キャラクター/【闇】

Last-modified: 2024-04-06 (土) 10:51:40

Union χに登場した、闇を自称する謎の存在。
肉体を持たない心だけの存在であり、心の在り方も曰く「全であり個」らしく、いうなれば「闇という名の集合自我」。

  • その性質上、姿は無い。マスター・オブ・マスターが少年だった頃には人間と同じ姿をしていたらしいが、人間ではない模様。
    Uχで登場した際は闇のオーラをまとったぼんやりとした黒い影のような姿をしていたが、これは人と接触するためにわざとそう見せているだけであり、本来は目に見えず声も聞こえない。
    • 初登場時だけは例外で、人型の黒い細かいモザイクのような見た目だった。
    • この仮の姿は、ブレインには「子供が絵に描いたようなもの」と形容されている。
    • 闇曰く「この声もこの色も言わばサービス」とのこと。
    • やたらとワープする他、たまに球状になり、終盤で激高した時は縦に伸びた。また、時折闇のオーラのようなものが音を立てながら激しく動くことがある。笑っているようにも見えるが、定かではない。
      • DRでもゼアノートが上記の様子を見て「闇が笑った」と表現している。
    • 姿を持たない闇はやがて意思を失い「ただの闇」になってしまうため、他者の心に宿り意思や姿を奪う事で存在を維持している。
      そうやって彼らから派生した「姿のある闇」こそがハートレスらしい。
  • マスター・オブ・マスターによれば元々は姿を持っており、物理的な攻撃を行っていたが、長い戦いの中で姿を持たなくなり、人の心を攻撃するようになったという。さらに、ルシュによれば、闇が姿を捨てたのは「光に勝つため」で、それによって「全」になったようだ。そしてこのために、意思を保てなくなったらしい。
    • そのため「やはり姿は必要」となり、人の姿を奪うようになったのだ、このことが「実に間抜けで浅ましい」とルシュは評している。

マスター・オブ・マスターによれば、闇は人間とは相容れない思考回路を持つ。そのため、言葉は通じるものの、意思疎通はできない。また、人間が何をするつもりか分かっていても、その目的を理解することはできない。そして純粋な心を嫌い、人間を嫌悪している。もちろん逆も真なりで、人間にとっても闇の行動は意味不明であるとしている。

  • 「言葉は通じるんですね」というルシュの発言に「あいつらずっと俺らのこと見てるから」とマスター・オブ・マスターが返したことから、元々は言葉も通じなかったが、人間を観察することで人間の言葉を学習し、模倣できるようになったのではないかと推測できる。

始祖の闇は13体おり、それぞれが他の人間の心に闇を感染させ増殖することを目的としている。

  • 心や感情は電気信号であり、あらゆる情報が電気信号として処理されるデータ世界は闇の伝播にもってこいである為にUχの世界に目をつけた模様。
  • 作中では主に2体が暗躍しており、一方はマレフィセントを誘導し、もう一方はヴェントゥスの心に潜んでいた。
  • ダークシーカー編ではXIII機関真XIII機関、13人の闇の探求者、χブレードが13の闇に分かれたとやたら闇と13が結び付いているが、何か関連があるのだろうか?
    • キングダムハーツの世界観的には「始祖の闇が13体であるから闇は13に結びつくようになった」と考えられる。また、7と13という数について、マスター・オブ・マスターは「7は全てを満たす数とされ、13は非調和な忌み数とされた」と語っており、この言葉の通り始祖の闇は13体いる、と続けていることからそれ以前から7と13には何らかの意味があったのかもしれない。

姿を持たない闇は倒すことができないが、上記の通り姿を持たないままの闇は存在を維持できないため、いずれは他者の意思や姿を奪う必要がある。この性質を利用し、マスター・オブ・マスターはこの13体のうち強力な7体を自身と弟子達の心に、5体をユニオンリーダーの心に、残り1体をデータ世界の檻に閉じ込め各個撃破する計画を立てていた。

  • このうち闇が言うには大戦後に6体が残り、この6体がデータの世界に閉じ込められたという。順当にいけばいなくなった7体の闇はマスター・オブ・マスターと弟子達の闇となるだろうし、Uχでは実際に6体の闇を確認できる。しかし、いなくなった6人達の闇はともかく、アヴァとキーブレードを交えはしたもののキーブレード戦争には参加している様子がなく、そしてこの発言の時闇と直接会話していたルシュの闇はなぜ消えていたのだろう?
    • 「闇を宿す運命の子」がすでに他の闇を宿しているにもかかわらず彼の中に隠れるつもりでいたり、プレイヤーの演技を見抜けなかった点を考えると、他者の心に宿った状態では闇同士であっても感知が出来ないのかもしれない。
  • 実際には強力な7体以外の6体のうち1体は脱出して行方不明になってしまい、1体は後述のようにとある人物の中に潜んでおり(恐らくは消滅せずに未来に渡り)、4体はデータ世界に閉じ込められている。
  • 作中ではアンセムヴァニタスなどの「人間から分離した闇」を倒す機会は何度もあったが、そのどれもが倒された後に元の人間の心に還元されてしまっている。
    一方闇自身の発言から闇を宿した人間が死ぬと闇も巻き込まれて消滅することが分かっている。それらを踏まえると、闇を宿して各個撃破する計画とは……。
    • ルシュもそれを察し「あまりにも犠牲が多すぎる」と反発している。マスター・オブ・マスターによれば犠牲が前提ではなく、助かる手段も用意しているらしいが…。
      • さらにDRでははっきりとこの方法では「闇の器となる人間ごと闇を倒さなければいけない」ことが明言され、これに反発したヴィーザルキングダムハーツの開放による世界の浄化を行おうとするきっかけになった。
    • COMのリクやBbSのヴェンが同じ方法を提案しているため、人に宿った闇を消滅させる方法は既に提示されていたことになる。
    • アンセムやヴァニタスはどちらも方法は違えど別の人間によって姿を得たという点でも闇と似ている。
      • ついでに言えば筋肉スーツも…。
  • Uχでは「闇」がいかに人と相容れないかが強調されている。それを考えると一度は闇に飲まれたもののその後闇と向き合い真に自分の糧として夜明けの道を歩んでいるリクは本当に稀有な例なのだろう。

個としての一人称は、マレフィセントに接触した方は「俺」、ヴェントゥスの心に潜んでいた方は「我」。

割と質問したら答えてくれるようだが、根本的な思考回路が違うからかこちらが求めている答えを返してくれることは少なく、ちゃんとした答えがほしい場合は正確に言葉を選ぶ必要があるようだ。マレフィセントにも「まどろっこしい」と言われている。


時間移動のルールやマレフィセントがUχの時代に来た経緯、Uχ世界の仕組みやマスターの思惑など多くを知っているが、これは予知書を書いている所を覗き見していたから。

  • また、マスター・オブ・マスターから直接話を聞いている。

ただし自分たちにとって必要のない部分は読んでおらず、またマスター・オブ・マスターも全てを書いたわけではないため、先に起こる出来事を全て知っている訳ではない。

良くも悪くも予知書に書かれた運命に抗おうとする人間サイドとは逆に、予知書に書いてある内容に従って行動する傾向にある。これも人間とは根本的に異なる存在ゆえだろうか。


χ

直接の登場はないが、キーブレード戦争の時点で各予知者とマスター、ルシュを含んだ7人がそれぞれ始祖の闇のうち7体を心に宿していた事がUχで明かされている。
そもそも予知者達は闇を宿し消滅させる為の器として用意されており、闇に負けない強い心を持ちながら、使命を通して疑心や憎しみを抱くようマスターによって仕向けられていたのである。

上記の通り、主に2個体が別々に行動している。
一方の個体はKHIで倒された後過去に遡行したものの敗北の結末を変えられずに憤るマレフィセントの前に現れ、彼女の行動が既にマスター(文脈的にはマスター・オブ・マスター)によって対策されていた事を明かした。
その上で、筋書きの決まったデータの世界であるこの世界ではマレフィセントの目的は果たせず、また彼女がこの時代に残り続けるのも困るため、元の時代へ送り返そうとする。

  • この際マレフィセントは未来へは時間を越えられないと返すが、闇曰く「方法はある」とのことで、実際にこの後彼女はKHII冒頭で復活した時間へと戻ることになる。

デイブレイクタウンにブロックノイズのような現象が発生している時期にマレフィセントと共に訪れる。
マレフィセントに対して、未来に戻るためには現実世界のデイブレイクタウンの時計塔にある箱舟を使う必要があること、移動する時代に肉体を形成する媒介と自らを記憶する者が存在すれば心が肉体を再形成することを教える。
マレフィセントからそれらが未来に存在する保障があるのかと問われると、予知書では彼女が未来に存在していること、自分は予知書の内容を全てではないが知っていることを教える。
時計塔内部でマレフィセントから光側(キーブレード使い)との関係を問われると、古い古い知人と答えている。

  • 光側(あるいはマスター・オブ・マスター)については「敵」と言ったり「知人」と言ったり「友人」と言ったり様々。光を嫌悪している・戦っていることから敵でもあり、しかし光があるところに闇があり、大昔から関わりがあることから「知人」「友人」とも表現する、ということだろうか。

また、マレフィセントに元の時代に戻ってもらわなければ困る理由については、この世界(時代)に存在する住人の標になってもらうためと語っている。

  • ユニオンリーダーが未来に存在していることに関与しているのだろう。
  • ただ、箱舟で移動したユニオンリーダーとマレフィセントでは復活した時代が異なっている。

その後、時計塔の奥のエンド・オブ・ザ・ワールドの世界の牢獄と酷似した部屋で、マレフィセントに対して7つの箱舟のポッドの一つに入るように促している。

  • 時計塔に入る前の説明で(データ世界の)時計塔から現実世界に戻り現実世界の時計塔の奥にある箱舟を探すように説明している通り、これは未来に移動するための装置ではなくデータ世界から現実世界に脱出するための装置である。

直後、ラーリアムが部屋に訪れてマレフィセントと交戦している。

  • この戦闘に闇が干渉したかは不明。

その後は現実世界側の箱舟の部屋でルシュと遭遇し、互いに互いが邪魔な存在だとして交戦するもその後の顛末は不明。

  • この闇はマレフィセントと共に現実世界に脱出したあと、マレフィセントにこれ以上闇は必要ないとしてマレフィセントの未来への移動には同行せず、"選ばれし者"と共に先の時代に進み増殖しようと考えていた。予知書に闇を宿すと記されたヴェントゥスの心に宿る予定だったのだろうか。
    • ルシュに対してデータ世界側は電気信号として増殖すると語っていることから、既にヴェントゥスに闇が宿っているとは考えていなかったのかもしれない(一人の人間に複数の闇が宿ることも可能なのかもしれないが)。
      • 一人の人間に複数の闇が宿れるならマスター・オブ・マスターも7つの闇に7つの器を用意する必要はないので(儀式的な意味合いがあるなら別だが)、単に知らなかったのかもしれない。

もう一方はずっとヴェンの心に潜んでおり、ストレリチアの一件でユニオンリーダー達が闇の干渉を認識した事でヴェンの中から現れた。

  • この個体こそが、ヴェンを操り、ストレリチアを消滅させ、彼をユニオンリーダーに仕立て上げた元凶である。

闇が個を保つためには意思が必要らしく、予知書に記された「闇を宿す運命の子」であるヴェンの心の闇と同化・分離した事で、意思を持つ純粋な闇の個となった。
ユニオンリーダー達を圧倒する力と、実体が無いことによる不死性によって彼らを追い詰めるも、再び闇と同化し実体を与えるためのヴェンの捨て身の攻撃を受ける。

  • この後闇がどうなったのかは不明だが、後の時代での描写を見るに、再びヴェンの心に隠れたと思しい。

そして​────
闇を退け、データ側の世界に残ったエフェメラ、スクルド、プレイヤーの前に4体の闇が現れる。
デイブレイクタウンの崩壊前に他のデータ世界へ侵攻する為ゲートを開くよう迫り、さらに倒したと思っていた闇にプレイヤーが操られ二人を襲った事でエフェメラがゲートを開いてしまう。
すかさずゲートに飛び込んだ闇達であったが、エフェメラが外側からゲートの入口を閉じ、実は闇に操られた振りをしていたプレイヤーが内側からゲートの出口を閉じた事でゲート内部のポータルケーブルに閉じ込められてしまう。

  • この時致命傷を負ったプレイヤーの中に闇が宿っていると勘違いしている闇達は「脆い人間の身体と共に消滅するぞ」と、プレイヤーの体から出るよう促している。このため人間が死ぬ時その人間に宿っている闇も消滅するらしいこと、また改めて人間は闇にとって姿や意思を保つためのガワでしかないということがわかる。

上記の6体とは別に、マスター・オブ・マスターと会話する個体も登場する。この個体がマスター・オブ・マスターの中に封じられた闇なのか、それとも別の個体なのかは不明。


ここまでの行動を見る限り、ルシュのレポートに書かれている「5人を別の世界線に送り出そうと奇妙な行動をするウイルス」とは闇のことであるようにもとれる。
ルシュが何を見たのか、未だ謎は深い。

  • ただ、ブレインの「ウイルスになる」発言、最終話の展開やルシュとブレインの会話からするとこの「ウイルス」という語は闇ではなくブレインのことを指している可能性も高い。

KHIII

本編には登場しないが、存在自体はルシュのレポートで触れられている。
闇が現れたことでUχの世界は終わりに向かったと書かれているが、闇がマレフィセントを教唆して箱舟を起動させたことでデイブレイクタウンの崩壊が始まったことを指しているのだろうか。

KHIIIRM

追加シナリオ「Re Mind」において、意識を失ったヴェントゥスの心でヴェントゥスを呼ぶソラに対し、自らを「闇」と名乗る声が「そっとしておけ 彼は純粋過ぎる 純粋が故に隙が多い」と、ソラに出ていくよう促す。

  • ソラは「闇」と名乗った声をヴァニタスではないかと疑った。
    • ヴァニタスの抜けた後のヴェントゥスは心に闇が無いと言われているため、ヴェンの心に闇があるとすればそれはヴァニタスであるはずなのだが……。

するとヴェントゥスの目覚めの園から闇が吹き出し、ダークインフェルノχが現れる。
ここで起こった出来事について詳しくは触れられず、詳細は一切謎。

DR

主に2体の闇が登場。
1体目はハートの女王の背後に度々現れる。どうやらゼアノートにのみ見えるようだ。台詞はなく、時折笑うような動作も見せるが、これは始祖の闇なのか長い年月の内に人間に根付いてしまった心の闇なのかは説明されてはいない。話の流れ的には恐らく後者なのだろうが。
ゼアノートは当初女王の心の闇は強欲さであると推測していたが、彼女との対話によってその正体が憤怒ではないかと思い至る。
この闇がハートレスに変化しているような描写がされているが、詳細は不明。

  • これまでの作品でもよく闇に囚われた者達が闇のオーラを漂わせるシーンがあったが、あれらも人間に根付いた「闇」の末裔みたいなものなのだろうか?

もう1体は一連の事件の犯人として登場。マレフィセントドラゴンの攻撃からバルドルを庇い、消滅しかけていたヘズにトドメを刺し、次いで駆けつけた上級メンバー達にも手を下す。そしてバルドルが療養している間に13の光を消滅させて世界を浄化するよう唆かし、闇に堕とす。その後バルドルと同化してしまう。
戦闘ではエンブレムのハートレスであるフリングホルニを生み出し、ラストバトルでは一体化した。
彼の話によれば、彼は13の光を消滅、すなわち闇に堕として13の闇とし、加えてヴィーザルに7つの光を集めさせることでキングダムハーツを出現させようとしていた。すると世界の浄化が行われるが、その際世界は一旦闇に覆われる。それが闇の目的だった。そのためにヘズや上級メンバーを消滅させ、バルドルを手にかけられないヴィーザルがキングダムハーツ出現のため動くよう仕向けていた。しかし予想に反してヴィーザルがキングダムハーツ出現を諦めたため、彼自身が動くことにした、と語る。
マスター・ウォーデン達はこの闇を始祖の闇と考えていたが、この闇はゼアノートに対して自分は真の闇、つまり始祖の闇ではなく、バルドル自身の心の闇、そして人間が誰しも持ちうる闇だと語っている。
人の心を感じやすかったバルドルは幼い頃から他者の心の悪意、闇を人一倍感じとっていた。そして自分の闇も過敏に感じ取り、それが膨れ上がった結果この闇が生まれたようだ。
また、始祖の闇についても長い時間の中でそれと同じようにして増強されてきたとのこと。
ゼアノートもバルドルと同じ素質を持つ闇の者と語るが、拒絶される。
ヘズと再会し我に返りかけたバルドルを再度乗っ取るもマスター・ウォーデンの光の鎖に自由を奪われる。世の不条理、「闇を探求しろ」と言い残してバルドルと共にゼアノートに引導を渡された。