ダンケン級巡洋戦艦 ダンケン(巡洋戦艦計画案G3)


艦尾は水線上のある高さから上がテーブル状に張り出した形状(カウンタースターン)。このタイプは1920年代頃まで使われた。


効果:HP+4%、主砲射程+4%、副砲射程+6%、魚雷射程+4%、EXPアップ+50%、シルバーアップ+50%


効果:HP+4%、主砲射程+4%、最大主砲砲弾散布界-4%、最大転舵速度+4%、EXPアップ+50%、シルバーアップ+50%
性能諸元
基本性能
※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし
| 国 | イギリス | ||
|---|---|---|---|
| 艦種 | 戦艦 | ||
| Tier | 9 | ||
| 生存性 | 継戦能力 | 54398 | |
| 抗堪性 | ・防郭防御12.5% ・火災浸水耐性12.5% ・装甲防御12% ・魚雷防御13.5% | ||
| 平均装甲厚 | ・艦首25mm ・艦尾25mm ・甲板85mm ・舷側356mm | ||
| 主砲射程 | 13.80km | ||
| 副砲射程 | 6.56km | ||
| 自動副砲射程 | 4.14km | ||
| 機動性 | 最大速力 | 31.40ノット[kt] | |
| 最大出力への到着時間 | 18.68秒 | ||
| 転舵速度 | 5.3度/秒 | ||
| 転舵所要時間 | 15.9秒 | ||
| 隠蔽性 | 9.72km | ||
・派生艦船
| 派生元 | Hawke |
|---|---|
| 派生先 | St.Vincent |
・兵装
| 主兵装 | 口径,搭載基数×門数 | 装填時間 | ダメージ(火災率)(防郭率) | 砲塔旋回速度 |
|---|---|---|---|---|
| 419mm L/45, 3基×3門 | 21秒 | HE弾 1239(17%) AP弾 1959(250%) | 6度/秒 |
| 副兵装 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向可能門数) | 装填時間 | ダメージ(火災率) | 砲塔旋回速度 |
|---|---|---|---|---|
| 152mm L/50, 6基×2門(6門) | 8秒 | HE弾 425(3%) | 10度/秒 |
| 自動副兵装 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向可能門数) | 装填時間 | ダメージ(火災率) |
|---|---|---|---|
| 113mm L/45, 8基×2門(8門) | 8秒 | HE弾 224(1%) |
| 魚雷 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向門数) | 装填時間 | ダメージ | 射程 | 雷速 | 浸水率 | 魚雷管旋回速度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 622mm,2×1 | 38.50秒 | 6962 | 8.40km | 66.69kt | 31% | 25度/秒 |
| 対空砲 | 種類 | ダメージ | 射程 |
|---|---|---|---|
| 大口径 小口径 | 189 321 | 3.60km 1.80km |
・艦艇スキル
| 種類 | 効果 | 持続時間 | クールタイム | 使用可能回数 |
|---|---|---|---|---|
| エンジンブーストⅡ | 最大航行速度+12% | 25秒間 | 60秒 | 4回 |
| 対空警戒Ⅱ | 大口径対空砲ダメージ+100%、小口径対空砲ダメージ+100% | 30秒間 | 75秒 | 3回 |
・艦艇の特技
重装修理班
1戦中に修理班を2回しか使えないが、それぞれの回復量を75%増加させる
ゲーム内説明
第一次世界大戦後に開発された巡洋戦艦の計画案(プロジェクトG3)。419mm砲の配置が特徴的。
解説
本艦には「深紅の震霆」を意味する名を冠した同型艦の設定が存在する。
・主砲
ホークより口径が拡大し、419mmに換装したものの、砲塔配置がかなり奇抜で3連装砲を艦首に2基、艦橋と煙突で挟むように後ろ向きに1基という非常に特徴的な配置であり、これは次級のSt.Vincentでも同様である。(ティア9戦艦の出雲と全く同じ)口径が拡大した影響でAPダメージ1959、Heダメージ1239(発火率17%)は高水準で斉射火力は17631と同格ツリーの平均以上、装填時間も同格標準の21秒なのでAPDPMは50374と同格トップレベルに優秀である。貫通力は0距離396mm最大射程226mmいずれも同格では低い部類なものの、バイタル確率が同格ツリー1位の14%なので貫通さえすればバイタルに刺さりやすい。精度は縦64.8m、横390mは同格標準だがシグマが2に向上したことで高い集弾性能を誇る。(同格の大半がシグマ1か0であり、シグマ3のジョージアは6門という少なさの対応措置ということを考えると9門でシグマ2は異常と言える)相変わらず砲塔旋回は6度と早く、射角も良好という取り回しやすさで、13.80kmという射程の短ささえ気を付ければ高精度、高貫通、取り回しもよい優れた主砲となる。
・副砲
155mm連装砲を6基12門、片舷あたり6門撃つことができる。射程は6.56kmと悪くはないが、単発ダメージが425と平均的なのに対して装填時間が8秒もあり、dpmはそこまで高くない。自動副砲も持っているが、射程が4.14kmしかないためめったに使うことはない。
・対空
大口径対空値189は武蔵に次いでブービー賞、小口径対空値321は同格平均程度である。艦艇スキルに対空警戒Ⅱを所持しているため、粘着されれば晴天をとれる程度の対空を発揮することはできるが、そこまで優秀ではないので味方と対空の傘を共有しよう。
・魚雷
本数が片舷1門になってしまったがこれまでの頼りない魚雷ではなく、射程8.4kmと微妙に向上。そして、単発ダメージ6962、浸水率31%、装填時間38.5秒という扱いやすい魚雷に変化した。ただし、射角はこれまで通りなので注意したい。次のヴィンセントで大きく射角が改善されるため、楽しみに待とう。
・装甲
防郭防御12.50%はキアサージに次いで低く、装甲防御12%はライオンすら下回り堂々の最下位である。そもそも本艦は巡洋戦艦であり、面と向かって砲撃戦をするのには向いていない。機動力を生かして敵弾を回避したり、隠蔽に入ったりすることでうまくヘイトを分散させる技術が重要になってくる。
・機動性
素の速力31.40knotはあのIowaすら上回り同格No.1である。さらにエンジンブーストⅡを贅沢に4回も使用でき、エンジンブースト時は36knotを出すことができる。転舵所要時間こそ同格平均であるものの、転舵速度5.3度/秒は同格トップクラスであり、最高速力への到達時間18.68秒は断トツの1位と、機動性に関しては圧倒的である。陣地転換が非常に容易であり、機動力を生かした遊撃戦を行うのが得意である。消耗品、装備を速度にふると34ノットに、エンジンブーストを使うと38ノット、さらに艦長Lv.3の余熱装置を取ると戦闘開始40秒間駆逐並みの39ノットが出せる。
・隠蔽性
素の隠蔽性で9.72kmと10kmを下回っており、副砲戦艦のループレヒトよりも優れている。装備を隠蔽にすれば戦艦にして8km台前半の隠蔽性を発揮できる。これは半数以上の巡洋艦の素の隠蔽よりも優秀であり、巡洋艦の意表を突いた突撃をすることも可能である。また、戦闘中であっても砲撃をストップすれば容易に隠蔽に入ることができる。
・生存性
HP54398は同格平均を少し上回る程度だが、前述した装甲のため耐久性はそこまで高くない。が、本艦は後述する特殊な修理班を持っているため、数値以上の粘りを見せることができる。機動性はかなり優秀で主砲系のスキルもないため、艦長スキルLv.5のサバイバリストを取って更に生存性を高めよう。
・消耗品
予備整備パック、改良型ディーゼルエンジン、そして高級船員食糧または高品質石炭を選ぶのがよいだろう。
・艦艇スキル/艦長スキル
艦艇スキルとして「エンジンブーストⅡ」を4回、「対空警戒Ⅱ」を3回使用できるほか、艦艇の特技として新たに「重装修理班」を手に入れた。この「重装修理班」は本ツリー内でも本艦とSt.Vincentのみが使用できる特技で、修理班の回復量が75%増加する替わりに使用回数が2回に制限されるというもの。
一見すると修理班の使用回数が1回減ってしまうのは大きなペナルティーに見える。しかし実際は殆どペナルティーは無く、回復できるHPの量は修理班3回よりも大きくなるので安心して欲しい。それでは通常の修理班と「重装修理班」の比較を行ってみよう。
まず通常の「修理班」を標準の使用回数である3回使用した場合の回復量は14.3*3で42.9%である。これに対して「重装修理班」は14.3*1.75*2で50.05%。これは本艦の素のHPである54398に大抵の人が標準搭載していると思われる「予備整備パック(最大HP+3%)」の効果を追加した約56030を基数として計算した場合、前者が約24037なのに対して後者は28043と約4000程度も上回ることになる。続いて「上級修理班」を標準の使用回数である3回使用した場合の回復量は16.7*3で50.1%である。「重装修理班」だと16.7*1.75*2で58.45%。同様に56030を基数として計算した場合、前者が28071で後者は32749と4678の相違がある。
上記より通常の「修理班」を搭載した場合、このスキル単体でもHPの回復効果が約7.6%プラスされその効果を「上級修理班」並みに引き上げてくれる上に長いクールタイム(90秒)を1度しか挟まなくとも全ての回復効果を享受できるようになるため、非常にコストパフォーマンスが高い。「上級修理班」を搭載した場合はHPの回復効果は更に約8.4%向上するが、回復の伸びしろは「緊急修理」や「修理班+1回」といった他のスキルに比べて劣る。更に「上級修理班」のクールタイムはそこまで長くはないため、コストの割にはメリットがやや薄いと感じられる。とはいえ前述の他のスキルは長いクールタイムを経て初めて効果を実現できるのであり、本スキルの如く手軽に超回復というわけにはいかない。
そう考えると本スキルは「敵の圧力が強く悠長にクールタイムを待っていられない状況」においても扱いやすく、更に「敢えて修理班を温存して敵に対してピンチを演出」し敵のヘイトを集め「味方が押し出すタイミングに一気に回復しつつ味方を支援する」といった作戦にも使える。どう活かすかは乗り手次第と言えるだろう。
・装備
・兵装 主砲改良Ⅲ 優秀な素の精度をさらに向上させることができる。
・防御 操舵装置改良Ⅰまたは推力改良Ⅰ
・適正 隠蔽システム改良Ⅰ
・エリート特性
・水雷防御装置 魚雷防御+10%
・エリート砲術員 主砲装填時間-3%,主砲旋回速度+7%
・功績 EXPアップ+10% EXPアップ+10%
・総論
優秀な主砲と良好な機動性を持った巡洋戦艦である。機動性や隠蔽性、重装修理班といった多くの特徴をもつため、様々な戦い方ができる。通常の戦艦の戦い方をするのではなく、本艦が巡洋戦艦であることを忘れずに縦横無尽に戦場を駆け回ろう。
戦闘名誉章
| レベル | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 報酬 | 20回勝利 | 1800000ダメージ与える | 敵巡洋艦50隻撃破 | 敵艦90隻撃沈 | 一戦中に100000ダメージ |
| ミッション内容 | 艦艇EXP16k シルバー150k | 艦艇EXP16k シルバー150k カッパー1 | 艦艇EXP16k シルバー150k カッパー1 | 艦艇EXP16k シルバー150k カッパー2 | 艦艇EXP16k シルバー150k スティール2 |
史実
次級のセント・ヴィンセントは本艦の設計案G3に至るまでの計画案I3であり、そのG3の設計を元にネルソン級戦艦が建造された、という時系列になっている。つまり逆を言えばネルソン級に達するまでの計画案がこのツリーということでもあり、史実的には本艦が終着点となる。エステルイェートランドとハッランドのように入れ替わり現象が起きているツリーは他にもあるが、Tier7艦の方が後に設計されたツリーは中々珍しいのではないだろうか。ちなみに比類なき者はもう少し前の設計である。
イギリス海軍は第一次世界大戦より新時代の主力艦を模索していた。開戦劈頭のドッガーバンク海戦、フォークランド沖海戦では、期待を込めて送り込んだ巡洋戦艦がドイツの装甲巡洋艦を撃沈し、新時代の幕開けを感じさせた。だが、ドイツ海軍の主力艦隊と相まみえたユトランド沖海戦ではいささか勝手が違った。巡洋戦艦は一撃で撃沈され、戦艦は敵の姿をロクに見ることもできないまま海戦は終結した。
このときイギリス海軍は、「もしや我々の主力艦には重大な欠点があるのではないか」という疑問を抱かずにはいられなかった。ところが折悪しく、当時建造中の主力艦はフィッシャー卿の「速度こそ最大の防御」という考えの元建造されていた巡洋戦艦ばかりだったのである。(詳しくはフィッシャー卿の代表作の史実ページを参考に)
ユトランド沖海戦で撃沈されたインヴィンシブル級と同レベルの装甲しか持たないこれらの艦が、これからの海戦を生き残れるわけがない。イギリス海軍は、建造中のレナウン級やフッドの装甲を厚くするために、工事を一時中断して設計を改めた。このため主力艦の建造ペースは低下していった。
とはいえユトランド沖海戦は戦術的敗北であったが、制海権を獲得することには成功した。この海戦後、イギリス海軍の戦力はドイツ海軍の戦力を遥かに凌駕する結果となり、特に38.1cm砲を搭載したクイーン・エリザベス級、リヴェンジ級の10隻はドイツ海軍に対して圧倒的な優位を保っていた。そのため、個艦の性能を取り沙汰する前にイギリス・ドイツ両国艦隊の勝負は着きつつあった。さらにドイツの国力低下により新造艦の竣工ペースが低下したので、イギリスが建艦を控えたとしても戦力的に問題は無かったのである。こうした理由で大戦終結後イギリスは主力艦の建造を一時中断している。当時世界最大の戦艦であったフッド級も1番艦のみが建造を続けられ、2番艦以降は中止された。これは大戦後イギリスに対抗する海軍戦力が消滅したこともあるが、大戦によりイギリス自体の国力が大きく低下していたことも原因である。
一方遠く太平洋では日本とアメリカの建艦競争が激しく行われ、日本の八八艦隊計画とアメリカの三年計画(ダニエルズ・プラン)に基づいて、新時代の主力艦が次々と建造されつつあった。イギリスとしては第一次世界大戦でのドイツとの建艦競争が、いかに資源の浪費であり、国力低下の原因に繋がったかを熟知しているために、再び建艦競争を行う気はさらさらなく、逼迫していた国家財政から行える訳もなかった。世界最大の海軍国家という看板で世界中の植民地を支配している以上、世界一位の座を明け渡すわけにもいかず、新たな戦艦を造らざるを得ない状況に陥っていた。
こうした政治的状況とは別に、純粋な海軍としての新戦艦の軍事的模索は続いていた。そこで出された結論は、高速戦艦というある意味当たり前の結論であった。だが、当時の三大海軍国の残りの2国、日本とアメリカのうち、日本は八八艦隊という高速戦艦の建造に力を入れていたが、アメリカは高速低防御の巡洋戦艦と低速重防御の戦艦の二本立てであり、先進性と保守性が混在する選択であった。高速戦艦というからには高速であることは当然のこと、防御力も十分でなくてはならない。少なくとも自艦の主砲に耐えられるという戦艦の防御力の基準を満たす必要があった。だが、装甲を厚くすれば自ずと艦は巨大になる。建造費の面からもそれは避けるべきであるため、「如何にして効率よく装甲を厚くするか」という、これまた別の問題に頭を悩ますのである。
装甲を厚くするには防御面積を減らすのが一般的であり、フランスで見られる4連装砲塔の採用も解決策の一つである。が、イギリス海軍はその前に「どの部分の装甲を重視するか」という事を考えた。戦艦に於いてまず守らなければならないのが弾薬庫である。主砲が破壊されれば攻撃ができなくなり、機関が破壊されれば動くことができなくなる。だが、弾薬庫が爆発すれば、艦は即座に爆沈してしまうのである。この事はユトランド沖海戦で弾薬庫の爆発により3隻の巡洋戦艦を失ったイギリス海軍は痛いほど分かっていた。そこで、主砲を前部に集中して配置するという案が考え出された。主砲が一箇所に集まれば主要防御区を短縮することができ、その装甲厚を増やせるからである。それに加え、列強各国でも採用が相次いでいた3連装砲塔をイギリス海軍として初めて採用することになった。こうしたアイデアを満載して設計されたのがG3巡洋戦艦である。
G3級の砲塔配置は、どこぞの3連装3基前部集中配置の戦艦たちとは違い、完全に艦首に砲塔を集めたわけではなく、艦橋を挟んで前に2基、後ろに1基という配置で3基すべてを艦首方向に指向はできない。それでも1番砲塔から3番砲塔までの距離は短く、全体としては艦の前半部に全砲塔が配置されたような形になっている。主砲は406mm砲3基9門であり、レキシントン級より1門多く、天城型や加賀型には1門劣る数であるため、攻撃力に関しては日本やアメリカの新型戦艦と同等といえるだろう。
防御力は重視しただけあって非常に堅固であり、舷側は356mm、甲板は203mmという厚い装甲板に身を包んでいる。この舷側の356mmという厚さは重防御として名高いアメリカ戦艦よりも厚い。それだけでも驚異なのだが、甲板の203mmともなるとレキシントン級の4倍、天城型の2倍の厚さであり、まさかのあの対46cm防御の大和型よりも厚いのである。それでいて速力は32ktと巡洋戦艦の名に恥じぬ高速で、30ktの天城型よりも高速である。
また、艦橋をそれまでの三脚檣から塔型のものとしている。これは爆風対策という面が強かったが、日本の七脚檣やアメリカの籠マストと比べると遥かに近代的で優秀なもので、日米も後に戦艦の艦橋を塔型艦橋としている。副砲もケースメイト式ではなく砲塔化され、射界が広く効率の良い射撃を行えるようになっている。
このように走攻守揃ったG3級であるが、艦の大きさは天城型や紀伊型よりも一回り大きく、46cm砲を搭載予定だった13号型巡洋戦艦にも匹敵する程である。集中防御に徹することで装甲の最大厚は高めているが、非装甲部分は広く、爆沈はしないものの損害を受けやすくなっている。だが、これは艦隊決戦で生き残ることを最重視した設計方針からすれば納得済みの欠点であり、ユトランド沖海戦の悲劇を決して繰り返さないという決意でもある。
それよりも問題なのがG3級の建造はワシントン条約に対する当て馬的な要素を持っていたことである。設計する事自体には問題がなかったのだが、政治的には重大であった。G3級の建造が決定されたのはワシントン海軍軍縮会議の直前である1921年であり、これ以上建艦競争を行えば、イギリスも主力艦を続々と建造するぞ、という他国に対するプレッシャーとしての効果が期待されたのである。それだけに、軍縮会議の前に「実際に作る気はないが、とりあえず建造決定としておこう」という軽い気持ちで決定された可能性が高いのである。事実、ワシントン軍縮条約が締結されるとG3級の建造計画は中止され、実際には起工されなかった。しかしイギリスは16インチ砲搭載艦を2隻保持する権利を得たので、G3級の設計はネルソン級戦艦に活かされている。
以下は要目である。
基準排水量 48,400t
全長 260.9m
全幅 32.3m
機関出力 160,000hp
速力 32kt
武装 40.6cmL45 3連装3基
15.2cmL50 連装8基
12cm高角砲 単装6基
40mmポムポム砲 4連装10基
63cm魚雷発射管2門
装甲 舷側356mm 甲板203mm 主砲430mm
イギリス海軍はG3級に対抗してN3級の建造も予定していた。これらも同じ配置ではあるが13号型と同じく457mm砲を搭載した戦艦である(セントヴィンセントとは別物)。防御力についても舷側装甲はG3級を上回る380mmに達し、甲板装甲も203mmである。速力は23ktに抑えられたが、排水量は48,000tに達し、建造されていれば世界最大の戦艦となった。数値だけ見れば八八艦隊計画の13号型でも正面切っての戦闘は不利、という強敵ではあるがあくまで計画に終わっており、G3級といい実際この通りの艦が建造されたかというと疑問ではある。なお、主砲の前方集中配置の考えは独自に設計を行いつつも、イギリスを師として仰いでいた日本海軍にも影響を与えている。その結果こんなのが誕生してしまった 設計者にとっても主砲を集めることは装甲部分を減らし、装甲厚を増やす上で効果の高い方法であり、採用に異論はないどころか魅力的であった。より装甲が厚い戦艦というのは当然のことながら用兵者にとっても魅力的である。とはいえ後ろ向きの主砲がないというのはいささか不安である。このため大和型ではオーソドックスな前部2基、後部1基という主砲配置を選んだのだが、結果として第二次大戦において艦尾に主砲がないことで問題となることはなかった。弩級戦艦が登場し始めたときに、艦首尾方向の火力も高めようとして複雑な主砲配置が流行したのだが、実用的ではなく最終的には全砲塔を艦の中心線上に配したことを思えば、集中防御配置の是非を除けば悪くない選択だったのかもしれない。
参考:未完成艦名鑑 光栄株式会社
小ネタ
本艦の艦名「Duncan(ダンケン)」はスコットランドに起源を持つ英語圏における男性名である*1。
編集用コメント
- 小ネタを追加 -- 2023-09-15 (金) 17:11:21
コメント欄
- ダンケン馬鹿野郎 -- 2023-08-01 (火) 12:26:04
- 荒れるからそーゆうのやめようね? -- 2023-08-01 (火) 12:31:55
- これ荒れるんか? -- 2023-08-01 (火) 14:55:47
- 凄く融通の効かない人がそれはダンカンであってダンケンではありませんビートたけしさんに失礼ですよ、みたいな感じで荒れるかもしれない -- 2023-08-01 (火) 16:40:10
- 荒れるからそーゆうのやめようね? -- 2023-08-01 (火) 12:31:55
- ダンカンであって欲しかった。すまぬ笑 -- 2023-08-01 (火) 15:39:36
- かなり強いぞ。ツリー艦に限定したら、10戦場でもある程度戦える数少ない優良艦だ。 -- 2023-10-01 (日) 09:30:45
- ランク戦で使ってる人結構いるよね。回復量ヤバすぎ。遠距離でもボコスカ当ててくるし、強くね? -- 2023-12-18 (月) 21:11:35
- ランク戦で相手にした感じ、1番厄介な戦艦ね。回復2回目を使わせる前に火力を集中させて落とせるかどうかが勝負かなぁ。個人的な印象としては高DPM戦艦かドイツ戦艦で中近距離戦に持ち込めれば大体勝てるから、隙を見て突撃すると良いかも分からんね。 -- 2023-12-18 (月) 22:57:01
- この船加速力が巡洋艦並みに高いからくねくね前後にピンストン運動しとけば格上のT10にも撃ち勝てるの強くて好き。主砲も常に精密照準使ってるくらいに精度良いからガバガバ精度の艦に乗れなくなっちゃう -- 2024-04-19 (金) 14:38:54
- 主砲の精度良くて感動してるのに、次の艦はシグマ値3に加えて精密照準なんて信じられないわ。ここまですごいと他の艦乗ったときのストレスやばそう -- 2024-06-10 (月) 08:35:20
- ホークでも十分強いと思ったけどダンケンに乗り換えたら段違いだった。特にネルソン乗っけた時の回復量がヤバすぎる -- 2024-07-09 (火) 12:12:53
- 弾が全然まとまらないんですけど、主砲の高さの違いが影響してますか?弾が狙ったところの手前に落ちたり、奥側に落ちたりします。似た様な砲配置のネルソンでは感じたことない当てにくさです。 -- 2024-08-15 (木) 19:48:52
- この船は精度がいいぶんエイムが少しズレると当たりません。エイムを鍛えましょう。 -- 2024-08-17 (土) 08:42:21
- 解説に書いてあるけど本当に貫通力低い部類なのかこいつ?ドイツ戦艦とかソ連戦艦相手でも難なく貫通するぞ? -- 2024-09-01 (日) 18:14:15
- 高精度かつ弾道高めだから甲板に当てやすいし、T9戦艦の甲板装甲は100mm前後なのに対してこいつは最大射程でも226mmの貫通力があるから甲板抜くには充分な貫通力ある。 -- 2024-09-02 (月) 00:28:07
- APの距離減衰が大きいってことだと思います -- 2024-09-02 (月) 08:53:56
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