自然災害の一つ。渦を巻きながら柱のように立ち昇る猛烈な暴風。
目次
概要
- 「風」に関する自然現象の中でも最大級の被害を齎すとされる極めて危険な現象。
一般には地上と上空に生じた気圧差によって発生するとされているが、
明確な発生条件などは現代科学でも解明し切れてはおらず、自然災害の中でも特に予測が困難とされる。
- 英語では「トルネード(Tornado)」と呼ばれる。
「ハリケーン」や「サイクロン」、「台風(タイフーン)」などと混同されることがあるが、
ハリケーンなどは正確には「熱帯(性)低気圧」であり、あくまでトルネードとは全くの別物である*1。
また、「ツイスター」と呼ばれることもあるが、
これは元々は竜巻を題材にしたディザスターパニック映画のタイトルである。
- よく似た気象現象としては「塵旋風」が挙げられる。
こちらも強い風が渦を巻き、柱状に立ち昇る気象現象だが、
竜巻のような大規模な損害をもたらす事例は少ない。
見た目こそ似ているが、塵旋風は主に「晴天時」、「地表」付近の大気の状態によって発生する。
一方の竜巻は主に「荒天時」、「上空」の大気の状態によって発生する(と言われている)。
更に竜巻の発生前後には雹や霰、ダウンバースト*2などの別の気象現象を伴う場合が多い。
MH世界での竜巻
- MH世界の竜巻は、当然自然発生する可能性もあるのだろうが、
強大なモンスターが自身の能力によって空気の流れや渦を生み出し、
それが竜巻として観測されるという場合がある。
こちらの世界では竜巻でさえ一種の獣害というのだから大変である。
当然、原因がモンスターならハンターがその討伐に向かうこともある。
竜巻(の根源)に勇気ある人間が立ち向かうという、
字面だけならそれこそディザスターパニック映画さながらのシチュエーションである。
モンスターの放つ竜巻
ベリオロス(亜種)
- ベリオロス種は強力なブレスを吐き出すために発達した特殊な内臓器官を持っている。
この器官を利用したブレスは地面にぶつかると同時に竜巻のように渦巻く気流を発生させ、
周囲の氷雪や砂塵を巻き込みながら立ち昇る性質がある。
その見た目はまさしく瞬間的に発生した竜巻そのもので、
直撃すれば小型モンスターなどはひとたまりもなく吹き飛ばされる。
特にベリオロス亜種のブレスは比較的長時間その場に滞留したり、
渦の形を維持したまま砂原を放浪するように動き回ったりする事があり、
これによって砂嵐まで発生する危険性がある。
砂漠地帯で竜巻や砂嵐が頻繁に観測されるような事態になれば、
ベリオロス亜種、それも複数の個体が出現した可能性を考慮する必要があるという。- ただし、ベリオロス種はあくまで「一般のモンスター」の範疇であり、
見た目的にも被害的にも規模はまだ「塵旋風」に近いレベルである。
- ただし、ベリオロス種はあくまで「一般のモンスター」の範疇であり、
- MHSTシリーズでは通常種はアイスサイクロン、
亜種はトラップサイクロン(MHST2の野生個体は「キープサイクロン」)と言う名称の全体攻撃特技になっている。
また、絆技はグラウンドサイクロンと言う巨大な竜巻を発生させるもの。
このグランドサイクロンは「寒暖差で気流を発生させる」と、原理がきちんと説明されている。- 本記事の冒頭に書かれた通り、正確に言えば竜巻は英語ではトルネードであり、サイクロンではない。
あくまでイメージ優先で名付けた名称と言うことだろう。
- 本記事の冒頭に書かれた通り、正確に言えば竜巻は英語ではトルネードであり、サイクロンではない。
クシャルダオラ
- 天候を操る特殊能力を持つ古龍種で、特に風の扱いに長ける。
自分の周囲に旋風を巻き起こして身を守る事で有名。
また、繰り出すブレス攻撃も「風」そのものであり、
時には複数の風の渦を作り出して周囲に拡散させて外敵を牽制する。
そして更には全長20m前後という巨体を覆い隠すほどの激しい竜巻を巻き起こし、
近寄る外敵を一掃してしまうなど、古龍の中でも風を利用した行動が特に多く見られる。
- MH4~MHXXではバックジャンプブレスの要領で巨大な竜巻を設置するという大技を使ってくる。
怒り状態では氷属性を伴う氷雪の竜巻と、高威力を誇る漆黒の竜巻の使い分けもしてくる。
さらにMH4の高レベルギルドクエストやMH4GのG級個体に至っては
左右に激しくジグザグに移動する竜巻までもブレスによって発生するようになる。
ジグザグ竜巻はサイズこそ巨大なものと比較すれば小規模だが、威力の面では決して遜色ない。
- MHW:Iでは着弾地点に小型の竜巻を発生させる旋風が追加されている。
旋風は大きい竜巻に引き寄せられる性質があり、旋風と竜巻が接触すると融合し、
攻撃範囲の広い「超竜巻」と呼称される超巨大竜巻に変化する。
- MHRiseでは遂に風でハンターを吸引し、巨大な竜巻を作り出すスーパーセルという必殺技を習得。
攻撃判定が5回発生するので最初の竜巻を緊急回避で避けると確実に竜巻に巻き込まれる。- MHR:Sにて登場した傀異克服個体は、スーパーセルの発動時に
移動する4本の竜巻を追加で発生させる。
また、強化個体ともなると大技の滑空強襲の予備動作にも竜巻が付随し、ハンターの動きを阻害する。
- MHR:Sにて登場した傀異克服個体は、スーパーセルの発動時に
- MHSTシリーズでは、ベリオロス亜種と同じくトラップサイクロン(MHST2の野生個体はキープサイクロン)を使う。
また、絆技の「エンシェントストーム」もやはり竜巻を発生させる演出がある。
アマツマガツチ
- クシャルダオラとは似て非なる「嵐」を司る能力を持つ超大型古龍。
その嵐によって発生する暴風は出現した地域に大きな損害を齎してしまう。
クシャルダオラと比べると、風そのものを利用した攻撃のバリエーションは少ないが、
クシャルダオラ以上に大規模な竜巻を巻き起こすだけでなく、
気流を操る事でその竜巻の発生地点へ外敵を引き込み、「巻き込ませる」という恐るべき攻撃を繰り出す。
- MHR:Sでは、なんと横向きの竜巻を発生させる攻撃を引っ提げて再登場した。
こちらもダイソンと同じく、ハンターを引き寄せる強力な気流が発生する。
また、暴風によりハンターを宙に打ち上げて自由を奪ってから、巨大な竜巻を一斉に襲い掛からせるといった
大規模かつ凶悪な行動も取るようになった。
イブシマキヒコ
- クシャルダオラやアマツマガツチ以上に純然たる「風」を操る力を持つ古龍。
その力は数多のモンスターを恐慌させ、大規模な移動を強制的に促してしまうほど。
時にはその力を応用して岩石などを巻き上げ、暴風に乗せて飛ばすなどといった荒業も見せる。
ただし外敵への攻撃手段として竜巻を利用する場合は少ない模様。- ムービー内では竜巻を巻き起こし、森の木々を根こそぎ空へと巻き上げる様子が見られる。
百竜ノ淵源ナルハタタヒメ
- イブシマキヒコに喰らい付いてその力を吸収し、
自前の雷を操る能力に加えて風を操る能力までも手に入れたナルハタタヒメの変異体。
風や電磁力などを自在に操り、その力を応用する事で巨大な金属の塊でさえも異常な軌道で振り回す。
こちらも外敵を直接攻撃するために竜巻を利用する場合はあまりない。
アルバトリオン
- あらゆる天災を司るという恐るべき禁忌の存在。
大嵐や猛吹雪など、風に関する災害を引き起こす力も有しているが、
純粋な風だけを利用した行動は今のところ確認されていない。
ただし、MH3などでは火炎ブレスの着弾点に炎の竜巻を巻き起こす。
余談
- "竜巻"ではないものの、ラギアクルス希少種は水中で高速回転することで
大規模な渦潮を発生させることができる。
この行動はMHP3におけるアマツマガツチの竜巻発生モーションを流用したもので、
渦潮の挙動もあちらの竜巻とよく似ている。
なお、この渦潮には体力だけでなく酸素ゲージも同時に減らすという珍しい効果を持っている。
- 狩猟フィールドの大海原では、背景に幾つもの竜巻が発生している様子を確認できる。
明らかに只事ではない光景だが、このフィールドで戦闘できるのはゴア・マガラとセルレギオスのみ。
流石に彼らが引き起こした現象とは考えづらいため、イサナ船での航海中に偶然遭遇してしまったのだろう。
彼らもまた嵐に巻き込まれ安全に着地できる場所を求め彷徨った結果、
たまたま見つけたイサナ船に目を付けただけだったと言う可能性もある。
- 言うまでもなく、ハンターは基本的に竜巻関係のアクションは一切使えない。
一応、MHRiseで配信されたストリートファイターシリーズとの
コラボクエストで作れる豪鬼の重ね着装備を着た上で片手剣を装備すると、
鉄蟲糸技の風車が「真空竜巻斬空脚」に変化するのが今のところ唯一の事例である。- オトモであれば、サポート行動の竜巻旋風撃の技を使用することによって
自ら竜巻と化すことができる。
モンスターの巻き起こすものと比べると流石につむじ風レベルの規模だが、
風とともに紅葉が舞う様子はなかなかに雅である。
- オトモであれば、サポート行動の竜巻旋風撃の技を使用することによって
- 竜巻の規模は(現実世界の)国際基準ではF0~F6までの7段階で表される。
一般的にF2以上のものが大規模な竜巻とされ、
この時点で木々が根こそぎ薙ぎ倒され、列車が横転する危険性が考えられる。
F6に至ってはかつては地球の環境下においては発生し得ない未曽有の規模と考えられていたが、
現在ではこのレベルと認定せざるを得ないと考えられるほどの激烈な竜巻が極僅かながら観測されている。- ちなみにこの竜巻の規模を示す国際基準「Fスケール」は、
日本生まれの気象学研究の第一人者の名前から付けられたものであり、
正確には「Fujita-Pearson Tornado Scale」(日本語では通称「藤田スケール」)と呼ばれている*3。
なお、「Fスケール」はあくまで竜巻による被害の規模を指し占める基準であり、
正確な風速などを図ることには適していない。
- ちなみにこの竜巻の規模を示す国際基準「Fスケール」は、