氷狐竜デュラガウアが持つ特殊な攻撃の名称。
目次
概要
- 現実世界においては、道などを歩いているとき突如皮膚が裂け、
鎌で斬られたような傷ができる怪奇現象のこと。
原因・原理については諸説あるが、ゲームを始めとする創作物では「風や真空でできた刃」のような表現をされることが多い。
(一般的な意味での「かまいたち」の詳細については後述する。)
- MH世界においては、"氷撃"こと氷狐竜デュラガウアが得意とする攻撃の公式名称。
上体を起こしてから前脚を軽く振るい、巨大な氷雪の竜巻を飛ばす技である。
見ての通りかまいたちではなく氷の竜巻なのだが、ブレスといった手段ではなく、
前脚を振り回すという特徴的な放ち方からそう呼ばれるのだと思われる。
特徴
- この攻撃の脅威と言える点は挙げるだけでもキリがない。
- まず、デュラガウアの繰り出す攻撃の中でもかなりの威力を誇る。
デュラガウアはHR2から戦えるが、この時点で多くのハンターが装備しているであろうホープシリーズ、
またはそれと同等クラスの防御力を持つ防具では、一撃でかなりのダメージを受けてしまう。
無論、上位や剛種では同ランク帯の防具で比較してもさらにそのダメージ量は増す。 - 次に、攻撃範囲がかなり広い。
竜巻の直径は、後に登場したベリオロス亜種の放つ竜巻に匹敵し、
しかも、そのデカさの旋風がそれなりの速度でズンズンと突き進んでくる。
放出されたかまいたちはそのままエリアの端に到達するまで消滅しないため、
回避する場合はギリギリまで引きつけて緊急回避を行うか、
軌道外付近にいた場合は真横に全力でダッシュして逃げなければならない。
デュラガウアの目の前にいた場合はほぼ回避不可能な状況に陥ることもしばしば。
デュラガウアが此方を向いたら回避の準備をしておくくらいの心持ちでいると良い。 - 続いて、いずれの場合も一度に複数のかまいたちを繰り出す点。
下位・上位のデュラガウアは右前脚⇒左前脚と振るい、計2発のかまいたちを、
怒り状態の剛種デュラガウアや特異個体は通常種と同じ動作で計4発のかまいたちを、
剛種デュラガウアは後述する通り、特殊な軌道で計3発のかまいたちを放つ。
ただでさえ1発でかなりの範囲を巻き上げていくかまいたちが、
複数放出されるということはつまり、攻撃範囲もそれだけ驚異的ということである。 - さらに、攻撃の規模もさることながら、予備動作は短い。
前述した2回前脚を振るって放出する技は予備動作開始から1秒と待たずにかまいたちを放つ。
かまいたちを回避しにくい原因は、実は攻撃範囲だけでなくこの点にもあり、
「かまいたちが繰り出されるのを見てから回避」では基本的に間に合わず、
「突然かまいたちを繰り出されても回避できる自信がある」位置取りを意識する必要がある。
つまり、デュラガウアの眼前は極めてリスクが高いということだ。 - そして、かまいたちは凍傷効果を持つ。
凍傷状態へ陥ると、ホットドリンク等による温熱効果のほか、
強走薬やスタミナ減少無効旋律による強走効果は強制的に解除されるうえ、
スタミナの消費量が通常の2倍となってしまう。
スタミナの減少が早くなるのは氷属性やられに似た特徴だが、
こちらは属性やられのMHF輸入以前から存在している、全く別の状態異常である。
デュラガウアが繰り出す技のなかで凍傷状態を引き起こすものは、
攻撃系統の種類だけで数えて、かまいたち、凍結ブレス、
激怒咆哮(剛種or特異個体)、アイスウェーブ(特異個体)の4種類だが、
この4つの中で最も被弾しやすいものが既述した特徴の通りかまいたちである。
特に強走効果の需要が高く、かつ眼前での戦闘を余儀なくされるハンマーが最も苦労する点。
- まず、デュラガウアの繰り出す攻撃の中でもかなりの威力を誇る。
- 前述した通り、デュラガウアは一度に複数のかまいたちを放つが、
下位や上位の個体が繰り出すものが直線状に突き進むと単調であるのに対し、
剛種や特異個体のみが繰り出すかまいたちは、竜巻の軌道も特殊。- 一つ目は前脚を二度振るってかまいたちを2発、2発と合計4発飛ばすもの。
一回目の右前脚振るいでは、デュラガウアから見て左前方に2発が少しだけずれて突き進むだけだが、
二回目の左前脚振るいによるかまいたちの軌道がやや複雑。
うち1発はデュラガウアから見て右前方へ、もう1発は広角に斜め左前方へ飛ぶ。
二回目の2発が左右の最外周をカバーするが、
一回目の軌道が単調なのに騙され、いきなり広角で飛んできた二発目に呆気なく被弾しやすい。 - 二つ目は剛種特異個体の専用技。
左前脚を脇に持ってくるようにして大きく振りかぶり、
全身を時計回りにぶんと勢いよく回転させて3発のかまいたちを一斉に放出する。
かまいたちはデュラガウアの頭付近、右側面、右後方の三か所から放たれ、
正円状に全く同じ軌道を描いてぐるりと時計回りに移動する。
デュラガウアの右側面一帯は超危険地帯。
よって、左側面の、近距離から中距離が安地となる。
左側が安全だからと言ってあまり離れていると、
デュラガウアの後ろで発生したかまいたちが死角から襲い掛かってくるので注意。
普通に立ち回るような距離で待機してやり過ごすこと。
- 一つ目は前脚を二度振るってかまいたちを2発、2発と合計4発飛ばすもの。
- ちなみにこのかまいたちは攻撃判定が発生している時間も非常に長く、
MHFでよく用いられている、回転回避を利用したフレーム回避が非常に難しい。
無敵時間の長い穿龍棍のジャンプ回避でもかろうじて避けられるかどうか、というレベルである。
更に威力値も非常に高く、ハードコアモードではガード性能+2を発動させたランスですら大きく仰け反ってしまう。
従って、基本的には位置取りや緊急回避などを駆使して回避することが求められるといえる。
或いは仰け反り無効のガード手段(大剣であればガード斬り、ランスは強ガードやガードチャージ)
を使うという手もある。
類似行動
- デュラガウアと同じ骨格を持つ黒狐竜ミ・ルもこのモーションを使用する。
- こちらには結晶化の効果が付与されており、回避の困難さとあわせて非常に厄介な攻撃。
結晶モードや全開放モード以外でも、かまいたちの結晶化効果は変わっていない。
デュラガウアで回避法をしっかり覚えてから臨むべき。
- こちらには結晶化の効果が付与されており、回避の困難さとあわせて非常に厄介な攻撃。
- 遷悠種のナルガクルガもかまいたちと呼ばれる技を使用してくるが、
こちらは瞬間移動の軌道上に発生させた旋風を咆哮と共に風の刃に変えて攻撃するものであり、
デュラガウアやミ・ルの使うそれとはかなり異なる挙動になっている。
一般的な意味での「かまいたち」
- 概要の項で述べた通り、いつの間にか皮膚に原因不明の切り傷ができている不思議な現象のことである。
傷はできるが大きな出血はなく、痛みも感じないとか、服は切れずに肌だけ切れるなどとも言われる。
多くは寒い地方に伝承が見られ、越後の七不思議のひとつとして有名。
- 漢字では「鎌鼬」と書く。
文字が動物のイタチなのは、鋭い鎌のような爪を備えた
イタチの妖怪の仕業だと考えられていたため。「鎌風」とも呼ぶ。
三匹一組で行動すると伝えられている地域もあり、
一匹目が通行人を転ばせ、二匹目が鎌で傷を付け、三匹目が薬を塗って痛みを取るのだという。
- 原因としては、寒さによる裂傷(いわゆる「あかぎれ」)、風で巻き上がった物体の衝突といった物理現象、
はたまた寒さで感覚が鈍った時に傷を負っただけ…など様々な説がある。
そもそも原因不明のケガを全て同じ「かまいたち」によって生じたと考えることに無理があるわけで、
基本的には何らかの自然現象や誤認の産物とされる。
「つむじ風で真空が生じて皮膚を切り裂く」という説もあり、
ちょっと考えれば「真空があると刃物のように物が切れる」という理屈そのものが荒唐無稽なのだが
いかにもな理屈っぽさを伴っていたためか知名度が高く*1、
「刃のような風を飛ばす真空波攻撃」「風を放って物体を切断する」という表現は、
モンハンに限らず昨今の創作物ではよく見られる表現のひとつとなっている。
余談
- 激しい旋風を巻き起こして周囲を吹き飛ばす「竜巻攻撃」は、
氷ブレスによって竜巻を巻き起こして獲物を攻撃するベリオロスに続き、デュラガウアで2種目である。
ただし、ベリオロスの竜巻はブレス自体に加えられた強烈な螺旋回転が引き起こすものであり、
メインは飽くまで超低温の氷ブレスであることから、厳密には竜巻に主眼をおいた攻撃ではない*2。
その後、ベリオロス亜種やアマツマガツチ、クシャルダオラ、ラヴィエンテ、
アルガノスやゴルガノス、ヒュジキキと続々使用者は増えた。
シリーズを経るほど竜巻といった小規模の自然災害を起こすようなモンスターは増える傾向にある。
- このほか、デュラガウアはかまいたちとは別に、
前方一直線上の地面を凍結させながら超高速で突き抜ける凍結ブレスも吐くが、
こちらは発射した後に必ず地面を掻くような動作が入る。
ブレスの威力は凄まじいが、かまいたちは休憩を挟まずすぐに次の行動へ移るので、
かまいたちの方がすんなりと出せる技のようである。
- MHX(X)に登場する白疾風ナルガクルガが尻尾を振って起こす「真空波」も、
風のようなエフェクト、裂傷状態を引き起こすという特徴から、
(創作における)かまいたちを強く意識していると思われる。
しかしどのような原理で斬撃を飛ばしているかは明確にされておらず、
モンスターリストでも単に「白光の刃」としか説明されていない。
- MHRiseでは妖怪のかまいたちに着想を得た、《鎌鼬竜オサイズチ》というモンスターが新たに登場。
残念ながらあまり強くない鳥竜種であるため、かまいたちによる攻撃は行ってこないが、
精鋭の部下を引き連れ、鎌鼬を思わせる三位一体の連携攻撃を繰り出してくる。
残念ながら伝承とは異なり、三体目は薬を塗ってくれない。
- 上述したように、現実のかまいたちには色々な仮説が立てられていて
特に真空が皮膚を切るという説は創作でも盛んに使われている。
人間の皮膚が意外と頑丈な事も含めて真空説はオカルトの域を出ていないものだが、
むしろ霜焼けによるあかぎれ説は、冷気で攻めてくるデュラガウアとマッチしている…かもしれない。
- MHFでは2017年8月に配信されたシリーズクエスト「百鬼夜行 狩り憑くせ!怪異譚」において
「血を求む烈風篇」という題名で一般的な方のかまいたちが登場している。
こちらは「ハンターの護衛の下雪山で山菜を採っていたところ、
強風が吹いたと思ったらいつの間にか護衛のハンターが何者かに斬られ大量の出血を起こし、
追いかけてくる足音におびえ2人で逃げている間にいつの間にかハンターが力尽きていた」という内容であり、
その実態は辿異種ティガレックスの一部行動に付随する「出血やられ」である。
- MHSTでは、リオレイアの絆技「フレイムシェイバー」が巨大なかまいたちを起こす技になっている。
ブレスをぶつけ飛び立った後に急降下した勢いのままサマーソルトを繰り出すという技なのだが、
そのサマーソルトで引き起こした車輪型のかまいたちが凄まじい勢いで相手を切り裂き、
更にブレスのエネルギーがかまいたちによって広範囲に撒き散らされるというド派手な技に仕上がっている。
希少種の場合は更に凄まじいことになっており、
発生させたかまいたちと属性エネルギーが相手を蹂躙した後に突如空間がブラックホールの様に収縮し、
直後に凄まじい大爆発が発生するというとんでもない大技になってしまっている。
派生作品だからこそできる無茶な演出と言えよう。