ダンケン級巡洋戦艦 スカーレット・サンダー(巡洋戦艦計画案G3)


効果:
性能諸元
基本性能
※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし
| 国 | イギリス | ||
|---|---|---|---|
| 艦種 | 戦艦 | ||
| Tier | 9 | ||
| 生存性 | 継戦能力 | 55106 | |
| 抗堪性 | ・防郭防御12.5% ・火災浸水耐性12.5% ・装甲防御13.5% ・魚雷防御13.5% | ||
| 平均装甲厚 | ・艦首25mm ・艦尾25mm ・甲板85mm ・舷側356mm | ||
| 主砲射程 | 14.45km | ||
| 副砲射程 | 6.56km | ||
| 自動副砲射程 | 4.14km | ||
| 機動性 | 最大速力 | 31.40ノット[kt] | |
| 最大出力への到着時間 | 17.99秒 | ||
| 転舵速度 | 5.30度/秒 | ||
| 転舵所要時間 | 15.60秒 | ||
| 隠蔽性 | 11.1km | ||
・兵装
| 主兵装 | 口径,搭載基数×門数 | 装填時間 | ダメージ(火災率)(防郭率) | 砲塔旋回速度 |
|---|---|---|---|---|
| 419mm/45 Mk.Ⅰ, 3基×3門 | 22.5秒 | HE弾 1274(18%) AP弾 2100(250%) | 5度/秒 |
| 副兵装 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向可能門数) | 装填時間 | ダメージ(火災率) | 砲塔旋回速度 |
|---|---|---|---|---|
| 133mm/50 QF Mk.Ⅰ, 6基×2門(6門) | 6秒 | HE弾 378(3%) | 10度/秒 |
| 自動副兵装 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向可能門数) | 装填時間 | ダメージ(火災率) |
|---|---|---|---|
| 113mm/45, 8基×2門(8門) | 10秒 | HE弾 201(1%) |
| 対空砲 | 種類 | ダメージ | 射程 |
|---|---|---|---|
| 大口径 小口径 | 274 276 | 3.60km 1.80km |
・艦艇スキル
| 種類 | 効果 | 持続時間 | クールタイム | 使用可能回数 |
|---|---|---|---|---|
| 精密照準装置Ⅰ | 砲撃精度+25% | 20秒間 | 75秒 | 2回 |
| 高速装填Ⅱ | 主砲の装填速度+30% | 20秒間 | 75秒 | 2回 |
ゲーム内説明
解説
ダンケン級ではあるが、スキルや射程をはじめとした主砲の強化を代償に隠蔽性、生存性といった英巡洋戦艦の強みを捨てた戦艦となっている。
・主砲
ダンケンのものより射程、ダメージが大幅上昇。射程は14.45kmとティア10と比較しても遜色ない値に伸び、迷彩を装備すれば15kmを超える。ちなみにツリーティア10のセント・ヴィンセントよりも長い。ダメージもHE弾こそライオンと比べればパっとしないが、AP弾に関しては2100ダメージとティア9の457mm砲戦艦に並ぶレベル。総じて元より更に優秀な砲に仕上がっているのは確かだが、ダンケンから引き継いだ精密照準Ⅰに加えて高速装填Ⅱを装備している。精密照準+高速装填の組み合わせはローマやマルコ・ポーロ、ブラックガスコーニュ等が示すように超強力であり、本艦についても14秒台でこの元々精度の良い主砲を叩き込めると考えると凶悪な主砲性能を誇っていると言える。本艦はツリー艦艇のような回復系スキルがない分艦長スキルでサバイバリストを取得するか悩ましいところだが、超火力を取得する方が本艦の強みをさらに引き出せるのでは無いだろうか。
・副砲
・対空
古臭い152mm砲を両用砲に換装したことにより高角砲が二種類となったことで大口径対空値が倍近くに増えたが、対空警戒は没収されてしまったので寧ろダンケンより悪くなってしまった。FDRに吹き飛ばされたHPを回復する修理班も持っていないので注意したい。
・魚雷
近代化改修を受け水中魚雷発射管は廃止されてしまったのか魚雷は搭載していない。
・装甲
・機動性
最高速度は変わらず同格1位だが加速度、転舵速度が軒並み上昇している。優秀である。
・隠蔽性
大きく弱体化を受けたポイント。
ダンケンは10km切り、同格1位と優秀であったが11.1kmまで悪化してしまい、巡洋戦艦としては最悪クラスとなってしまった。戦艦としては優秀であるがダンケンのような運用は利かないと考えた方が良い。
・生存性
ツリー巡洋戦艦が装備する重装修理班を持っていないため、回復に関しては他の戦艦と変わらない。主砲射程、が伸びた分交戦距離は伸びたが、相変わらず脆い船体は変わっていないためより一層注意が必要。
・消耗品
・艦艇スキル/艦長スキル
高速装填+精密照準の数を増やすのが望ましい。ツリー巡洋戦艦でサバイバリストを取得しているのであれば独自の艦長を育成するのも一考であろう。
・装備
・兵装
・防御
・適正
・エリート特性
・水雷防御装置 魚雷防御+10%
・エリート砲術員 主砲装填時間-3%,主砲旋回速度+7%
・功績 EXPアップ+10% EXPアップ+10%
・総論
ダンケンの強みである隠蔽性や回復力を捨てた代わりに主砲を更に強化した一品。巡洋戦艦というよりは柔らかい戦艦に近くなっており、巡洋戦艦ツリーとはまた違った運用が求められるだろう。
戦闘名誉章
| レベル | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 報酬 | 20回勝利 | 1800000ダメージ与える | 敵巡洋艦50隻撃破 | 敵艦90隻撃沈 | 一戦中に100000ダメージ |
| ミッション内容 | 艦艇EXP16k シルバー150k | 艦艇EXP16k シルバー150k カッパー1 | 艦艇EXP16k シルバー150k カッパー1 | 艦艇EXP16k シルバー150k カッパー2 | 艦艇EXP16k シルバー150k スティール2 |
史実
次級のセント・ヴィンセントは本艦の設計案G3に至るまでの計画案I3であり、そのG3の設計を元にネルソン級戦艦が建造された、という時系列になっている。つまり逆を言えばネルソン級に達するまでの計画案がこのツリーということでもあり、史実的には本艦が終着点となる。エステルイェートランドとハッランドのように入れ替わり現象が起きているツリーは他にもあるが、Tier7艦の方が後に設計されたツリーは中々珍しいのではないだろうか。ちなみに比類なき者はもう少し前の設計である。
イギリス海軍は第一次世界大戦より新時代の主力艦を模索していた。開戦劈頭のドッガーバンク海戦、フォークランド沖海戦では、期待を込めて送り込んだ巡洋戦艦がドイツの装甲巡洋艦を撃沈し、新時代の幕開けを感じさせた。だが、ドイツ海軍の主力艦隊と相まみえたユトランド沖海戦ではいささか勝手が違った。巡洋戦艦は一撃で撃沈され、戦艦は敵の姿をロクに見ることもできないまま海戦は終結した。
このときイギリス海軍は、「もしや我々の主力艦には重大な欠点があるのではないか」という疑問を抱かずにはいられなかった。ところが折悪しく、当時建造中の主力艦はフィッシャー卿の「速度こそ最大の防御」という考えの元建造されていた巡洋戦艦ばかりだったのである。(詳しくはフィッシャー卿の代表作の史実ページを参考に)
ユトランド沖海戦で撃沈されたインヴィンシブル級と同レベルの装甲しか持たないこれらの艦が、これからの海戦を生き残れるわけがない。イギリス海軍は、建造中のレナウン級やフッドの装甲を厚くするために、工事を一時中断して設計を改めた。このため主力艦の建造ペースは低下していった。
とはいえユトランド沖海戦は戦術的敗北であったが、制海権を獲得することには成功した。この海戦後、イギリス海軍の戦力はドイツ海軍の戦力を遥かに凌駕する結果となり、特に38.1cm砲を搭載したクイーン・エリザベス級、リヴェンジ級の10隻はドイツ海軍に対して圧倒的な優位を保っていた。そのため、個艦の性能を取り沙汰する前にイギリス・ドイツ両国艦隊の勝負は着きつつあった。さらにドイツの国力低下により新造艦の竣工ペースが低下したので、イギリスが建艦を控えたとしても戦力的に問題は無かったのである。こうした理由で大戦終結後イギリスは主力艦の建造を一時中断している。当時世界最大の戦艦であったフッド級も1番艦のみが建造を続けられ、2番艦以降は中止された。これは大戦後イギリスに対抗する海軍戦力が消滅したこともあるが、大戦によりイギリス自体の国力が大きく低下していたことも原因である。
一方遠く太平洋では日本とアメリカの建艦競争が激しく行われ、日本の八八艦隊計画とアメリカの三年計画(ダニエルズ・プラン)に基づいて、新時代の主力艦が次々と建造されつつあった。イギリスとしては第一次世界大戦でのドイツとの建艦競争が、いかに資源の浪費であり、国力低下の原因に繋がったかを熟知しているために、再び建艦競争を行う気はさらさらなく、逼迫していた国家財政から行える訳もなかった。世界最大の海軍国家という看板で世界中の植民地を支配している以上、世界一位の座を明け渡すわけにもいかず、新たな戦艦を造らざるを得ない状況に陥っていた。
こうした政治的状況とは別に、純粋な海軍としての新戦艦の軍事的模索は続いていた。そこで出された結論は、高速戦艦というある意味当たり前の結論であった。だが、当時の三大海軍国の残りの2国、日本とアメリカのうち、日本は八八艦隊という高速戦艦の建造に力を入れていたが、アメリカは高速低防御の巡洋戦艦と低速重防御の戦艦の二本立てであり、先進性と保守性が混在する選択であった。高速戦艦というからには高速であることは当然のこと、防御力も十分でなくてはならない。少なくとも自艦の主砲に耐えられるという戦艦の防御力の基準を満たす必要があった。だが、装甲を厚くすれば自ずと艦は巨大になる。建造費の面からもそれは避けるべきであるため、「如何にして効率よく装甲を厚くするか」という、これまた別の問題に頭を悩ますのである。
装甲を厚くするには防御面積を減らすのが一般的であり、フランスで見られる4連装砲塔の採用も解決策の一つである。が、イギリス海軍はその前に「どの部分の装甲を重視するか」という事を考えた。戦艦に於いてまず守らなければならないのが弾薬庫である。主砲が破壊されれば攻撃ができなくなり、機関が破壊されれば動くことができなくなる。だが、弾薬庫が爆発すれば、艦は即座に爆沈してしまうのである。この事はユトランド沖海戦で弾薬庫の爆発により3隻の巡洋戦艦を失ったイギリス海軍は痛いほど分かっていた。そこで、主砲を前部に集中して配置するという案が考え出された。主砲が一箇所に集まれば主要防御区を短縮することができ、その装甲厚を増やせるからである。それに加え、列強各国でも採用が相次いでいた3連装砲塔をイギリス海軍として初めて採用することになった。こうしたアイデアを満載して設計されたのがG3巡洋戦艦である。
G3級の砲塔配置は、どこぞの3連装3基前部集中配置の戦艦たちとは違い、完全に艦首に砲塔を集めたわけではなく、艦橋を挟んで前に2基、後ろに1基という配置で3基すべてを艦首方向に指向はできない。それでも1番砲塔から3番砲塔までの距離は短く、全体としては艦の前半部に全砲塔が配置されたような形になっている。主砲は406mm砲3基9門であり、レキシントン級より1門多く、天城型や加賀型には1門劣る数であるため、攻撃力に関しては日本やアメリカの新型戦艦と同等といえるだろう。
防御力は重視しただけあって非常に堅固であり、舷側は356mm、甲板は203mmという厚い装甲板に身を包んでいる。この舷側の356mmという厚さは重防御として名高いアメリカ戦艦よりも厚い。それだけでも驚異なのだが、甲板の203mmともなるとレキシントン級の4倍、天城型の2倍の厚さであり、まさかのあの対46cm防御の大和型よりも厚いのである。それでいて速力は32ktと巡洋戦艦の名に恥じぬ高速で、30ktの天城型よりも高速である。
また、艦橋をそれまでの三脚檣から塔型のものとしている。これは爆風対策という面が強かったが、日本の七脚檣やアメリカの籠マストと比べると遥かに近代的で優秀なもので、日米も後に戦艦の艦橋を塔型艦橋としている。副砲もケースメイト式ではなく砲塔化され、射界が広く効率の良い射撃を行えるようになっている。
このように走攻守揃ったG3級であるが、艦の大きさは天城型や紀伊型よりも一回り大きく、46cm砲を搭載予定だった13号型巡洋戦艦にも匹敵する程である。集中防御に徹することで装甲の最大厚は高めているが、非装甲部分は広く、爆沈はしないものの損害を受けやすくなっている。だが、これは艦隊決戦で生き残ることを最重視した設計方針からすれば納得済みの欠点であり、ユトランド沖海戦の悲劇を決して繰り返さないという決意でもある。
それよりも問題なのがG3級の建造はワシントン条約に対する当て馬的な要素を持っていたことである。設計する事自体には問題がなかったのだが、政治的には重大であった。G3級の建造が決定されたのはワシントン海軍軍縮会議の直前である1921年であり、これ以上建艦競争を行えば、イギリスも主力艦を続々と建造するぞ、という他国に対するプレッシャーとしての効果が期待されたのである。それだけに、軍縮会議の前に「実際に作る気はないが、とりあえず建造決定としておこう」という軽い気持ちで決定された可能性が高いのである。事実、ワシントン軍縮条約が締結されるとG3級の建造計画は中止され、実際には起工されなかった。しかしイギリスは16インチ砲搭載艦を2隻保持する権利を得たので、G3級の設計はネルソン級戦艦に活かされている。
以下は要目である。
基準排水量 48,400t
全長 260.9m
全幅 32.3m
機関出力 160,000hp
速力 32kt
武装 40.6cmL45 3連装3基
15.2cmL50 連装8基
12cm高角砲 単装6基
40mmポムポム砲 4連装10基
63cm魚雷発射管2門
装甲 舷側356mm 甲板203mm 主砲430mm
イギリス海軍はG3級に対抗してN3級の建造も予定していた。これらも同じ配置ではあるが13号型と同じく457mm砲を搭載した戦艦である(セントヴィンセントとは別物)。防御力についても舷側装甲はG3級を上回る380mmに達し、甲板装甲も203mmである。速力は23ktに抑えられたが、排水量は48,000tに達し、建造されていれば世界最大の戦艦となった。数値だけ見れば八八艦隊計画の13号型でも正面切っての戦闘は不利、という強敵ではあるがあくまで計画に終わっており、G3級といい実際この通りの艦が建造されたかというと疑問ではある。なお、主砲の前方集中配置の考えは独自に設計を行いつつも、イギリスを師として仰いでいた日本海軍にも影響を与えている。その結果こんなのが誕生してしまった 設計者にとっても主砲を集めることは装甲部分を減らし、装甲厚を増やす上で効果の高い方法であり、採用に異論はないどころか魅力的であった。より装甲が厚い戦艦というのは当然のことながら用兵者にとっても魅力的である。とはいえ後ろ向きの主砲がないというのはいささか不安である。このため大和型ではオーソドックスな前部2基、後部1基という主砲配置を選んだのだが、結果として第二次大戦において艦尾に主砲がないことで問題となることはなかった。弩級戦艦が登場し始めたときに、艦首尾方向の火力も高めようとして複雑な主砲配置が流行したのだが、実用的ではなく最終的には全砲塔を艦の中心線上に配したことを思えば、集中防御配置の是非を除けば悪くない選択だったのかもしれない。
参考:未完成艦名鑑 光栄株式会社
小ネタ
本艦の艦名「Scarlet Thunder(スカーレットサンダー)」は直訳すると「緋色の雷」という意味である。なお英語における「Scarlet(緋色)」は情熱的な、あるいは強烈な印象を持つ衣類を連想させる事から、本艦の強力な火力をイメージしたネーミングであろう。
本艦の元となった艦の艦級名「Duncan(ダンケン)」はスコットランドに起源を持つ英語圏における男性名である*1。
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