キーワード/【時間移動】

Last-modified: 2024-02-17 (土) 09:02:01

概要

過去や未来を行き来する能力。
主に闇の探求者アンセム青年ゼアノートの二人がマスター・ゼアノートの計画を実行するために行ったものを指し、作中では3Dの時代より過去の時間へ遡って他者に「時を超える力」を移したり、「13人の闇の探求者」になり得るゼアノートの分身たちを3Dの時代に呼び出したり等していた。
そしてKHIIIでも時間移動が行われ、13人の闇の探求者が完全に集結することとなる。

さらにUχでも時間移動は重要な要素になっており、ダークシーカー編のみならずロストマスター編にも大いに絡んでくるだろう。

制約

この力を使えば時間の壁を超えることが可能になるが、代わりにいくつかの制限がある。

  • はじめに時を超えるには肉体を捨てなければならない。そして、心だけの存在しか時間を超えることができない
    • この制限の為、力を扱えるのは大体ハートレスがらみの存在である(マレフィセント人の心のキーブレードで半分ハートレスになったようなものである)。
    • 一度自らの肉体を捨てれば、力を持っている限り何度も超えられるようだ。
    • ディレクターは、「マスター・ゼアノートは肉体を捨てた結果時を超えられるようになり、その力を茶ローブの人物を通じて若い頃のゼアノートに移した」とインタビューで答えている。
      一方アルティマニアのインタビューでは、「時間移動には最初に姿を捨てる必要がある。それを茶ローブの男が実行した結果、ゼアノートたちは全員時を超える力を得た状態となっています」と発言している。どっちが正解なのだろうか。
      • 時間移動はマスター時代に獲得し、時間移動を茶ローブが行った結果、全てのゼアノートが時間移動の力を得た、とまとめられるような気もする。
      • マスター・ゼアノートが肉体を捨てた時は、キーブレードマスターの秘術という特殊な方法を用いているため、肉体を捨てる条件には当てはまっていないとも考えられる。
    • 真XIII機関の過去から来たゼアノートたちは、過去の特定の時点の心を分けて、レプリカ空の肉体に移している。
    • KHIIIのダーク・リクによると、古の魔法使いはこの制約を受けないらしい。後述のマーリンのことを指していると思われるが、3Dのイェン・シッドソラリクを肉体ごと移動させているように見える。
  • 時を超えた先にその時間軸における自分が存在しなくてはいけない。
    • この条件における「自分」とは心のことであり、自分の『心』(もしくは肉体)さえあれば、相手の正体が別人だろうと不完全な存在だろうと問わない。
      その証拠に、肉体が別人であるはずのアンセムを青年ゼアノートが過去から呼び出していたり、心のみの存在だった頃のアンセムが数十年前の過去へ飛んで青年ゼアノートとの接触を行ったりしている。
      • むしろ、後述の考察の「本来の時間軸の存在がいる場合、元の時間軸に戻されてしまう」点からすると、全く同一の存在を指標にするのは都合が悪そうである。
      • ゼムナスに関しては心が芽生える描写は無いものの、心があると考えて問題はないだろう。実際、KHIIIでは過去のゼムナスの心がレプリカに移されている。
    • Uχにおいて、マレフィセントが予知書からデータの中に再構成された世界に移動している。このことから、データの存在の元にも時間移動できると思われる。また、現実の世界に予知書から構成された世界の場合も同様に可能である。
    • 自分が存在しない時間に移動することも不可能ではないが、超えた先に「自分を記憶している者」「自分の肉体を再形成するための媒介」が無ければならない。この方法であれば移動に際して捨てた肉体も移動先で再形成されるが、作中の描写を見るにこの方法による移動は跳んだきりであり、元の時間に帰れないと思われる。
  • 超えた先からは時間の流れのとおり一方向にしか進めない。
    • 時間移動で過去に遡った場合、その時間軸から更に過去にしか移動できないと考えられる。同じ理論で、未来に移動したら、さらに未来にしかいけないのだろう。
      • 自分が元々いた時間に戻れば記憶と共にリセットされ、再び過去か未来かを選択できるようになると思われる(でなければアンセムがヤング・ゼアノートに力を渡した後、3DやKHIIIの時間軸に来れない)。
      • Uχにてマレフィセントが過去の世界にやってきた時、「」という存在に対して「未来に向けて移動はできないだろ?」と発言している(この発言はおそらく記憶を保った状態での話と思われる)。しかしこれに対して闇は特殊な方法を使ったらしく、マレフィセントはKHIIの時間軸に移動し復活に成功している。
        また、青年ゼアノートは、時間移動の力を渡された時点から未来に向けてしか力を使っていないと推測される。
      • 「闇」は時間移動について"自分の存在する過去には時間を遡ることができる"とだけ説明している。このことから、本来の時間移動は過去に移動するためのものであり、一度過去に移動した後は時を超えることなくその時代で時の流れ(過去→現在→未来)を経験することになるという意味なのかもしれない。
    • 真のXIII機関メンバーのうち、時間移動の力が使える事を自覚しているのは、3Dの時点でアンセムと青年ゼアノートの二人しか存在しない。
  • その時間で起きる事実は書き換えられない。時間移動で過去には遡れ、確定した未来に至るまでの過程はある程度選択することができるが、事実は変えられない。
    • 例えば、誰かが死ぬ未来があったとして、それを回避するために行動したとしても、事実に逆らえずその人は死んでしまう。確定した事実の一般的な例である。同じように、「その人がその時代に生きている」ことが確定した事実と言えるのであるならば、その人を殺して歴史を変えるというifは絶対に起こせないことになる。逆に、未来を変えに行った場合はどうなるのかは謎。
      何が「事実」であるのかがゲーム上で掘り下げて語られていないため、このあたりは何を書いても推測にしかならない。
    • ゼアノートの言っている「運命」と言うことなのだろう。
      しかし、目的の為には手段を選ばないゼアノートがタイムパラドックスを起こそうとしないのは、不自然に思える。実際に試して不可能だと知っているのか、あるいは下手にパラドックスを起こすことで自分たちの計画が思わぬところで狂ってしまうことを危惧したのかもしれない。
      • KHIIIで能力の間違った使い方をし、結果的に書き換えを行ったソラが代償を払わされたのを鑑みると、それと同じようにパラドックスを起こせば何かしらの代償を払わされる危険があるのかもしれない。そして青年ゼアノートはKHIIIで、マスター・ゼアノートはKHIIIRMで代償について言及する描写があるため、少なくとも知識として知っていたのだろう。
    • Uχにて、ダンデライオンが移動したデータの世界は鍵がかけられており、時間移動によって筋書きを変えられないことが明かされている。逆に言えば、鍵がかかっていなければデータの世界でも、そして現実の世界でも書き換えは可能であると示唆されているとも推測できる。上述の時間移動の条件に反しているが、詳細は不明。
      • 事実を書き換えられないというのが 「代償を払わずに変えることは出来ない」ということであるとするなら、新たな世界にキーブレード使いを残せるかという重大な局面であるUχにおいて書き換えをロックしていてもおかしくないかもしれない。また、少なくともデータの世界については、Re:codedのエピソードリプレイのように簡単に筋書きを変えられる。

未来を見た後に元の時代に戻った場合、未来での記憶や経験は無かったことになるが、心に標として残るため無意味にはならない。

  • 青年ゼアノートの標は、茶ローブの男から時間移動を移されたところから、3Dでマスター・ゼアノートが復活するところまでであった。
    • …と思われていたが、KHIIIの時間軸へも彼は時間移動しているため、標はKHIIIまで続いていたことになる。記憶が無くなっていたので多分彼自身も知らなかったのだろう。
  • 青年ゼアノートは未来を見たので標に従い、茶ローブの男となった時に過去の青年ゼアノートへ時間移動能力を与え、青年ゼアノートは未来を見て標を残す。これは「鶏が先か卵が先か」のような標の存在の環ができる為、タイムパラドックスが起こると思われる。
  • 恐らくだが、この「標」というものは「過去は変えられない」の延長だろう。時間移動をした先が未来だろうと時間移動を行った者にとってそれは「過去の出来事」になる。そのため、記憶がなくとも時間移動で見てきた未来に向かって進むことになる、ということではないだろうか。
  • ちなみにこの人は「そもそも時間移動を行わず、自分の目で直接未来を見る」という半ば反則のような方法で未来視を行っている。
  • 標についての言及をまとめると、他にもUχにて、マスター・オブ・マスターが予知書を標としていること、闇がマレフィセントが未来に戻ることで箱舟に乗った者達の標となる、と発言したこと、ラーリアムブレインの助言により「ストレリチアを今度こそ見つけ出す」という思いを標にしたなどの描写がある。また、これはゼアノートの時間移動に関連するのだろうが、DRでは闇の探求者アンセムが青年ゼアノートに「お前が我が標であり私は君の標だ」と発言している。
    • 実際には箱舟に乗った者達はバラバラの時代に飛んでおり、マレフィセントは(判明している限りでは)彼らより未来に渡った上そもそもラーリアム以外とは会っていないので標にならない気もするが、彼女が「彼らが時間移動した」という事実を確認出来さえすればそれが標となるのだろうか?

ゼアノート以外の時間移動

3Dの冒頭でイェン・シッドがマスター承認試験の為に、ソラとリクを過去(KHIの時間軸)のデスティニーアイランドに跳ばしている。
イェン・シッドの魔法による時間移動はゼアノートが使用した手段と同一のものではなく、肉体を持ったまま時間を超えることができるため、元の時代に戻っても記憶も残る。起こる事実を書き替えられないのはゼアノートの時間移動と共通である。

  • 最終的に元の時間に戻るのも共通しているが、こちらは条件(眠りの鍵穴を7つ解放する)を満たすと自動的に元の時間に戻るよう設定されていた。
  • ソラ達の身体が1年前の姿になったのは、生身のまま時間移動させる影響で身体年齢が戻ったのだと思われる。
  • ゼアノートが自分を移動させているのに対してイェン・シッドは他者を移動させている。この場合上述の時間移動のルールがどのように適応されるのかは不明。
    • 一応ソラは人の心のキーブレードで、リクは闇の探求者アンセムによって一度肉体から心が離れている。

KHシリーズにおける時間移動について初めて説明がされたのは3Dでのことであるが、シリーズで最初に時間移動が描かれたのはKHII。
ピートの目の前に現れた扉が過去の世界(タイムレス・リバー)に繋がっており、ピートが起こした過去改変を修正するためにソラたちはマーリンの力によって過去の世界に移動することになる。

  • ピートの時間移動は他の時間移動以上に詳細が不明となっている。

 
大魔法使いであるマーリンによる時間移動は、ゼアノートやイェン・シッドのものと比べるとその力は別格である
時間移動により様々な時代を旅行するのはお手の物、さらにはタイムレス・リバーへと繋がる扉を創り出し、ソラ達を過去世界へと送り出して現在起こっている事象を変更させる(光の礎に力を取り戻しその影響で茨も消し去る)という荒技を行っており、ゼアノートの時間移動に見られる制約が見られない。

  • しかしこれは、マレフィセントがディズニーキャッスルを乗っ取る計画そのものが「あらかじめ失敗すると決まっていた」だけかもしれない。正義は勝つとはよく言ったものだが、真相は闇の中である。
    • そもそも過去への扉を通ったピートが現在を変える荒業をしていなければこんなことは起きていない。ピートの目の前に過去へと続く扉が現れた理由すらわかっていないが、もしかしたらこれこそが「ピートが過去にいって現在を変えたからマーリンが扉を出現させざるを得なくなった→矛盾が起きないため少し前の時間軸のピートの目の前にも過去への扉が出現しピートが現在を変える」という一種のループしたパラドックスなのではないだろうか。もしソラ達があそこで色々やっていたら収集がつかないことになっていたのかも……。

KHIでソラに敗れたマレフィセントは、Uχの時代の『キーブレード戦争後にダンデライオンが追体験をしているデータ世界』に時間移動していた。詳しくはマレフィセントのUχの項にて。

  • マレフィセントはかつてマスター・ゼアノートから時間移動について聞いており、闇の探求者アンセムによって人の心のキーブレードで心の扉が開かれたことで、(心が身体から解放されたわけではないが)「肉体と心を分ける」を満たしたと考えている。

さらに、マレフィセントはその後箱舟を用いて未来であるKHIIの時代に向けて時間移動している。
 
この箱舟はデイブレイクタウンの時計塔の奥に存在し、元々は異空の海へ脱出するために作られたものだが、(Uχ時点では)未完成のまま放置されている。
そのため、箱舟に乗った者はスピードに耐えられず肉体が消滅し心のみが残り、その状態で光速で時間の壁を超えるというものである。
また、越えた先の時代に自分の肉体を形成する媒介と自分を記憶する者が存在すれば、心は再び自らの肉体を形成する。 

  • マレフィセントの場合は、媒介はマントで記憶する者は3人の妖精である。

また、マレフィセント以外にもルシュの運んできた白装束、ラーリアム、エルレナヴェントゥスエフェメラスクルドが箱舟を使って未来へ時間移動をしている。
闇によればマレフィセントが標になったようだが、理由は不明。肉体を形成する媒介と記憶する者についても不明。
そしてブレインも箱舟以外の何らかの手段で未来に渡ったようである。恐らく媒介は未来でシグルドの持っていたブレインの帽子ではないかと思われる。

KHIIIではソラが過去に戻っているが、これは目覚めの力結果的に引き起こされたものであり、時間移動の力を使った、というのとはまた違ったものであると思われる。

KHIIIのエピローグでは予知者達がルシュによって呼び出されているが、これも言及がないものの時間移動によるものであろう。

KHIIIRMでのソラの時間遡行については後述。

Uχでは一度消滅した世界が、ダンデライオン達によって集められた光を標として復活している。これも一種の大掛かりな時間移動…だったりするのかもしれない。

ゼアノートの行動履歴

以下は、マスター・ゼアノートが時間移動を手に入れた経歴を書いている(一部、憶測が混ざっています)
 
【1】:マスター・ゼアノートがテラの肉体を乗っ取り、テラ=ゼアノートになる。(BbS本編)

  • マスター・ゼアノートは心を肉体から抜き出しているため、この時点で時間移動の条件は一応満たしてはいるが、特殊な方法のため、上記で述べたように条件は満たしてないかもしれない。
     

【2】:その一年後テラ=ゼアノートは自ら肉体を捨て去ってハートレス化し、闇の探求者アンセム(=茶ローブの人物)となる。ここで全ての時代のゼアノートが時を超える力を得た状態になる。(3Dアルティマニアのインタビューより)
また、同時に捨て去られた肉体からノーバディのゼムナスが誕生。

  • アイザはアンセムに弟子入りした後、研究者ゼアノートがハートレスになる前の何処かで心を埋め込まれた可能性が高い。
    ここで初めて、テラ=ゼアノート時代以降に心を分け与えた人物が時間移動できるようになったと考えられる。
  • あくまで条件が揃っているだけで、この時時間移動を認知し使用できたのは、『闇の探求者アンセム』ただ一人だけであった。
  • テラ=ゼアノート時に記憶を失い、さらにその状態からハートレス化したのになぜ、過去の自分の元へ行き力を譲渡し、更には3D時に未来のソラたちがやってくることも見越して闇に飲まれる間際のデスティニーアイランドにいたのだろう?
    「標があったから」ではちょっと都合よすぎな気も…。
    • KHIIIのシークレットレポートで、賢者アンセムの心の実験の被験者となったことで、記憶が戻りかけていたことが明かされた。記憶が完全に戻っていなくても、標だけの状態よりは元の計画に沿った行動を取れただろう。

 
【3】:アンセムは過去の自分自身(=青年ゼアノート)がいる時代(BbSより何十年も前)へ茶ローブの姿で現れる。青年ゼアノートに時を超えられる事実を伝え、同時に時を超える力を移す。

  • 「力を移す」という表記は、ファミ通の野村インタビューより。
  • KHIIIにてダーク・リクが、「彼(茶ローブ)はそのまま時の流れに従い 次に俺たちの時代(KHIの時間軸)に現れた」と発言している。全てのアンセムレポートの記述が終わったタイミングから、約10年間後の未来に時間移動していたようだ。
  • 何故アンセムは青年ゼアノートに力を移したのか、その真意は現時点では不明。アンセムは不純物(テラ)が混ざった状態でハートレス化した存在なので、より完璧な計画のために純度100%のゼアノートに力を移したのかもしれない。あるいは、自分が未来で計画を果たせたか確認するための保険なのだろうか…。
    • 未来の自分が残した標によってそのような行動をとったのだろう。
    • 純度100%のゼアノートであれば、旅立つ前のゼアノートよりもキーブレードマスターかつχブレードなどの研究をしていた頃のマスター・ゼアノートの方が話が早かったんじゃ…。
      • 青年ゼアノートに未来を見せ、標を残したからこそデスティニーアイランドに住むただの青年がキーブレードマスターになれたし、闇やキングダムハーツに関する研究をしはじめた結果、あのBbS時のマスター・ゼアノートになったのかも。
      • つまり、青年ゼアノートが時間移動をしなかったら(標を残さなかったら)青年ゼアノートはデスティニーアイランドを出ることなく、普通に年老いて死んでいったというわけか。

 
【4】:アンセムによって時を超える力を移された青年ゼアノートは、その力を使って3Dまでの出来事(具体的にはマスター・ゼアノートが人間として復活するまでの時点、【1】・【2】・【5】~【7】までの過程)を辿り、心に標を残した後、強制的に元の時代に戻される。
この後、心に無意識に残された標により、故郷のデスティニーアイランドを旅立ちマスター・ゼアノートとなり、【1】~【3】を行う事となる。

  • メモリアルアルティマニアでは、「ソラが眠りの深淵に堕ちるまでを青年ゼアノートが見たことが、全ての時代のゼアノートたちの意識に共有された」となっている。
    • つまり、青年ゼアノートが時を超えて見知った出来事全てが、彼の心の無意識下に標として残されたという状態である。3D本編でも、青年ゼアノートが「自分が進むべき道を辿り、こうして今、この時間までを見て知っていたからだ」と発言している。
  • 時間移動の旅の途中でBbSの時代の旅立ちの地に立ち寄り、謎の男として主人と手合せしたと思われる。

 
【5】:時間移動でKHIの時代にやってきたアンセムは、マレフィセント(ヴィラン)を利用して『セブンプリンセス』を集める傍ら、デスティニーアイランドに現れる。この時、未来から来て夢の世界にダイブする直前のソラに異端の印を刻む。
そして青年ゼアノートもこの瞬間に現れ、ソラたちと一緒に眠りの世界に侵入。徐々に現実の世界へと彼らを誘導していく。
 
一方アンセムはその後、この時代のリクに憑依し、徐々に肉体を蝕みながら最後は彼の肉体を完全に乗っ取ることに成功。そして、本来の計画とは別にキングダムハーツを手に入れようと計画を立てていたが、この時代のソラ達に倒される。

  • 魔女(マレフィセント)をそそのかして7つの光の心を集めさせたが、その心をχブレードの作製には使わず人の心のキーブレードを作り、一方で世界の心を無理やり集め、独自にキングダムハーツを得ようとしていた。
    • アンセムレポートを見ると、記憶を取り戻しかけたテラ=ゼアノートに、マスター・ゼアノートの闇に対するこだわりが強く出てしまった結果のように見えるが、BbSのゼアノートレポートで、マスター・ゼアノートは人の心のキーブレードの事や、世界の心を集約する事でキングダムハーツが形成される事を知っている。
      実際、現在の世界では人の心のキーブレードがキングダムハーツに近づく方法の一つであり、χブレードを作るより、セブンプリンセスでしか造れない人の心のキーブレードの方を優先したと思われる。また、ハートレスを製造できるようになり、大量のハートレスを使って世界の心のキングダムハーツを作る手段を手に入れたので、違う角度からキングダムハーツを得ようとしたと考えられる。
    • KHIIFMの予約特典でアンセムとゼムナスについて野村氏が「目的もハートレスとノーバディという性質から手段は違います」と回答しているので、闇や心、キングダムハーツに惹かれるハートレスの性質によるものかも知れない。

 
【6】:ゼムナスはXIII機関を結成。こちらはマスター・ゼアノートの本来の目的である『闇の器』の完成を達成しようとするも、機関員が次々とソラ達に倒されたことで失敗に終わった。

  • 城の地下に眠りの部屋を造っている辺り、マスター・ゼアノートの思惑通りにしか動いていないわけではないようである。テラの影響を受けていたのかもしれない。
    • 機関の目的を果たす傍ら「別の目的」も達成できたと言っているが、こちらはキーブレード戦争の謎を解き明かすため、その手掛かりとなる古のキーブレード使いを探していた事がKHIIIやKHIIIアルティマニアで明かされた。

 
【7】:【4】の青年ゼアノートが3Dの時間軸に現れ、【5】の時に入った眠りの世界で、自身をポータルとして過去の存在をその都度呼び出す。マスター・ゼアノートが復活したため青年ゼアノートが元の時間軸に戻り、それに伴い過去から呼び出していた者達は全員一旦元の時間軸に帰還。
物語終盤、現実の世界に現れ、自身を含めた11人のゼアノートを集結させる。

  • 青年ゼアノート以外の者が「全員時を超えてきたわけではない」(3Dアルティマニアインタビュー)。つまり、人間として復活し、再ノーバディ化したメンバーもこの場に集っている。
    ハートレスとノーバディが倒されたため、人間としてマスター・ゼアノートが円卓にて復活。ここまでがマスター・ゼアノートにとって決まっていること。全く同一の存在同士が長く同じ時代にいることはできないルールがあるとすると、ここで青年ゼアノートは役目を果たして過去に戻り、残された標により無事に島から旅立つのである。
  • このとき老人の姿で復活したのは、研究者ゼアノートが体に二つの心(正確には三人)が入っていた特殊な状態でハートレス・ノーバディになったためと考えられる。KHIIIのアルティマニアにて、テラはテラとして体を取り戻していたが、心が闇に囚われていたため実質抜け殻状態であったことが明かされた。

【8】:過去に帰還した者達は程なくしてKHIII時間軸に用意されたレプリカに(テラ=ゼアノートのみ「復活したものの心が閉じ込められていたため抜け殻となったテラの体」に)心を移動。またサイクスの計画によりシオンも同様の方法で時間移動し、真XIII機関が結成されて現実世界での活動を始める。


彼がこのような非常にめんどくさい方法をとったのは、χブレードに対する異常な執着心からなのだろう。
BbSでの失敗を活かして、「やっぱり自分が一番信用できる」とでも思った結果、自分をいっぱい集めればいいという極論に達したのだろう。

  • 極論すぎて滑稽な様にも見えるが…。天才ゆえに、考え方も他者とは異なるといったところか。
  • 仮にその結論故の真機関結成であるのなら、KHIIIで自分の心を植えつけただけの他人はおろか、ほぼ自分であるはずの闇の探求者アンセムすら背信行為を行っているという大失敗としかいいようがない有様であった。
    実際、彼の片割れのゼムナスも、「機関に選んだ者は我らの目的に適わなかったが、それも想定していた」と言っている。
  • 単純に一生の内に自分の他に12の闇の心を持つ者を集めるのはかなり難しいので12人の都合のいい器を用意するために時間移動を使ったのではないだろうか?純粋な闇の心を持つ者はヴァニタスのみだがこれは特殊な例であり、人の心の闇を分離するのが至難の業なのはアンセムレポートに書かれている通りである。後はハートレスだが、強固な自我を保ったハートレスは闇の探究者アンセム以外に例がない。マールーシャもマスター・ゼアノートは中身には興味が無いという趣旨の発言をしているし、なにより結果的にマスター・ゼアノートの狙い通りキーブレード戦争は再現されたので「大失敗」とは言いがたいだろう。

考察

とにかく、時間移動は3Dにおける最大の謎。時空関連が出てくると、色々ややこしくなるのはどのジャンルでも一緒のようだ。
青年ゼアノートは、「これ以上先の時間は見れない」、「もうすぐ俺も本来の時間に戻る」などと言っていたため、この先の時代において青年ゼアノートが現れることはなく、それに伴い時間移動も行われないと思われていたが、レプリカ計画の完成によりそれは解決してしまった。


呼び出された過去の存在が倒されたとしても、過去の身体ごと本人が来ているわけでなく当時の心だけを分けて現在に移動させているため、過去に遡ってその存在が消えるといった事態は起こらない。

  • 未来で分けられた心が倒されて消滅したとしても、残った心が本来の時間での役割を果たすため、起きた事実が書き換えられることがないのだと思われる。
    • ただし、KHIIIではヤング・ゼアノート(青年ゼアノート)の心は倒された際に本来の時間に戻っている。
      • これは、ヤング・ゼアノート=マスター・ゼアノート以外は過去作で倒されているため、現在の時間軸に本来の時間軸の存在が存在していないことが理由かもしれない。

また、時間移動で連れてくることができる同じ存在は一人までと今のところ考えられている。

  • 呼び出すポイントを更新し続けたとしても、存在自体が安定しないだろうし、過去の人物に今までのことを説明する必要も出てくるため、そのような方法は取らなかったのだろう。

ゲーム内の台詞から推理すると、超えた先の時間軸に「全く同一の存在がいる場合」、時間の流れに従うことになり、時間移動してきた存在は元の時間に戻されてしまうようだ。

  • 全く同じ存在というのは、心と体と「魂」が同じ人物だと考えられる。

まず、ソラとリクの場合は、故郷が闇に飲まれる直前に跳ばされ、その後に眠りの世界に入ったため、時間の影響を受けることはなかった。
青年ゼアノートの場合、彼がポータルの役割を果たして過去と現在のゼアノートたちを、その都度呼び出していた。最終的には、存在しなかった世界があやふやで特殊な場所であることを利用して、ゼアノート軍団を一ヶ所に集め目的を果たそうとする。そこに青年ゼアノートと「全く同一の存在」であるマスター・ゼアノートが帰還。
彼が帰ってきたことにより時間の流れが戻り、青年ゼアノートは旅立つ前まで戻らざるを得なくなり、彼がいなくなることで時間移動の力で引き連れてきた者たちは、それぞれの場所に帰ることになったのではないかと考えられる。

  • 過去の存在じゃない奴らが消えた理由は不明。ただでさえ不足が出ていた真XIII機関員からさらに欠落を出さないためだろうか。

青年ゼアノートの「これ以上先の時間は見れない」や、シグバールが「もう時間がない」と言っていた理由はこのためだと考えられる。

  • 未来を見に行ったとしても、強制送還させられるために意味がないといった方が正しいだろう。

 
その後、KHIIIで青年ゼアノートとマスター・ゼアノートが同時に存在しているが、これは3Dの時点では青年ゼアノート達過去から来たメンバーは心のみの状態であり、肉体は元の肉体判定、KHIII前に再度時間移動した後、レプリカに入ったことで青年ゼアノートの肉体はレプリカ=肉体が別判定になったのだと考えられる。


時を超える条件に肉体を捨てるとあるが、現状であればソラ以外にも、一度ハートレスとなった人物やノーバディから人間に戻った機関員も条件を満たしていることになる。
実際に時間移動できるのかは不明だが、もし出来るとしても、時を越えられることを『自覚』しなければならず、仮に時間移動を使ったとしても、上述の仮説が正しいならばすぐに元の時代に戻されてしまう。

  • なにしろ時を超えるときにその先に「自分」がいなければいけないが、全くの同一人物がいたら元の時代に逆戻りするため、かなりの難関である。如何にマスター・ゼアノートが巧妙な策士か、おわかりだろう。
  • ソラの例で言えば、ソラがハートレス化したわずかな時間、心が眠っている状態のロクサスの時代くらいが時間移動できる期間にあたるだろう。
    • ゼアノートに種明かしされたため、ソラも『自覚』は一応していることになるのだろうか。気づいていなくても驚かないが。

このように複雑かつ難解な条件になったのはKHIIIで歴代のラスボス大集合の演出をしたかったためなのだろう。具体的には以下のように考えられる。

  • 「全く同一の存在」については闇の探求者アンセムやゼムナスなど歴代悪キャラを勢揃いさせるための条件。これがないとわざわざ呼び出さなくても1日前のマスター・ゼアノート、2日前のマスター・ゼアノートといった具合に一時的にでも13人のマスター・ゼアノートを集めればよくなってしまう。
    • KHIIIのように何体もレプリカを用意すればいいのでは?という疑問が浮かぶが、おそらくレプリカ同士は「同じ肉体」判定になると思われる。
  • 「過去の出来事を変えることはできない」「時間移動から帰還したあとその記憶をなくす」
    これについては言わずもがなタイムパラドックス防止かつ、後付け故の設定か。

KHIIIRMにおけるソラの時間移動について

KHIIIRMではソラが過去に遡行したが、この時についてチリシィの助言と照らし合わせて考える。

  • 最初に肉体を捨てなければならない。そして、心だけの存在しか時間を超えることができない。
    • 方法は不明だが、ソラは心のみの存在となって過去に戻ったようである。また、時折肉体を復活させて行動することもあるが、「自分を記憶している者」に関しては7人の光の守護者を媒介にしているのでクリア。「自分の肉体を再形成するための媒介」に関しては不明(これに関しては目覚めの力を使っているのかもしれない)。また、その際同一のソラが同時に存在しているような気もする(あまつさえスカラ・アド・カエルムでは遡行したソラが本来の時間軸のソラを視認している)が、これもどうクリアしたのかは不明。考えられる可能性としては、「本来の時間軸のソラが遡行してきたソラを認識さえしなければいい」「遡行したソラは代償を払いかけており、肉体が現世から消滅しつつあったため本来の時間軸のソラと同一人物判定されない」などだろうか。
  • 時を超えた先にその時間軸における自分(の心)が存在しなくてはいけない。
    • ソラは「テラ=ゼアノートと相対する直前の自分」の元に移動した。時間遡行したソラは心のみの存在になっているため、同一人物判定されなかったと思われる。
  • 超えた先からは時間の流れのとおり一方向にしか進めない。
  • その時間で起きる事実は書き換えられない。
    • チリシィの「でも これは前のような書き換えはできない」「どんな理不尽な出来事も受け入れて進むしかない」という説明がこれらに該当すると思われる。
      • ただし、一見この説明では「カイリの消滅」は避けられないように思われる。これについては、チリシィの「キミの心が過去に戻ったこと自体 元々起きていたことなんだ」という言及がある。つまりこの説明によれば「ソラが過去に戻って光の守護者の心を渡りカイリを救う」という事実は既に確定しており、「書き換えにはあたらない」ということになる。

マーリンの時間移動について

少し話はズレるが、エヴェレットの多世界解釈という理論がこの世界には存在する。タイムトラベル等の話でそれなりに見かけるものだったりする。
結論から言うと、ソラ達はパラレルワールドであるもう一つの元の世界にそっくりな世界に移動しただけで、元の世界のディズニーキャッスルは救われていない可能性がある。
歴史というのは必ず一本の線であり、誰かが介入した場合、「誰かが介入した歴史」として歴史に書き込まれているはずである。
 
例えば、ドナルドがある日突然消えた。ソラ達は過去に行って調べたがどうやってもドナルドが消える。
ならば、「消える前にドナルドを保護する」といった行動を取ったとする。この場合犯人は保護したソラ達ということになる。
これは突拍子も無いたとえ話だが、ドナルドが消えた理由がソラ達が介入した為、であり、この様に歴史が一本の線として描ける事を理解して頂きたい。
 
これを踏まえると、光の礎の辺り一面がいばらで包まれる。これは明らかにおかしい事なのである。
歴史というのは過去に起こった事である為、未来とは違ってすでに確定してしまっている。
ソラ達はマーリン様に助けを求めに行くが、この時点で歴史の中ではソラ達はお城を救ったことになっているのだ。そうなってくると、何故イバラが消えていないのか?という疑問が生まれる。
ゲーム中では、プレイヤーが過去を救っていない為、と解釈出来るが、タイムラインとして整理すると、こういった齟齬が出てきてしまう。設定的なものではなく、タイムトラベル系のファンタジーもの全てに言える事なのだが。

  • ただし、例えば何年何月何日何時何分からいついつまでの間、光の礎周辺がいばらに包まれると言うのが歴史であると解釈すれば、一応の説明は付く。

 
そう考えると大まかに二つの答えが導き出されてくる。

  1. KHシリーズにおける時間移動とは、エヴェレットの多世界解釈等の理論を基にした、パラレルワールド間を移動するものである。(歴史改編でパラレルワールドが分岐するタイプ)
  2. KHシリーズにおける時間移動とは、過去と未来を繋げた時点でリンクが発生し、未来で1秒経つと、繋げた過去が1秒進む。(歴史改編の進行にしたがってその後の歴史や未来に反映されるタイプ)

もちろん、これらとは全く違う、「ファンタジーだから」という身もふたもない答えだって存在はする。

  • 「予知書」の存在があるため、誰がいつどこで時間移動する、というのも決まっているのかもしれない。