空対空/空対地戦闘

Last-modified: 2024-12-07 (土) 03:17:53

間違いや不足している情報が有れば、加筆修正にご協力頂けると助かります。
この記事ではソロで必要な情報を中心に分かりやすく執筆しています。
複数同士・1対2での戦術や、編隊飛行、無線に関してはACMを閲覧してください

初めに/TIPS

1.jpg

空対空/空対地戦闘では状況認識が非常に重要です
レーダーや計器類、目標ばかりに集中せず周りをよく観察して下さい
RWRを始めとする各種センサーにも死角が有ります
「立ち回り」もよく考えて下さい。FPSや現実の戦闘でも同じですが
「生き残る」事が非常に重要です。

TIPS

優先的に覚える事や項目にしづらい事を書いています

  • 全般
    ・エンジンスタート/シャットダウンは暗記しないでヨシ
    (ガイド見ながら起動すれば良いし、最悪オートスタートでヨシ)

    ・見えにくい事が有るので視点の拡大/縮小を設定しよう。
    (「Zoom in slow」「Zoom nomal」「Zoom out slow」)

    また座席の上下も設定すると更に見やすくなるよ
    ・Tac viewを導入して振り返りをしよう
  • 対空
    ・BVRのMAR/DORは覚えよう
    ・状況の許す限り、出来るだけ相手より高く早く飛ぼう
    ・機体のコーナー速度を覚えて敵機より早く旋回しよう
      (出来る事ならライバル機の情報も覚えるとトゥーサークル/ワンサークルの判断出来て勝てるようになるよ)

    ・ドックファイトは30秒以内で終わらせる事を目標にしよう
     (敵の援護機が11マイル接近し最悪ミサイルを撃たれるため)
     (11マイルにはミサイルの射程含む)

    ・敵機に真正面から突っ込むのではなく回り込んでみよう

  • 東側機に関する空対空戦術
    • IRとFOX3の中距離AAMを連続して発射する。受けた側は機動に一瞬迷う
    • 攻撃時は僚機と密集隊形を組む事で1機は確実にミサイルの必中距離に入る戦術

  • 対地
    ・高度は5000Ft以上にいよう(低高度爆撃の場合は1000Ft以下にいよう)
    ・速度は特別な事情が無い限り400~450ノットでいること。
      (爆撃の基本であるしドッグファイトでも有利になるよ)

初心者の方へ

DCSはゲームだと言う事を忘れないで下さい。
(メタですがDCSのレーダー波は「無限のかなた」まで照射されています。実際にはありえません)
また、まともな資料を探すといつの間にか「米空軍のマニュアルを読破した」事態になりかねないので
国内/海外YOUTUBERのチャンネルを視聴する事をお勧めします。
GrimreapersGrowlingSidewinderSpudknockerちびすけCypher1778
(実際この記事の参考元のほとんどがYOUTUBEです)
またデブリーフィングやミサイルの性能などを調べる時等はTAC VEIWが必須です
(リアルのフランス軍も使用しています。みんな好きでしょ、こういうの)
下記事項についても丸暗記する必要は有りません。「習うより慣れろ」です。
「マルチは苦手」と感じたらキャンペーンの購入/導入をしてストーリーを楽しみながら学ぶのも一つの手です。
(RisingSquall Paradise lost等YOUTUBEに日本語でUPされているのがお勧めです)

どうしてもやる気が出ない、疲れたと感じたら下記動画でもみてモチベーションを上げてください

DCSおもしろ動画

路肩着陸からの撃墜劇(PVP GS鯖)(OperatorDrewski氏)
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DCS初心者が空に何かを描くまで(bio138)氏
loading...

空対空戦闘(A-A)

空対空戦闘においては高度と速度が最も重要です。
味方や敵がどの高度にいるのか良く確認してください。速度はできるだけ出してください
対戦する相手と同高度か少し高い高度にいるようにしてください。

早期警戒/管制 システム

GCI

  • GCIとは、Ground-Controlled Interceptionの略で、第一次世界大戦中に開発された防空戦術の一つ。一つまたは複数のレーダーサイトやその他の観測局を防空指揮所に接続し、迎撃機を空中の目標に誘導する。
    現在では、GCIはAEW&C(Airborne Early Warning and Control)航空機、より一般的にはAWACS(Airborne Warning And Control System)と呼ばれる航空機に取って代わられている。AEW&C は GCI に比べて高価で脆弱ではあるが、機動性には優れている。実際には、両方のシステムを組み合わせて使用されることが多い。
    空軍の管制官はABM(Air Battle Manager)、海軍の管制官はAIC(Air Intercept Controller)と呼ばれ、その役割は非常に似ているが、いくつかの顕著な相違点がある。
    images (1).jpeg

AWACS

  • AWACSの機体は、一般に長距離レーダーを搭載した大型の改造機です。 レーダーのメインアンテナは、直径9m(30フィート)、断面楕円形、中心部の深さ1.8mの円形ロートドーム内にあるターンテーブル上に搭載されています。このレーダーシステムは、約370km(200海里)の低空飛行の航空機から、さらに遠くの高空飛行の航空機まで探知、追跡、識別することができる。
    Usaf.e3sentry.750pix.jpgA-50.jpg
    ※左:NATOのE-3 - 右:ロシアのA-50

敵機位置把握に必要な無線用語

DCSワールドでは、NATOのAWACSはE-3 セントリーで、ロシアのAWACSはA-50です。プレイヤーは、ミッションブリーフィングで指定された周波数で、通信メニューから同盟国のAWACSとコンタクトを取ることができます。
Comms menu
Vector to bullseye
 AWACSは、ブルズアイまでの方位と距離をプレイヤーに提供します。
Vector to home plate
 AWACSはブルズアイから自軍の飛行場までの方位と距離を伝えます。
Vector to tanker
 AWACSはブルズアイからタンカーまでの方位と距離をプレイヤーに提供します。
Request BOGEY DOPE
 AWACS からプレイヤーに、最も近いBOGEY(敵機の可能性がある所属不明機)への BRAAを提供します。
Request PICTURE
 AWACS は、ブルズアイから各グループの BRAをプレイヤーに提供する。
DECLARE
 AWACS がレーダーロックされたターゲットの敵味方を識別する

その他ブレビティーコード(合言葉や言い回し)等についてはこちらを参照してください。

味方機、不明機、敵機

同士討ちを避けるためにも、敵味方識別は大切です。敵か味方かを知らせるためのブレビティも当然あります。
味方機はFRIENDLY(フレンドリー)、不明機はBOGEY(ボーギー)、敵機.はBANDIT(バンディット)もしくはHOSTILE(ホスタイル)と呼ばれます。敵機は2種類に分かれており、BANDITは「敵だが交戦許可が下りていない目標」、HOSTILEは「交戦許可が下りている敵」となります。HOSTILEではなくBANDITと交戦しそうな場合はAWACSに確認しましょう。

BRAA(Bearing Range Altitude Aspect)

方角.jpg
「BRA」もしくは「BRAA」とは、それぞれ「Bearing, Range, Altitude, Aspect」の略です。それぞれ「方位、距離、高度、向き」をひとまとめにしたもので、言わば「自分から見た相手の位置取り」です。Aspectは省略される場合もあります。

例えばAWACSから「Chevy 1-1, Magic, BRAA 330/40 20,000 HOT」と報告されたならば「Chevy 1-1 から見て、方位330、距離40マイル、高度20,000ft、こちら向き」という意味になります。

Aspectに関しては、大きく分けて4種類あります。「HOT」はこちら向き(接近中)、「COLD」は後ろ向き(離脱中)、「FLANK/FLANKING」は横向き(左右どちらか)、「BEAM/BEAMING」はぴったり直角に横向き(レーダーに探知されないための戦術)に移動しているという事です。

ブルズアイ(Bullseye/bull/bulls)

Bullseye.png
※左:DCS WorldでのBullseyeの表示 - 右:Bullseyeの詳細
目標の位置を参照するための基準点。
傍受されても位置が判明しないよう、ある地点を基点として設け、そこからの方位・距離・高度で場所を示します。
実際にそこに何かあるというわけではなく、単に空間内の基点です。
例えば、BULLSEYE 225/30(読み方:two-two-five thirty)はBULLSEYEの位置から225度の磁気方位で30NM(海里)の位置を意味します。
BULLSEYEに対してコードネームが割り当てられる場合もあり、仮にROCKとした場合は ROCK 225/30 となります。
なお、BULLSEYEは"BRAA"と誤って解釈されることのないよう、"Bull"と短縮して呼称してはいけません。
引用:https://sites.google.com/view/falcon-jpn/afttp3-2-8

空対空ミサイル

ここではDCSに実装されている空対空ミサイルを紹介します。
誘導方式について

IRH(赤外線誘導方式)

IRH(赤外線誘導方式)
目標が発する熱を追尾する。 目標のRWRに反応せず撃ちっ放しが可能だが、フレアに対して脆弱。

IIR(赤外線画像誘導方式)

IIR(赤外線画像誘導方式)
赤外線を利用した画像誘導方式、点の分散(像)として目標を捉えるため、IRH方式より荒天やフレアに誤誘導されにくいなど多くの利点があります。

SARH(セミアクティブレーダー誘導方式

SARH(セミアクティブレーダー誘導方式
ミサイル本体は受信機しか持たず、自機が目標に照射したレーダー波の反射波をミサイルが捉えて誘導を行う方式。 ジャミングやチャフなどECMに強い反面、命中するまでSTTロックでの誘導が必要になる。

ARH(アクティブレーダー誘導方式

ARH(アクティブレーダー誘導方式
ミサイル本体が目標にレーダー波を照射することでミサイルを誘導する方式。 TWSモードなどソフトロックが可能かつ命中するまでロックを継続する必要がないなど利点が多い反面、ミサイル本体のレーダーは探知範囲が狭く貧弱なため、中間誘導に比例航法(COLOS)やSARHなど別の誘導方式を採用しているものが殆どです。

指令誘導方式

指令誘導方式
指令誘導は、ミサイルに指令信号を送り、目標に命中するように制御する方式です。 指令誘導にもビームライディング方式*1などいくつか種類がありますが、近年の空対空ミサイルには比例航法(COLOS)*2が採用される場合が殆どです。 通常、INSと組み合わせて使用されます。 ジャミングなどECMに脆弱。

INS(慣性航法装置)

INS(慣性航法装置)
自己の位置や速度を計測するための航法システムです。 ジャイロスコープと加速度計を使って、外部の参照を必要とせずに位置を算出します。 通常、精度向上のために中間誘導において比例航法(COLOS)やSARHなどと組み合わせて使用されます。

空対空ミサイル一覧

空対空ミサイル一覧
※AAM=Air-to-Air Missile ※nm=nautical mile(海里)

名称種類と最大射程詳細
420px-WeaponImage_AIM-7E_Sparrow.png
AIM-7 “Sparrow”*3
EFMMHアメリカ製の中距離AAM
 誘導方式:SARH
24nm37nm
45km70km
420px-WeaponImage_AIM-9L_Sidewinder.png
AIM-9 “Sidewinder”*4
BJLMPP5Xアメリカ製の短距離AAM
AIM-9B/J/L/M/P/P5
 誘導方式:IRH
AIM-9X
 中間誘導:INS+COLOS
 終末誘導:IIR
2.5nm10nm20nm
4.5km18km37km
300px-AIM-54A_(right)_on_F-14_at_NAS_Pax_1984.jpg
AIM-54 “Phoenix”
A Mk47A Mk60C Mk47C Mk60アメリカ製の長距離AAM
AIM-54A
 中間誘導:SARH
 終末誘導:ARH
AIM-54C
 中間誘導:SARH+INS
 終末誘導:ARH
120nm145nm130nm100nm+
220km270km240km180km+
300px-Zweifach_AMRAAM_Werfer_01.jpg
AIM-120 AMRAAM*5
BCアメリカ製の中距離AAM
 中間誘導:INS+COLOS
 終末誘導:ARH
40nm57nm
75km105km
300px-MICA_P1220883.jpg
MICA*6
IRRFフランス製の中距離AAM
 中間誘導:INS+データリンク
 終末誘導(MICA IR):IIR
 終末誘導(MICA RF):ARH
43nm
80km
420px-WeaponImage_Mistral.png
Mistral*7
3.5nmフランス製の短距離AAM
 誘導方式:IRH
6km
420px-WeaponImage_PL-5B.png
PL-5EII
10nm中国製の短距離AAM
 誘導方式:IRH
18km
420px-WeaponImage_R-13M1.png
R-3*8 / R-13*9
MM1RSロシア製の短距離AAM
R-3S/R-13M/R-13M1
 誘導方式:IRH
R-3R
 誘導方式:SARH
8nm4.5nm4nm
15km8km7km
1024px-WeaponImage_R-24R.png
R-24*10
RTロシア製の短・中距離AAM
R-24R
 誘導方式:SARH
R-24T
 誘導方式:IRH
27nm8nm
50km15km
400px-WeaponImage_R-27ER.png
R-27*11
ERETRTロシア製の中距離AAM
R-27ER/R-27R
 誘導方式:SARH
R-27ET/R-27T
 誘導方式:IRH
35nm28nm23nm18nm
65km52km42km33km
r33_2.jpg
R-33*12
110nm+ロシア製の長距離AAM
 誘導方式:SARH+INS
200km+
AA-6-Acrid.png
R-40*13
RTロシア製の中距離AAM
R-40R
 誘導方式:SARH
R-40T
 誘導方式:IRH
43nm10nm
80km20km
300px-K-5M_Air-to-Air_Missile.jpg
R-55 / RS-2US*14
3.5nmロシア製の短距離AAM
R-55
 誘導方式:SARH or IRH
RS-2US
 誘導方式:ビームライディング
6km
images.jpg
R-60*15
base modelMロシア製の短距離AAM
 誘導方式:IRH
4.5nm
8km
Sukhoi_Su-27_2008_G6.jpg
R-73*16
16nmロシア製の短距離AAM
 誘導方式:IRH
30km
Vympel-R-77-maks2009.jpg
R-77 AMRAAMSKY*17
54nmロシア製の中距離AAM
 中間誘導:INS+COLOS
 終末誘導:ARH
100km
420px-WeaponImage_Matra_R550_Magic_1.png
R.550 Magic 2
(Matra Magic II)
8nmフランス製の短距離AAM
 誘導方式:IRH
15km
sd10a.jpg
SD-10 中国版AMRAAM*18
50nm中国製の中距離AAM
 中間誘導:INS+COLOS
 終末誘導:ARH
90km
edmisr530_a.jpg
Super 530D
20nmフランス製の中距離AAM
 誘導方式:SARH
37km

有視界外戦闘(BVR/Beyond Visual Range)

  • BVRとは文字通り目視できない距離からミサイルを発射撃ちあう戦闘の事を意味します。
    ここでは初心者の方でも分かりやすいようDCS界隈で(国内/海外)よくで言われる用語や必要な知識に絞って記述します。
    また多数同士でのBVR戦闘については空中戦闘機機動(ACM) の項目に記述していきます。

目的

DCSの場合、相手を撃墜する事に主眼が置かれます。

補足事項

実際のBVRにおいての「勝利」とは敵機を撃墜する事とは限りません。
ある一定の空域を「制圧」し続ければいいのです(制空)
具体的には相手がしたい事をさせずに退去させることが出来れば「勝利」なのです。
因みにBVRが行われる前に電子戦機やAWACSなどによる電子戦(EW)も実施されます

パルスドップラーレーダーに関する知識

上記にも示しまたが戦闘においては目標を見つけなければ話になりません。
例えAWACS等から目標の情報を得ていても自機のレーダーが捕捉していなければ何もできないのです。
その為ドップラーレーダーの特性と実際の操作について簡単に解説します。

  • 原理
    「救急車のサイレン」で有名なドップラー効果を利用しています。
    発信された電波は対象物の金属面に電気エネルギーとしてたまり続け最終的に反射波となります。

レーダー探知不可範囲と操作について(非常に重要)

レーダー波は自機の先端を中心に円錐状に広がっていきます。
この事をまず頭に入れましょうしたがって自機の真下や真上は探知できません。
その為、必要に応じてレーダーアンテナ角度を動かす必要が有ります。
下図の場合、緑色の部分がレーダー照射範囲なので20Mile先の高度10000Ftや500ftに目標がいた場合は探知が出来ません。
レーダー.jpg


レーダー捜索範囲について

F18の例にとって説明します。Y軸方向(バー)は範囲を1B.2B.4B.6Bと
区切るエリアを増やしてスキャンしていく事が可能です。

1B2B4B6B
1B.jpg2B.jpg4B.jpg6B.jpg



X軸方向(アズマ)は左右に20/40/60/80/140°とエリアを増やしてスキャンしていく事が可能です。
水平スキャン.jpg

つまり最小スキャン範囲は20°/1Bとなり最大スキャン範囲は140°6Bとなります。もちろんスキャン範囲が広がればそれだけ時間がかかります。
なので目標位置が分かっていれば20°2Bにする等エリアを限定して操作する必要が有ります。
マルチプレイでは一応、目安として40°4Bぐらいがいいかもしれません(プレイしながら最適解を見つけて下さい)

レーダーの表示形式

戦闘機のレーダーの表示形式にはBスコープとPPIスコープ(Pスコープ)の2種類があります。
radar-scope.gif
最も良く知られているのは右側のPPIスコープで、自機を中心に放射状に距離と方位を表します。 空対地レーダーモードはPPIスコープ形式で表示れます。
Bスコープは横軸に方位、縦軸に距離を示す方式であり、F-15、F-16、F/A-18等の空対空レーダーモードではこの形式で表示されます。
(B-scopeについては別途記載あり)

HI PRF. MEDIUM PRF. INTERLEAVE PRF

PRFとは(PulseRepetitionFrequency)パルス繰り返し周波数の略です。
DCSの戦闘機では HI,MEDIUM,INTERLIVE,のモードが有ります(機体によりモード名や種類が異なります。)
ほとんどのプレイヤーはHIしか使用してませんが、使いこなせば相手より早く探知できる可能性が有ります。
基本的にHOT.COLDの目標に対してはHIを、FLANKING/ヘリ目標に対してはMEDIUMを使用し、
わからない相手に対してはINTERLIVEを使用します。(INTERLIVEはHIとMEDIUMを切り替えていく)

補足事項(さらなるコツ)
  • さらなるコツ
  • 目標が25nm以上にいてHOTの場合は、HIGH PRFにする必要があります。
  • 目標が 25nm 以内にいて HOT の場合は、MEDIUM PRF にする必要があります

    (25nm の外側から目標が近づいてくるのを追跡する場合は、HIGH から MED に変更します)。
  • 目標が25nm以内にいてCOLDの場合は、MEDIUM PRFにする必要があります。
  • 目標が 25nm の以上にいて、それが HOT か COLD かわからない場合は、

    向きが確定するまで INTERLEAVE PRF を使用し、それに応じて PRF を調整する必要があります。
  • MEDIUM PRF は、約 30nm の範囲までの COLD 目標に適しています。

    • MEDIUM PRFと比較したときのHI PRFの長所と短所
      • 基本的に、PRF が高いほど、次のパルスを送信するまでの待機時間が短くなるため、より大きなエネルギーを放出します。
        PRF が高いことの利点: エネルギーが大きいほど、長距離での検出が向上します。
      • 高い PRF の欠点: 次のパルスを待つ時間が短いため、明確な範囲 (戻ってくるまでの時間を計測するだけでターゲットを検出できる距離) が短くなります。
        長距離を検出するには、以前のサイクルから戻ってきたパルスを混同しないようにする必要があります
        (パルス B がすでに放出された後にパルス A が戻ってきた場合、近くのターゲットから反射したパルス B ではなく
        遠くのターゲットから反射したパルス A を判別する方法が必要になります)。
      • 高い PRF の利点: ドップラー効果のフィルタリングが向上します。周波数が高くなるとドップラー効果がより顕著になり、検出しやすくなるため、ホット ターゲットがより目立つようになるようですね。
      • 高い PRF の欠点: ドップラー フィルタリングにより、ターゲットのノッチ (側面) が見えにくくなります。hoggitより

レーダーモードの種類

F-15.F-16.F/A-18等の戦闘機に搭載されている代表的な空対空レーダーモードを紹介します。
(他にも機体毎に様々なモードが存在する。詳細は各マニュアル等を参照して下さい。)

STTモード(単一目標追跡捕捉)

レーダー波を1機の目標に対して連続で照射する。 ただし、このときレーダーは他の目標を探知できず、ロックされた目標はRWRからのレーダーロックオン警報を受けることになります。

RWSモード(捜索中測距)

レーダー走査で捕らえられた全ての目標を映し出す基本的な空対空レーダーモードです。 主に索敵で使う他、BVR時の目標指示などに使います。 RWSモードでロックオンするとSTTモードに移行します。

TWSモード(捜索中追跡)

TWSとはその名の通りTrack(追跡)While(~している間に)Scan(捜索)、追跡しながら他の目標も捜索することを意味します。 複数の目標をソフトロックすることが出来る反面、レーダーの情報更新頻度が遅いので目標が高機動旋回や急加減速すると目標を失探してしまう場合があります。

ソフトロックとハードロック

例えば、暗闇の中で走っている友達を懐中電灯で追いかけることを考えてみてください。

  • STT(ハードロック)が実際に行っていることは、懐中電灯の光をまっすぐに友達に向け、その光を彼に合わせ続けることです。
    基本的に常に彼を見ているので、彼の走る方向を簡単に推測することができ、もし彼が方向を変えた場合も、それを見て簡単に動きを調整できます。
  • TWSロック(ソフトロック)は実際にはロックとは言えませんが、不連続な情報から友達の位置を推定するだけです。
    懐中電灯でスキャンパターンを作り、そのスキャンパターン内で友達を見つけたときに、彼の走る方向と位置を心に留めておきます。懐中電灯の光が再び彼に当たったとき、その情報を更新します。
    これは、もし友達が急に方向を変えた場合、あなたの心の中のトラッキング情報にズレが生じてしまい見失うかもしれません。
    今度はその例を再び使って、友達にボールを投げようとしていると想像してみてください。彼に正確に当てるのは、TWS法よりもSTT法を使った方がはるかに簡単ですが、彼があまり方向を変えない場合を除きます。
    一方、その友達の立場になってみましょう。懐中電灯の光が常に自分に当たっている場合、友達が自分を見ていることは確実です。しかし、時折しか光が自分に当たらない場合は、友達が自分を見ていないかもしれないと推測できます。これがRWRで起こっていることです。

TAWDCSのレーダーシミュレーター

F-15Cに搭載されているAN/APG-63(V)1火器管制レーダーの動作を視覚化してくれるサイトです。
TAWDCSのレーダーシミュレーター

レーダー波反射断面積(RCS)

  • RCSとIR Exhaust Values
    • RCS(レーダー波反射断面積)とは物体がどの程度レーダー反射するのかという指標の事
      DCSでは機体ごとに設定されている。
      因みに正確に再現されている訳では無いらしい(詳しくはhoggit等を参照してほしい。)
    • IR Exhaust Valuesとは排気口からどれだけの熱源が出ているかの指標の事。
      「RCS表2023ver」
      「RCS/IR Exhaust Values表2020ver」

ジャミング(電子妨害/ECM)

F16/F18等の西側の第4世代機においては半自動的に行われる。(詳細は各機体のマニュアルを参照)
ジャミングを受けると目標の距離や姿勢等が分からなくなる。
しかしジャミングしている目標に近づくと捜索側のレーダーがジャミングを突破する。これを「バーンスルー」と呼ぶ。
またジャミングは自機のレーダー波まで攪乱してしまうため、レーダーの探知距離が短くなったり、
ジャミングしながらAMRAAMを使用すると誘導性能が低下して命中しずらくなるなどの弊害もあるので要注意。

SEADミッション等では専用のPODを装備して任務を行う事も多い。
jam.jpg
        (FC3マニュアルより引用)

グラウンドカッターとルックダウン能力

グラウンドカッターとはパルスドップラーレーダーで地表付近をスキャンした際に出るノイズである。
このノイズを消す機能を「ノッチフィルター」と呼ばれており、これを利用した戦闘機動が「レーダーノッチング」と「テレインマスキング」である。
又、このノイズを消して下方の敵機を補足する能力の事を「ルックダウン能力」も呼ばれており第3世代機までは非常に弱かった。
F4等でも再現されている
第4世代機でも複数の目標が低い高度にいる時などの特定の条件下で見ることが出来る。
グラウンドカッター.gif

レーダーノッチング/テレインマスキング

  • レーダーノッチングの機動は目標に対して横機動「ビーム機動」を取りつつ降下する事である。
    この機動はパルスドップラーレーダーを装備した機体に対して有効である。
  • F-14は「ドップラーレーダーモード」を装備しておりRIOの操作次第で補足することが出来る。
  • F-14以外での対策としてはRWRとレーダーを交互に見る事(クロスチェック)で感知できる可能性が有る。
  • テレインマスキングは同じ現象を利用した回避方法で地形(テレイン)をマスキングする様に
    低く飛ぶ事から呼ばれる。
  • 上記2つともレーダーとの距離が近いとバーンスルーが起こる為、両方とも無効になってしまう。

BVRに関わる距離「MAR(Minmum Abort range)と DOR(Desired Out Range)」

BVRに関わる距離は[タイムライン]と呼ばれていますがその中でも下記が特に重要なので記述します。
(DCSのBVRでは基本的に下記2つの距離の間を往復する事が多い)

  • MAR(マー・ギャグじゃない)ともいわれる。
    何もしなくてもミサイルを回避できる最低距離の事。(MARの内側に入る事→ミサイル回避が必須)
    これは敵機の高度/速度/ミサイルの性能/自機の旋回範囲/で変わるが海外ニキが目安を発表しているので以下に示す。
    radditよりThe Ops Center By Mike Solyomより最大射程・Grim Reapers
    MAR1.jpgmax.jpg
    西側AIM-120では26Mile程。AIM-54は35Mile
    東側はR-27ERでは21Mile表には無いが
    上の動画でR-77は15.5Mile(調べた方が違うので余裕見て17Mileと考えた方が良いかも)

    SD-10は情報が見つけられなかったが最大射程がAIM-120より1割低いので24Mile程度と思われる

  • DOR
    下の図の通り一度MARに入る前に反転し再び攻勢する時に必要な距離
    (ミサイルを発射するまでにかかる距離も含まれる)
    DOR.jpg
    The Ops Center By Mike Solyomの目安では旋回に8Mileとミサイルを発射に3Mile
    これにMARを足す。なのでAIM-120なら37Mile程になる

ステルスミサイル

ロックオンされていないのに撃墜された/RWRに何も表示されないのに撃墜された
このような事が起こるかもしれませんがチートではありません。
東側機にはEO(熱源感知)がありレーダー波を出さずにロックオン可能です。
そして装備されているR-27ETは熱源感知式かつ長距離AAMです。
また上述の通りデータリンクによるロックオンが可能な機体がほとんどです。
なのでMAR以内に敵機がいたら撃墜される可能性が常に有る事を頭に入れておきましょう。
(RWRの電源入れた?)

ミサイル回避術

ミサイル回避においても速度が非常に重要です。
また、チャフをまくことも忘れずに
(どれぐらいの頻度でばらまかくかはプレイヤー次第なのでhoggit等を参考にして下さい)
また、下記のコーナー速度の観点から400~450ノット以下にしない事。
ミサイルに無駄な機動をさせ運動エネルギーを失わせるイメージもしてください。

  • スライスバック(旋回降下)
    AIM-120等に代表される中距離AAMは高高度において最大射程になるが中高度では空気抵抗による減速が発生する。(SD-10は別で中高度で性能が最大になる)
    その為ミサイル回避のためスライスバックする事も有効だが乱用に注意する必要がある。
    (何度も降下すると逃げ場所が無くなる危険がある為)
    またAIM-54を15000ft以上から撃ち下ろすメタ的戦術もあるので、
    必ずしもミサイル回避出来る戦術ではない事に留意する事
  • ドラッグ機動
    目標に対してケツを向けて逃げる事
    MARの距離ぎりぎりで発射されたミサイルか、それ以上の遠距離のものに対して有効です。
  • ビーム機動
    下図のようにミサイルに対して垂直に90°を取り続ける事([図解/戦闘機の戦い方]より)
    ビーム機動.jpg
    補足/ミサイル回避のタイミング

    ミサイル発射後、即座に回避するのも良いですが、数秒待つのも手です。
    なぜならミサイルのロケットモーターは発射後、数秒で停止するからです。
    但し、ミサイルは高速で接近している事も頭の隅においてください。

    参考動画
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ミサイルを当てるには

MARとDORの往復するだけではミサイル当たらないし敵機も接近してくる。
どうすればいいのかという時に「クランク」「クランキング/F-Pole機動」という言葉が米空軍教本/DCSコミュニティに出てくる。

クランク

クランクとは米空軍教本によると「レーダー範囲ギリギリまで目標を補足する事」である。
更に言うとレーダーアンテナを最大限左右に振ったうえで範囲ギリギリで目標を補足する事である。

クランキング/F-Poleマニューバー

上記のクランク続ける軌道の事を「クランキング」という。(Crank+ING形)
また「F-Poleマニューバー」ともいう。この「F-Pole」は自機と目標を結んだ線であり、
この線の長さを出来るだけ長くする機動を言うので「F-Poleマニューバー」と言われる。
下の図に例を示す。
①の機動に関してはミサイルを発射したらアンテナを左ギリギリに振りながら右に旋回する。そしてAの地点で中間誘導が終わった瞬間に急旋回を行う。
②の機動に関しては少し複雑である。まず敵のミサイルが発射された①で右にクランクキングする。次に数秒(ミサイルの燃焼停止)待って②で左にクランキングする。
その直後に自分のミサイルを発射しながら左に旋回降下(次弾発射の可能性)していく。速度に関しては機動前から終始アフターバーナー全開で行う。
またクランキング中はレーダーアンテナを左右ギリギリに振りながら機動を行う
(イメージがわかない方は参考動画を見てほしい)

クランクキング例①クランクキング例②
先に自機がミサイルを発射し右にクランクキング先に目標がミサイルを発射し自機はクランクキングしながらミサイルを発射
Crank1.jpgクランク.jpg

牽制撃ち/「ミサイルの打ち上げ」

  • 牽制撃ちとは文字通りの意味で「Missile Posturing」ともいわれる。関連動画
  • 「ミサイルの打ち上げ」はミサイル発射時にピッチをあげて射程を伸ばす考えである。COLDの敵に対して有効
  • AIM-120だと15度ピッチを上げると20%程、射程が上昇する。

フレンドリーファイアーの危険性 (BVR)

遠距離からミサイルを発射する場合はフレンドリーファイアーに注意が必要である。ドッグファイトで混戦状態の場所や敵味方共にクランキング中の横腹にミサイルを撃つと味方にあたってしまうことが有る。
逆に味方からフレンドリーファイアーを受けることも有る。なのでバディと飛ぶ時にはACMの無線について学ぶ必要が有る。

一度に何発撃つか?どこまで近づくか

  • 米空軍の経験によると、AIM-120は1発で50%、2発で75%、3発で90%まで上がるとの結果が出ている。
    (ちなみにこの確率の事をkill probabilityまたはProbability killとよび頭文字をとってPkと呼んだりする)
    しかしDCSマルチでは3発撃っても当たらない事もよくある。なので、こればかりはプレイヤーの判断にゆだねられる
    • 因みにミサイルを複数発射して防御機動する事を[shoot-shoot-Asess]という。
      1発ずつ場合は[shoot-Asess-shoot]と言われる
  • また目標に対して、どこまで接近するかもプレイヤーの判断にゆだねられる
    (目次から飛んできた人は、BVRに関わる距離を最初に閲覧して下さい)
    自殺覚悟で敵機に近づくのもよし、安全パイを取って回避機動を取るのも恥ずかしい事では無く立派な戦術である。(この項目についてはACMの欄で解説する)
    自殺覚悟を決める戦術の事を「BANZAI」と呼ぶ米軍のユーモアには、引き笑いしてしまう

まとめ

一通りBVRについて説明を終えました。とりあえず初心者がソロで無線交信を行わずにマルチサーバーでBVR出来るだけの知識なので、これ以上の事はACMの欄を閲覧してください。

図解資料&関連動画

リンク集/手書きするとよく頭に入るシリーズBVR編/USA勢大好きAIM-120C AMRAAM使用解説画/空対空ミサイルの回避(6ページ)/米軍資料から読み解く現代の航空作戦 EP:01 (未完)/現代戦闘機の航空作戦とは - BVR (視界外戦闘) をやってみる【FalconBMS】

有視界戦闘(WVR/Within Visual Range)/ドッグファイト)

注意:解説したら膨大な量になってしまいました
下記項目に関してもマトモに勉強するよりAIやマルチで演習する方が上達への近道です。
その際は下記の動画を参考に様々な状態から演習を始める事をお勧めします。
是非参考にしてほしい動画(KThe Ops Center By Mike Solyom)
また、ドッグファイト前には増槽の投棄を忘れずに。
蛇足ですが一般的にWVRは[20nm以内]と言われてますが2nmでも目視では敵機が「点」になります

現代における有視界戦闘(WVR)/ドッグファイト)の考え方

現代戦においては下記に示すような基本戦闘機動(BFM)を念頭に考えることはなくなりました。
どちらかというとOFFENSIVE BFM DFFENSIVE BFM の考え方が重要視されます
具体的は「シャンデルをしてきたから〇〇をしよう」ではなく「旋回をしてきたが旋回率は自機が上だから・」の様な
考え方です。詰まる所「コントロールゾーンに素早く入り最速で撃墜することです。
その為にも、下記のE-M理論/ダイアグラムは非常に重要です。

エネルギー機動性理論(E-M理論)

1961年、当時米空軍の将校だったジョン・ボイド*19が自身の空戦論の理論付けの為にジョージア工科大学で知った熱力学からヒントを得て発案したもので、航空機の機動はエネルギー保存則に縛られるため、空戦においてエネルギーの変換と損失をコントロールし、攻撃位置を自機を有利に、相手側が不利になるように展開させる場合、その際に必要とされる航空機の機動能力*20は運動に変換することができる機体のエネルギーがどれだけあるのかで決まり、そのエネルギー比率はエンジン推力と抵抗の差を機体重量で割り速度を掛けた数値で求められるというものである。
EM.png
T:エンジン推力(N)
D:抗力(空気抵抗)
V:機体速度(m/s,ft/s)
W:機体重量(機体質量(kg)と重力加速度(g)の積、旋回や上昇、降下によって重力加速度は常に変化する。)
Ps:比エネルギー速度(m/s,ft/s)

 

航空機の運動エネルギーはエンジン推力によって得る速度から、そして位置エネルギーは単純に飛行高度からそれぞれ得られ、両者は力学的エネルギー保存則*21によって形を変えながら総量を維持するはずと考えるかもしれません。
しかし、現実は力学的エネルギーの総量が相手より高い状態だからといって必ずしも優位になれるわけではありません。 何故なら空気抵抗やその時のエンジン推力、旋回時に機体にかかるGによって機体重量が増加するなどして力学的エネルギーの総量が変動してしまうからです。
例えば機体質量が重く、空気抵抗が大きい旅客機が高高度を飛行していたところから降下したとしても、より軽量かつ大推力エンジンを備えたジェット戦闘機のように素早く運動エネルギー(速度)に変換できるわけではありません。
よってボイドが提唱したのはロケット工学においてロケットの性能を計るΔVにも似た比エネルギー速度(Ps)という概念でした。 上記の数式を元に考えると戦闘機の性能は機体質量、エンジン推力、空気抵抗によって決まることが分かります。 つまり機体質量が軽く大推力エンジンを備えた機体が理想ということです*22。 そしてこの理論の元最初に誕生したのが強力なF100エンジン二基を搭載したF-15でしたが、この機体はボイドの予想以上に重くなってしまい彼は満足しませんでした。 次に彼が推し進めたのはLWF(軽量戦闘機計画)というもので、この計画によってF-16とF/A-18が誕生しました。
ちなみに比エネルギー速度(Ps)の数値がマイナスになるとエネルギーの損失が生じる、すなわち高度か速度、あるいはその両者を毎秒ごとにそれだけ失う事を意味します。 逆に数値がプラスになると、エネルギーに余剰が生じ、これを速度か高度、どちらにでも変換でき優位に立てるのです。
そしてエネルギーの損失がない一定高度、一定速度を維持した旋回を「維持旋回」と呼び、Ps=0の状態の性能を比較するのがエネルギー機動性理論の基本です。
ついでに、この数値がプラスになるかマイナスになるかは単純にエンジン推力が抗力より大きいかだけで決まるのに注意して下さい。
この項目をよく理解できない方へ
物理の時間で「エネルギー保存の法則」を学んだと思います。これを応用すると「高度+速度=エネルギー」で常に一定ということになります。しかし空戦時には敵機や自機の位置、激しい機動で高度や速度が常に変化するので当てはまらないという事を言っています。その上でエネルギーを失わない様に「維持旋回」に努めることで空戦を有利にしようと言う事を提唱しています。そこで重要になるのが下記のE-Mダイアグラムになります。
まあ、BVRでケツまくって逃げるだけなら理解する必要ないけどね。

E-Mダイアグラム

航空機の機動性能で大きな比重を占めるのが旋回性能で、この旋回性能をエネルギーの点から見るのがエネルギー機動性理論とも言えます。 それを見やすく表現するためにボイドが考案したのが、エネルギー機動ダイアグラム(Energy Maneuverability diagram)です。
8615.jpg
上図の青線がF-86Fの、赤線がサブタイプ不明のミグ15の性能を示します。

  • 縦軸は旋回率(=角速度)、単位は度/秒で、1秒間にどれだけの角度を回ったかを見るようになっている。基本的に上に行くほど旋回率のいい優秀な機体となるが、実際は状況により異なる。
  • 横軸は速度で、失速と最高速度の限界を見るためのもの。通常は音速のマッハ数が単位として使われる。
  • 斜めに入っている湾曲した線が、機体にかかるG(加速度)を示す。この線がそれぞれの旋回率と速度、そして旋回半径でかかるGを示すが、直線的に変化する数値ではないため曲線となっている。
  • 右肩上がりの直線は旋回半径を示す。通常は海里(nautical mile/nm)の単位で示されている、右図のようにフィートで示されるタイプもあり、単位によって傾きの角度が変わる。上部のほうが小さい数字だが、旋回半径は小さいほうがいいため、値が上のほうにある方が優秀な機体といえる。
    エネルギー機動ダイアグラムからは、より大きな比エネルギー速度(Ps)を持ち、かつ最も効率よく旋回できる条件はどれであるかを読み取ることができる。空中戦ではより大きな比エネルギー速度を持ったものが有利になるのであれば、いかにして旋回中にエネルギーを失わないようにするかが問題となる。つまり必ずしも最速の旋回率・最小の旋回半径で回ればいいというわけではないため、そのために必要なエネルギーの損失情報を素早く読み取れるようにしたのがこのダイヤグラムである。
    一番重要な事項は最大旋回率時必要な速度で「コーナー速度」と呼ばれ高度毎に変わる。
    ドッグファイトで勝つには暗記すべき高度/速度である。まあBVRの間は(ry
    (F-16の現役パイロットがDCSで実演している⇒Max Afterburner)
    機体別E-Mダイアグラム

    以下のチャートはDCS Worldの各モジュールのE-Mダイアグラムです。 2022年にテストされたデータなので現バージョンでは多少違う可能性があります。(F4は実教本より)

    F/A-18C

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_15.jpg

    F-16C

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_16.jpg
    1678391483301.png

    F-15C

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_17.jpg

    F-15E

    1691072513429.png

    F-14B

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_18.jpg
    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_19.jpg

    F-4E(米軍マニュアル1973.P445/446より)
    総重量42777ポンドまで

    f4em1.jpg

    総重量43729ポンドまで

    f4em2.jpg

    F-5E

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_20.jpg

    M-2000C

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_21.jpg

    JF-17

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_22.jpg

    Mirage F1CE

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_23.jpg

    MiG-19P

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_24.jpg

    MiG-21bis

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_25.jpg

    MiG-29S

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_26.jpg

    Su-27

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_27.jpg

    Su-33

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_28.jpg

    F-86F

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_30.jpg

    MiG-15bis

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_31.jpg

    AV-8B NA

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_32.jpg

    MB-339A

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_33.jpg

    A-10CⅡ

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_34.jpg

    C-101CC

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_35.jpg

    P-51D

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_37.jpg

    Spitfire Mk IX

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_38.jpg

    I-16

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_39.jpg

    Mosquito FB VI

    Subsonic_Energy_Maneuverability_Diagrams_for_DCS_v202211_Page_40.jpg

    試験内容について
    • 仕組み
      これらの図は、標準的な日および固定燃料設定に対してDCSで実行された飛行テストに基づく亜音速推力、揚力、抗力特性の推定に基づいています。
      飛行データはTacviewに保存され、CSVにエクスポートされ、Pythonで解析されます。さまざまな速度と迎角での航空機の法線方向加速度と縦加速度を使用して、揚力曲線、抗力極、推力のモデルを推定することができます。
      そして、このモデルを使用して、速度と水平旋回率のさまざまな組み合わせにおける航空機の揚力と抗力を予測することができます。これがEMダイヤグラムの作成方法である。
    • 試験内容
      • 1,000ft上空で、パワーストールからマッハ0.8(または最高速度)までの間で、さまざまな速度で旋回を継続。
      • 1,000ftでアイドルストールからマッハ0.8(または最高速度)まで最大出力で水平加速。上昇またはインメルマンターンで10,000ft以上まで追従。
      • 10,000ft以上から亜音速マッハ数一定でアイドル推力でスプリットS。
      • 1,000ftで失速するまでの水平アイドル減速。
      • 最小持続旋回半径が達成されるまで、コーナー速度以上で最大性能の旋回を行う。

参考・引用サイト/動画

知恵袋
YOUTUBE
日本語wiki(本家)
F-22への道~戦闘機に見るアメリカ空軍史~
Subsonic Energy-maneuverability Diagrams for Selected DCS: World Aircraft © 2022 Contact Light

コントロールゾーン/(背後を取る)

コントロールゾーン.jpgコントロールゾーン2.jpg
  • ドッグファイトにおいてはコントロールゾーンに入る(背後を取る)事が全てです
    上記画像の緑三角部分がコントロールゾーンの例です(3次元だと円錐になります)
    このゾーンはオーバーシュートしないように距離を取っています。つまり相対する機体(スホーイ)や姿勢によって変わります
    (因みに相手を制御(コントロール)する範囲なので「コントロールゾーン」と呼んでいます)

Check six.(6時方向(死角)に注意せよ)

  • 上記の通り「背後」が全てなので旋回中、相手の後ろについた、撃墜した等の時は後ろに注意しましょう
    自衛隊の飛行教導群(アグレッサー)では合言葉代わりに後ろに目の模様がある「コブラ」をシンボルにしています
    • 敵機確認方法を下図に示す(High Pk WEZ)とは(高確率で兵器が命中する場所)である。
      そこからジグザグに目視で確認していく
      six.jpg

フレンドリーファイアの危険性(ドッグファイト)

ドッグファイトで使用するIRミサイルは敵味方問わずに追跡するので、
下記リンク先を参考にして行動してほしい。ACMフレンドリーファイア

Low Aspect BFM

OFFENSIVE BFM (格闘戦時における攻撃側の概念と機動)

OFFENSIVE BFMを直訳すると「攻撃側戦闘機動」ですが理論も含まれる為、このWIKI内では「概念と機動」と呼称しています。

目的

オフェンシブBFMの目的は最も短い時間で敵機を撃墜することです
この目的を達成するためにはパイロットは効果的な機動や下記の事について理解している必要が有ります

HCA(Heading Crossing Angle)

アングル・オフ(Angle-off)とも呼ばれもしあなたと敵機のHCAが0°であれば、あなたは敵機と並行して飛行していますし、
90°であれば直角のコースで飛行していることになります。

HCA.jpgHCA2.jpg



アスペクト角/Low aspect/High Aspect

自機の向きにかかわらず敵機の尾部(おしり)を基準点に真後ろを0°とし前を180度とした角度を指します
Low aspect・High Aspectは画像の通り(大体、左右45度までがLOW aspect)(図①)
またB-Scopeでも表され、真正面だと18になる。
L/Rは自機のどちら側にいるか/動いているのかを表している(図②③)

図①図②図③(F-16より)
アスペクト.jpgAA.jpgAA2.jpg

アタック・ジオメトリ

アタック・ジオメトリは攻撃側の機体が敵機に対して向ける進路です。関連動画

ラグ(lug)・パシュートピュア(PURE)・パシュートリード(Lead)・パシュート
使用例敵機へのアプローチ時に主に使用ミサイルを発射時敵機に接近する場合および敵機に機関銃を発砲
注意点使用時は相手より高い旋回率の余力を残す事続けすぎると敵機をオーバーシュート旋回率の余力の優位がなければ敵機を追い越す危険性

ジオメトリ.jpg


ラジアルG(radial G)

下図の通り重力の影響でインメルマンよりスプリットSの方が早く旋回します。
この概念の事をラジアルGと呼びます。
ラジアルG.jpg


旋回半径と旋回率

  • 旋回半径
    旋回半径は単に自機がどれだけ急に旋回できるかの尺度です。
    公式から旋回半径は速度の2乗されることが分かっています。つまり速度が上がれば旋回半径は指数関数的に
    上昇していきます。またGも加わり旋回半径にも影響します。
    詳細はE-Mダイアグラムを見てください。
  • 旋回率
    旋回率は旋回半径又は円の中をどれだけ早く機体が旋回するかを意味し、どれだけ早く機種方位を変更するかという単位に言い換えることもできます。
    ですから旋回率は一秒に何度方位を変えられたか(度/秒)で表されます。また、対気速度とGにも依存します。
    Gが最大(一定)の場合、速度が高ければ旋回率が低下します。速度が低ければ旋回率が上昇します。
    詳細はE-Mダイアグラムを見てください。
    旋回率.jpg

コーナー速度

急旋回を行う時の最適な速度の事を指します。
ジェット機では400~450CKAS程度です。(ノット較正対気速度(KCAS))。詳細はE-Mダイアグラムを見てください。

ターニングルーム

相手との距離が近すぎても遠すぎても旋回時に背後がとることが出来なかったり、逆に背後を取られるので一定の距離又はオフセット(ずれ)を取ります。
この距離やずれをターニングルームと呼びます。
ターニング.jpg

旋回円

旋回円とは戦闘機が旋回する時の軌道の事を言います。
旋回円.jpg


ターニングルームと旋回円の関係性について

上記2つに関係性が有り理解することは非常に重要です。
下記画像を見ると敵機の旋回円より外側に自機が来ています。
そうすると自機のターニングルームが敵機にとられてしまい、後ろを取ることが出来ません、下手に旋回すると背後を取られます。
これは垂直方向でも同じことが起こります
(自機はハイ・ヨーヨーしてますが意味が有りません)
実戦においては敵機の旋回円より内側に入り自機のターニングルームを取る必要が有ります。

関連エリア.jpg関連エリア2.jpg


エントリー・ウィンドウ

敵機の旋回の内側に入れそうであれば、敵機が旋回を開始した地点を目指し、そこで旋回を開始しましょう。この地点をエントリーウィンドウと呼びます。
そうすることで敵機からターニング・ルームを奪い取ることが出来ます
コーナー・速度を保つことに注意を払ってください。もしコーナー・速度から外れたままエントリー・ウィンドウに入っても、旋回率が十分に発揮できず攻撃のためのピュア・パシュートへ移れなくなるからです。
敵機の3,000フィート以内(ガンの射程内)に接近するまではラグ・パシュートを続け、射程内に入ったらピュアあるいはリード・パシュートを行います。
もしHCAが45度以内であればスロットルによって敵機と速度を合わせます。この速度調節では常にスロットルを前後させ続けることになるでしょう。
もし速度を十分に落としきれないようであれば、ロールして敵機の旋回円と自分の旋回円のなす平面が並行に重ならないように飛びます。
この機動をアウト・オブ・プレーン・マニューバと呼びます。
二秒ほどこのような飛び方をしたら敵機に向けた旋回に戻ることで、敵より少しだけ長い距離を飛ぶことができ、不必要な接近や追い越しの危険性を避けることが出来ます。
(Bigbirdより引用)
エントリー.jpg

DFFENSIVE BFM(格闘戦時における守備側の概念と機動)

DFFENSIVE BFMを直訳すると「守備側戦闘機動」ですが理論も含まれる為、
このWIKI内では「概念と機動」と呼称しています。
また詳しい内容はKThe Ops Center By Mike Solyomを見ながらDCSで演習を繰り返し内容を理解してください。
目次から飛んできた方は、お手数ですがOFFENSIVE BFMから閲覧願います(用語の理解が必要)

目的

敵機に背後にとられた時には「生き残る」事が最大の目標です。「諦めたらそこで試合終了」
米空軍教本では「生き残る」→「先手を打ち破る」→「その後の攻撃をさせない」→「攻勢に転ずる」とされています
因みに映画のようにスロットルとスピードブレーキで回避出来たら苦労しませんし実際にはうまくいきません
df.jpg

動き続ける

機首よりますがF-5だとコーナー速度を用いた旋回で一周につき36秒かかります。
この間に僚機がマッハ1近くで来れば距離が7マイル近づきます。つまり動き続ける事で生き残るチャンスが生まれます

敵機の姿勢をよく見る

アタック・ジオメトリの観点から敵機がミサイルを撃つのかガンを撃つのかは姿勢を見れば確認できます。
画像例は至近距離で示していますが、実際のところは、ほぼ点です。
なのでアフターバーナーや翼の見え方から判断するしかありません。

(Lead)パシュート(PURE)・パシュート角度ごとの見え方の例
df2.jpgdf3.jpg



ガンからの防御(回避)

基本的にコーナー速度で旋回することが基本ですが、それでも回避できそうにない場合は下の軌道を試してみましょう。

  • OUT of Plane(oop)
    画像①を見てください。敵機がガンキルを狙ってLead軌道を取っています。
    この時に①の様なY軸に逃げることによってガンの射線をきる事が出来ます。
    ②に示す通りスティック(1G程度)倒し旋回方向に曲げてから旋回を始めます。
    この軌道は米空軍教本にてOOPと呼んでいます。
    この軌道を続けると高度を上げ下げし最終的には速度を失いシャンデルやスプリットSを描き敵機に撃墜されてしまいます。
    mms.gifstick.gif


  • JINK
    この軌道はOOPを行い続けた後の最後の手段として行います。
    OOPの軌道を行いつつスロットルをアイドルに戻し両手で思い切りスティックを引き機体を失速させて敵機の旋回円のに入り込みます
    画像ではJINKに成功しシザーズ軌道に移行しています。注意点としてJINKは高度を失う機動です。地面に近すぎると行えません
    jink.gif

IRミサイルからの防御(回避)

  • ミサイルの際にもにコーナー速度で旋回することが基本です
    次に「アスペクト比で戦う」という考え方が有ります、画像のように自機後方の象限上「X」から発射された場合
    回避する方法は最大機動で旋回して自機のビーム上(真横)に乗せてしまうことです。
    注意すべきは最小半径で旋回しようとせずコーナー速度で旋回するようにしてください。
    なぜならミサイルは外れると爆発し破片が自機に降り注ぐことになるからです。またフレア等の使用も忘れずに。
    MDF.jpg

  • ↓その他のIRミサイル回避方法↓

背後から現れた敵機のかわし方(距離・2nm)

突然、背後から敵機が現れたらどうしますか?映画の様に速度を落としても、相手も同じ事をして来るだけです。
既にミサイルが発射された場合は上記の様な機動を行って、まずはミサイルを躱してください。
もし発射されていない場合は敵機に向かって素早く鋭い8G旋回を行わないといけません。
これは「おまえとやりあう」という強い意思表示を示すと同時に心理的圧迫を行います。
素早く鋭い旋回を行うにはコーナー速度に達していなければなりません。
更に敵機に向かって旋回する時は揚力の向きを敵機に向ける必要が有ります。
これにより相手は角度とアスペクトをずらされ、コントロールゾーンに入ることが難しくなります。
更に揚力の向きを敵機に向けた事によって敵のターニングルームを奪うことにも成功しています。
下記画像の様に揚力の向きを敵機以外(水平線等)に向けていると敵機はコントロールゾーンに入ってしまいます。
dfm10.jpg

旋回円の外側にいる敵機に対する防御機動

上記のとおり最速かつ敵機に対して適正な角度で旋回を行いました。
次はどうしますか?それを決めるには敵機が自機のどの位置にいるかを確認します。
元々、6時方向にいた敵機が3時、9時方向(横)にいた時は防御旋回は成功しています。
しかし敵の鼻先はあなたに向かれ銃撃されるかもしれません。
銃撃から逃れるには上昇・又は下降します
そうすることで銃撃から逃れつつ敵機をオーバーシュートさせることが出来ます。
mdf1.png

旋回円の内側にいる敵機に対する防御機動

もし背後に敵機が居て、しかも1nm(海里)以内という直近にいたらどうしますか?
やることは同じです。しかし距離が近いので敵機の機動は違ってきます。
敵機は貴方の旋回円の近くから機動を行う為、最善の防御旋回をしても敵機が貴方の横より前に出る事は無いです
そして敵機は貴方の旋回円への内側へ入る為に、ラグ・パシュートを行い撃墜して来るでしょう。
敵機の機動に対抗する為には高G旋回を行い続け相手の鼻先に自機を突っ込ませる事です。
また高G旋回前に直進し速度を回復する必要があると考えも有りますが、どの程度直進するかは判断が難しい所です
もし直進させた場合、敵機は速やかにコントロールゾーンに入りミサイルを撃ってきます。
そして貴方はミサイルひきつけたうえで高G旋回を行い回避する必要が有ります。
いずれにせよ高G旋回を行う事は必定です。その際、敵機の旋回速度を見極める必要が有ります。
もし敵機の旋回速度が速いと感じた場合はガンキルを行う準備をしてください。
mfd11.png

敵機が突然貴方の上を飛んだらどうしますか?

  • 敵機がターニングルームを確保する為に上昇し始めたら貴方も鼻先を敵機に向けつつ上昇する必要が有ります。
    そして上昇し始めたら敵機に注目して下さい。近づくと敵機も対抗してラグパシュート位置につき銃撃してきます。
    もし敵機が上昇すると貴方は敵機に対して中立的な位置につきます(画像①)
    なぜなら貴方の方が速度が上で旋回半径も小さくなるからです。
    そして、このタイプの戦闘の場合シザーズ軌道(画像②)へ移行してきます。
    シザーズは、お互い横一列に並んで中立的な位置にいるときに発生します。お互いに相手の背後を狙って機動しあいます。
    シザーズは通常敵機よりも前進速度を早く減速できた方が勝ちます。
    dfm15.jpgdfm16.jpg


  • リード(Lead)・パシュートは敵機が行う可能性が有る、もう一つの機動です。
    敵機が1nm(海里)後方からリード(Lead)・パシュートする場合、恐らくオーバーシュートします。
    上記で説明した2nmの状況を覚えていますか?(背後から現れた敵機のかわし方)
    同じ結果が1nm(海里)でも発生します。但し敵機をオーバーシュートさせるには最善の旋回をする必要が有ります。
    コーナー速度より±50knot以上または十分な高G旋回を行わない場合、敵機はオーバーシュートしません。
    敵機が出来る最後の手段はピュア(PURE)・パシュートです。そしてミサイルが来なければ貴方の勝利です。
    (この状況でミサイルを撃たない人は少し変です)この一連の機動をHUD BFMと呼ばれます。
    HUD BFMは、ほとんどの場合、大幅なオーバーシュートとリードの変更をもたらします。
    言い換えると敵機が先頭に立つようになります。

オーバーシュート

オーバーシュートには飛行経路(Flight path)オーバーシュートと3-9ライン(横)オーバーシュートの2種類が有る。
3-9ライン(横)オーバーシュートは常に戦術的に重要ですが飛行経路(Flight path)オーバーシュートは
戦術的に重要ではない場合が有ります。下の図は3つのオーバーシュートの飛行経路を表しています。
「A」はF-16の飛行経路をわずかにオーバーシュートしています。これは戦術的には重要ではありません。
「B」はF-16の飛行系を十分にオーバーシュートしている為、F-16が旋回を反転すると「B」は横一列又は
前方になってしまいます。
「C」はF-16の3-9ライン(横)を誤って通過したため、大きな問題を抱えています。
dfm14.jpg
敵機がオーバーシュートする可能性があると予測した場合は敵機の速度、角度、旋回率に注意して下さい。
敵機と自機の関係によってどの様に位置が反転するかが決まります。経験則として敵機がオーバーシュートする時の距離が長く旋回率が少ないほど、反転時に敵機を3-9ライン(横)の前に押し出す可能性が低くなります。
敵機がオーバーシュートした場合、そのチャンスを生かす方法は2つあります。
敵機が鼻先を逸らしながらオーバーシュートしそうになったら「無負荷の逆転」を実行してください。
無負荷の逆転をするには一旦、操縦桿を戻し航空機をロールさせて旋回先を敵機に直接あて再び高G旋回を行い
敵機にひきつけます。この方法は敵機がオーバーシュートする事が確実な時にのみ実行してください。
この方法は敵機を前に押し出す事はできません。敵機に素早く接近するだけです。
もう一つの反転は注意して行う必要が有ります。これは、ロード反転と呼ばれます。
ロード反転を実行するには、ロールしながら機体にGをかけ敵機に向かって旋回します。
この反転はオーバーシュートしそうな敵機を「強制的」にオーバーシュートさせる為に使用されます。
ロード反転の状況は下図の通りです。
dfm13.jpg
ロード反転の欠点は実行したときに、万が一敵機がオーバーシュートしなかったら次の機動をする為の速度が無くってしまいます。敵側の僚機が近くにいた場合は即撃墜されてしまうでしょう。
次にオーバーシュートに関する経験則のいくつかを下記に示します。
1.敵機のオーバーシュートに疑問が有る場合は敵機に向けて旋回しないでください。
2.敵機との距離が2000Ft以内で、敵機が旋回率を上げつつ飛行経路を通り過ぎようとしているときは後退するのが最善です。
3.敵機との距離が3000ftを超える場合は方向転換しない方が良いでしょう。敵機はオーバーシュートを修正してあなたに対して3-9ラインを保持する余裕が多すぎます。

High Aspect BFM

MERGE

ハイアスペクト比で出会った瞬間の事を言う。
ほとんど①だが、②、③の様に高度差、向きには関係ない[Fight on!!]

マ-ジ5.gifマージ.jpgマージ2.jpg

リードターン(リード・{パシュート}・ターン)

接近戦の状況によっては図①の様に有利な状態からマージする
その時に行う機動がリードターンである(図②)
③において敵機は400Knotでそれぞれの向きになった時のリードターンに適正なスピードが記載している。
④の様な垂直方向も、もちろん存在する。

リードターン1.jpgリードターン.jpgリードターン速度.pngリードターン10.png

ONE CIRCLE FGHIT

ONE CIRCLE FGHI/Nose to Nose FGHIT(ワンサークルファイト/ノーズトゥノーズファイト)

  • 下記の画像の様に2機が同じ円を描くように動くことから「ワンサークルファイト」と呼ばれています。
    更に言うとお互いに後ろを取ろうしても機首が先に来ます。(Nose to Nose)
    基本的に旋回半径が敵機より小さい航空機にとって有利です。
    画像①の場合スホーイ(赤線)がF15の内側に入ることでミサイルを発射の機会を得ています(攻撃側)
    F15はスホーイより内側に入ることで理論上は攻撃を躱せますが画像の場合は無理です。(守備側)
  • 画像②の様に敵機が3-9ライン(横)より後ろにいる場合はトゥーサークルファイトに移行します(F-16教本より)
  • 因みに垂直Verも有ります(画像③)
    1サークル.jpgmake.jpg垂直.jpg

TWO CIRCLE FGHIT

TWO CIRCLE FGHIT/Nose to Tail Rate FGHIT(トゥーサークルファイト/ノーズトゥテールレートファイト)

  • 画像①の様に2つの円を描くように動くことから「トゥーサークルファイト」と呼ばれています。
    基本的に敵機より早い旋回率 持つ時に有利です。
    F15は機体特性でスホーイより早い旋回率が有り画像①の場合、最終的にF15側がミサイルを撃つ機会を得ます。
  • もし相手の方が勝利した場合はワンサークルファイトに移行します(図②/F-16教本より)
  • 因みに垂直Verも有ります(画像③)
    2サークル.jpg22.jpg垂直2.jpg

上記2つに関する動画

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格闘戦で使用するレーダーモード

F/A-18Cを例に格闘戦(20nmの範囲)で使用するレーダーモードを紹介します
(機種によって能力や走査範囲が違うのでマニュアル等を確認してください。)

ボアサイトVACQWACQオフボアサイト(JHMCS)
ボアサイト.jpgvacq.jpgwacq.jpgJHMCS.jpg
中心の円内を補足する垂直方向に捕捉する水平方向に捕捉するヘルメットに表示された円内で補足する

関連/引用動画

Baseline Intercept (迎撃について)

空中戦では背後を取る方が有利である。米空軍教本にはBaseline Intercept として記載が有る

B-scopeの表示について

  • 下図に示すのがB-SCOPEでの敵機と自機の関係である
    ・距離が近づけば図①の様にレーダーでも近づく
    ・図②の様に距離が遠いのに中心に捉えた場合は迎撃角度を浅くする必要が有る
    ・図③の様に目標がレーダー波の中心から遠ざかるようで有れば迎撃角度を深くする必要が有る
    ・図④は理想的な迎撃になる
    図①図②図③図④
    b1.gifb10.gifb11.gifin6.jpg

実際のBaseline Intercept について

  • 上記のB-SCOPEを利用し20Mile位まで近づいたら図①の様に敵機の尾部に合わせるように機動を変える
    理由としては図②に示す通りターニングルームを取る為である
    また20MileなのはBVRが始まる為である
    ・迎撃時のアスペクト角は12~18で6~8mileの距離が理想である(図③)
    ・アスペクト角が低い場合はLead/高い場合はLagを取る(アタック・ジオメトリ)
    ・例として正面からの機動は下図のようになる(図④)
  • また正面からの接敵を避ける戦術にも応用できる
  • 注意点としてはレーダー画面に注視しすぎない事である
    図①図②図③図④
    inp5.gifinp2.jpginp7.jpginp11.gif

引用動画

基本戦闘機動(BFM)/

1.定義と目的:
BFM: 個別の機動操作で、主に個々の戦闘機が敵機に対して位置的優位を得るための基本的な技術です。BFMは、特定の戦闘機動の実行に焦点を当てており、個々のパイロットの技能に依存します。

2.適用範囲:
BFM: 具体的な機動(例:急旋回、ヨーヨーマニューバ)に関するもので、個々の戦闘機が使用する技術です。BFMは単一の機体が敵機と直接対峙する状況で用いられます。

3.訓練と応用:
BFM: パイロットは基本的な機動を学び、それを個別に実行する訓練を受けます。BFMのスキルは、異機種空中戦訓練(DACT)などを通じて磨かれます。
要約すると、BFMは個々の戦闘機の基本的な戦闘機動技術に焦点を当て※マニューバ(米: maneuver、英: manoeuvre、マヌーバとも)は、航空機の機動、動き方のこと。

基本戦闘機動(BFM)

概要
基本戦闘機動(BFM)は、戦闘機パイロットが空中戦で敵機に対して位置的優位を得るために使用する技術です。パイロットは自機と敵機の性能特性を把握し、自機の強みを活かしながら敵の弱点を突く必要があります。BFMには「プライマリーBFM」と「リラティブBFM」の2つのカテゴリがあります。プライマリーBFMは敵の位置に関係なく行われる基本的な機動で、リラティブBFMは敵機の動きに対して行われる複雑な機動です。
BFMは一連の固定された動きではなく、状況に応じて変化する流動的かつ即興的な動きの組み合わせです。成功する戦術が毎回同じ結果をもたらすわけではなく、運も大きな要素とされます。軍事訓練では、同じ型の機体を使った対戦を行い、視覚的な判断や接近速度の認識などの重要な概念を学びます。
異機種空中戦訓練(DACT)は異なる機種間で行われ、パイロットはお互いの機体の性能を十分に知らないため、基本的なBFMの原則と判断力に頼って有利な位置を取ることが求められます。この訓練を通じて、パイロットは敵の弱点を活用するスキルを磨きます。 BFMは、複数機での戦闘機動の基礎となり、より実戦に近い状況での訓練が行われます。

維持旋回

維持旋回
上記の通り「出来るだけエネルギーを失わない旋回」ただスティックを曲げるのではなく
場合によってはスロットルも調整する

ループ(宙返り)

ループ(宙返り)
宙返り。一般に上向きのものを指す。下向きのものは逆宙返り。上方、下方と名前の前に付けて方向を区別することもある。
proxy-image.gif
言葉の通り。ジェットコースターのコースにもある
インメルマターンやスプリットSと違い一回転する。(上向き宙返り/下向き宙返り)
※上方に宙返りすることを「インサイドループ」という。

エルロン・ロール

エルロン・ロール
AileronRoll2.gif
水平飛行中にエルロンのみを使用して直進しながら左または右方向に360度ロールすることで、曲技飛行にも使われる初歩的な航空機の操作技法のひとつ。航空機には揚力があるため、機体の姿勢が変わると揚力の強さ・向き・誘導抵抗なども変わるので正確に高度・速度を維持する必要性が高い曲技飛行中にはパイロットは姿勢を微調整することが必要である。
また、エルロンロールから派生する曲技飛行の技として「(n)ポイントロール」と呼ばれる、ロール中に(n)回静止させつつ水平飛行に戻るものがある。

シャンデル

シャンデル
proxy-image (1).gif
水平飛行中から45度バンクし、そのまま斜めに上方宙返りし速度を高度に変える。開始時と終了時で方位が180度変わり、速度が減少する代わりに高度が上がる。

スライスバック/スライスターン

スライスバック/スライスターン
sliceback.png
シャンデルの逆で、水平飛行からマイナス45度(135度)バンクし、そのまま斜めに下方宙返りし高度を速度に変える。開始時と終了時で方位が180度変わり、高度が下がる代わりに速度が増大する。

インメルマンターン/スプリットS(逆インメルマン)
  • インメルマターン
    ドイツ空軍エースパイロット、マックス・インメルマンが初めてやったという逸話に由来
    低高度で反対方向にゆっくりと移動する敵に対して優れた攻撃機動である(ハイサイドガンパスをする時)防御には向かない軌道
  • スプリットS
    アルファベットのSの文字に由来、日本では[逆インメルマン]と呼ぶ人もいるそうな...
    敵機に背後を取られた時やミサイル回避、空域から素早く離脱する時などの防御時に行うことが多い。
    インメルマンターンスプリットS(逆インメルマン)
    インメルマン.jpgスプリット.jpg
ハイ・ヨー・ヨー/ロー・ヨー・ヨー
  • ハイ・ヨー・ヨー
    ヨー・ヨーのひとつで、目標機を追う際に自機の速度が優速である場合に余った速度を上昇することで高度に変換し一旦速度を落とし、そこから降下することで再び速度を得ながら追随する。
    proxy-image (2).gif
  • ロー・ヨー・ヨー
    ハイ・ヨー・ヨーの逆で、目標機を追う際に自機の速度が劣速である場合に足りない速度を降下することで補い、そこから上昇することで再び高度を得ながら追随する。
バレルロール

バレルロール
proxy-image (3).gif
横転(ロール)と機首上げ(ピッチアップ)を同時に行うもので、銃身(バレル)の内壁をなぞるように螺旋を描きながら飛行する。緩やかに操縦桿を引き、横に倒し、結果斜め手前に倒すことにより行う。敵機の背後をとるために有効とされる機動の一つである。
進行方向と高度は変わらず位置だけが左右にずれるので、簡単に言うと飛行機の側転にあたる。人間にたとえるなら、動く歩道に乗って(幅は無視して)進行方向と直角に側転する状態が近い。この場合、体の向きや進行方向はそのままで人の位置が変わるわけであるが、飛行機の場合重力や揚力にしたがって落ちたり上がったりするので、最初に斜め上に向かいながら回る必要がある。正面から見ると半円(円の上半分)を描くような軌跡。
後ろにつかれたときに使うと弾の被弾率を抑えることができる。なお、後ろについたときに敵機がバレルロールを始めたら進行方向はそのままだが進む距離が増える分敵機は減速するので行き過ぎて後ろをとられないように注意。

ダイブアンドズーム

ダイブアンドズーム
敵機に背後を取られた際に降下(ダイブ)し、ロールなどで回避機動を行いながら相手が再上昇したところを見計らってこちらも上昇(ズーム)し、背後から落とす方法。相手よりも自機の高度が低く、なおかつ降下出来るほどの高度の余裕がなければ実行できないうえに、P-47やFw190等の急降下制限速度が高く高速域の高G機動に耐える機体でしか実行出来ず、出来る機体は限られる。

ブレイク

ブレイク
敵機を振り切るための急旋回。

シザーズ

シザーズ
シザーズ.gif
左右に不規則に繰り返すブレイク。
シザーズとは、防御側で危険なオーバーシュートをさせるか、攻撃側で危険なオーバーシュートを防ぐために、航空機の相対的な前進運動(ダウンレンジトラベル)を減速させることを目的とした一連の旋回反転と飛行経路のオーバーシュートのことである。防御側の目標は、攻撃側と位相がずれないようにし、銃による解決を防ごうとすることであり、一方、攻撃側は防御側と位相を合わせようとする。通常、操縦性の高い機体が有利となる。シザーマニューバーには、フラットシザースとローリングシザースと呼ばれる2種類がある。

フラットシザーズ

フラットシザーズ
Flat_scissors_with_instruction_diagram_symbols.PNG
フラットシザースは水平シザースとも呼ばれ、通常、水平方向への低速オーバーシュートの後に発生する。防御側は旋回を反転させ、攻撃側を前に飛び出させて狙いをくじこうとする。その後、攻撃機も反転し、防御機の後ろに残ろうとし、2機はウィービング飛行パターンを開始する。

ローリングシザース

ローリングシザース
Rolling_scissors_maneuvering_with_instruction_symbols.jpg
垂直の降下または上昇中のバレルロールとシザースを組み合わせたブレイク。
ローリング・シザースはバーチカル・シザースとも呼ばれ、上からの高速オーバーシュートの後に起こりやすい。防御側は垂直上昇から上空でバレルロールに反転し、攻撃側に追従を強いる。機首をターンの頂点か底辺に速く通すことができる機体が有利となる。推力重量比が1以下の機体との戦闘では、機体はすぐに高度を失い、地面に墜落する可能性が出てくる。著者のマイク・スピックによれば、「垂直ローリングシザーズからの離脱は、スプリットSと多くの希望を持って行うのがベスト」である。

捻り込み

捻り込み
image002.jpg
旋回戦中のショートカット機動で、ループの頂点直前で失速横滑りして斜め旋回に移行し旋回半径を大幅に縮める。坂井三郎の左捻り込みなど。ただし旋回半径の短縮についてはプロペラの寄与も大きいので(そのため機体によって右旋回ないし左旋回に限られる)、ジェット機では不可能である。

ラグ・ロール

ラグ・ロール
Lag_displacement_roll.jpg
攻撃をリード・パシュートからピュア・パシュート、あるいはラグ・パシュートにすることによって、テール・オフ・アングルを減少させるために使用されるマニューバーである。機体の揚力ベクトルが防御側と一直線になったところで操縦桿を引き、機体を旋回に戻す。このマニューバーは、リード・パシュートの高いAOTによって引き起こされるオーバーシュートを防ぐのに役立ち、また機体間の距離を広げるのにも使える。

ディフェンシブ・スパイラル

ディフェンシブ・スパイラル
Spiral_dive_with_instruction_diagram.jpg
攻撃側を出し抜くことに失敗した防御側は、たちまち「対空速度もアイデアもない」状態に陥ってしまう。ディフェンシブ・スパイラルは、運動エネルギーが枯渇し、他の土壇場の機動をうまく実行できない場合に防御側が使う機動である。このマニューバーは、旋回中に機首を低く下げてスパイラルダイブに入り、重力を利用して回避行動を続けるのに必要なエネルギーを供給する。防御のためのスパイラルは、真下に向かって行うローリングシザースとなる。防御側の目標は、地面が危険なほど近づくまで攻撃側と位相がずれないようにすること。通常、早く減速できる機体が有利であり、防御側はオーバーシュートを強いるために、しばしばパワーをカットし、スピードブレーキを伸ばす。この試みが失敗した場合、防御側は通常、可能な限り最後の瞬間に急降下をやめ、攻撃側を地面に激突させようとする。

コブラ/フック/クルビット
  • コブラ
    Su-27_Cobra_2b.png
    コブラは航空機のマニューバの1つであり、空戦機動の1つである。水平飛行中に進行方向と高度を変えずに機体姿勢を急激にピッチアップして迎角を90度近く取り、そのまま水平姿勢に戻る機動を指す。
    瞬間的な挙動と急減速に伴う操縦の困難さのため、パイロットに高い技量が要求されるほか、Su-27・F-22 ラプターなど強力なポストストール能力を有した一部の機種でないと行えない機動とされる。
    ソビエト連邦の崩壊前の1990年代に作成された一部の論評などで、パルス・ドップラー・レーダーに対する欺瞞効果を推測したものがあったが、実戦で用いるものではなく、飛行特性の良さを訴えるデモンストレーションの意味合いが強い。
  • フック
    フックは水平旋回飛行中のコブラとされ、進行方向と高度を変えずに機体姿勢のみを90度近くピッチアップし、機首を旋回円中心方向に向けたあと、そのまま水平旋回に戻る機動を指す。「コブラ・ターン」とも呼ばれる。
    1993年のドバイ航空ショーでSu-35 フランカーE1によって初公開された。コブラと同じく非常に特殊な機動のため、失速下機動性(ポストストールマニューバビリティ)に優れた機種や、推力偏向ノズルを装備した機種でこそ可能なものと考えられている。
  • クルビット
    クルビットは水平飛行中のコブラから機首を前方に戻さず、後方に一回転させ水平姿勢に戻る機動を指す。外見上の挙動は、高度を変えないままの宙返りとなる。
    Su-27 フランカーの発展向上型であるSu-37 フランカーE2によって初公開された。Su-30MKM フランカーF2が推力偏向を用いず動翼のみで成功した事例もあるが、推力偏向ノズルを持つ機種であれば難易度は下がる。 現在のところ、この機動を行えるのはSu-27・Su-35・Su-37・F-22などの高度な失速機動特性を持つ機種に限られている。
    フィクション作品では、コブラと同様な必殺技として描写されることが多い。
ベクタード・スラスト

ベクタードスラスト
推力偏向が可能な機体(AV-8B ハリアー IIやF-22など)において、空中機動時にノズルの向きを変更し、急激な減速や方向転換を行う。

空対地戦闘(A-G)

攻撃時の高度に関して

  • 固定翼機の攻撃はMANPADS*23やAAA*24回避の観点から特別な事情が無い限り5000ft(AGL)以上で完了させる
    また低高度爆撃やヘリでの攻撃時は地形や障害物を利用する為に1000Ft(AGL)以下にする事。
    逆に1000Ft~5000ftの間は危険な高度の為、出来るだけ滞空時間を減らす事

生き残るための「守るべき10のルール」

あらゆる戦闘形態では、絶えず変化する戦場の試練に適応できる機敏な精神が必要とされる。戦術的な戦闘においては、絶対的な真理や最適解は決して存在しません。 ここで取り上げる「ルール」は、実際にはほとんどの状況で有効な指針である。 これらの「ルール」を、あなたが直面する戦術的課題に対するあなた自身の解決策を考える枠組みとして捉えてください。

(1)目標の真上を飛んではならない

(1)目標の真上を飛んではならない
敵がいることが分かっている、あるいは疑わしい地域の上空を飛んではならない。 航空機の下は狙うことができない場所の一つであることを忘れてはならない。
OverflyNo.jpg
攻撃後、バーチャルパイロットの多くは目標上空を飛行してしまう。
OverflyNoTracers.jpg
OverflyYes.jpg
Break-off.jpg

(2)最大射程から撃つ

(2)最大射程から撃つ
MaxRangeNo.jpg
対戦車ミサイルで交戦中の敵戦車を1.7kmの距離から撮影したシュクヴァルビュー。この距離なら、敵戦車は簡単に撃墜できる。
MaxRangeYes.jpg
対戦車ミサイルと交戦中の敵戦車を5.3kmの距離から撮影したシュクヴァル図。この距離では、敵戦車は発見して発砲するのに苦労するだろう。

(3)「デッドマンズ ゾーン」を避ける

(3)「デッドマンズ ゾーン」を避ける
丘の頂上は、ホバリングや飛行には最悪の場所です。 地形を利用して自機を隠すことを忘れないでください。 丘の上ではなく、丘の周りを飛行してください。
DeadManZoneNo.jpg
DeadManZoneYes.jpg

(4)新しいエリア = 危険エリア

(4)新しいエリア = 危険エリア
新しいエリアに入るたびに、すべての木に敵の対空兵器が隠れていると想定してください。

(5)偵察しすぎということはない

(5)偵察しすぎということはない
ヘリコプターの機動性と強力な光学システムを活用して、進入しようとしている新しいエリアを徹底的に偵察してください。 地形を利用して位置を隠します。カバーされた位置からホバリングを開始し、ゆっくりと徐々に上昇して、新しいエリア全体をスキャンできるようにします。 この上昇中に、検出または攻撃された場合に備えて降下する準備をします。

(6)ターゲットを特定する

(6)ターゲットを特定する
現代の戦場は非常に動的です。敵と友軍の位置は、非常に短い時間で兆候なしに大幅に変化する可能性があります。 機械化戦と装甲戦の機動性を考えると、最前線という概念は時代遅れです。 装備の種類、空間的方向、ブリーフィングに基づいてターゲットを特定します。

(7)弾薬を温存する

(7)弾薬を温存する
機関砲しか武器がない状態で目的地に到着しても意味がない。 ミッションの目的に集中せよ。 ミッションの達成を危うくするような機会目標との決定的な交戦は避けること。 また、ミッションを完了したら、基地に戻るために弾薬が必要になることも覚えておくこと。

(8)作戦の状況を把握する

(8)作戦の状況を把握する
ブリーフィングには、離陸時に利用可能なすべての情報が含まれています。直面する敵の種類に応じて、ヘリコプターに弾薬と対抗手段を装備する。 気候レポートには細心の注意を払い、目的地へのアプローチを決定する上で重要な情報となる。 すべての戦闘機の中で、攻撃ヘリは陸上部隊により接近して行動するものである。 支援する地上部隊の作戦との関連で、自分の任務目的を理解するように努めよ。

(9)敵の側面を最大射程で攻撃せよ

(9)敵の側面を最大射程で攻撃せよ
正面から攻撃する場合、ヘリコプターは敵の全線からの攻撃にさらされる。 側面から攻撃すると、敵の兵器システムから攻撃される可能性が低くなります。

(10)忍耐

(10)忍耐
忍耐力の欠如は命取りだ。敵のユニットを発見する割合が、自分が破壊できる割合を上回ったら、アプローチを考え直そう。

「生きるための10のルール」の出典: シミュレーションガイドの大家、リチャード・シェフィールド著『ガンシップ・アカデミー』。

爆撃前のチェックリスト(W.A.M.O.E check)

爆撃前には以下の事をチェックする事

  • WEPON MODE
    パイロンは正しく選択したか。爆弾の信管設定は良いか。
  • Arm
    Mastar ARMは解除したか。
  • Master Mode
    対地モードに設定したか。
  • Ops check
    計器類に異常はないか
  • Error Analysis
    上記の事を爆撃前にもう一度見直す

爆撃(リリースモード)

このリリースモードの章では、武器のリリースに使えるいくつかのモードについて解説する。
ミサイルは厳密にはどちらにも該当しないが、機体によってはCCIP、CCRP、あるいはそのどちらにも分類される。
どのリリースモードを使用するかは、目標の位置、周辺の脅威、使用する兵器の種類など状況によって異なる。
例えば、無誘導ロケットはCCIPリリースモードになるが、目標の周囲にSAMが存在する場合、
これはあまり実行可能な選択肢ではないかもしれない。
その場合は、誘導弾による高高度CCRP投下が良い選択肢になるかもしれない。

CCIP

CCIP.png
連続算出命中点(CCIP)は機首を目標に向けて爆弾を投下し、目標に命中させようとするもので恐らくリリースモードの
中で最も把握しやすいものだろう。
一般的にCCIPで投下される兵器はロケット弾や無誘導爆弾、低空侵入爆撃で使用される高抵抗爆弾などである。
第4世代機(A-10C、F-14、F-18C)では、HUDのシンボルやレーザー測距によって照準の手助けをしてくれるが、
第3世代機(F-5E,Mig-21)等では自分で調整する必要がある。
派手な計器や誘導システムがなくても、この方法は特に無誘導兵器の場合、ターゲットを命中させるための信頼できる
正確な方法である。
この方法の欠点は、戦闘地域でMANPADSやAAAなどが展開している場合、撃墜されてしまう危険性があることである。

注意点/コツ

  • 爆撃には風.G、速度、ラダー操作の有無が影響するので注意する事
  • 爆撃進入時は左右どちらかに旋回する様に進入した方が良い(目標を見失わない)
  • 特別な事情が無い限り降下角度は30°程から始めた方が良い(照準まで余裕が有るし引き戻しも楽で済む)

爆撃開始高度(BASE)

  • MANPADSやAAA回避の為、5000ft以上から爆撃を開始した方が良いかもしれない。
  • 友軍による砲撃が有る場合はFF回避の為10000ftから爆撃を開始した方が良いかもしれない(米空軍教本より)

Slant Range (スラントレンジ)の重要性

F-5等、CCIP機能が無い航空機では以下の内容が重要になる

  • (Slant Range)目標までの傾斜距離⇒三平方の定理でいう斜辺の事
    兵装の安全距離を考える時や目標との距離を算出する時に使用する為、重要
  • MIL
    F-5を始めとする米国の戦闘機はMILが、ガンサイトに採用されている。
    詳しい説明は省くが以下の事だけ覚えて欲しい。
    • 1MIL=1foot(30cm),距離:1000ft(100ヤードで1inch(3cm)の角度が上がる/下がる)
  • slantrangeの具体例を下記に示す。(F-5にて説明。練習機は同様のT-38の為)
    MILは79に設定し降下角30°で5000Ftで降下していく(斜辺は10000ft)
    (MILはF-5のBOMB TABLEより検索)
    また、CCIP時の侵入速度は400~450Knotで降下していく←(米空軍教本より)
    以上の事を行えば当たるハズ(当たらない場合はActive Pauseで要確認)
    dive.jpg

ネタ

CCIP神/A-10神の教祖である「ルーデル」を称えよ

POP-UP ATTACK

CCIPの一種。低高度で侵入し目標前で急上昇し攻撃を行う
・例として低高度(約1000ft)で侵入し目標前で30度の引き上げをし
1800ft上昇後、目標へ旋回し降下角度10度で攻撃を行う
・古の対艦攻撃でも使われた手法。対戦車/対艦ミサイルも同様の機動を行う事が有る(ジャベリンやハープーンが有名)
概念図引用先

概念図
popup.jpg
参考/引用動画(F-18)
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参考動画(VIGGEN/ロケット攻撃)
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CCRP/AUTO

CCRP.png
連続算出投下点 (CCRP) は、コンピュータによって自動的に爆弾が投下されるリリースモードです。
降下による投下だけでなく、水平飛行中や上昇中でも投下が可能です。
ただし無誘導爆弾ではCCIPに比べて精度が落ちるので、誘導爆弾を使用することをお勧めします。
CCRPの利点は、目標に機体を向ける必要がないこと(被撃墜のリスクが低い)低空で投下する必要がない事、等である。
海軍機ではAUTOモードとも呼ぶ[F-18/Chuk's Guide]

注意点/コツ

  • 5000ft以上(通常は15000Ft?)で水平飛行しつつ投下しとけば良い
    (実際問題、記述している戦技について資料が見つかりません有識者の方が居れば記述願います。)
    mav2.jpg

TOSS(CCRP)

TOSS.jpg
CCRPの一種。イメージとしては下手投げ 参考動画
上記の2つよりも目標から離れた位置より爆弾を投下できる。
主に防空網が有る地域に対して行うことが多い
実施後はインメルマターン/ハーフキューバンエイトを行う

Low level Bombing(Level toss)

  • TOSSの一種
    100ft~2500ftの間にて水平~30度の降下角度で行う。引き上げ時は4Gで行う
    武装ではMk-82 snake eyeが有名
    連続で行う場合は20秒空ける事(F-5教本より)
  • 対艦攻撃にも応用できる・アルゼンチン軍の様に「マストをかすめる」位、高度が低い方が良いかもしれない

    low.jpglevel3.giflevel2.jpg

地対空ミサイル(SAM)

高度の重要性

メタ情報だがSAMでは15000Ft以上、MANPADSだと5000Ft以上が安全の目安になる

赤外線誘導SAMからの避け方 Grim Reapers

攻撃機動

1.目標からCOLDした状態で最大速度(アフターバーナー)全開で5-10°降下する。
2.目標に向かいつつミサイルが向かってきたら、スロットルをアイドルに戻す。ミサイルに向かって緩い角度でバレルロールをする。フレアも撒く
3.ミサイル回避が出来たらスロットルを全開に戻す
4.追加が発射されたら2.3を繰り返す。
5.目標上空に来たら可能な場合、爆弾などを落とす
(3~5の速度は400Knot~450Knotにする)
6.(高速.中速機/この時点で300Knotなら即死)スロットルを切りフレアを撒きながら低空を直進する(可能なら建物の影などに隠れる)
6.(低速機/A-10等)スロットルをアイドルにし低空を直進し続ける
7.再攻撃する前に数マイルの距離を取る→最初に戻る

防御機動


1.スロットルをアイドルへ。フレアを撒きながら真下に降下しながらSAMから離れる
2.フレアを撒きながら滑空する
3.安全になったらスロットルを戻し脱出する。

東側地対空ミサイルの特徴と回避

東側地対空ミサイルの特徴

SA-2

データ

001-SAMThreatGuide-001.png

特 徴:長射程SAM、大体高機動してれば当たらない悲しい子。
無力化:真ん中の火器管制レーダーを破壊すれば無力化できます
避け方:避け方は高度下げるかグネグネ動く

SA-3

データ

001-SAMThreatGuide-002.png

特 徴:中射程SAM、中、低高度にいると撃ってくる、避けるの結構難しい子
無力化:火器管制レーダーを破壊すれば無力化できます
避け方:避け方は木と同じ高さを飛んで、ミサイルが飛んできたら一度高度を上げてから超低空飛行に戻る、そうするとミサイルが地面にぶつかる

SA-5

データ

001-SAMThreatGuide-003.png

特 徴:超長射程SAM 射程はSA-10より遥かに長いため、まだ100nmくらいあるしヘーキヘーキと油断していると落とされる。
無力化:火器管制レーダーを破壊すれば無力化できます。
避け方:とにかくドラッグ機動(ケツ向けて逃げる)で低空飛行。 幸いにも巡航ミサイルなどの小さな目標は探知できない。

SA-6

データ

001-SAMThreatGuide-004.png

特 徴:中射程SAM なんか割と高高度にいても撃ってくる、お前本当に中SAM?避けるのそこそこ難しい子
無力化:火器管制レーダーを破壊すれば無力化できます
避け方:避け方はSA-3と同じ

SA-8

データ

001-SAMThreatGuide-005.png

特 徴:短射程SAM 低高度飛んでると撃ってくる、ミサイルが当たる直前にバレルロールすると無理矢理避けることができる
無力化:こいつは本体が撃ってくるので、本体を破壊すれば無力化できます
避け方:避け方は上に書いた通り、それか高高度飛べば撃ってこない

SA-10

データ

001-SAMThreatGuide-007.png

特 徴:超長射程SAM なんかすげー遠くまで飛んでくる、射程長いせいで警報が怖い
無力化:火器管制レーダーを破壊すれば無力化できる。 地形を利用して探知されない超低空で可能な限り接近し、アフターバーナー全開でHARMやJSOWなどを投げ込むのも無理ではないが、SA-15と同様撃ち落としてくるので単機では難しい。 結局TALDデコイなどで発射機が空になるまで撃たせるのが一番有効と思われる。
避け方:避け方は低空飛行☆、こいつは巡航ミサイルを迎撃可能。

SA-11

データ

001-SAMThreatGuide-010.png

特 徴:中射程SAMだけどほぼ長射程SAM避けるのはもう逃げるぐらいしかした事ないんで気合です
無力化:こいつは火器管制レーダーを破壊しても無力化できないので注意、各ランチャーにレーダーがついてます、死ね
避け方:避けるのはもう逃げるぐらいしかした事ないんで気合です

SA-15

データ

001-SAMThreatGuide-013.png

特 徴:短射程SAM すげー近づいても撃ってくるヤベーやつ、HARM迎撃すんなハゲ
無力化:こいつは本体が撃ってくるので、本体を破壊すれば無力化できます。 幸いにも射程は短いのでAGM-65でも破壊可能です。 ※必ず二発撃つこと!
避け方:避け方?気合。

参考動画

参考動画
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地対空ミサイルの構成

SAMというだけで構成や種類は様々ですが、基本的に地対空ミサイル陣地というと以下の要素で構成されています。

地対空ミサイルの構成

早期警戒レーダー(EWR)
 早期警戒レーダー。防空システムの一端を担い、特に広い範囲の敵を発見する。
 自身で迎撃攻撃手段は持たず、発見した情報を敵最寄りのSAM中隊内のSR等に提供・引き継ぎを行う。

  • 捜索レーダー(SR)
     Surveillance RadarもしくはSearch Radar、監視レーダーもしくは捜索レーダー。SAM中隊においてミサイル射程圏内に近づく敵機を発見し監視する主たるレーダー。
  • 火器管制レーダー(TR)
     SAM中隊において、これからSAMを命中させたい特定の敵機を追尾するレーダー。指令誘導方式やセミアクティブレーダー誘導方式のSAMにおいてはこの車両が指令送信や連続波照射の機能を兼ねていることも多い。
  • 指揮車両(C2)
     Command and Controlの略で指揮&統制を意味するが、DCSにおいてはSAM中隊で防空戦闘の指揮を執り攻撃命令を下す司令官が乗り込んでいる箱型車体の車両。
  • 発射機(LN)
     Launcher、ミサイル発射機。SAMやSSMのシステムを構成する車両の一種。地上据え置き型のもの、自走車両型のもの、旋回能力の有無などさまざま。近距離SAMでは捜索レーダーや追尾レーダーを1台に併せ持つものもある。 自走車両の発射機がミサイルを装填した状態で移動する能力を持つ、発射機を持ち上げミサイルが垂直に打ち上がるように動作するものはTEL(輸送起立発射機)とも呼ばれる。
地対空ミサイル網破壊時の優先目標について

HARMによって破壊可能な目標はTRとSRです。 EWRは波長が長すぎるのかHARMのシーカーが起動しても終端誘導が行われません。
ではTRとSR、この二つのどちらを優先的に狙えば良いかというと、TRです。 なぜならTRはミサイル本体の誘導を司っており、破壊されれば二度とミサイルを撃てなくなるからです。
確かに、SRを破壊するとSAMの探知範囲が著しく狭まるのは確かなのですが、厄介なことにTRが生きているとレーダーアンテナの角度によっては探知されてしまう場合があります。
ただ、狙いやすさであればSRのほうがずっと起動している分HARMを撃ち込みやすいです。 TRは追跡レーダーなのでロックオンされた状態を維持できないとHARMが命中しません。
なので最初にSRをHARMで無力化した後に、SAMの射程外からJSOWといったスタンドオフウェポンを使用してTRを無力化するというのもアリだと思います。

近接航空支援(CAS)

JTAC

170719-F-YM181-003.jpg170719-F-YM181-010.jpg

統合末端攻撃統制官(とうごうまったんこうげきとうせいかん)(Joint terminal attack controller) 参考動画
略称:JTAC(ジェイタック)は、前線航空管制業務を遂行するための特別な認定資格を有する軍人である。 
2003年以前は前線航空管制(FAC)と呼ばれており、彼らの任務は攻撃機を適切に統制する事で誤爆を防ぎ、最前線で活動する味方地上部隊の安全を確保する事に有る。
また、航空管制と同時に爆撃効果判定(BDA)も行われることが多いが、
これは砲兵の前進観測班(FO)が射弾観測を行うのと同様である。
このように前線航空管制の業務内容は、多くが砲兵の前進観測と類似・重複している為、
米軍や英軍では火力支援班(FST)として統合運用されている。
DCSではこれらの役割をプレデターやリーパーなどの無人機が行う場合が多い。
さらに詳しいことを知りたい方はこちら⇒「JTACとはー I 指揮と統制」

キーホール、コントロールタイプ、BoT/BoC

  • JTACの運用の詳細に入る前に、いくつか触れておくべき概念がある。
    一つ目はキーホールCASで、ターゲットエリア内のナビゲーションと方向性を管理する簡略化された方法である。
    目標地域の中心にウェイポイントが指定される。これを "エコーポイント "と呼ぶ。
  • 航空機はこの地点を基点に向きを決めキーホールはエコーから4つの方向、
    北/アルファ、東/ブラボー、南/チャーリー、西/デルタに割り当てられる。
  • 航空機はこれらのポイントまでの距離と高度も提供される。
  • つまり、JTACが航空機を目標の北10マイル、高度12000フィートの地点に向かわせたい場合、
    『アルファ10、エンジェル12』と指示することになる。 一つニュアンスが違うのは、固定翼の距離はNMで、回転翼はKNである。
    Keyhole_example.png
    次に、コントロールのタイプがある。最も厳しいものから最も緩いものまで、3つのコントロールタイプがある。
    近くに非戦闘員や友軍がいる場合は、より厳格なコントロールタイプを選ぶことになる
  • タイプI: JTACが航空機と目標の両方を捕捉し、JTACは攻撃の最終許可を与える前に
    航空機が目標に向かう方向を目視で確認できる。
  • タイプII:JTACは目標か航空機のどちらかしか見ることができない。
    JTACは、航空機が単一の目標のみを攻撃するようにクリアランスを与える。
  • タイプIII:JTACは1回の交戦で複数の攻撃をクリアすることができる。

    そして最後に「ボムズ・オン・X」:
    ボム・オン・ターゲット(BoT): JTACは目標にトークオンする。
    ボム・オン・コーディネイト(BoC): JTACは目標の高精度の緯度/経度を提供する。
    パイロットがチェックインする条例は、JTACがBoTとBoCのどちらを指示するかを知らせることができる。
    トークオン

    トークオン
    BoCの場合、特定の緯度/経度に誘導するだけで十分ですが、BoTの場合、JTAC はパイロットにターゲットを口頭で伝え、許可を出す前にパイロットが正しいターゲットを見ていることを確信する必要があります。 このプロセスを「トークオン」と呼びます。
    JTAC が Smoke と Laser を持っている場合、会話は非常に簡単になります。

    JTAC: do you see the tracked vehicle at the red smoke?(赤い煙の先に追跡車両が見えるか?)
    Pilot: Affirm(はい)
    JTAC: thats your target(それがあなたの目標です)

    JTACがこれらのツールを利用できない場合、話はより複雑になります。 米海軍の「ADVANCED NFO CAS PROCEDURES T–45C」を引用します。

    一般的に、トークオンは大から小へ行うべきである。そのためのテクニックは、"FIDO: "という略称で知られる次のような形式で指示を出すことである。
    a. From a point (目印となる地点)
    b. In a direction (カーディナル/サブカーディナル方向)
    c. Distance to travel (確立された単位またはメートル)
    d. Object seen(JTAC/FAC(A)がパイロットに見てもらいたい目標または物体)

    Halo-11:JTAC/FAC(A),Hammer-11:航空機
    「Hammer-11, call contact the Shelby airfield」(Hammer-11、シェルビー飛行場が見えるか)
    「Hammer-11, I see a northeast / southwest runway, with a road extending east from the north end of the runway.」(こちらHammer-11、北東から南西に延びる滑走路が見える、その滑走路の北端から東に道路が延びている。)
    「Hammer-11, using the runway as one unit of measure, the target is half a unit from the north end of runway along that east running road, target is a tank pointed east.」(Hammer-11 滑走路の長さを1として、目標は滑走路北端から東に延びる道路に沿って半ユニット、目標は東を向いた戦車だ)
    「Hammer-11, tally target.」(こちらHammer-11 目標を視認した。)

9-line

陸軍地上部隊に随行する航空連絡士官(ALO)等から空軍に対して火力支援(近接航空支援)要請があると、それを受けた統合末端攻撃統制官(JTAC)は攻撃機に対して目標等に関する情報を伝達する。
このときに用いられる様式が"Nine Line Brief"と呼ばれる。
JTACは航空機に搭乗するか、戦術航空統制班(TACP; Tactical Air Control Party)の一員として地上部隊に随行する。
Nine_line.png
9 Line Brief
(1) IP (Initial Point)/BP (Battle Point) - 固定翼機の場合は目標接近の基点、回転翼機の場合は目標遭遇予測エリア。
(2) HDNG (Heading) - 固定翼機の場合はIPから目標への磁方位、回転翼機の場合はBP中心点からの方位。攻撃機の機動を制限する必要に応じてOFFSETも指定される。
(3) DISTANCE - IPからの距離。固定翼機の場合はNM(nautical miles)で指定、回転翼機の場合はmetersで指定する。
(4) TGT ELEV. (Target Elevation) - 目標の高度。平均海水面(Mean Sea Level)を基準にfeetで指定。
(5) TGT DESC. (Target Description) - 目標の概要
(6) TGT LOC. (Target Location) - 目標の座標
(7) MARK TYPE - 目標をマークする手段の種類(白燐・照明・赤外線・レーザー)とレーザーコード
(8) FRIENDLIES - 目標付近の友軍
(9) EGRESS - 脱出経路

JTACとの無線交信例

無線交信例1

無線交信例1
ACFT:青 JTAC:緑
ACFT: Checks in w/ number/type, location, ordenance, playtime
JTAC: keyhole, type 2/3 in effect, echo point is XXX YYY (description and/or coordinates)
JTAC: proceed to and hold at A/B/C/D NN Angels NN, report established
JTAC: SITREP - enemy strength, nearby friendlies, restrictions, hazards
JTAC: GAMEPLAN - Type 1/2/3 Bombs on (target|coordinates).
Report established and ready for 9-line
ACFT: established/ready
JTAC: NINE-LINE

  Entry Keyhole delta, heading NNN, NN distance,
  Elevation NNN
  Target is DESCRIBE,
  Located DESCRIBE
  Marked by SMOKE|LASER code NNNN
  Friendlies are JTACS_LOCATION
  Egress Keyhole ABCD
  Advise ready remarks

ACFT: READY
JTAC: ordinance type pilots discretion; RESTRICTION,

  final attack heading XXX through YYY
  readback target location, restrictions,
  report ready for talk-on

ACFT: (does readback), ready for talk-on
JTAC/ACFT - talked into seeing the target
JTAC: report IP and INBOUND
ACFT: IN from the north/south/east/west
JTAC: cleared HOT (single/type 2) or to ENGAGE (multiple/type 3)
ACFT/JTAC - report firing, shack's, aaa/sams etc.
ACFT: 'OUT' to the north/south/east/west
JTAC: direct ACFT back to the holding point, and ready to copy next 9-line

補足事項(座標の意味・UTMグリッド/MGRS)

  • 映画やゲームで自分の位置を伝える時、等に「88304930」や「82404690」の様な言葉を聞いていると思う
    これらはUTMグリッドやMGRSと呼ばれる物でメルカトル図法の地図を基に作成した座標の付け方である
    詳しい説明
  • 上記の「88304930」は正確には[54SUE88304930」⇒「東京駅丸の内/下馬口」となる。
    また「82404690」は正確には[54SUE82404690」⇒[渋谷駅/ハチ公前広場]となる
    (戦場の無線では早く伝えるために下8桁を言う事が多い)
  • 国土地理院の地図は「設定」でUTMグリッドが使えるので試してみると面白いかも⇒国土地理院

関連動画

THE ケルマーン Part_2byあーちすと/米空軍JTACとF-15Eとの近接航空支援訓練/【Falcon BMS】海外プレイヤーと近接航空支援 #1/【Falcon BMS】海外プレイヤーと近接航空支援 #2

https://wiki.hoggitworld.com/view/JTAC

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最後に

一通りソロ又は初心者が必要な知識をまとめました。複数の場合はACM等を閲覧して下さい
ちなみに経験者が初心者の方に口にするであろう言葉は「とにかく死んでくれ」である。
侮辱するわけではなくDCSはタルコフやELDEN RINGと言った「死にげー」だからだ。
タルコフWIKIの名言の通りで「経験こそが最高の武器」である
また、DCSは最高の「するめゲー」の一つであることは間違いない。
主観的な意見を入れてごめんなさい🙇
また、この場を借りて引用、参考動画、サイト製作者の方々に感謝申し上げます。

参考/引用サイト・動画

FALCON JPN
「DCS Black Shark Tactics Primer」
Hoggit DCS World Wiki
Raddit
英語版wiki(本家)
Bigbird japan
vnfawing.com
「TheOpsCenterByMikeSolyom」ch
「ArmorCast」ch
「Cypher1778」氏]ブログ
grimreapers
アーチスト氏
https://codex.uoaf.net/index.php/BFM_tactics#Aspect_Angle
https://www.digitalcombatsimulator.com/en/files/3331424/

コメント欄

  • BRAAの画像にcoldが無かったので差し替えました。対空ミサイルについても追記しました。 -- もちもち? 2024-07-13 (土) 07:25:24
  • ありがとうございます! -- 編集者C? 2024-07-13 (土) 14:55:26
  • BVRの項目に関連動画を添付し、リリースモードと近接航空支援の項目を編集しました。 -- 編集者C? 2024-07-14 (日) 18:20:04
  • SEAD/DEADの項目にSA-5を追加し、各SAのデータを閲覧できるようにしました。 -- 編集者C? 2024-07-14 (日) 18:22:04
  • DRって具体的には何マイルですか?出来るだけかみ砕いて、わかりやすく記入した方が良いと思います。 -- もちもち? 2024-07-16 (火) 23:13:46
  • ミサイル回避にスライスバックを追記しました -- もちもち? 2024-09-02 (月) 23:38:03

*1 発射母機からのレーザーやレーダービームに追従し、目標に命中します。
*2 目標の針路と速度から予測した未来位置に誘導する方式
*3 “Sparrow”(スパロー)とはスズメ、もしくはスズメ科に属する鳥類全般の意。
*4 “Sidewinder”(サイドワインダー)というニックネームは、発射すると独特の蛇行した軌跡を描きながら飛行する様子と、赤外線を探知して攻撃することから、ヨコバイガラガラヘビにちなんで名づけられた。
*5 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile(先進中距離空対空ミサイル)の略、本来は開発計画の名称であったが開発期間が長かったため定着してしまい、そのまま正式名称として採用された。 米軍内では"slammer"(スラマー)という非公式な愛称が定着している。
*6 この名称はフランス語でMissile d'Interception, de Combat et d'Auto-défense(直訳すると「迎撃、戦闘、自己防衛ミサイル」)の略である。
*7 この名称はフランス語でMissile transportable antiaérien léger(直訳すると「運搬可能な軽対空ミサイル」)の略である。
*8 NATOコードネーム:AA-2A/B Atoll(アトール)
*9 NATOコードネーム:AA-2C/D (AA-2-2) Advanced Atoll(アドヴァンスド・アトール)
*10 NATOコードネーム:AA-7 Apex(エイペックス) ※某FPSゲームとは関係ないので注意。
*11 NATOコードネーム:AA-10 Alamo(アラモ)
*12 NATOコードネーム:AA-9 Amos(エイモス)
*13 NATOコードネーム:AA-6 Acrid(アクリッド)
*14 NATOコードネーム:AA-1A Alkali(アルカリ)
*15 NATOコードネーム:AA-8 Aphid(エイフィッド)
*16 NATOコードネーム:AA-11 Archer(アーチャー)
*17 NATOコードネーム:AA-12 Adder(アッダー) ※アメリカのAMRAAMと運用形態や性能が似ていることから、西側のジャーナリストから「アムラームスキー」と呼ばれた。設計はアムラームとは全く関係なく、「アムラームスキー」は嘲笑的な呼び方である。
*18 NATOコードネーム:CH-AA-7 Adze(アズ) SD-10はPL-12の輸出型である。
*19 ジョン・ボイド(1927-1997)-米空軍将校、戦闘機パイロットとしての経験を生かし、空戦および戦闘機設計理論としてE-M理論を生み出し、F-15やF-16の開発に携わり、意思決定理論としてOODAループ・コンセプトを提唱。
*20 高度、速度、進行方向これらの任意の組合わせを素早く変化させる能力
*21 重力などの保存力のみが働く場合、力学的エネルギー(運動エネルギー+位置エネルギー)の総量は常に一定である。
*22 軽量であれば空戦機動時の重量増加を抑えられ、大推力エンジンによって運動エネルギーの損失を抑え、素早く回復できる
*23 携帯式防空ミサイルシステム、「MAN-Portable Air-Defense Systems」の略でマンパッツと読む。1200px-LAAD_stinger.jpgこれらの兵器を歩兵が使用する場合には事前に発見することは困難であり、RWRも警告を発しないため飛行高度に十分注意する必要がある。 MANPADSの展開が予想される地域では8000ft以上を飛行することが望ましい。
*24 対空砲、「Anti-Aircraft Artillery」の略でトリプルAと読む。 対空機関砲や高射砲など、ミサイル以外の防空兵器の総称。JGSDF_Type_87_Self-Propelled_Anti-Aircraft_Gun_20140429-04.jpgまたGepardやZSU-23-4など自走能力があるものを呼び分けるときはSPAAAと呼ぶこともある。 ※SAはSelf-propelledの略。