武器/アイゼンリッター

Last-modified: 2023-11-15 (水) 15:49:27

MHP3、MHX(X)に登場するガンランス。

目次

概要

  • 武器銘である「Eisen(独語:鉄)・Ritter(独語:騎士)」の名の通り、
    その全身を鋼鉄で構成されたガンランス。無属性。
    かつてはインペリアルガーダーから派生していただけあり、
    ガンランスとしてはオーソドックスながらも珍しい銃剣型。
    無駄な装飾のない、シンプルで無骨なデザインには定評がある。
  • 意外にも最新鋭の技術が使われており、たとえ千年雨風にさらしても風化しないという。
    その特性を実現するためか、大量の稀少鉱石を必要とし、完成時期も相応に遅い。
    • 最終形の銘に含まれる「ソルバイト」は金属組織の一形態を指す。
      これは硬度よりもショックに強い靱性(粘り)に優れるのが特徴。
  • 初登場のMHP3においては多くのガンランサーを驚かせた武器でもある。
    決しておかしな形をした武器の類ではないのだが、その登場の仕方に注目が集まった。

MHP3

武器名攻撃力属性値会心率スロット斬れ味(匠)砲撃レア度
アイゼンリッター2000%○‐‐緑(青)通常型LV2RARE4
アイゼンリッター改210○○‐緑(青)通常型LV3RARE5
ソルバイトバースト230緑(青)RARE6
 
  • 前述した通りインペリアルガーダーの派生強化から入手可能のほか、
    工房からの一発生産にも対応している。作成可能時期は上位昇格直後。
    一発生産では火竜の骨髄が必要となるが、派生では火炎袋でよい。
    • なお、この系列からの派生先はない。それだけ複雑な構造なのだろうか?
  • 主な素材はカブレライトやユニオン、獄炎石などの上位鉱石。
    上位のモンスター素材は赤熱した堅胸殻だけなので、
    確率と手法に悶絶しなければイベクエ経由にて上位序盤で“改”まで強化可能
    (イベクエにも堅胸殻を持つ上位アグナコトルはいるが、無茶な深追いは逆効果か)。
    とりあえずの繋ぎには最適なコストパフォーマンスがウリといえる一本だろう。
  • 最終強化のソルバイトバーストは長大な緑120ゲージが大きな特徴だが、
    攻撃力で上を行かれるアペカムと差別化を計るならば、匠発動時の青50も着目したい。
    経戦能力は高めで、攻撃力245青ゲージ時の威力は攻撃力225の白ゲージに近く、見劣りしない。
    斬れ味消費の優しい通常型なのもポイント。
    • 直接的な対抗馬はプラチナクラウン
      匠発動時の比較では若干威力に劣るが、最大火力の持久力ではやや勝る。
      作製難度の低さやスロ2の長所を含めると、総合的にコチラが優位だろう。
      白金冠と同じく王牙銃槍【火雷】の壁が厚いとはいえ、
      ノリに乗っている主役武器と比較するのも酷というもの。せめて雷属性の有効性は意識しよう。
  • こうして分析すると、決して強すぎた訳でも弱すぎた訳でもなく、
    あくまで平均的で性能とコストのバランスが程良い武器である。
    驚くような武器ではないと思われるだろうが、問題は性能などではない。

驚かれた原因

  • ここまで読み進めたガンサーな読者は薄々察しているかもしれない。
    シンプルかつ無骨な銃剣型の鉄製銃槍で思い当たる節はないだろうか?
アイゼンリッターの正体

MHP3が発売される以前にはアイアンガンランスというガンランスが存在したのだが、
このアイゼンリッターとアイアンガンランスのデザインは完全に一致する
つまりは名前違いで同グラフィックの武器なのだが、
初期装備扱いのアイアンガンランスとは違い、コチラは上位からの作成となる武器。
経験者にとって「初期武器が最終形になる」という妙な感覚に襲われた武器なのだ。

  • これだけでも充分奇妙な話だが、
    派生元の源流である討伐隊正式銃槍との関わりも深く、
    元々討伐隊正式銃槍はアイアンガンランスから強化され作られる武器である
    この立場が逆転してしまったおかげで、
    素材を費やして強化した筈なのに外装がボロボロになる事態が発生している。
  • その役割をユクモノ銃槍に取って代わられた影響もあるとはいえ、
    かつて初期装備だった立場の武器とは思えぬ、この派生と登場は賛否が分かれる。
    「使い込んだ証」だと言い聞かせつつ武器の無骨さを愛でる者がいれば、
    せっかく討伐隊正式銃槍に施された装飾を剥ぐ職人の感性を疑う者もいたとか。
    …ところで、この二本の立場を逆転させる必要なんてあったんですかね?
  • そんなこんなで誠密かに話題にされていたアイゼンリッターだが、
    MH3Gから旧作とほぼ同様の派生ツリーに戻ってからは登場せずじまい。
    結局アイゼンリッターはユクモ村の技術と趣向で作られた可能性が深まることに。

MHX

性能補足
武器名攻撃力属性値会心率スロット斬れ味(匠+2)砲撃レア度
アイアンガンランス LV1700%‐‐‐黄70(緑20)通常型LV1RARE1
アイアンガンランス LV280緑30(緑80)
アイアンガンランス LV3100緑40(緑90)
アイアンガンランス LV4110緑60(緑110)
アイアンガンランス LV5120緑80(緑130)通常型LV2
アイアンガンランス LV6150緑100(青20)
アイアンガンランス LV7180緑150(青40)
アイゼンリッター LV8230緑170(青50)通常型LV3
  • そういうことでユクモ村が再登場したMHXでは見事復活。
    今作ではアイアンガンランスの最終型として扱われているので、特にツッコミ所はない。
    ユクモ村の職人のしたり顔が目に浮かぶ。
  • 装飾品スロットが消失したこと以外はMHP3時代と同様だが、
    MHXではスキルの面も含めて環境が大きく変化したので、実際は似て非なるものと言える。
    特に匠スキルの負担が非常に大きくなっており、他のスキルと合わせた発動が困難。
    優先させたいスキルの多いガンランスにとっては厳しい環境である。
    そこで、今作では改めてアイゼンリッターの持つ緑160に着目。
    得意の緑ゲージを活かせる鈍器使いが選択肢に上がってくる。
  • 緑ゲージ時の鈍器使いと力の爪と護符を含めた攻撃力は260
    そこに斬れ味補正(緑:1.05)を掛けた場合273となる。
    この273を他の斬れ味補正で換算すると、
    青ゲージ時(÷1.2)の212.5、白ゲージ時(÷1.32)の191.8181に相当する*1
    MHXでは素の斬れ味で該当する期待値となる属性武器は持続力に難があるので、
    無属性ながらも物理面で属性武器に追い抜かれる事は少ない。
    ただし、次点の期待値では総合力に優れた競合相手が現れる。詳しくは後述。
  • 匠の発動が難しいMHXでは素白武器の需要がより増しており、
    轟銃槍【虎砲】夜銃槍【残月】叛逆銃槍ロドレギオンのほか、
    一部の二つ名武器など、素白を持つガンランスは意外に数多い。
    しかし、これらは(多少の差違はあれど)ゲージ維持に業物の活用は必要不可欠であり、
    運用上重要なスキルが存在する点については鈍器と五分五分といえる。
    期待値には多少の差は生じるが、最大火力の持続力を考慮すれば一様に劣ってはいない。
    …とはいえ、期待値以外にも考慮すべき点は多いことを忘れないように。あくまで相対的に高いのである。
    • 素白の無属性との比較では最大火力のゲージ量で対抗出来るが、
      素の青ゲージの長い攻撃力220との比較では些か遅れを取りやすい。
      そこで、ここでは鈍器使いと業物の副次的な利点を考える必要があるのだ。

鈍器運用の利点と候補

  • あまり知られてないが鈍器使いと業物には併用しやすいスキルにも違いがあり、
    ガード性能や砲術師を同時に発動させるのであれば鈍器使いの方が有利に働く。
    これはMHXには砲術やガード性能を持つ業物防具にはスロットが存在しないので、
    クンチュウSアカムトRケマルを活用出来るならば鈍器の方がスロットやスキルの値を稼げるため。
    防具のパターンは限られるが、ガンランス用装備を組む上では合理的な点も多い。
    これは他の武器で鈍器運用する上でも同様なので、頭の片隅にでも留めておこう。
    • いわゆるガンランスの基本的なスキル構成を組みやすい利点になるのだが、
      今作は四種の狩猟スタイルが導入された関係も含めて多様性が更に増している。
      便利だが、必ずしも鈍器運用が一般的とは言い切れない事情は多いの事実である。
      候補の防具がビジュアル的に好みが割れがちなのも原因かも。
    • 本作はグラビモス亜種みたく大部分の肉質が極端に硬いモンスターは少ないので
      無茶をしなければ斬れ味補正が緩いが故の弾かれやすさは軽視できるのもポイント。
  • 長い緑ゲージを持ち攻撃力273(鈍器爪護符込)を発揮するのはアイゼンリッターのみ。
    しかし、次点の期待値から鈍器運用に向いた候補を選ぶ選択肢も当然あり、
    アイゼンリッターの性能に近く、物理面以外で優れた点を持つ候補も幾つか存在する。
熔解銃槍ヴォルガノス
攻撃力220, 会心率0%, 通常型LV3, 火20, スロット2
スキルと爪護符を含めた値は262.5
期待値はワンランク落ちるものの、それでも青の倍率200に相当する。
属性値は高くはないが低すぎるわけでもない。相手を間違わなければ属性も活きるだろう。
同じ属性のアグナ=マグマには属性値で劣るものの期待値ではコチラが勝る。
武器スロットを含めてスキル自由度にも優れるので、色々と融通が利きやすいのも利点。
天嵐ノ銃槍【春茜】
攻撃力240, 会心率-20%, 放射型LV3, 水16
スキルと爪護符を含めた期待値は269.325*2
重めのマイナス会心がアイゼンリッターを若干超える攻撃力の足を引っ張るが、
それでも期待値はアイゼンリッターと大差はない。余程でない限りは問題ないだろう。
長い緑ゲージを持つ放射型ガンランスの中では一番期待値が高い武器なので、
低い水属性は割り切って放射型アイゼンリッターとして扱う発想もある。
それがアマツマガツチの武器らしい扱い方かはともかく。
グロボブルトゼタ
攻撃力220, 会心率5%, 拡散型LV4, 防御力+10
スキルと爪護符を含めた期待値は265.781*3
上記二種とは違って属性を持たない完全な無属性武器だが、
代わりにMHXでは数が限られる砲撃LV4を持つ貴重なガンランスである。
拡散型の中でも最も期待値と持続力のバランスに優れているので、
誤差程度の会心率や防御力補正を無視しても独自性は築いている。
セット可能な狩技の多いストライカーと相性抜群な二つ名武器効果も見逃せない。
  • 比べてみれば独占した立場とは言い難いアイゼンリッターだが、
    クセがなく相手や使い手を選ばない性能なのは相変わらずといったところ。
    比較的上記の候補より作りやすく、専門外のプレイヤーにも優しい。スタイルや狩技の融通も利く。
    スロットが無いのが残念だが、一般的なガンランス装備を組むのならばどうにかなるだろう。
    • ご丁寧にも今作ではイベント枠で上位火山の採取クエストが用意されているので、
      上位攻略としての繋ぎとしても大分使い勝手が良くなっている。
      ただ、やはり最終強化は赤熱した堅胸殻と勇気の証Gがストッパーになる。割り切りも大切。
  • 総評すると「永遠のビギナーモデル」と言うべき安定感を持つ一方で、
    MHXにて数が多くなりすぎた最終武器達の選定も行う試験官のような存在ともいえる。
    派手さを取り払って実力を示すその様はいぶし銀と呼ぶに相応しいだろう。

鈍器スキルの仕様変更後

  • MHXXにて密かに倍率加算から倍率乗算の効果に改められた鈍器スキルだが、
    主力となる緑ゲージ時の補正が約1.1倍と中々に強力。
    これによりアイゼンリッターの(爪護符を含めた)実質的な攻撃力も269.5に変わり、
    斬れ味補正を考慮した期待値は282.975ほど。ライバルであった攻撃力220の青ゲージを超えた。
    …どころか、この期待値は攻撃力200の白ゲージと殆ど変わらない数値である
    会心率を考慮すると凌駕しきるとは言い難いものの、その威力は二つ名武器に匹敵しかねない。
  • G級の解禁により上位ランクが通過点となったMHXXにとって、
    下手に装備を揃えるよりもクンチュウ防具と共に上位を駆け上がる選択肢がバカにできなくなった。
    弾かれやすい弱点はあれども、これからMHXXを始めるプレイヤーは末長く扱うことになる…かも。

MHXX

性能補足
武器名攻撃力属性値会心率スロット斬れ味(匠+2)砲撃レア度
アイゼンリッター LV9260-0%---青20(白10)通常型LV3-RARE1
アイゼンリッター LV10330青50(白30)
ソルバイトバースト LV11360青60(白40)通常型LV4
  • MHXXからはG級の解禁によりLV9以降の強化段階が追加される。
    相変わらず斬れ味はイマイチだが、高い攻撃力は健在。
    更に今作では斬れ味紫の攻撃力補正が弱体化した影響で斬れ味白武器の地位が相対的に向上。
    匠有りのソルバイトバーストの物理期待値も495と、
    匠2で斬れ味紫を備えた他のガンランスに匹敵する数値であり優秀。
    強化された通常型砲撃によるFBと長い斬れ味白の相性も良い。
    突きと砲撃の両立した立ち回りは、オーソドックスなガンランスとしての姿を体現している。
    • 初期装備仲間である歴伝竜骨銃槍との差別点は匠で発生するゲージの割合。
      あちらは匠+1で僅か白5、匠+2でも紫20白10とストイック極まる水準なので、
      安定を取るならこちらにも意義がある。
      武器スロないのに斬れ味管理にスキル二つも使う時点で五十歩百歩のような気もするが。
  • アイゼンリッターLV9への限界突破はG★1からできるため、G級初期から攻略用としても使えるが
    素の斬れ味はずっと青のままなので、匠装備が用意できない時期は辛いかもしれない。
    装備が整えづらい序盤中盤の攻略では他のガンランスの方が扱いやすいのが実情。
  • 製作難度はやはり低く、少しの採取素材と火竜の靭尾、赤熱した重胸殻を使う。
    勇気の証XXも必要だが、G★4バルファルクで確実に入手することになるため問題ではない。

MHR(:S)

  • アイアンガンランスIIからの強化で入手可能。
    アイアンガンランスがWorld仕様の見た目になったことに伴いアイゼンリッターもそれと同じ見た目になっている。
  • 強化時期が下位後半であったり上位になると討伐隊正式銃槍に強化されるなど、
    これまでのアイゼンリッター系列とは違い強化途中の中間素材的な役割となっている。
    名前こそアイゼンリッターだが役割的にはスティールガンランスのそれである。
  • 百竜武器の外装変更や武器の重ね着にてこのアイゼンリッターの見た目ももちろん使用可能なので、
    強力な武器に使用して往年のアイゼンリッター系列を偲ぶのも一興か。

余談

  • 強化後の武器が強化前に戻るような登場で驚かせたアイゼンリッターだが、
    意外にもこのような立場関係の変化が起きたのには前例がないわけではない
    一例として大剣ではアイアンソードとカブレライトソードの形状は一致するのだが、
    これらの相違点はバスターソードの強化前(初期武器)と強化後(上位武器)であり、
    作品によってはバスターソードが初期武器に祖先帰りしてしまう現象が起きるのである。
    アイゼンリッターとインペリアルガーダーの関係もこれに近い事例と言えるが、
    やはり強化前と強化後のイメージが強すぎたのが違和感と賛否を呼ぶ結果となったのだろう。
    • 後に「アイアンガンランスの上級武器」というコンセプトはジェネラルパルドに移り、
      ユクモ村の再登場を迎えるMHXまで永い眠りにつく事となる。
      もっとも、武器としての性能は似るようで似なかったのだが。
  • MHXにおける鉱石武器の最終性能は各近接武器種ごとにほぼ共通しているのだが、
    アイゼンリッターだけは(スロット数以外は)ほぼ同様の性能をMHP3時代でも有していた。
    …ひょっとしてMHX産鉱石武器はソルバイトの技術を流用したのだろうか?

関連項目

武器/鉱石武器
武器/アイアンガンランス
武器/覇銃槍アペカムトルム - 同じく緑運用のガンランス。しかし実際は対極的な性能を持つ。


*1 爪護符の倍率(+15)は差し引き済み
*2 式:270×1.05×(1+0.25*ー20/100)
*3 式:250×1.05×(1+0.25*5/100)