体験リポート(6)

Last-modified: 2017-05-25 (木) 23:43:46

<機械工作物部門編(平成27年度試験)>

アボジさんより口述試験体験リポートをいただきましたのでこちらで公開させていただきます


コースⅢ・東京会場
受験日:平成28年7月
場所:中央工学校3号館
9時30分集合指定。
8時前にJR王子駅に着く。駅前の牛丼屋で朝食。
8時40分ごろ現地入り。受付を済ませ、控室に入る。
黒板に書かれた自分の名前を探す。
9時30分班の2番目で、試験時間は10時25分~10時50分。
(1番目は10時00分~10時25分。)
15分前に事務局員が控室に呼び出しに来る。トイレに寄ってから試験室前に移動し、いすに座って待機する。
私の服装は、長袖ワイシャツにネクタイ。


A :試験官A  
B :試験官B  
W:私

 
  • 基本事項
     
    A:受験番号、氏名の確認。
     
    A:補償業務の経験年数・受験部門の経験年数の確認。
     
    B:筆記試験は何回目の受験だった?
     
    W:初めての受験でした。v(*^_^*)v 機械設備調査算定要領をよく読みましたので。(ぎりぎりの24点)
     
    A:他にどんな資格を持っている?
     
    W:土地調査と物件と…
     
    A:管理士の部門ではなく、他の資格の事を聞いているんだ!
     
    W:(゜レ゜) し…失礼しました。測量士補を持っています。
     
  • まず、調書に記載した屋外タンク貯蔵所の事例について
     
    A:事業の概要は?移転工法はどうやって決めた?
     
    W:道路拡幅事業で、残地内に既存のタンク3基や事務所、倉庫が入らない為、構外再築を認定しました。
     
    A:その事業所の業種は何?
     
    W:…重油とか軽油などの油を販売している事業所でした。
     
    A:油の販売?そんな業種名はないぞ!
     
    W:(ー_ー)!! ええと…ガソリンスタンドと同じ様な業種です。(燃料販売業と言えればよかった)
     
    A:屋外タンクの寸法は?
     
    W:100klのタンクは直径5m、高さも5mくらいでした。(記憶があいまい)
     
    A:屋外タンクには何が入っていたのか?
     
    W:100klのタンク2基に重油と軽油、24klのタンク1基に灯油が入っていました。
     
    A:屋外タンクは再築との事だが、なぜ復元ができないのか?
     
    W:分解しなければ運搬できず、組み立てた後に水密検査をしなければならないため、復元は出来ないと専門業者に言われました。(屋外タンクは復元不可能という既成概念があったので、ちょっと戸惑った)
     
    B:屋外タンクの他にどんな機械設備があった?
     
    W:油の配管と、それに付随するポンプやバルブなどがありました。
     
    B:そこに計量器はなかったのか?
     
    W:…ありませんでした。(そう言われると、なぜなかったのか不安になった)
     
    B:屋外タンクの重量は?
     
    W:(;一_一) …すみません。覚えていません。(算定に必要無かったため調査していない、と言うべきだった)
     
    A:防油堤があったかと思うが、その高さは?
     
    W:確か80㎝でした。(基準は0.5m以上)
     
    A:屋外タンク貯蔵所には様々な規制があるが、どんな法制的検討をしたのか?
     
    W:危険物の規制に関する政令などを検討し、確か「敷地内距離」が既存で不適格でした。
     
    A:当該業務で見積りをとった業者名は?
     
    W:近隣に適当な業者がみつからなかったので、隣県の株式会社○×△□という所にお願いしました。
     
    B:見積額はいくらだった?
     
    W:確か3000万円くらいでした。(はっきり覚えていなかった)
     
    B:ガソリンスタンドの地下タンクに比べるとずいぶん高いな。
     
    W:タンク3基など、全てを含めてです。(スタンドの地下タンクとはモノが違うんです、と言いたかった)
     
    B:タンクのコンクリート基礎の寸法はどうやって決めた?
     
    W:屋外タンクの既存図がありましたので、それを利用しました。
     
    B:では、もし既存図がない場合はどうする?
     
    W:…地耐力や機械の重量などから計算して決めます。(筆記試験の計算問題を思い出した)
     
    B:復元と再築はどのように比較決定する?
     
    W:機械設備の復元費と再築費を算定し、経済比較します。
     
    B:営業補償も関係してくるよね。
     
    W:あ…そうですね。休止期間も考慮する必要があります。(助け船を出してくれたんですね)
     
    B:復元するのに必要な日数は何日くらい?
     
    W:機械の種類や大きさによって様々ですので、一概には言えないと思います。
     
    A:本当にあなたがこの業務をやったの?話を聞いていると、お手伝い程度だったのでは?
     
    W:(#-_-;) いいえ。現地調査しましたし、業者の選定から補償額の積算まで、全て私がやりました。
     
    B:復元の事を以前はなんといっていたかな?
     
    W:…移設、ですか。
     
    A:他に復元で補償した事例はあるか?
     
    W:昭和初期の印刷機械について、再築だと今はプリンターしかないため、起業者の指示で復元にて補償した事があります。
     (この後、再築と復元についての話がもう少し続いたが、よく覚えていない。)
     
  • 次に、調書に記載した木工作業所の事例について
     
    A:木工作業所で何を作っていたのか?
     
    W:木製建具とか、敷居や鴨居のようなものを製作していました。(他の事例と混同してた)
     
    A:その木工作業所には、どういった機械があった?
     
    W:ボール盤や丸鋸盤、かんな盤などです。
     
    A:そんな木工機械は機械設備といえる?動産じゃないの?
     
    W:(゜o゜) え?…いや、ちゃんとコンクリートの基礎があって、ボルト止めしてありました。(不意を突かれた感じで、思わずこう答えてしまった…機械設備の判断基準を問われていたのかも)
     
  • 続いて“表-2業務経歴概要書”に記載した水産試験場の事例について
     (あまり聞かれたくなかったので”表-3資格を取得しようとする部門等に関する調書”を出さなかった事例)
     
    A:水産試験場とは、何をしている施設か?
     
    W:水産物の養殖の試験や研究をしている所です。
     
    A:具体的に何を養殖しているのか?
     
    W:主に魚類です。
     
    A:何?…サカナ?具体的に何という魚かきいているんだ!
     
    W:ええと、○×△とか、※#▽とか、です。
     
    A:水産試験場はどういった機械設備があったのか?
     
    W:敷地内を水路が縦断していて、そこから水を引き込んだ池がいくつかあり、ポンプや給餌装置や、エサを保管するプレハブ冷蔵庫などがありました。(実は機械設備算定はプレハブ冷蔵庫のみ)
     
  • 最後にお聞きしますが・・・
     
    A:工事費の算定において、据付工数を補正する必要があるのは、どんな場合か?
     
    W:…ええと…高い場所と…狭い場所と…危険な場所…有毒ガスがありそうな感じのとこ…の3つの場合です。(正解は、高所又は地下における作業、錯綜する場所における作業、悪環境における作業、であるが、緊張してこれらの単語が全く出てこなかった)
     
    A:試験は以上です。
     
    W:ありがとうございました。(受験票を置いたまま退室しようとして、事務局員に呼び止められる)
     
    ・退室後、事務局員も出てきて、「皆さん、同じような感じですから、大丈夫ですよ」と慰められる。そんなに落ち込んでいるように見えたのかな?
    ・外に出てベンチに座り、ネクタイを外して一息ついていると、先程の試験官二人が出てきた。どうやら、二人面接して10分間休憩らしい。目を合わせないようにしてその場を離れ、会場を後にした。

感想・・・
”業務経歴概要書”に記載した事例に関する、かなり突っ込んだ質問に終始していたので、事例全ての内容を一通り確認(丸暗記)しておくべきでした。(特に以下の項目)
・事業所の概要、機械設備等標準耐用年数表における業種名
・移転工法検討内容(物理的・機能的・法制的・経済的)、移転工程表の内容(休止期間)
・各機械設備の寸法・重量・構造・機能(基礎についても)
・見積依頼先、見積内容、見積額、移設の可否、再築費と復元費
皆さんおっしゃるように、機械設備調査算定要領をもう一回読んでおくべきです。作業環境による補正について聞かれて、焦りました。
共通科目的な質問や、会社での立場や体制に関する質問の準備もしていましたが、全く聞かれませんでした。コースⅢだからかな?でも、以前受験した物件のコースⅢの時(平成24年度)は、社内の業務執行体制とか、共通仕様書と特記仕様書について聞かれた覚えがあります。
二人の試験官は、事例ごとにAが前半、Bが後半、という感じで質問してきました。その質問内容から、機械工作物移転補償の事例について、数値的な事柄(常識的な見積額や寸法・重量等)を含めてかなり熟知しておられる感じでした。ですから、分からない事は、はっきり分からないと答えた方がいいと思います。いい加減な事を言うと墓穴を掘りそうです。
一応、合格しましたが、自分としては自信を持って答えられたのは6割位だったような気がします。


※アボジさん情報提供ありがとうございました。tk@管理人