試合展開を問わず、極端に小刻みな中継ぎ起用を揶揄した蔑称のこと。
横浜ベイスターズがその発祥で、1998年の同球団日本一の原動力にもなった「マシンガン打線」とかけている。
概要 
マシンガン継投が発生する理由は「序盤で降板してしまう先発投手」「ロングリリーフ要員不足」の二点が基本的な原因で、加えて「監督の左右病*1」も影響がある。
大矢明彦監督が生みの親であるが、後任の田代富雄・尾花高夫両監督にも受け継がれた。
本家マシンガン継投の極致は尾花体制2年目の2011年である。
先発陣の不調、ブレント・リーチの帰国、故障続きで手薄になった中継ぎに先発要員の加賀繁を投入、左のワンポイントである篠原貴行・大原慎司の活躍などの要素も絡み、144試合で述べ664人を登板させ登板年間最多登板人数記録を更新し、大原は当時の新人登板数タイ記録となる71試合に登板することとなった*2。
例:2011年5月3~5日 対広島東洋カープ3連戦 
日付 | 勝敗 | 人数 | 出場投手 |
5/3![]() | 負け | 5人 | 高崎(5回)-真田(1回)-加賀(1/3回)-篠原(2/3回)-江尻(1回) |
---|---|---|---|
5/4![]() | 勝ち | 8人 | 三浦(1回)-眞下(3回)-篠原(1回)-加賀(1回)-真田(1回)-大原慎(1/3回)-江尻(2/3回)-山口(1回) |
5/5![]() | 負け | 6人 | ハミルトン(2回)-阿斗里(1回)-加賀(1回)-篠原(1回)-大原慎(1回)-佐藤(1回) |
「投手コーチとして数々のチームを立て直してきた尾花がマシンガン継投などするはずがない」と予想する声が多かったため、監督として素人のようなマシンガン継投を乱発した事は横浜ファンに大きな衝撃を与えた。
その後 
尾花の後任である中畑清監督はマシンガン継投を採用せず、先発を少しずつ強化しながら無難な継投策を採用して中継ぎの負担を軽減させた。
さらに後を継いだアレックス・ラミレス監督も中継ぎの負担軽減に努めていた。
一方、尾花は2012年から読売ジャイアンツの投手コーチに復帰すると、横浜監督時代と同じようなマシンガン継投を行うようになる。
そして2016年CSファーストステージでは巨人とDeNAが激突するが、DeNAが勝利した。
なお、ラミレス監督は2017年CSファイナルステージにて短期決戦用に投手を大量に注ぎ込み、チームを日本シリーズ進出に導く。
スポーツ新聞各紙が従来の使われ方とは真逆の意味で「マシンガン継投」の言葉を使っている。
ちなみに2018年の完投はわずか2回(うち1つは雨天コールドのため実質1回)、QS成功率はリーグ最低となっているためシーズン序盤から継投を多用しており、所謂「便利屋」の登板数が跳ね上がる*3現象も見られていた*4。
最終的に2018年のチーム総登板数は143試合で647と2011年に匹敵する数字を叩きだし、マシンガン継投は時を超えて復活する形となった。*5
翌2019年のDeNA救援陣の不振はここ数年の勤続疲労との声もあるものの、ラミレス政権下では下記のブルペン改善もあってか数値の割にかつてほどの犠牲者を出していないこと*6、勝ちが増えると必然的に中継ぎもある程度酷使されがちになること、何故か丁重に扱っていたはずの先発の方が先に離脱する現状や*7、先発が試合を作れずに早々に降板することが頻発し必然的に中継ぎに頼らないといけない状況に陥ったりするなど*8、ほとんど勝てなかったのに何故か中継ぎが酷使され続けた大矢・尾花時代のマシンガン継投とは異なるとの意見が多い。
余談 
マシンガン継投の弊害としては、特に登板が多かった選手のケガを誘発したり選手生命を縮める事態になることが挙げられる。中継ぎ投手は短いイニングであっても肩を作るためにブルペンで投げ込みを行う必要があり、登板の可能性があって投げ込んだものの実際には登板しないことも多々ある。
先述の加賀や大原を始め真田裕貴・江尻慎太郎・吉原道臣ら継投に組み込まれていた投手は後に大幅な成績低下やケガなどに見舞われ数年のうちにキャリアを終えており、2018年に加賀が引退したことで残る主要投手は当時抑えということもあり登板機会の少なかった山口俊(巨人→ブルージェイズ)のみとなっている。
後にマシンガン継投の当事者の一人である篠原貴行*9・同様に中継ぎとして酷使された木塚敦志*10が一軍投手コーチに就任すると、自身の経験もあってかブルペンワークを大幅に改めており、投手陣の消耗を出来るだけ減らしているようである。