別れ際に装備や道具は返してくれるものの、食べた種は返らない。
長所を伸ばすにせよ短所を補うにせよ種を使うということは戦力として期待してのこと、そして種は総じて貴重品。だから【泥棒】扱いされてこんな蔑称が生まれることとなった。
それでも種を使う決断をするのは最終的にプレイヤー自身なので辛辣な思考を持つ者には自己責任、自業自得と切り捨てられることもある。
 
DQではどこかで永久離脱するキャラは基本的に【プレイヤーキャラクター】ではなく、そもそも種が使えないことが多く、仮に使える人でもストーリーの流れを見れば大体離脱することが分かることが多い。そういったキャラに種を使って泥棒呼ばわりするのは、自身の責任でやったことである以上筋が通っておらず、八つ当たり以外の何物でもないので基本的に泥棒とは呼ばれない。
しかし、ごく一部にそうではないキャラクターがおり、うっかり使ってしまうと後ですべて無駄になる。
 
特に種泥棒と呼ばれることの多いDQ7の【キーファ】を始め、各作品で永久離脱するキャラクターについて解説していく。
ただし、DQ5以前のように、【上限値】の関係上どの種もそもそも一過性の効果でしかないような作品では、種を多少無駄にしても実害は低く、離脱キャラが種泥棒などと呼ばれることはほぼない。
また、DQ3やDQ9の仲間キャラ、DQ5やDQ6、モンスターズシリーズの仲間モンスターはプレイヤーが種を与えた上で任意に永久離脱させることが可能だが、これは当然自己責任なので種泥棒とは呼ばれない。
 
余談だが、種泥棒とは直接は関係ないものの、SFC版DQ6で無計画に仲間モンスターを解雇していると時に恐ろしい【ハマり】を引き起こすことも……。
種泥棒はされてもドロップアイテム狩りをやり込めばリカバリ可能だが、こちらのハマりはどうしようもない。
詳しくは【お楽しみダンジョン】を参照。

DQ3(FC版)

ストーリー中絶対立ち寄る必要のある【商人の町】【商人】が1人離脱してしまう。
リメイク版では戻ってくるようになったが、FC版では永久離脱となってしまう。容量不足に悩まされた本作の苦渋。
 
もっとも、村の【老人】から「旅に二度と復帰できない」という意味の警告がある上、きっちり言い切られている。そして「レベルは低くてもいい」という説明もあることから、普通のプレイヤーは既存の仲間を外さずこれ用の新入りを放り込む。
そのため種を使わないことが普通であり、逆に使う方が不自然である。
ただし、このとき強制セーブされることは事前に情報が無いため、どうせリセットしようと思ってやりたい放題テストプレイしていた時に必要な商人を渡してしまうと、後悔することになる。もっとも、この場合は種泥棒どころの問題では済まないが。

DQ5

【ビアンカ】(幼年時代)、【ベビーパンサー】【ヘンリー】の3名がいずれもイベントによって永久離脱する。
 
ビアンカとベビーパンサーは後に大人になって復帰するが、データ上のキャラクターとしては別物でステータスの引継ぎは行われないため、結果的に子供時代に使用した種は無駄になってしまう。
 
ヘンリーは【公式ガイドブック】では他の仲間同様に扱われているためメインキャラの一人のように見えるが、一方で「修得する呪文が明らかに序盤用で止まっている(しかも7と違ってそれ以外で覚える方法がない)」「ヘンリーが装備できる武器防具が中盤以降パッタリなくなる」といったデータもまた掲載されており、公式ガイドブックを読み込んでいる人なら見抜けるだろう。
 
ちなみに青年時代前半のビアンカもイベント次第で永久離脱してしまうので、【フローラ】を選ぶかもしれない人はビアンカに種を使わないようにしよう。
 
というより、先述の通り本作では上限値の関係で序盤に与えた種はほぼ無駄になると考えて差し支えない。
例えば、幼年期のアルカパで【まもりのたね】が手に入るが、これをいきなりLv1のビアンカに与えると平均的なレヌール城クリアレベルであるLv8になるころには上昇値の半分ぐらいは無駄になっている。
これは絶対に離脱しない主人公に与えても同じ。

DQ7

上述の通りキーファが永久離脱する。単に種泥棒とあれば大抵こいつだと思っておけば正解。
 
最初の仲間でありパッケージに書かれていることからも、最後までついて来てくれる雰囲気を醸し出しており、しかもパーティ中トップの【HP】【ちから】を持つため、攻守共に重要な前衛として非常に頼りになってくれる。
その活躍を後押ししようと、種などのドーピング系アイテムを与えたプレイヤーもいたことだろう。
 
だが、ストーリーのまだ序盤で、それもあまりにも個人的な理由で、突然パーティから抜けてしまう。
上記の数々の要素を考えたプレイヤーの多くが、こう信じていた。
 
「これは一時離脱だ、きっと帰ってくる」
 
だがその後、彼の子孫である【アイラ】の登場により、プレイヤーの心に一つの暗雲がたちこめる。
このエピソードによって、彼は二度とパーティに復帰しない、すなわち永久離脱したことを悟り、愕然とする。
そして冷静に振り返り、今までつぎ込んだ希少な種アイテムを無駄にしたことに気づく。
我に返ったプレイヤーからは、彼に対し「種を返せ!」という怨嗟の声が頻発するのだった。
 
ちなみに「キーファに使用した種の上昇分がアイラに引き継がれている」という噂は単なるデマ。PS版も3DS版も実際はいくらキーファに種を使用してもアイラの能力値に変化はない(むしろドーピングが遺伝している方が不自然)。
逆に言えばこのようなデマがまことしやかに流布されるほどキーファへの印象が強いということであり、今でもキーファに対してこの蔑称を使う人は多いようだ。
実際のところ、世のDQ7プレイヤーのどの程度がキーファに種を与えてしまったのか知る由もないのだが、キーファ離脱の不条理さをわかりやすく的確に表現する言葉として、実際には被害にあっていないプレイヤーも含め広く定着してしまっている感がある。
 
また、根本的な話としてキーファ離脱以前に(【ドロップアイテム】というレアケースは別として)種が入手できてしまうこと自体に問題があったとも言えるだろう。
そもそも序盤に拾えるアイテムに種を配置していなければ、キーファ以外のメンバーのドーピングもできなくなってしまうものの、今日まで語られる種泥棒の被害は防げたはずである。
また、実際はデマだったとはいえステータス上昇がアイラに引き継がれるというのも救済措置としては悪くない。
いずれにせよ、バリバリの主要キャラの突然の離脱という重大イベントがありながら、何のフォローも用意しておかなかった制作サイドの対応のまずさも否めない。
 
2013年には3DS版が発売されたが、「種泥棒」の名称があまりにも有名になりすぎたせいか、PS版の時のようにキーファに種をつぎ込むプレイヤーは減った。
しかしコミュニティによっては、離脱の事情を本当に知らない新規プレイヤーの「DQ7始めました!アドバイスお願いします!」みたいな投稿には「キーファ強いから種どんどん使うといいよ!」と返すのが1つの様式美となりつつある。
言ってる方は冗談だったり軽い洗礼の感覚だろうが、本気でアドバイスを求めていた人にとってはたまったものではない。騙されたことを悟った時にはもう遅い。こうして犠牲者は再生産されていくのであった……。
 
とはいえ「キーファには種を使わない方がいい」ときっちり教えてしまうのも問題がある。
その「使わない方がいい理由」を聞かれると、「お察し下さい」などと切り捨てない限りどう足掻いても「パーティからいなくなる」というストーリーの重大なネタバレを避けられず、余計に初心者のためにならない答えしか返せないのだ。
一応キーファを強くするのは「彼の離脱までの間に限定するなら」有効な攻略法ではあるので、そう考えると重大なネタバレをするよりはまだ「キーファに種を使うといい」と言った方がマシ……という見方もある。
 
もっともネタバレを避けるにしても、終盤では主人公が一番強くなるから主人公に種を使った方がいい等、要は「キーファに種を使わない方がいい」ではなく「他のキャラクターに種を使いたくなるように」誘導すれば良いわけであり、何より種の使い方といったピンポイントな質問をされない限り種の話題について触れなければ済む話である。
3DS版ではすれ違い石版で特定のモンスターを盗賊4人で狩れば種も腐るほど手に入るので、それほど勿体ないと思うこともないだろう。
 
とはいえこういったことはクリア済のプレイヤーだからこそ言える話。
現在ではネタとして有名になっているとはいえ、何も知らない新規プレイヤーが「キーファ強いから優先的に種使った方がいいな」と判断し、離脱時に哀しみを背負う可能性はやはり存在する。もし種泥棒されてorzしてるDQ7初心者を見かけたら、効率の良い種狩り手段を教えるなどしてフォローしてあげよう。
 
最近ではこれに加えて、騙されたり、ちゃんと検証していないプレイヤーの「でも、キーファに使った種の上昇分ってアイラに引き継がれているんでしょ?」という投稿には「それガセだよ」と指摘を入れるというのも様式美になりつつある。
コミュニティの交流が正確な情報を伝えているとは限らないので、情報はちゃんと自分で調べましょう。

そして公式イジリへ…

この「キーファ=種泥棒」ネタがあまりに定着してしまったせいか…

  • 特番の【ドラゴンクエスト30th そして新たな伝説へ】でもちゃっかり取り上げられる
  • ライバルズで「倒された時、使ったアイテムが手札に戻る≒種が戻ってくるカード」として登場する
  • スキャンバトラーズ公式番組で「種返せ!」発言
  • ウォークにおける武器「キーファの剣」に「たねをたべる」「きのみをたべる」という技がある
  • タクトにてとうとうストレートに「種泥棒」と言われる(勘違いであり、本人も否定しているが)

など、公式でもイジられる有様となっている。

DQ11

きちんとやり込めば今作に種泥棒はいないということが分かるが、中途半端にプレイすると種泥棒と誤解されても仕方がないシチュエーションがいくつか出てくる。
 
まず、ラスボスである【魔王ウルノーガ】を倒して(セーブをせずに)ゲームを終える場合は、一回目の【異変後】から永久離脱する【ベロニカ】が種泥棒に当てはまってしまう。
「魔王ウルノーガを倒したらエンディングが始まったから、まさか続きがあってベロニカと再会できるとは思わなかった」というパターンもあるにはある。
ただし、死別という彼女にとっても不幸で悲しいイベントであり、過ぎ去りし時を求めるイベントに気付くプレイヤーの方が大半であるため、彼女が種泥棒として本気で非難されることは少ない。
 
また、「始祖の森に入れるようになる」~「過ぎ去りし時を求める」間に【カミュ】【セーニャ】【シルビア】【ロウ】【マルティナ】【グレイグ】をドーピングし、過ぎ去りし時を求めると、しばらくの間は主人公がいない世界に取り残された彼らが種泥棒に当てはまってしまう。
上記のタイミングでドーピングした分は堪能できないどころか、上記の6人(グレイグ除く)+ベロニカは【始祖の森】に入れるようになった直後(グレイグは加入直後)のステータスであるため、しばらくの間は主人公だけ異様に強いというもどかしい冒険になる。
ただし、【イゴルタプ】による力の覚醒イベントにてドーピング分の増加(と経験値・スキル習得状況)が戻って来るため、最終的に問題は生じない。
 
以上のように、今作は最終的にドーピングが無駄にならないように出来上がっているため、安心してドーピングしよう。