体験リポート(3)

Last-modified: 2015-09-08 (火) 13:03:08

<土地調査部門編(平成26年度試験)>

MMさんより口述試験体験リポートをいただきましたのでこちらで公開させていただきます


コース2 土地調査部門
受験日:平成27年7月
場所:中央工学校3号館
受験時間:20分

 

10時30分の集合指定であったが、9時頃には会場入り。
早く到着する分には問題なし。
会場はまでは上り坂が続く。時期的にとても暑く汗が引くまでの時間も必要かと思います。
控え室はとても涼しく席は自由。
9時30分集合の方々に紛れて受験の説明を聞き、再度、自分の時の説明を受けたのでリラックスして受験できました。
受験者の大半がノーネクタイのクールビズ。上着持参の方は少数。私は半袖ワイシャツにネクタイで受験しました。


( `・ω・´)私
( -A-)試験官A
( ・B・)試験官B

 
 

( -A-)<受験番号、ご氏名をどうぞ

 

( `・ω・´)<○○○○○番、MMと申します。

 

( -A-)<MMさんは測量士をお持ちですので、その資格を使用してのコース2ご選択ということで宜しいですか。

 

( `・ω・´)<はい、その通りでございます。

 

( -A-)<業務経歴は、調書記載の○○年○ヶ月ということで間違いありませんか。

 

( `・ω・´)<はい、相違ございません。調書提出時点から今日まで約2ヶ月経過しておりますので現時点では調書の数字に2ヶ月加算となります。

 

( -A-)<その経歴のなかで、今回受験の土地調査部門に関する業務経歴は何年ですか。

 

( `・ω・´)<全経歴年数が当該部門の経験年数となります。

 

( -A-)<MMさんは○○技術にお勤めということで、会社での役割を教えて下さい。

 

( `・ω・´)<○○技術は従業員約50名ほどで、その約半数が用地補償関連の業務に携わっております。さらに用地補償関連部署において、その約半数が用地測量関連、残りの半数が補償額算定に係る調査業務を受け持つ体制に細分化されておます。その中で、私は用地測量業務の担当技術者として業務に携わることが多いです。

 

( -A-)<ご提出頂いております調書について、詳細を記載された業務について概要を教えて下さい。最も最近の業務にしましょうか。

 

( `・ω・´)<はい、○○業務は調査概要としますと、○○県発注の業務で、延長○○km、調査面積○○ha、関係者数○○名、金額○○万円であり、○○市○○地内において、東日本大震災にて被災した地域の高盛土による土地区画整理事業が計画されている状況でありました。その区域に接続される県道も計画高を含め改良する必要が発生し、その計画もあわせて進められておりました。よって、その県道整備に伴う用地取得に関する用地測量を実施したものです。

 

( -A-)<その業務について発生した問題点、またその解決策についてご説明下さい。

 

( `・ω・´)<当該業務において、取得対象地の隣接地に数筆、登記簿の所有者住所の記載が無い、いわゆる未登記の状況が確認されました。(市の課税台帳も調べてもらったが納税者なしであった。)登記簿記載の所有者名もかなり古い方と判断できたため、追跡調査も困難な状況であり、発注担当に相談のための打ち合わせを申し出ました。その結果、そういった案件について数多く取り扱ってきたであろう法務局にご指導を賜ることとなりました。【長くなるため中略】その結果、相続人が特定でき、境界確認および了解がえられ、無事に業務を完了することができました。

 

( -A-)<ありがとうございます。ではお聞きします。相続調査についてはご経験は。

 

( `・ω・´)<当社の用地部門では用地測量作業全般、実測図等作成作業を行う人間と、調書等(戸籍書類含む)を作成する人間の分業体制としております。私は前者の立場なので、基礎的な相続調査は行った経験はありますが、複雑な案件については専門の従事者に作業を任せております。しかしながら、成果として作成した相続調査に関する資料は目を通します。

 

( -A-)<なるほど。先の質問の回答での分業されている調書等とは何を指すのですか。

 

( `・ω・´)<土地登記簿一覧表、土地調査表、戸籍簿等調査票、土地調書を指します。

 

( -A-)<成果品の照査体制について教えて下さい。

 

( `・ω・´)<初期、中間、最終の三段階にて成果品の点検を実施しています。業務が長期化する場合は適宜中間照査を増やします。担当者レベルの自己チェックに始まり、主任担当者のチェック、当社独自の品質管理システムにおける検査を品管専門部署にて受け、適正であることの確認を得た上で成果納品を行っています。

 

( -A-)<個人情報の取り扱いについて教えて下さい。

 

( `・ω・´)<業務遂行中に入手した個人情報記載書類に関しては、専用保管庫にて部外者が閲覧できないよう厳重に管理しています。また、個人情報を取り扱うパソコンについてはパスワード管理によるアクセス制限をかけ、特定の人物以外は起動できなよう管理しています。

 

( -A-)<了解しました。では、MMさんは業務を受注した際に何を最も意識しますか。

 

( `・ω・´)<業務受注時に得られる情報としては契約工期が最も明確な条件として提示されます。よって計画工期と作業項目および数量を照らし合わせ、工期内にて業務完了を行うための作業計画に最も重点をおきます。

 

( -A-)<要するに工程管理の徹底ということですね。では技術向上に関して取り組みは行っていますか。

 

( `・ω・´)<はい、毎年、年度当初に社内から送り出す成果に統一性を持たせるための社内研修を開催しております。具体には作成要領の改訂や共通仕様書の改訂の周知、CAD操作の勉強会を行っております。

 

( -A-)<共通仕様書というお言葉が出ましたので、共通仕様書と特記仕様書の違いを教えて下さい。

 

( `・ω・´)<共通仕様書は起業者の求める目的物(成果品)を作成するための詳細事項が記載されております。どの業務に関しても共通して該当する事項についての記載です。対して特記仕様書は、各業務特有の注意事項が記載された仕様書になります。

 

( -A-)<共通仕様書と特記仕様書はどちらが業務上優先されますか。

 

( `・ω・´)<特記仕様書になります。

 

( -A-)<結構です。では一般補償と公共補償の違いを教えて下さい。

 

( `・ω・´)<一般補償は私人の財産権に対する補償です。公共補償は公共物が工事施工等により受ける損失について機能維持を目的として行う補償です。

 

( -A-)<では、MMさんが業務内にて発注者より指示を受けた場合の対応についてお聞かせ下さい。

 

( `・ω・´)<指示を受けた場合は、まず私が担当技術者と仮定した場合、業務の管理技術者に受けた指示内容について報告します。その上で、指示内容について尚、詳細に確認したい事がある場合は、発注者に打ち合わせの依頼を行います。

 
 

~ここで試験官が交代~

 
 

( ・B・)<少し込み入った事柄についてお聞きします。筆界特定制度をご存じですか?ご存じでしたら内容をお聞かせ下さい。

 

( `・ω・´)<はい、法務局から指名された筆界特定登記官が、土地家屋調査士等の筆界調査員の意見を踏まえて筆界を特定する制度です。似たような制度でADR制度がございますが(続けてADRについて聞かれると思ったので聞かれる前に答えました。)、こちらは土地家屋調査士会が運営する制度で、裁判によらず土地家屋調査士、弁護士が境界紛争の仲介者となり筆界の特定を目指そうとする制度です。

 

( ・B・)<登記簿についてはご覧になる機会が多いですか。

 

( `・ω・´)<当然、土地の測量調査においては最も基本となる資料ですので業務遂行中は頻繁に確認しております。

 

( ・B・)<では登記簿の甲区欄、乙区欄には何が記載されていますか。

 

( `・ω・´)<甲区欄には所有者名、所有者住所、登記原因等の所有権に関する事項が記載されています。所有権移転がされている場合は時系列に沿ったかたちで記載されております。乙区欄には所有権以外の権利、例えば抵当権、賃借権等、その土地に設定されている権利に関する詳細が記載されています。

 

( ・B・)<用地測量を行う上での地目、地積の考え方を教えて下さい。

 

( `・ω・´)<地目については、登記簿記載地目はあるものの、土地評価上、現況地目で評価されるため、現況地目を確認した上で資料の整理を行います。地積についても、登記簿地積をベースとしますが、現況の境界を実測した面積を採用し、公差の範囲内であるかを確認し、必要に応じて地積更正の判断を下します。

 

( ・B・)<あくまで面積は実測値を採用ということですね。

 

( `・ω・´)<その通りです。地権者から境界確認を得た上で確定した境界にて実測値採用です。

 

( ・B・)<公図混乱地域の業務を担当されたことはありますか。

 

( `・ω・´)<幸い、私がこれまで担当してきた業務は国土調査完了地域が主体であり、国土調査未完であっても公図が混乱していることはありませんでした。(※実際は過去に経験がありましたが、結果的に全ての筆界特定に至らしめることができなかった業務であったので話をうまくまとめる自信が無く逃げました。)

 

( ・B・)<用地測量を行う際には何を境界のベースとしますか。

 

( `・ω・´)<基本的に法務局備付地図、公図をベースとします。先の公図混乱の質問とも重複しますが、国土調査完了済みであればそのデータを市町村からご提供頂き、測量の参考資料として使用します。登記簿を確認し、過去に分筆の経過がある土地が存する場合は、法務局備付の地積測量図も転写し、境界確定に関する資料として使用します。

 

( ・B・)<なるほど、MMさんはよく勉強されていますね。これからも継続して業務にご尽力される事をご期待しております。以上で口述試験を終了とします。

 

( `・ω・´)<ありがとうございました。失礼いたします。

 

※MMさんからいただいた原文に顔文字等付け加えさせていただきました。
情報提供ありがとうございました。tk@管理人

  • 管理人様、早速の掲載ありがとうございます。記憶が新鮮なうちにと思い、試験終了直後にスマホのメモ機能で質問事項を書き記しました。 -- MM? 2015-08-03 (月) 12:52:10
  • 口述試験お疲れ様でした。細かい部分まで再現いただきありがとうございます。私も何か残そうと思っていましたが、1週間もたつとどういう受け答えしたかすっかり忘れてしまいました (^^; -- tk@管理人? 2015-08-03 (月) 12:56:11
  • 口述試験の緊張のかなよくここまで取りまとめられて驚いております。 -- 天和? 2015-08-19 (水) 10:06:53
  • 天和様、ありがとうございます。試験終了後、暑くてたまらず喫茶店で涼みがてら携帯に書き記しました。序盤の社内の執行体制、業務経歴で怪しまれるとど壺にはまると思ったので、そこだけは重点的に対策しました。他の質問も概ねここのサイトで事前に公表されている内容でしたので答えることができました。9月の発表までもう少しですが、良い報告ができるよう私自身も祈っております。 -- MM? 2015-08-19 (水) 12:24:17
  • ようやく発表され、無事に合格しておりました。管理人様、天和様、本当にお世話になりました。 -- MM? 2015-09-08 (火) 13:03:08