クラース・ホルン級駆逐艦 一番艦 クラース・ホルン
性能諸元
性能諸元の数値は、アップグレード・基本特性・艦長スキル・ブースター・迷彩などの補正がかかっていない素の状態の数値を入力してください。
部位ごとの装甲厚や散布界など、ゲーム内には載っていない情報は将来ゲーム内で見れるようになる可能性があるので暫定で0や0-1などとする
・基本性能
Tier | 3 | 種別 | ツリー艦艇 |
---|---|---|---|
艦種 | 駆逐艦 | 派生元 | Romulus |
国家 | ヨーロッパ | 派生先 | Visby |
生存性 | 継戦能力 | (A) 7,900 (B) 8,000 | |
装甲 | 7-10mm ・艦首・船尾 10mm ・上部構造 10mm ・主砲 7mm ・重要区画 10mm | ||
機動性 | 機関出力 | 26,000馬力[hp] | |
最大速力 | 37.8ノット[kt] | ||
旋回半径 | 500m | ||
転舵所要時間 | (A) 3.0秒 (B) 2.1秒 |
隠蔽性 | 通常 | 主砲発砲時 | 火災発生時 | 煙幕内からの主砲発砲時 | |
---|---|---|---|---|---|
海面発見距離 | 5.7km | 8.5km | 7.7km | 2.0km | |
航空発見距離 | 2.8km | 5.2km | 5.8km | - |
射撃管制装置 | 艦体 | モジュール | 主砲射程 | 最大散布界 |
---|---|---|---|---|
A-B | mod.1 | 8.5km | 0m | |
mod.2 | 9.3km | 0m |
主砲 | 艦体 | 口径 | 基数×門数 | 最大ダメージ(火災) | 装填 | 180度旋回 |
---|---|---|---|---|---|---|
A-B | (前期)120mm/45 Bofors M1924 | 3基×1門 | HE弾 1600(7%) AP弾 2000 | 6.5秒 | 22.5秒 | |
(後期)120mm L/45 Bofors M1924 | 2基×1門 1基×2門 | HE弾 1600(7%) AP弾 2000 | 6.5秒 | 22.5秒 |
魚雷 | 艦体 | 口径 | 基数×門数(片舷) | 最大ダメージ(浸水) | 装填 | 射程 | 雷速 | 発見 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A-B | 533mm 3連装 | 2基×3門(門) | 6200(92%) | 55秒 | 8.0km | 60kt | 1.4km |
対空砲 | 艦体 | 口径 | 基数×門数 | 秒間平均ダメージ | 射程 |
---|---|---|---|---|---|
A | 40mm/39 Vickers M22 | 2基×1門 | 11 | 2.0km | |
B | 40mm/60 Botors M1936 | 2基×1門 | 15 | 3.5km |
・アップグレード
スロット0 | スロット1 | スロット2 | スロット3 | スロット4 |
○ |
1 | 主砲改良2 | +15%:主砲旋回速度 +5%:主砲装填時間 | |
照準システム改良1 | -7%:主砲弾の最大散布界 +20%:魚雷発射管旋回速度 +5%:副砲最大射程 -5%:副砲弾の最大散布界 |
・開発ツリー
軍艦名 (必要経験値/購入クレジット) | モジュールスロット (必要経験値) |
当艦 | ━ | モジュールスロット1 (4,800) | ━ | モジュールスロット2 (7,200) | ━ | モジュールスロット3 (9,600) | ━ | Visby (19,200/-) |
船体 | ||
---|---|---|
Klas Horn 船体B | 17,000 | |
主砲 | ||
120mm/45 Bofors 連装 M1924 | 2,120 | |
射撃管制装置(照準装置) | ||
照準装置 III mod.2 | 2,120 |
・消耗品
搭載可能 消耗品
十字キー左 | |||
---|---|---|---|
応急工作班 | 無制限 | 消耗品の動作時間:5 秒 消耗品の準備時間:40 秒 | |
十字キー上 | |||
エンジンブースト | 2 回 | 最大速度:+8% 消耗品の動作時間:120 秒 消耗品の準備時間:180 秒 |
詳細は消耗品を参照
ゲーム内説明
クラース・ホルン級はスウェーデン海軍の「標準」駆逐艦のひとつであり、1920 年代後半から開始された一連の駆逐艦級の一部でした。これらの艦級に共通した特徴として、高速であり、主砲としてボフォース 120 mm 砲を採用し、533 mm 魚雷発射管を搭載していました。
就役:1932
同型艦艦数:2
解説
- 概要
ヨーロッパティア3駆逐艦。
- 主砲
120mm砲単装3基。B船体にすると艦首砲塔が連装になる。装填時間は7.5秒。
射程は初期管制装置で8.5km、換装して9.3km。素直な弾道で当てやすいが、見ての通りの短射程のためどうしても接近戦を強いられる。
HE弾の火災発生率は7%。
砲塔旋回は全力転舵に追いつかず、後述の機動性をフルに発揮しながら砲戦ができない。随時船体を振り回す必要がある。
- 魚雷
3連装魚雷2基を搭載。ヨーロッパ駆逐の魚雷は高速と低威力が特徴だが、本級の雷速は60ノット。確かに他国の同Tierと比較すると速い方だが、特別高速とは言えない。
装填は55秒、威力は6200。見間違いではない。6200である。6発を残らず当てても戦艦が沈まない。
味方の手を借りるか、早めの装填を生かして流しまくる他ないだろう。幸い射程は8kmあるので隠蔽雷撃が可能である。
- 対空
ヨーロッパ駆逐特有の高い対空性も本級ではいまいち目覚めていない。航空機に狙われるようなら巡洋艦に助けてもらおう。
なお射程は初期船体であれば航空発見距離未満なのでコマンドキーで切る必要はないが、B船体でボフォースに切り替わって3.5kmになり上回る。基本はオフ、見つかってからオンで良いだろう。
- 抗堪性
初期7,900、B船体8000。他国のあらゆる同Tierに負けてしまう。残念ながら修理班は次からなので、後述の機動性で回避に徹しよう。
- 機動性
37.8ノット、旋回半径500m、転舵所要時間初期3秒、B船体2.1秒。非常に軽快に動いてくれる。
本級の要はこの機動力。いかに敵弾を回避するかが肝心である。
- 隠蔽
素で5.7km、迷彩と艦長スキル込みで4.6km。大多数はこの隠蔽で戦うことになるだろう。いわゆる砲駆の隠蔽であり、先手は取り難い。
- 総評
前級と比べて特に魚雷性能の変化が目立つ。本艦からは低威力、高雷速、高浸水率、短い装填時間という欧駆魚雷の特徴が表れてくる。1本あたりが低威力ゆえ一撃の重さに欠けるため、他国の雷駆と同じ運用では活躍できないだろう。味方艦と協力して一度消火器を使って浸水を直せなくなった敵艦を狙って進水させる、高雷速を活かして序盤の遭遇戦で駆逐艦に当てて沈める(全部当てても落とせるかギリギリのラインなので砲撃でも削る必要がある)、などといった動きが必要になってくる。総じて、味方との連携が特に重要な艦と言える。機動性の良さを活かしつつ特殊な魚雷の扱いをここで慣れておき、次のVisbyに備えよう。
史実
クラース・ホルン級はスウェーデン海軍が1920年代後半に計画&建造し、1932年に竣工・就役させた駆逐艦である。スウェーデンは第一次世界大戦(1914)当時、中立政策を貫き中央同盟国側にも共商(連合)国側にも付かず、参戦しなかった。このため第一次世界大戦当時は10隻程度の駆逐艦と30隻弱の水雷艇のみを保持するに留まり、それらの艦艇もやや小型のもので他国海軍の保持している艦艇と比べて非力であった。
第一次世界大戦が終了すると共商(連合)国側に付いた国々は海軍力の増強に努めた事から、いわゆる建艦競争が始まる(その結果1921年にワシントン海軍軍縮条約が締結される事になる)。これによりスウェーデンを取り巻く周辺国の海軍力のバランスも変化したことから、スウェーデン海軍も既存の駆逐艦では能力が不足していると考え「既存艦のほぼ倍の排水量を持つ新型の駆逐艦」を計画した。計画では900トンクラスの平型甲板を持つ船体に120mmクラスの主砲を搭載、魚雷は533mmクラスを搭載するというものであった。この計画は「エレンスコルド級駆逐艦」として実現、1927年に就役した2隻は海軍の要求を満たすものであった。そして「エレンスコルド級駆逐艦」の船体をやや拡大、改良を加えたのが「クラース・ホルン級駆逐艦」である。
本級は1941年9月にストックホルム湾で係留中に爆発事件が発生、大きな損傷を受ける(ホースフィヤルド惨事)。後に修復が行われたがその際に僚艦「クラース・ウグラ」は「クラース・ホルン」に対して修理部品を供給し再建のめどが立たなかった事から修復は行われずに廃艦となった。
小ネタ
本艦が搭載している主砲はボフォース社が開発した120mm砲。とはいえ両用砲として有名な50口径のものではなく…通常の45口径砲であり対空射撃は行えない。またPC版においてはヴィッカース40mm砲もしくはボフォース40mm砲を搭載できるのだが、本ゲームにおいては欧駆の対空能力が花咲くのはまだまだ先なので、今は頑張って耐え忍ぼう。
以下は完全に蛇足なので肩の力を抜いて読んでほしい。前述の「ヴィッカース40mm砲」とは「ヴィッカース QF 2ポンド砲」のことを指す(同じ名称でも戦車搭載のは口径こそ同じだがオードナンス社製であり薬莢長に炸薬量から全く異なる別物)。この砲は元々が歩兵砲であったものを深く考えずに水上艦艇用に転用しているので、砲弾の初速は遅いし弾道は山なりで曳光弾も無いなどそもそもの部分で水上艦艇用としてはあまり向いていなかった。とはいえ、同規格の砲弾が第1次世界大戦中に大量に製造され余剰しまくっているので海軍としては「貰えるなら何でも」といった感じだったのだろう。ところが実際に海軍用として納入された製品を使ってみるとびっくり仰天、動作不良が多くて現場からの評価はボロボロだった(特に初期のモノは酷かった模様)。しかしそこは英国…ヴィッカース社は何食わぬ顔で実際の製品やライセンスを諸外国に売りつけている。
日本もこのライセンスを買った挙句に呉海軍工廠でライセンス生産を開始してしまったが、機関部の設計と給弾部の設計が悪く機械的なトラブルが多発。対空兵器としての価値は極めて少ないとの評価を受け、後に国産の対空機銃に順次置き換えが行われている。
スウェーデンも同様の被害を受けた国の一つ。あまりにも機械的なトラブルが多すぎるため、この砲を更新すべくボフォース社が自分で設計図を引き直してみたところ「ボフォース40mm L/60」というその後のベストセラーとなる製品が生まれてしまった。このボフォース40mmとその派生型は世界中に輸出され、アメリカ海軍の艦艇に搭載された対空兵器の中で「最も多くの航空機を撃墜した」とされているほか、戦後型として70口径に長砲身化され射撃管制システムを更新した製品は現在でも使用し続けている国が存在するほどである。
スウェーデンは北欧諸国のうちの1国であり、教科書でお馴染み「スカンジナビア半島」のうち北海に面した側がノルウェー、ロシア側に接した側がフィンランド、その中間のバルト海やボスニア湾に面している側が該当する。日本では「イケア(世界最大の家具チェーン)」「アストラゼネカ(英国ゼネカ社と合併前は北欧最大の製薬メーカーであった)」等が著名だろう。
国勢を観ていくと人口は1022万人、住民の殆どは北方ゲルマン系だが、一部にサーミ人やフィン(スオミ)人も含む。宗教はキリスト教だがドイツ由来の新教である「ルター派」を国教としている。外交においては中立政策を基本とし、第一次世界大戦・第2次世界大戦ともに参戦せず、現代においてもNATOには加盟して居ない。政治においては立憲君主制を採っており、国王は存在するも王権は大幅に縮小され儀礼的な意味合いが強い。議会(1院制)により選出された行政権を行使する議院内閣制となっている。また、オンブズマン制度(行政を第3者が監視する制度)発祥の地としても知られ、現在では行政のみならず様々な分野において活用されている。高福祉高負担でも知られており、手厚い保護を受けられる反面、税金に関しては他の先進国に比べて非常に税率が高い。経済に関しては歴史的にも森林資源・鉄鋼資源が豊富な事で知られており、パルプ・製紙業、鉄鋼・機械・造船業が盛んである。反面気候的な理由によって農産物の自給は難しく、貿易依存度は高い。また、近年ではIT産業も盛んであり、1人当たりの国民所得が高い国としても知られる。
なお、今回の説明は概説のため非常に長くなりがちな「歴史的な話」と「地理的な話」には触れない。
とはいえ、歴史に興味がある人からすれば9~11世紀の「バイキング時代」や14~15世紀の「カルマル同盟時代」16世紀にグスタフ1世がデンマーク支配から脱却、17世紀にはグスタフ2世がドイツの30年戦争に介入してバルト海を支配するも、18世紀に北方戦争で敗れて領土の多くを失うといった流れについてはある程度把握しているだろう。これらについては機会があれば触れてきたい。
また、地理的な話については文章のみで上手く説明するのが難しい。このため興味がある人にはスウェーデンの女性作家「セルマ・ラーゲルレーヴ」が執筆した児童文学である「ニルスの不思議な旅」をお勧めしたい。本作は子供達が自国の地理を楽しく学べる様に、スウェーデンの国民学校教員協会の読本作成委員会がセルマ・ラーゲルレーヴに執筆を依頼したものであって物語を通じて無理なくスウェーデンの地理を学ぶことが可能となって居る。
前述したとおりスウェーデンの国民学校教員協会からの依頼により、セルマ・ラーゲルレーヴが執筆した児童文学であり、原題は「ニルス・ホルガションの素晴らしきスウェーデン旅行」である。本作は第1部が1906年に、第2部が1907年に執筆された。あらすじは以下の通りである。
スウェーデン南部の西ヴェンメンヘーイに住むいたずら好きの少年ニルスは両親が留守の間にトムテ(妖精)を捕まえるが、妖精を怒らせたことによって小人になる呪いをかけられてしまう。ニルスが小さくなったことで普段いじめられていた家畜達はニルスに復讐しようと追いかけるが、通りかかったガンの群れに「飛べない鳥」とバカにされたガチョウのモルテンが悔し紛れに飛ぼうとした所にたまたましがみついたニルスを乗せて飛び立ってしまう。ニルスはモルテンの背中に乗ってガン達と共に空を飛び様々な土地を訪れる。行く先々で様々な動物たちと出逢い、触れ合ううちにニルスは次第に成長していく。
本作は1980年に日本でテレビアニメ化されている。制作は学習研究所、アニメーション部分の制作はスタジオぴえろであり、NHKの総合テレビにおいて同年1月から翌年の3月まで1話29分、全52話が放送された。後にテレビ東京系やCSでも再放送されたため、目にしたことがある人も多いだろう。演出はスタジオぴえろの創設者でもある上梨みつお氏や長年ぴえろに勤めた安納正美氏が手掛ける事が多かったが、後に有名になる演出家の押井守氏が手掛けた話も多数存在する。本アニメーションは世界中で放送されたほか、スウェーデン政府観光局のCMにも本アニメの一部のカットがそのまま採用される等している。
また、アニメーション化されるにあたって原作には登場しないアニメオリジナルキャラクターを登場させたり、原作ではフィンランド語の数字であり役割が判りやすかったものの、日本語だと馴染みが無いため名前を変更したキャラクターも存在するので違い等を探してみるのも面白いだろう。
スウェーデン海軍が最初に装備した駆逐艦は「モージ(改雷型3等駆逐艦)」と「マグニ(改白雲3等型駆逐艦)」であり、創建時に大いに参考にしたのは日本海軍の小型駆逐艦であった(ただし、実際の建造は英国ヤーロー社が行っているので英国生まれの日本艦と言えなくもない)。このため、低ティアの日本駆逐艦とスウェーデン駆逐艦は「小型で速度を重視した船体に、装填の短い魚雷を搭載して砲は必要最小限度」という部分が共通している。ただし、ティアが上がるにつれそれぞれの国の独自性が出てきて、まったく別の方向性の駆逐艦に進化することになるのだ。