体験リポート(13)

Last-modified: 2024-03-11 (月) 13:44:13

コースⅢ:事業損失部門
面接時間:午後15時10分~35時、試験官:2名
     ・試験5分前になると試験前室に案内される。
     ・前の面接が伸びていたが、しばらくして入室案内があり入室。
     ・受験番号、氏名を述べてから着座、問答へと移る。


 
 

  試験官が申請調書内容を確認しながら、質問に入る。

 

  試験官A:お勤めの会社は何人くらいの規模ですか?

 

  おとぼけ:はい、会社全体で○○人程です。

 

  試験官A:会社での役職が課長ということですが、どの様な業務をされていますか?

 

  おとぼけ:はい、3年程前から課長を任されており、部長と業務の工程管理や部下への作業指示、
       問題点などの報告、相談も行っていますが、現地調査、作図、算定等も行っています。

 

  試験官A:会社で補償業務を担当されている方は何人いますか?

 

  おとぼけ:はい、上司である部長と私を含め、当部署は△名で担当しています。

 

  試験官A:補償業務の経験年数についてですが、△年8か月のうち受験部門に関しても概ね△年くらいで間違いないですか?

 

  おとぼけ:はい、事業損失を含む補償業務に携わらせてもらうようになってから約△年位になりますが、
       入社当時は土木部門に所属しており、人事異動で補償業務に携わることになりました。

 

  試験官A:おとぼけさんは、国家資格などは何かお持ちでいますか?

 

  おとぼけ:はい、測量士補を持っています。

 

  試験官A:わかりました。業務経歴を見ますと主な受注先は県が多いようですが?

 

  おとぼけ:はい、記載内容では県発注業務が中心ではありますが、市町村、国交省関係も受注させて頂いています。

 

  試験官A:わかりました。そうですね、経歴内容にも農政局の業務がありますね。
       では、事例に記載いただいているその業務についてですが、どの様な業務でしたか?
       調査建物数も多かったようですけど?

 

  おとぼけ:はい、その業務は、○○農政局 □□水利事業所より発注の△△川幹線用水路改修に伴う事前調査を行うものでした。
       事前調査業務という発注ではありましたが、関係者の一人の方から損傷の申し出が業務発注前にあり、
       因果関係の検討及び費用算定についても業務内容に含まれている特殊な案件でした。
       そのため、事前調査はもちろんですが、損傷前の状況資料がないことから、因果関係の立証を行うために
       発注者からの資料提供や所有者等関係者からは入念な聞き取りを行いました。

 

  試験官A:わかりました。ちなみに申し出の内容は?

 

  おとぼけ:はい、工事の振動により、
       「建物内部の塗り壁やタイル張りが剥がれ落ち、他の壁など今後いつ崩れ落ちるか心配だ」という内容でした。

 

  試験官A:どうして事前調査を実施していなかったのですか?

 

  おとぼけ:はい、発注者と協議する中で話を聞くと工事範囲からは外れていたようですが、
       工事で撤去した構造物を解体、破砕するための作業ヤードや土砂搬入路が建物近くに設置されたためで、
       調査範囲予定外だったためと伺いました。

 

  試験官A:わかりました。では、発注者より資料の提供を受けたとのことでしたが、どの様な資料を?

 

  おとぼけ:はい、当時の工事実施工程表や振動計データ等です。
       また、当該地域の工事期間中の地震発生状況なども調べました。

 

  試験官A:わかりました。結果、因果関係の判定や費用算定まで行ったのですか?

 

  おとぼけ:はい、因果関係については、工事振動計データの数値が瞬間ではありますが、
       何らかの損傷が発生するといわれるレベルの振動値75デシベル以上を観測していました。
       また、地震も工事期間中に3回発生しており、うち1回は震度4を観測していましたが、
       工事実施工程表と照合すると被害申し出後に発生したものとわかりました。

       関係者聞き取りでは、解体作業中や土砂搬入時に強い振動を感じたと
       申し出された関係者以外からの話や当該地周辺は地下水位が高いという話でした。
       確かに井戸調査を行った結果、浅井戸がほとんどで地下水位が高いことも判明していました。

       これらの状況から、当該地は軟弱地盤であり、建物への影響を与える振動が度々発生しており、
       建物の老朽化で構造上虚弱な部分へ外力(瞬間的に発生した工事振動)による影響で損傷が発生したと思いますし、
       現場周辺は水田が多く、交通量も少ないことから損傷発生時に振動を発生させるものが
       当該工事以外に考えられなかったことが決めてとなりました。
       この判定に至るまでには発注者と協議を繰り返し、結果的に費用算定も行いました。

 

  試験官A:わかりました、最後は費用算定せざるを得ない状況だったようですね。

 

  おとぼけ:はい、対象建物は昭和初期の建築のため調査時点で既に85~86年は経過しており、
       普段の生活に支障が生じて、所有者さんが心配していることもわかりましたから。

 

  試験官A:では、ここからは事業損失のことについてお聞きします。
       事業損失において補償対象となるものがいくつかありますが、お答えください。

 

  おとぼけ:はい、工事振動・騒音、交通振動・騒音、水枯渇、水汚濁、地盤変動、電波受信障害、日照阻害だったと思います。

 

  試験官A:そうですね。では、それらを認定するための要件はご存じですか?

 

  おとぼけ:はい、まずは「公共事業の施工に起因し、公共事業の施工と発生した損害等の間に因果関係があること」
             「それら損害等が社会生活上、受忍すべき範囲を超えると認められるものであること」
          あと、「工事完了の日より1年を経過する日までに損害等の申し出がなされたものであること」です。

 

  試験官A:はい、そうですね。
       では、先程のお話にも少し出てきましたが、因果関係を判定するのは誰ですか?

 

  おとぼけ:はい、起業者になります。

 

  試験官A:わかりました。では、費用算定についてですが、いくつかの基準等があると思いますが、ご存じですか?

 

  おとぼけ:事務処理要領のことだと思いますが、
       日陰により生ずる損害、TV電波受信障害により生ずる損害、
       水枯渇等により生ずる損害、地盤変動により生ずる損害等、
       それらに係わる事務処理要領だったと思いましたが...

 

  試験官A:そうですね、まだありますが、わかりますか?

 

  おとぼけ:え~~と・・・
       ソーラーパネルに関するものでしたっけ?

 

  試験官A:そうですね、太陽光発電設備に関する基準です。
       なかなか、実際の業務ではないかと思いますが、今一度確認して、覚えておいて下さい。

 

  おとぼけ:はい、わかりました。戻りましたら、確認しておきます。

 

  試験官A:次に水枯渇のことについて少し伺いますが、補償できる範囲というか条件とは?

 

  おとぼけ:はい、生活及び農業用水として使用している者が公共事業に係わる工事施工により
       受忍の範囲を超える損害が生じたと申し出た場合だったかと。

 

  試験官A:そうなんですが、何でも申し出たから補償する訳ではなく?
       どういう状況が必要だと思いますか?

 

  おとぼけ:ん~~、工事との因果関係が判断できるとかですかね。

 

  試験官A:そうですね。
       では、水枯渇での応急措置についてですが、こちらはどういう時に行うことができますか?

 

  おとぼけ:はい、先程の話と同じように用水使用者の用水確保に受忍の範囲を超える支障が生じた場合ですが、
       もちろん工事との因果関係が判断できることも重要です。

 

  試験官A:そうですね。もう一つ重要な条件がありますが、わかりますか?

 

  おとぼけ:ん~~(わからず、言葉に詰まる)

 

  試験官A:緊急性が認められることが重要になりますので、これも覚えておいて下さいね。

 

  おとぼけ:はい、わかりました。

 

  試験官A:では、これらの判断は、誰が行いますか?

 

  おとぼけ:はい、こちらも起業者が判断します。

 

  試験官A:では、応急措置の方法には、何がありますか?

 

  おとぼけ:はい、給水用タンク車の配備や仮用水路の設置があると思います。

 

  試験官A:そうですね。それ以外にも仮設水道の設置も考えられますね。
       井戸や農業用水みたいなものばかりではなく、
       水道水等の生活に直結するものもありますからね、これも覚えておいて下さい。

 

  おとぼけ:はい、わかりました。

 

  試験官A:それでは、質問は以上となりますが、今後も業務を進める際は、十分な確認を行い進めて下さい。
       では、これで終わりになります、ご苦労様でした。

 

  おとぼけ:はい、ありがとうございました。


  • おとぼけ課長様、いつも詳細なリポートありがとうございます! -- tk@管理人? 2024-03-11 (月) 13:09:18
  • 管理人様、皆様、お疲れ様です。今回は詳細と言うよりダラダラとまとまりのない文章で、参考になるのか疑問でしたが、ありのままに公表させて頂きました。 -- おとぼけ課長? 2024-03-11 (月) 13:44:13