体験リポート(4)

Last-modified: 2016-09-15 (木) 09:15:04

<事業損失部門編(平成27年度試験)>

たるパパさんより口述試験体験リポートをいただきましたのでこちらで公開させていただきます


コース3 事業損失部門
会場:中央工学校3号館(東京都北区王子)
口述試験 13:25~13:50(前の受験者が5分長くなり実際は、13:30~13:55)
試験官:2名


試験開始

 

試験官1:受験番号と氏名をお願いします。

 

たるパパ:受験番号○○○○○番 ○○県から来ました、たるパパです。

 

試験官1:会社名と会社での役職は

 

たるパパ:某測量設計事務所で某役職をしています。

 

試験官1:今回受験する部門名を教えて下さい。

 

たるパパ:事業損失部門です。

 

試験官1:補償業務に携わってどれくらいなりますか

 

たるパパ:表-1に記載してあるとおりです。(試験官が確認)

 

試験官1:その内、今回受験する事業損失部門の経歴は、どれくらいですか。

 

たるパパ:表-1に記載してあるとおり○年3月です。

 

試験官2:あなたの補償業務管理士としての専門分野は、土地評価ですか。

 

たるパパ:土地評価部門は、会社における補償業務管理者となっています。あとは、土地調査部門を主にやっています。

 

試験官1:会社では、どのようにして業務をおこなっていますか。

 

たるパパ:立場上は、某役職ですが、会社では、用地補償部と同じ室内にあり、業務体制については、班分けを行い、忙しい時など、お互いの職員同士で協力しながら業務を行っています。ですから私及び私の部下が用地補償部門に手伝いとして現場にいったり中の仕事を行ったりしています。又、逆に私の部署が忙しい場合は、用地補償部から手伝っていただきなから業務を行っています。

 

業務内容について

 

試験官1:表-3の調書のうち事例番号5について説明して下さい。

 

たるパパ:この業務は、平成某年に大雨による河川氾濫にて、災害が発生した箇所について災害復旧工事を行う為の業務です。災害復旧は、基本的に原型復旧(元の構造による復旧)ですが、現場は、一部県で指定されている土砂災害危険個所(地すべり)も含まれており、そちらの事業を行う為の土地調査業務と、災害復旧工事を行う為の事前調査が一緒に発注された業務です。地すべり関係業務を受注しているコンサルと連絡を密にし、地すべり状況を常に把握しながら業務を実施しました。配慮点は、
・老人一人住まいの家があり、足も不自由な為に、調査時は、近所にいる親戚の人から協力していただいて調査を行いました。
・災害復旧の現場である為に足元が不安定で崩れやすい状況にあるので、現場移動に十分注意しました。
・発注者には、現地状況や関係者等の意見や要望についてその日のうちに電話やメール等で報告を行いました。

 

試験官1:業務は、どのような体制で行いました。

 

たるパパ:3名1班体制で行いました。

 

試験官1:たるパパさんは、実際に現場に行って業務を行いますか。

 

たるパパ:はい、実際に行きます。

 

試験官1:建物調査以外の業務経験は、ありますか。

 

たるパパ:ありません。田舎なので、高い建物があまりありませんので、日陰や電波障害の業務自体は、ありません。又、水枯渇も、農業に使用する水は、改良区様が河川より水を引いているので、水枯渇もありません。

 

試験官1:事後調査の事例がありますが、補償金の算定は、おこないました。

 

たるパパ:事後調査の結果は、工事による影響が無いとの判断になったので、その後の補償金の算定は、行っていません。記載した事例以外でも当社として補償金算定を実施した事例は、ありません。

 

試験官2:私からは、一般的な話について聞かせていただきます。事業損失の補償を行う場合に、事業損失事業として認定する為の要件が、3つあると思いますが、どのような物ですか。

 

たるパパ:公共事業の施工に起因し、公共事業の施工と発生した損害等の間に因果関係がある。損害等が、社会生活上受忍すべき範囲を超えていると認められるもの。損害等が、工事完了後一年以内に申し出がなされたものの3点です。

 

試験官2:事業損失において事前調査を行いますが、事前調査が不要な業務は、ありますか。

 

たるパパ:・・・・・・・。(30秒程度沈黙)

 

試験官2:逆に事前調査が必要な業務を6つ上げて下さい。

 

たるパパ:電波障害、水枯渇、建物損傷、工事騒音、日陰による農作物、日陰

 

試験官2:どうもありがとうございました。答えのとおりで、事前調査不要となるものは、ありません。建物損傷において、建物を原状回復する為の方法を3つ答えて下さい。

 

たるパパ:例えば壁ですと、新しい壁紙を張り替えたり、隙間を充填したりします。又、建具等も、動きが良くなるように、建具を調整します。

 

試験官2:内容的には、そのような事ですけれども、具体の言葉で言いうと、壁を張り替えるのは、修復です。建具の直すのは、何と言いますか。

 

たるパパ:矯正です。

 

試験官2:あと一つ、とても使用できないから、立て直すのは、何と言いますか。

 

たるパパ:復元です。

 

試験官2:はい、その3つです。たるパパさんの業務経験として、復元が必要となるような建物を調査した事がありますか。

 

たるパパ:ありません。そんな建物があったら、近づきたくも無いです。

 

試験官2:もし、事後調査業務を請け負った時それが事前調査を実施していない業務で有った場合に、発注者に対してどのような相談をおこないますか。

 

たるパパ:次回からは、確実に事前調査を行っていただく旨のお話を行い、現状等を調査し、その後に打合せにて今後の対応を協議したいと提案します。

 

試験官2:業務を受注し、現地調査時点で、事前調査が必要と思われる業務で、発注内容に事前調査が、無かった場合にたるパパさんは、どのような対応を行いますか。

 

たるパパ:発注者に対して、事前調査の必要性について資料を提示しながら説明し、事前調査業務を行う事を提案します。

 

試験官2:その場合に、調査範囲はどれくらいに設定しますか。

 

たるパパ:40mです。(私的には、自信を持って答えたが、後で考えると20mが正解かと思うが、試験官より何の指摘も無い)

 

試験官2:現在の仕事は、どうですか。

 

たるパパ:私の住んでいる田舎は、全国でも高速道路の整備率が低い地域なっています。その理由として高速道路の予定地点や、現在工事を行っている箇所の田畑部は、軟弱地盤となっている為です。私は関わりませんでしたが、高速道路の工事用道路において、大型車の通行により、地盤変動が考えられるとのネクスコ東日本判断から、昨年度に地盤変動に伴う事前調査を実施しています。今後工事が進むと共に、そのような業務が発生するかと思います。

 

試験官2:たるパパさんは、多くの現場を経験しているかと思いますので、今後とも、より良い仕事が出来るように積極的に発注者に提案していただいて業務を行って下さい。試験は、これで終了します。お疲れ様でした。

 

たるパパ:どうもありがとうございました。


以上記憶に残っている内容です。
受験しての感想等
*調査表に記載した内容は、確実に答えられるようにする。
 例:受験する部門、補償業務の経験年数、試験を受ける部門の経験年数等。
*意外な話
 専門分野が、いきなり土地評価と聞かれたのは、驚いた。確かに面接の受け答えにもあるとおり、会社では、土地評価部門の管理者に登録されています。理由は、国土交通省OB以外で、土地評価部門を取得したのは、私が最初であるからです。どこからそのような事が漏れたのか、未だにわかりません。
 補償業務管理士の倫理について、行く時の新幹線の中で暗記していったが、聞かれなかった。私的には、聞かれると思ったが、聞かれなかった。後、過去3回の試験で、会社での取組とか、情報の方法(表-3-2の内容)が、質問されなかった。読めば判る事なので、スルーされたかと思います。
*その他
受験前にOBの人から、心構え等を聞いた際に、自分のやった業務について答えられれば問題無いとのアドバイスを受けたので、面接用の勉強は、事業損失の流れと、建物損傷調査の流れしか復習しなかった。その他の日陰、電波障害、水枯渇等は、経験が無いので、質問された場合に「経験無い」と回答すれば、それ以上の事は、突っ込んで来ないと予想したのと、筆記試験で覚えた蓄えがあるので大丈夫と判断した。


※たるパパさん情報提供ありがとうございました。tk@管理人

  • 私も他部門ですが今回合格できました。が、たるパパさんのように受け答えは出来ていなかったと思います。すごいです。読んで思わずコメントしたくなりました。もっと勉強していきます。 -- fak? 2016-09-15 (木) 09:15:02