略語一覧

Last-modified: 2023-01-21 (土) 12:28:21
 

DCSをプレイする上で、あるいはDCS関連フォーラム・掲示板などでしばしば見かける略語や俗語を簡単に解説する。
個別のモジュール内で取り扱われる公式や汎用的な略語については、各モジュールのマニュアルPDFの巻末近くにAcronyms Listページがあり、どの語を略しているか原語が示されているので、その原語を改めてPDF内に検索かけるなどして理解を深めることができる。
※米空軍・NATO各国空軍が使用するブレビティーコード(通信用語)についてはこちらを参照されたい。

DCS全体

地上兵器の略号と軍艦固有の艦種記号の2つは別だてとした。
またミッションエディタで用いられる防空兵器の役割略称はKa-50 wiki側の防空ユニット用語解説も参照。

A-AまたはA/A、A2A

【操縦】Air to Airの略。空対空戦闘や捜索。空中給油機位置をTACANで探すのもA/A TACANと呼ぶ。

A-GまたはA/G、A2G

【操縦】Air to Groundの略。空対地戦闘や捜索。

AB

  • 【飛行機・操縦】Afterburner、アフターバーナーの略。
    ジェット戦闘機が燃料を大量に燃やして大きな推力を得る機構。
  • 【地図】Air Baseの略。(主に各国の軍用基地となっている)飛行場。

ACM

【操縦】Air combat manoeuvringの略で、日本語ではドッグファイト(Dogfight)のほうがよく使われていると思う。戦闘機が敵機を視認できる短距離で、機銃や短距離AAMを用いた戦闘を行い敵機を撃墜しようとする行動を指す。このACMあるいはドッグファイトで用いる戦術を指す用語がBFM

AF

  • 【組織】Air Force、空軍の略。(アメリカ空軍→USAFなど)
  • 【地図】Air Fieldの略。飛行場。

AFB

【地図】Air Force Baseの略。空軍基地。

AGL

【航法・DCS】Above Ground Lebelの略で、(予定)飛行高度をその地点の地面の位置を 0 m または 0 feet の基準点として地面からどれだけ高度をとるかで示す、地面との衝突を特に避けたい局面で用いる高度の数値化手段。より一般的な海面からの高度を数値として利用するのがMSL (Mean above Sea Lebel)。DCSのミッションエディタでの高度指定もMSLかAGLかを選択した上で数値指定可能。
 参考項目→ALT

ALT

  • 【操縦】Altitude、高度の略。特記がなければ、海面からの気圧高度を意味する(特に気圧高度と言いたいときはBarometric pressure Altitudeを略してBALT?)。レーダー高度計が示す対地高度はRALTと呼び分けられる。なお高度計はAltimeter。
     参考項目→AGLMSL
  • 【DCS】PCのキーボード最下列に2つあるAltキー。左側はLAltキー、右側はRAltキーとして別キー扱いとなる。DCSモジュールをキーボードで操作する際に組み合わせで用いられる。

AP

  • 【航法・操縦】Autopilot、自動操縦の略。DCSでは機体モジュールごとに実機に沿ったAutopilot機能と操作が再現されているので、機能の幅・動作の種類・動作させるまでの手順などは機体ごとに違う。各モジュールのフライトマニュアルを確認。
  • 【兵器】Armor-piercingの略、機関砲や戦車砲の弾種が徹甲弾であることを示す。
    硬質な弾体・弾芯で装甲を破ることのみに特化した徹甲弾がAPと略され、炸薬と遅延信管を内包して装甲を破った後に爆発する徹甲榴弾はAPHE (Armor-piercing High Explosive)、A-10のGAU-8やF-14/15/16/18等のM61バルカン、Su-25/Mi-24PのGSh-30-2に用意されている徹甲焼夷弾はAPI (Armor-piercing Incindiary)、艦載のファランクスCIWSでは装弾筒付高速徹甲弾のAPDS (Armor-piercing Discarding Sabot) であるなど、派生型では後または前に用語が足される。

APU

  • 【飛行機・操縦】Auxiliary Power Unitの略。補助動力装置。DCSモジュールではA-10C、F/A-18C、Mi-8、Mi-24Pなどが装備している。
    バッテリーの電力で始動できる非常に小型のジェットエンジンで、これらの機体のエンジン始動時にはまずAPUを起動し、APUから供給されるようになった十分な電力と圧縮空気を使ってメインエンジンを始動する。したがって地上や空母側で圧縮空気と電力を外部供給する準備をしてもらう必要がない。
    なおMi-8とMi-24Pでは、飛行中にメインエンジンで駆動される発電機が故障して電力が絶たれた時、APUを起動してバックアップ電力を得る運用もある。
    メインエンジンを始動するための広義のAPUの一種にF-15・F-16などが搭載しているJFSがあり、これはターボシャフトエンジンで得られた軸回転で直接メインエンジンの軸を回す働きをする。
    またF-16は飛行中にメインエンジン停止等の理由で電力が失われたときのバックアップとして、やはり小型の発電用タービンエンジンを積んでおり、これはEPUと称される。
  • 【兵器】略元が不明だが、ソ連・ロシア機がミサイルなどをハードポイントに携行する際に機体側パイロンとの間に介するランチャーの形式を、キリル文字から英語アルファベットに転記するとAPU-23やAPU-60、APU-68、APU-73という記述になるようだ。

ATC

【航法・DCS】Air Traffic Controlの略。航空交通管制。管制官が飛行場からの離陸・飛行場への着陸を求める各飛行機に対して安全を確保して許可を出すその他の指示を送る。
DCSにおいては出発地や目的地の管制塔に問い合わせを行うとAIが応答する。文脈によっては「ATC」がこのAIのことを指すこともある。

BFM

【操縦】Basic fighter maneuversの略。戦闘機が接近しての空対空戦闘を行う(ACMあるいはドッグファイト)際に、自機に有利な状況を作り出し敵機を撃墜するための基礎的な空戦戦術の数々の意味。

BS2、BS3あるいはBS

【DCS】Ka-50攻撃ヘリコプターのモジュール名であるBlack Shark 2、2022年末発売のアップデート版Black Shark 3、あるいはDCS World化以前の単体シミュレータBlack Sharkの略。BSとのみ書いてある場合はBlack Shark 2の意味なこともありえるので、単体シミュレータ時代のことですと特定したいときはあえてBS1と略す人も見かける。

BVR

【操縦】Beyond Visual Range、視界外射程の略。戦闘機パイロットが肉眼で敵機を目視することが不可能な遠距離(具体的には20海里=37km以上)。この距離での空対空戦闘は、レーダーによる探知とこの距離を飛翔できる空対空ミサイル(誤射を防ぐためにはIFFも)が必須となる。

CA

【DCS】Combined Armsモジュールの略。

CAS

【航法・操縦】Calibrated Airspeedの略。較正対気速度。ピトー管で計測したIASをピトー管取り付け位置などの誤差を補正した数値。
地上滑走中や離着陸時には誤差もほぼ無く、機体の揚力・失速につながる状態を反映する速度でもあるので、CASを用いる。
アメリカ機など速度単位がノット(knot)の場合はKCASと書くことでノット単位のCASであることが明示される。
現代ジェット機の巡航高度や速度ではCASと対地速度との誤差が非常に大きくなるので、巡航中の速度管理や到着予定時刻計算は各種補正演算を加えたTASで行う。

CFT

【飛行機】Conformal Fuel Tankの略。日本語ではコンフォーマルタンクと書くことが多いか。航続距離を稼ぐために機内燃料タンク以外に燃料を携行する手段として、爆弾と同じハードポイントを使用する落下式増槽(ドロップタンク)が従来使用されてきたが、落下式増槽はハードポイントを使用するため爆弾・ミサイルなどの携行可能弾数が減る、空気抵抗が増すといったデメリットがあった。胴体にぴたりと張り付いた形状の外部タンクであればそういったデメリットが解消できるとして、F-16C以降やF-15Eなどに採用されたのがこのCFTである。

CW

【兵器】Continuous Waveの略、連続波。スパローミサイルのAIM-7E世代までなど一定古いセミアクティブレーダー誘導対空ミサイルは、中間誘導や終末誘導時に発射母機のレーダーから目標敵機に連続波を照射する必要があった。つまり自機のレーダー警報装置がCWを検知した警告を出し始めたときは、敵からある種のSARHミサイルが発射されており中間~終末誘導状態にあるということが分かる。

EA

【DCS】Early Accessの略。DCS Worldメイン画面下部のモジュールアイコン列にこう書かれることが多い。発売はしているが、完成度がまだ十分ではない開発途上のモジュールの種類。

ED

【DCS】Eagle Dynamics、DCSの開発元の略。

EGT

【操縦】Exhaust Gas Temperatureの略。(特にジェットエンジンの)排気ガス温度。異常な高温になっていればエンジンに不調が生じており、オーバーヒートになりつつあるか、ひいては火災につながる。

EPR

【操縦】Engine pressure ratioの略。ジェットエンジンや(ヘリコプターの)ターボシャフトエンジンにおいて、タービンを回した後の排気の圧力をコンプレッサが吸入する前の空気圧力で割った圧力比。エンジンが正常に動いているか、自身のスロットル操作で望んだ性能をエンジンが発揮しているかの確認に見る数値。

EPU

【飛行機・操縦】Emergency power Unit、非常用電源装置の略。APUが地上でのジェットエンジン始動を主目的に抽気と電力・油圧を得る手段であるのに対し、こちらは飛行中に(敵の攻撃を被弾した等の理由で)メインエンジンが止まった・発電が行われなくなった際の電力・油圧を代替供給することを主目的として搭載される。F-16などが装備している。

ETA

【航法・DCS】Estimated time of arrivalの略で到着予定時刻の意味。現在地点から攻撃目標地点や帰還予定飛行場までの残距離を計算し、今の飛行速度で割ることで概算される到着予定時刻を指すことが多い。
DCSのミッションエディタでは、進路を指定するウェイポイントを配置した際に速度指定を行うとその速度を基準として計算された各ウェイポイントへの到着予定時刻がETA欄に自動表示されるし、逆にETAをユーザが指定してとるべき速度を計算させることもできる。
またED純正版DCS Worldのインストーラ・アップデータがインストールやアップデートのためのデータダウンロードを行っている途中での残り予測所要時間もETAとして表示される。

FC3

【DCS】Flaming Cliffs 3モジュールの略。

FM

【操縦・DCS】DCSにはPFMやAFMといった機体モジュールごとの再現度レベルがあるが、それらをひっくるめたそれぞれの機種の操縦上の性格、ロール率であったり旋回率であったり加速性能であったり……をシミュレータでの再現に落とし込む演算手段や数値設定などをまるっとくくる概念がフライトモデルと呼ばれるもので、しばしばFMと略される。

GLONASS

【航法・兵器】ロシアが利用しているGNSSの一種、人工衛星からの電波を利用して正確な現在地点、ひいては移動速度や方角を得られるシステム。

GNSS

【航法・兵器】Global Navigation Satellite Systemの略。人工衛星からの電波を利用して正確な現在地点、ひいては移動速度や方角を得られるシステムの総称。アメリカほか西側各国が利用しているのがGPSで、ロシアが利用しているのがGLONASS

GPS

【航法・兵器】Global Positioning Systemの略。アメリカほか西側各国が利用しているGNSSの一種、人工衛星からの電波を利用して正確な現在地点、ひいては移動速度や方角を得られるシステム。

GS

  • 【航法・DCS】Ground Speedの略、対地速度。飛行機が地面に対して実際に移動している速度(風や気流で流されたり押し戻されている場合はそれも考慮する)。DCSのミッションエディタではウェイポイント速度指定はGSで入力する。
    数十年前までであれば上空を飛行中の飛行機の機内で正確なGSを得ることは困難だったが、今であれば機体の航法装置にGPSGLONASSが組み合わされていれば、大気との相対速度を用いないこれらの計測結果からGSの表示がなされる。
  • 【航法・操縦】Glide Slopeの略、G/Sとスラッシュで区切ることが多いか? グライドスロープ。特にILSを用いた着陸時に、とるべき降下経路のことをグライドスロープと呼ぶ。グライドパスと呼ぶ場合と基本的に意味は違わない。

IAS

【航法・操縦】Indicated Airspeedの略。指示対気速度。ピトー管で計測した対気速度そのもののこと。
地上滑走中や離着陸時には誤差もほぼ無く、機体の揚力・失速につながる状態を反映する速度でもあるので、IASを用いる。
IASからピトー管取り付け位置などの誤差を補正した数値がCASで、IASに代わりCASを使用している機種も多い。
アメリカ機など速度単位がノット(knot)の場合はKIASと書くことでノット単位のIASであることが明示される。
現代ジェット機の巡航高度や速度ではIASと対地速度との誤差が非常に大きくなるので、巡航中の速度管理や到着予定時刻計算は各種補正演算を加えたTASで行う。

ICLS

【航法・操縦】Instrumented Carrier Landing Systemの略、計器空母着艦装置。アメリカ海軍の空母・強襲揚陸艦に艦上送信装置が、アメリカ海軍・海兵隊のF-14・F/A-18・AV-8B(MODのA-4)などに機上受信表示装置がセットで装備されており、受信した電波をもとに着艦コースを操縦席のADIやHSI、HUDなどに表示する。その挙動はILSに類似しているが、電波の規格や送受信装置にはお互いに互換性がなく、ICLS装備機は陸上の滑走路に装備されたILSを利用することはできない。そのわりにF/A-18Cなどの計器には「ILS」と印字・表示がされるのがまぎらわしいのだが。
日本の岩国飛行場や硫黄島には海軍機や海兵隊機の着艦訓練用にICLSの陸上送信機が設置されているようだが、DCSの地形モジュール内にはICLSの陸上設備がある飛行場は存在しない(MODでILS有滑走路にICLSを追加改造するものはある)。

IFA

【飛行機・操縦】In Flight Alignmentの略。INSの項目に書かれている通り、慣性航法装置は飛行中に誤差が蓄積するので、GPSなど衛星測位を利用してINSの誤差を飛行中に修正する機能。

IFF

【飛行機・操縦】Identify Friend or Foeの略。敵味方識別装置。この装置を搭載した機体同士で符牒の応答を行い、遠距離でも敵味方を識別して誤射の発生を防止する。

ILS

【航法・操縦】Instrument Landing Systemの略、計器着陸装置。飛行場の滑走路延長線上に向けて、着陸しようとする飛行機を誘導する2種類の電波(左右位置を示すローカライザと上下位置を示すグライドスロープ)が発射されており、操縦席のADIやHSI、HUDなどに受信結果を反映することでパイロットが滑走路に正しく向かえているか、ズレがあるならどちらに修正すべきかを把握できる。
DCSモジュールのF-14・F/A-18C・AV-8Bなどはアメリカ海軍・海兵隊の機体を再現しているため、ILSと類似した動作・機能であるが互換性のないICLSを装備しており、陸上滑走路に設置されたILSを利用することはできない。

INS

【航法・兵器】Inertial Navigation Systemの略。慣性航法装置。GPSGLONASSといった衛星を利用して位置や速度・方角を得る手段が増えるまでの間、飛行機や対地誘導兵器の主たる航法手段だった。初期化に時間が必要で、衛星あるいはTACAN/VORやNDBといった地上無線局を利用して現在地を割り出すなど他の補正手段がないと使用中に誤差が蓄積するといった欠点がある。衛星から得た位置情報で飛行中にINSの誤差修正を行える機能がIFA (In Flight Alignment)

Intl

【地図・DCS】International Airport、国際空港の略。DCSのペルシャ湾マップやマリアナマップでは、国際空港を名称に冠している飛行場がIntlと略記されている。

JFS

【飛行機・操縦】Jet fuel starter、ジェット燃料始動装置の略。広義の補助動力装置(APU)の一種であるが、JFSはメインジェットエンジンの始動に特化しており、ジェット燃料で駆動するターボシャフトエンジンなJFSの軸回転出力がギアボックスを介して直接メインエンジンの軸を回転させる働きをする。F-16や(DCSでは操作再現されていないが)F-15などが搭載している。

LTE

【操縦】Loss of tail-rotor effectivenessの略でテイルローターの効果喪失の意味。UH-1HやMi-8 MTV-2などテイルローター式ヘリコプターでは、(メインローターの回転方向やテイルローターの取り付け位置などに依る)特定の向きから強い横風を受けながら低速飛行やホバリングを行おうとすると、テイルローターがボルテックス・リング・ステート(VRS)に陥ってその効果を発揮できない、アンチ・トルク・ペダルを打ち消し方向に目一杯踏み込んでもメインローターの回転に伴う反トルクで胴体が逆回転しようとする動きを止められなくなり墜落につながることがある。

ME

【DCS】Mission Editor、ミッションエディタの略。

MP

【DCS】Multiplay、マルチプレイの略。
DCS各モジュールに新機能や新兵器を実装の際、AI相手のシングルプレイでは正常動作している機能が、オンライン・マルチプレイのミッションに参加している各プレイヤーのDCS World間に限り同期を取り損ねてしまうバグがしばしば発生してしまうため、公式サイトのアップデートChangelog内にバグ修正内容としてしばしば出現する略語。

MSL

【航法・DCS】Mean above Sea Lebelの略で、(予定)飛行高度を海面位置を 0 m または 0 feet の基準点として海面からどれだけ高度をとるかで示す、一般的な高度の数値化手段。これとは異なり、特に地面との衝突がありうる陸上での低高度飛行時に参照されるのがAGL (Above Ground Lebel)。DCSのミッションエディタでの高度指定もMSLかAGLかを選択した上で数値指定可能。
 参考項目→ALT

NTTR

【DCS】Nevada Test and Training Range Map、ネバダマップモジュールの略。
狭義には、また本来の意味としては、ネバダマップの北西に広がる演習場地域を指す言葉。

NWS

【操縦】Nosewheel Steeringの略。前輪の向きを左右に操ってタキシング中の旋回や滑走中の方向修正を行う機構。
機種ごとに、NWSを有効にするボタンを押している間のみNWSが行われる機体(離していると前輪は正面固定)、押すごとNWSの有効無効が切り替わる機体、また角度範囲の大小(HIかLOか)の選択も可能な機体など仕様はさまざまなので、各モジュールのフライトマニュアルで確認を。

OB

【DCS】Open Betaの略。DCSに限らずソフトウェア開発においてしばしば見受けられる用語で、新機能や新商品の実装が完了していなかったりバグを取り切れていなかったりするベータバージョンではあるが、一定の完成度に達して有志のユーザにもバグ報告の協力を仰ぐ目的で公開・配信するバージョンがオープンベータ。オープンβなどとも書かれる。
社内に秘してテストしているバージョンがClosed Beta(クローズドベータ)で、バグを取り終えた安定版がStable(ステーブル)となる。

PAPI

【航法・操縦】Precision Approach Path Indicatorの略で、あえて日本語訳を行うなら精密降下角表示器といったところになりそうだが、日本語でもそのままPAPIと書いてパピと読むのが一般的だと思う。
旅客定期便が頻繁に運航されている飛行場滑走路の設地目標地点横(進行方向左側なことが多い)に、下のスクリーンショットのような横に4つの灯火が並んでおり、適切な降下角度(グライドスロープに乗った状態)では右例のように白2・赤2に見えるが、高すぎると左例のように白が増え、低すぎると赤が増えることでグライドスロープから上か下にズレているかどうか判断できる。
DCS_PAPI.jpg

もっと古く判断に使いにくいシステムでVASIというものもあるのだが、DCSの地形モジュールに再現された飛行場にPAPIではなくVASIが設置されているところがあるかないかは要調査。
またPAPIも広義VASISの中の1つの方式でもあるので、VASISと書いてあるときにその中にPAPIを含む場合がある。

PG

【DCS】Persian Gulf Map、ペルシャ湾マップモジュールの略。

RALT

  • 【操縦】Radar Altitude、レーダー高度計が示す対地高度の略。気圧高度計が示す海面からの高度はBALTと書くか、単にALTと書く。
  • 【DCS】PCのキーボード最下列に2つあるAltキーのうち、右側がRAltキー。DCSモジュールをキーボードで操作する際に組み合わせで用いられる。

RAT

【飛行機】Ram-Air Turbineの略で風力原動機。飛行中の飛行機が前方から受ける風で風車を回して電力や油圧を得る仕組み。民間旅客機ではエンジンがすべて停止して電力・油圧が失われた際に胴体からRATが飛び出して緊急用の電力と油圧を得るようになっており、軍用機でも冷戦期の機体にはこの目的でRATを装備していた機体も多いようだが、DCSのフライアブルモジュールでは別の手段で緊急時に備えることでRATを持たないものがほとんどなのかな?
AI機のKC-135 MPRSの翼端給油ポッドやS-3B Tankerの給油ポッド、(DCS未登場だが)EA-6BやEA-18Gが携行するAN/ALQ-99電子戦ポッドなどが母機に依存せずに単独で電力や油圧を得る手段として、ポッド先端に持っている風車もRAT。これらのRATは離陸して速度を得て動作が必要になるとくるくる回る。DCSのKC-135 MPRSでは通常は停止しており空中給油を求める機体が後方に接近してくると回転を始めるというアニメーションを行う。S-3B TankerはRAT部分がモデリングされていないっぽい、残念(EDで新規3Dモデル準備中なので、置き換え配信となればS-3BもKC-135 MPRSのようなアニメーションになるか)。

RPM

  • 【飛行機】Rotations per minuteの略。エンジン(あるいはタービンやプロペラ)の回転数を示す単位として、1分間に何回転しているかを用いたもの。すべて小文字でrpmと書くことが多いと思う。
  • 【兵器】Rounds per minuteの略。機関銃や機関砲の発射レートを示す単位として、1分間に何発を発射するかを用いたもの。やはりすべて小文字で書くことが多いと思う。

RTB

【航法・操縦】Return To Baseの略。飛行場へ帰投する。

RWまたはRWY

【航法】Runwayの略。滑走路。RW27やRWY27と記述すると真西向けて着陸または離陸する滑走路を意味する。

TAS

【航法・操縦】True Airspeedの略。真対気速度。ピトー管で計測されたIASに高度(空気密度)や速度の補正演算を加えて、上空巡航中でも実際に進んでいる速度に近い数字としたもの。風や気流で飛行機が流されるので、対地速度と完全には一致しない。
アメリカ機など速度単位がノット(knot)の場合はKTASと書くことでノット単位のTASであることが明示される。
現代ジェット機でも離着陸時にはIASまたはCASを用いる。

TGP

【兵器】Targeting Podの略。AN/AAQ-28 Litening ATやAN/ASQ-228 ATFLIRなどの照準ポッドを指す。

TPOD

【兵器】TGPと同じくTargeting Podの略。AV-8Bモジュールなどではこう略しているらしい。

VRS

【操縦】Vortex ring stateの略で、日本語でもそのままボルテックス・リング・ステートと書く。同じ事象をセットリング・ウィズ・パワー (settling with power) と呼ぶこともあるが、こちらは特に略した書き方はしないのかな。ヘリコプターの飛行において、地面効果がなく空気密度も薄い高空で速度を落としすぎたり(ホバリングしようとしたり)、急降下をしてしまうと、メインローター周囲に渦が生じて揚力を失う現象が起こり、墜落の原因となる。この現象のこと。
DCSのヘリコプターモジュールでは、Mi-8 MTV-2のみがこのVRSに陥りやすすぎないかと議論もあったり。

テイルローターも低速やホバリング時に特定の向きから強い横風を受けるとVRSに陥ってメインローターの反トルクを打ち消せなくなって胴体の回転を抑えられなくなることがあり、これはLTEと呼ばれる。

WP

【兵器】White Phosphorusの略。白リンを指し、ロケット弾などの弾頭に利用して煙幕を張るための白煙を発生させる用途などに用いられている。
【航法・DCS】飛行予定における特定の通過予定地点や、DCSミッションエディタで指定する通過予定地点であるウェイポイント(Waypoint)をWPと略記することがある。

地上兵器略号

ミッションエディタの兵器TYPE選択欄の表示やRWR/RWSの警告内容表示に用いられる、地上兵器の種類を示す略号。

AAA

【兵器】Anti-Aircraft Artilleryの略。対空機関砲や高射砲など、ミサイル以外の防空兵器の総称。
GepardやZSU-23-4など自走能力があるものを呼び分けるときはSPAAAと呼ぶこともある。

APC

【兵器】Armored Personnel Carrierの略で装甲兵員輸送車のこと。アメリカ軍であればM113のほかWWII時代のM2A1 Half-trackも、ロシア軍であればBTR-80などが該当する。
APCよりも輸送能力を減らすかわりに装甲と火力を増して自車で戦闘能力を持ったものがIFV

C2またはCC

【兵器】Command and Controlの略で指揮&統制を意味するが、DCSにおいてはSAM中隊で防空戦闘の指揮を執り攻撃命令を下す司令官が乗り込んでいる箱型車体の車両(ロシア軍ではUral-4320やZIL-131トラックベース、あるいは装軌車両)を示している。

EWR

【兵器】Early Warning Radar、早期警戒レーダー。防空システムの一端をにない、特に広い範囲の敵を発見する。
自身で迎撃攻撃手段は持たず、発見した情報を敵最寄りのSAM中隊内のSR等に提供・引き継ぎを行う。

GPU

【兵器】Generator power unitの略で電源車のこと。ロシア軍のAPA-5Dなど、トラックの車台にディーゼル発電機を載せて、飛行場でエンジン始動前の離陸準備中飛行機に対して電力供給を行う役割を持つ車両を指す。DCSにおいてはFARPを機能させる役割も持つ。

IFV

【兵器】Infantry Fighting Vehicleの略で歩兵戦闘車のこと。APCをさらに装甲と火力の強化をして、戦車に追従しつつ歩兵を輸送し戦闘できる能力を持つ車両とした。APCよりも高価である、乗車させられる兵員の人数は減っているというデメリットはある。アメリカ軍であればM2 Bradley、ロシア軍であればBMP-1/2/3などが該当する。

LN

【兵器】Launcher、ミサイル発射機。SAMSSMのシステムを構成する車両の一種。地上据え置き型のもの、自走車両型のもの、旋回能力の有無などさまざま。近距離SAMでは捜索レーダーや追尾レーダーを1台に併せ持つものもある。
自走車両の発射機がミサイルを装填した状態で移動する能力を持ち、またロシアのS-300の5P85C/5P85DやスカッドBミサイルの発射機などのように移動中は発射台にセットされたミサイルを水平に寝かした状態にしておき、発射地点に到着すると発射機を持ち上げミサイルが垂直に打ち上がるように動作するものはTEL(輸送起立発射機)とも呼ばれる。

LT

【兵器】Light Tankの略、軽戦車。その時点の主力戦車あるいは中戦車と比較して相対的に、小型で軽い戦車の種類。安価であったり(輸送が容易なこととあわせ)機動力にすぐれるなどのメリットがあるが、戦闘力は当然低く、もし強い対戦車戦闘能力を持った敵と対峙することとなれば大きな被害を出しかねない。

LUV

【兵器】Light Utility Vehicleの略。HMMWV、Tigr、UAZ-469などの小型の四輪駆動車でパトロールや少人数の移動、軽貨物の輸送など多目的に利用される車両。

MANPADS

【兵器】Man-portable air-defense systemsの略で携帯式防空ミサイルシステムのこと。兵士1人が肩に担いで空中の敵機を狙いつつ発射できる、非常に小型軽量なSAM。射程距離が短く射程高度が低く威力も小さいミサイルだが、潜んでいることが発見しづらいため、低空飛行するヘリコプターや離着陸前後の航空機には驚異となる。DCSにはアメリカ軍のStinger、ロシア軍のIglaなどが収録されている。
小型車両に載せて自走車載SAMに仕立てたり、攻撃ヘリコプターの空対空自衛用兵器に転用されてもいる。

MBT

【兵器】Main Battle Tankの略、主力戦車。アメリカ軍ならM1 Abramsや(登場時の)M60 Patton、ロシア軍ならT-80・T-90、ドイツ軍ではLeopard-2など、その時代の各国陸軍を代表する強力な戦車。

MLRS

【兵器】Multiple Launch Rocket Systemを略した多連装ロケットシステムのことで、本来はアメリカ軍のM270 自走227mmロケット弾12連装発射機につけられた固有の略称。DCSバージョン2.7.6のミッションエディタ英語版では、ロシア軍のBM-21 GradやBM-27 Uraganなど同類の自走式多連装ロケット砲システムを指す種別略称として用いられている。

SAM

【兵器】Surface to Air Missleの略。地対空ミサイル。代表的な防空システム。
地上固定設置のもの、車載のもの、艦載のもの、また射程の長短に関わらず全体を指してSAMと呼ぶことが多い。
迎撃距離が短距離でミサイルの規模も小さいものは車両1台でシステムが完結しているものもあるが、迎撃距離が伸びる・ミサイル規模が大きいものはLN (TEL)・SRTRなど複数種類の車両でSAM中隊を構成する。
MANPADSも広義ではSAMの一種。

SPAAA

【兵器】Self-propelled Anti-Aircraft Artilleryの略。GepardやZSU-23-4など自走能力がある対空機関砲を地上固定式のAAAと呼び分けたいとき。

SPG, SPH, SPM

【兵器】Self-propelled Gunの略。アメリカ軍のM109 Paladinやロシア軍の2S3 Akatsiyaといった自走榴弾砲を含む(対空用途ではない)自走砲全体を広く指す。
DCSのバージョンによっては自走榴弾砲を別に呼び分けるべくSelf-propelled Howitzerを略してSPHと記述していることもある。
また対戦車砲や榴弾砲ではなく迫撃砲を用いた車両(ロシア軍の2S9 Nora)はSelf-propelled Mortarの略のSPMと記述されている。

SR

【兵器】Surveillance RadarもしくはSearch Radar、監視レーダーもしくは捜索レーダー。SAM中隊においてミサイル射程圏内に近づく敵機を発見し監視する主たるレーダー。

STR

【兵器】SAM中隊において1台でSRTRの機能を兼ね備えているレーダー車両。

SSM

【兵器】Surface to Surface Missleの略。地対地ミサイル。DCS収録のものではスカッドBミサイルが該当する。
艦載発射型のハープーンミサイルなど艦対艦ミサイルもShip to Shipを略してSSMと呼ばれうるのでまぎらわしい。

TEL

【兵器】Transporter erector launcherの略で輸送起立発射機。ロシアのS-300の5P85C/5P85DやスカッドBミサイルの発射機などのように移動中は発射台にセットされたミサイルを水平に寝かした状態にしておき、発射地点に到着すると発射機を持ち上げミサイルが垂直に打ち上がるように動作するものを特別にTELと呼ぶことがある。DCS内ではバージョンによっては区別されずLN記載かもしれないが。

TR

【兵器】Tracking Radar、追尾レーダー。SAM中隊において、これからSAMを命中させたい特定の敵機を追尾するレーダー。指令誘導方式やセミアクティブレーダー誘導方式のSAMにおいてはこの車両が指令送信や連続波照射の機能を兼ねていることも多い。

艦種記号

ミッションエディタやF10マップ上などで使われることの多い、英字2-3文字で軍艦の種類を示す記号をアメリカ海軍基準で並べる。
なおユニット選択メニュー内の艦種名選択肢ではCGやDDGと記述されていても、マップ上のNATO式アイコンではCCやDDとGの区別なく表示されるという食い違いもある。

APA

WWII時代の略号でAuxiliary Personnel, Attackの略、攻撃輸送艦(Attack transport)の意味。多くの兵員を海上輸送し、搭載した上陸用舟艇を用いてその兵員を揚陸させる機能を持つ揚陸艦の一種。
DCSではWWII Assets Pack収録のUSS Samuel ChaseがこのAPAに該当する。

BB

Battleshipの略。戦艦。

BC

Battle Cruiserの略。巡洋戦艦。
戦艦並の攻撃力を持ちながら防御力に妥協し、巡洋艦並の高速性を持った艦。
DCSに登場するソ連・ロシアのキーロフ級 (Pyotr Velikiy) 重原子力ミサイル巡洋艦は、ジェーン年鑑など西側の資料では巡洋戦艦扱いされることもある。

CC

Cruiserの略。巡洋艦。

CG

Guided missile Cruiserの略。ミサイル巡洋艦。
原子力推進であれば末尾にNがついたCGNとなる。
アメリカなど西側海軍では中長距離の艦対空ミサイルを装備した防空艦のことを指す。(以下、DDGやFFGについても同様)

CV

Aircraft Carrierの略。航空母艦。
アメリカのニミッツ級など原子力推進であれば末尾にNがついたCVNとなる。

DD

Destroyerの略。駆逐艦。

DDGまたはDG

Guided missile Destroyerの略。ミサイル駆逐艦。

FF

Frigateの略。フリゲート。
駆逐艦よりは小さくコルベットよりは大きな艦を指すことが多いが、国・海軍・あるいは時代によっては駆逐艦より大型のものをフリゲートと称することもあったりややこしい。
DCSのミッションエディタやF10マップのアイコンは、大型フリゲートは駆逐艦アイコンに分類し、小型フリゲートとコルベット以下の小型戦闘艦をまとめてフリゲート分類しているみたい。

FFG

Guided missile Frigateの略。ミサイルフリゲート。

LHA

Landing Helicopter Assaultの略。強襲揚陸艦。
ヘリコプターとウェルドックを用いた上陸用舟艇の両方を活用した揚陸機能を持つ。
(アメリカのアメリカ級1-2番艦はヘリコプターのみに戻ってたりするけど)

LHD

Landing Helicopter Dockの略。強襲揚陸艦。
LHAよりもさらに上陸用舟艇の運用能力を強化した。

LPD

Landing Platform Dockの略。ドック型輸送揚陸艦。
艦内にウェルドックがあり上陸用舟艇を用いた揚陸機能を持つが、大型の船体で大きな輸送力を持つことが特徴の艦種。
艦尾に中型ヘリコプター2機程度が発着艦できるヘリコプター甲板は持っていることも多い。

LPH

Landing Platform Helicopterの略。ヘリコプター揚陸艦。
揚陸機能をヘリコプターのみに依存しており、上陸用舟艇の運用能力を欠く。

LSD

Landing Ship Dockの略。ドック型揚陸艦。
艦内にウェルドックがあり上陸用舟艇を用いた揚陸機能を持つ艦種。
艦尾に中型ヘリコプター1-2機程度が発着艦できるヘリコプター甲板は持っていることも多い。

LST

Landing Ship Tankの略。戦車揚陸艦。
艦首から砂浜に乗り上げ(ビーチング)、艦首防水扉を開いて渡り板を下ろし、戦車や車両を自走させて揚陸させる機能を持つものが多い。

SS

Submarineの略。潜水艦。
アメリカのロサンゼルス級、ソ連のヴィクター型など原子力推進であれば末尾にNがついたSSNとなる。

SSBN

戦略ミサイル原子力潜水艦、Submarine - ballistic missiles - nuclear poweredの略。現代ではアメリカのオハイオ級、ロシアのタイフーン型など原子力推進なものばかりである。