
ED公式スクリーンショット大会2024より引用(Third place: Kino_67)
間違いや不足している情報が有れば、加筆修正にご協力頂けると助かります。
この項目では複数機で行う戦術や、無線の知識について執筆しています。
- 初めに
- 無線
- 空中戦闘機動(ACM)
- BVRでのACM
- WVRでのACM
- 最後に
- 参考/引用サイト・動画
- コメント欄
初めに
- ACMは別ページの空対空/空対地戦闘を見たうえで、閲覧してください
また、この記事も全て暗記しようとすると下記の「猫ミーム状態」になるので遊びながら覚えてください

無線
- DCSの無線はバニラでも有るが、ほとんどのサーバーではSRSが使われている。
ガチ勢になるとAWACSや他編隊等と無線交信をする→(Spudknocker氏による現実同様の作戦プレイ動画)
無線の知識は陸や海でも、ほぼ共通なのでサバゲー等に生かせるかも・・・・ - DCSのプレイ動画から学ぶのも良いですが、LIVE ATCなどのサイトで現実の航空無線を聴いて勉強するのも一つの手です。
- お金と時間に余裕がある人は携帯受信機を手に入れて空港や航空祭等で実際に航空無線を聞いてみるのも良いでしょう。
(メーカ例⇒八重洲無線/アイコムALINCO) - 以下、無線に関する内容はチビすけ氏のブログ記事を引用させて頂いております。
より詳しく知りたい方は以下のiiyamaline氏が翻訳した「MTTP ACC(AFTTP 3-2.8)」を参照してください。
無線のマナー
- 下図のように無線の周波数は共有されている。なのでAが発信している時はB/C/Dは発信しないようにする
現実の会話と一緒で人の話は聞こう - 無線機のプレストークボタン(PTT)を押してすぐに話すと最初の一言目が途切れてしまう。これを頭切れという。PTT押したら、1秒待ってから話し始める
- 話し終えたらPTTから指をすぐに離そう。また連打したり誤って押さない様に設定には気を付けよう
(誰かがPTTを押している間は他の人は話すことはできない) - また必ず返事を得る事。自分が送った無線が相手に届いているとは限らない。相手が理解して「了解」の旨を送ってこない限りは、相手には届いていないものと考え、再度送信すること。相手からの解信がない場合は、無線を送ったことにはならない。
- 周波数は良く確認しよう。サーバによっては航空管制用に周波数が割り当てられる。航空機が衝突しないよう管制官や他機が交信やアナウンスをしている。誤って不必要な発信をすると注意される。
- 以上の事を理解したらSRSをインストールし、とりあえず米軍に倣ってコーヒーの話でもしてみよう。
- アルファベットや数字の読み方等は特殊な言い回しが有る。詳細は下記にて解説する
(フォネティックコード(Phonetic code) /数字の言い方/ブレビリティ)
電話で商品の型番を読むときなんかにも使えるかも
無線交信/アナウンスの重要性と最小限の無線交信例
- GS鯖(Growling Sidewinder)においては無線交信が、ほぼ無いので空港付近での衝突事故が良く起こる
また、サーバーに関係なく共通して言える事が味方からのロックオン/フレンドリーファイアーが起きると言う事
(起きてしまう状況は画像①を見てほしい)
撃墜されるだけならまだしも、過失側だとサーバーからBANされてペナルティを受ける事が有る。 - 無線交信/アナウンスは、お手本動画の様に胸アツ展開になる事も有るので積極的に行っていこう
- 下記内容に関しては必要最小限の内容なのでブレビティー(Brevity)や航空交通管制(ATC)も確認してほしい
- 離着時には最低でも「(空港名+タワー)(コールサイン)、(滑走路名)、going to land/going to take off」位はアナウンスした方が良い。
- 自分が敵機をロックオンした時には画像②の様にアナウンスした方が良い
- 無線から「BUDDY SPIKE」と聞こえたら味方をロックオンしている可能性が有るので確認しよう
(逆に味方からロックオンされたら即座にBUDDY SPIKEと言わないと撃墜されるかも) - 同様にミサイルを発射した時にも画像③の様なアナウンスをすると誰が誰に対して撃ったか分かりやすいし
応援が来た時に無駄撃ちせずに済む
| Hoggitでのお手本動画(下記の項目でも使用) |
| 参考動画(2:22辺り) |
無線通信を行う上での基本
通話内容がATC(航空交通管制)で有るか否かに関わらず、無線通話には基本となるルールがあります。
無線通話では基本的に「呼び出し先→話者→内容」と順番が決まっています。
つまり、相手のコールサインが先、自分が後です。
(例1)
<<Enfield 1-1, Krasnodar Tower, Contact Magic on 134.0>>
(Enfield 1-1, Krasnodar Tower, 周波数134.0でMagicと接続せよ)<<Contact Magic on 134, Enfield 1-1>>
(134でMagicと接続, Enfield 1-1)
(例2)<<Pontiac 3-2, Raygun BULLSEYE 123/45 12,000>>
(Pontiac 3-2, ブルズアイ*1より方位123/45マイル 12,000ftの不明機を捕捉)<<Springfield 1-1, BUDDY SPIKE F-15>>
(Springfield 1-1, 味方のF-15よりレーダー照射を受けている)&
何かを聞き逃したり、混線によって聞き取れなかった場合などは「Say again」と言いましょう。聞き直しに「Repeat」という単語は使ってはいけません。
(軍用のブレビティコードに別の意味を持つRepeatがあるので、こちらと混同しないためです)
フォネティックコード(Phonetic code) ・数字・高度・小数点の言い方
- NATOフォネティックコード(ナトーフォネティックコード、英: NATO phonetic alphabet、仏: Alphabet phonétique de l'OTAN)とは、欧文通話表の中でも北大西洋条約機構(NATO)や国際民間航空機関(ICAO)等が定めた通話表である。 無線通話などにおいて重要な文字・数字を正確に伝達するため、定められた。 単にフォネティックコードやICAOフォネテックアルファベットとも呼ばれ、国際民間航空機関(ICAO)をはじめとする各機関でも採用され、広く用いられている。多くの機関で使われているが、一部の符号の規則が異なる場合もある。
アルファベットを表現するために使用する単語は、本コードを採用しているどの機関でも同一。 - しかし数字を表現するために使用する単語は二種類の系統があり、組織ごとに二つのうちからどちらを使うか選択している。 NATOでは通常の英語による数字の読み、たとえば「0 = ゼロ zero」「1 = ワン one」を使用するのが基本です。 ただし、聞き間違いを防ぐため、特に無線が混雑している状況などでは、3を「ツリー tree」、5を「ファイフ fife」、9を「ナイナー niner」のように発音することがあります。 IMOなどでは他の単語と組み合わせた語を使用する(0 = nadazero, 1 = unaone)。
- 高度を伝える場合、例えば1000はONE-TOU-SAND、10000はONE-ZERO-TOU-SAND、12500はONE-TOO-TOU-SAND-FIFE-HANDREDとなる。
米海軍では、敵のレーダー探知を避けるため非常に低い高度で飛行していることを示す隠語として、10,000フィートを「ANGEL 10」のように表現することがあります。⇒参考動画(シドラ湾事件/無線) - 数字の小数点はDAY-SEE-MAL、例えば無線周波数126.2MHzはONE-TOO-SIX-DAY-SEE-MAL-TOOと読む。
航空交通管制(ATC)
ATC(Air Traffic Control)とは、飛行場や空中での事故を防ぐため航空機が必ず行わなければならない無線通信のことです。
※本ページではSRS(Simple Radio Standalone)というVoIPモジュールの導入を前提として話を進めて行きますので、ご了承ください。
下記の動画を引用して説明していきます
滑走路、誘導路、駐機場の読み方
このチャートからは滑走路(RWY/Runway)は 04と22、誘導路(TWY/Taxiway)は A, B, C, D, E, M, N, W
駐機場は APRON 1, APRON 2, APRON EAST, FIRE STATION W があることが見て取れます。
管制官がいる場合の出発手順
管制官が居る飛行場からの出発を、順を追って解説していきます。
出発機のコールサインは「Crafter 2-1」飛行場は「Anapa Tower」です。
(管制官が居ない場合の出発方法は後述しています)
個人的には、管制官が居る時の方が指示に従うだけで良いので楽ですし、動画ネタとしても美味しいです。
ちなみに、この動画の3:22頃から管制官とのやり取りを行っているので、参考程度にどうぞ。
出発① 無線チェック
エンジンを始動して無線が使えるようになった機体は、無線通信が出来ているかどうかを確認しなければなりません。
ATCで会話をする相手に繋がる周波数(Hoggitの場合は249.5がATC用)に合わせたら、無線チェックをリクエストします。
(例1)
<<249.5, Crafter 2-1, Comm check>>
(周波数249.5, Crafter 2-1, 無線チェック)<<Crafter 2-1, Anapa Tower, 5 by 5>>
(Crafter 2-1, Anapa Tower, 感度は5/5だ)
(例2)<<249.5, Crafter 2-1, Request radio check>>
(周波数249.5, Crafter 2-1, 無線チェック)<<Crafter 2-1, Anapa Tower, Got you loud and clear>>
(Crafter 2-1, Anapa Tower, 感よし)
「Static」や「Unreadable」と言われたら無線やマイクをチェックします。聞こえてないって事ですからね。「3 by 5」みたいに言われたら、マイクの音量を確認しましょう。
ちなみに「Loud and clear」の略として「LC (Lima Charlie)」というのもあります。
出発② タキシング
駐機場から滑走路へ移動することをタキシング(または地上滑走)と呼びます。
<<Anapa Tower, Crafter 2-1: Single ship of F-16 at APRON 1, Request taxi to RWY>>
(Anapa Tower, Crafter 2-1: APRON 1に駐機中のF-16 1機だ, 滑走路へのタキシング許可求む)<<Crafter 2-1, Taxi to hold short of RWY 22 via M D>>
(Crafter 2-1, Anapa Tower, 誘導路MとDを通って滑走路22手前にタキシングせよ)<<Taxi to 22 via M D, Crafter 2-1>>
(滑走路22にMとDを通ってタキシング, Crafter 2-1)
しっかり復唱します。言われた事を簡単に繰り返すだけでOK。
何かの手前で一時停止する事を「Hold short」と言います。「Short of ~」で「~の手前」という意味。
「Hold short of ○○」と指示されたら、○○の手前で停止し、指定された場所に着いたことを必ず報告します。
<<Anapa Tower, Crafter 2-1, Holding short of RWY 22 at D>>
(Anapa Tower, Crafter 2-1, 滑走路22手前の誘導路Dでホールド中)<<Crafter 2-1, Continue hold short of 22>>
(Crafter 2-1, そのまま22手前で待機せよ)
大抵はこの時点で離陸許可が下りますが、もし「Continue hold short」と言われた場合は、そのまま待機しましょう。
出発③ 離陸と出発
滑走路に進入して向きを合わせる事を「Line up」と言います。大抵は待機とセットになっているので「Line up and wait」と言われる場合が多いです。
滑走路への進入許可と離陸許可は別々になっているので、注意します。
<<Crafter 2-1, Line up and wait RWY 22>>
(Crafter 2-1, 滑走路22にラインナップし待機せよ)<<Line up and wait RWY 22, Crafter 2-1>>
(滑走路22にラインナップし待機, Crafter 2-1)
滑走路への進入許可は出ましたが、まだ離陸許可は出ていません。
<<Crafter 2-1, Cleared for takeoff RWY 22, Wind 123 at 04, Climb and maintain 3,000>>
(Crafter 2-1, 滑走路22の離陸を許可する, 風は方位123より4ノット, 3,000ftまで上昇し高度を維持せよ)<<Cleared for takeoff RWY 22, Climb and maintain 3,000, Crafter 2-1>>
(滑走路22の離陸許可, 3,000ftまで上昇し高度維持, Crafter 2-1)
離陸許可が出ました。すみやかに離陸し、指定された高度まで上昇します。
<<Anapa Tower, Crafter 2-1, Airborne, Altitude 3,000, Request departure to the east>>
(Anapa Tower, Crafter 2-1, 離陸完了, 高度3,000ft, 東への出発許可求む)<<Crafter 2-1, Fly heading 090, Frequency change approved, Good day>>
(Crafter 2-1, 方位090に旋回せよ, 周波数の変更を許可する, どうも)<<Fly heading 090, Frequency change approved, Crafter 2-1, Thank you>>
(方位090へ旋回, 周波数変更許可, Crafter 2-1, どうも)
離陸完了後、出発したい方角を管制官に伝え、指示された方位に旋回を行います。
後は、周波数を変えてAWACSなりJTACなりにコンタクトすればOK。
管制官がいる場合の着陸手順
管制官が居る飛行場への着陸を、順を追って解説していきます。
到着機のコールサインは「Crafter 2-1」飛行場は「Anapa Tower」です。
着陸① インバウンド
まずは飛行場に対し、このあと着陸を行うという事を伝えます。 だいたい飛行場から20~25マイルくらいで伝えると良いでしょう。
<<Anapa Tower, Crafter 2-1: Single F-16, Inbound from the northeast, 23 miles out>>
(Anapa Tower, Crafter 2-1: 1機のF-16だ, 北東よりインバウンド, 距離23マイル)<<Crafter 2-1, Anapa Tower, Radar contact, Fly heading 254, Descend to 2,000, Expect RWY 22 visual approach>>
(Crafter 2-1, Anapa Tower, レーダー上で確認した, 方位254に向けて飛行, 2,000ftまで下降せよ, 滑走路22へ有視界方式でのアプローチを行え)<<Fly heading 254, Descend to 2,000, Expect RWY 22 visual, Crafter 2-1>>
(方位254に飛行, 2,000ftに下降, 滑走路22へ有視界アプローチ, Crafter 2-1)
軍用機では基本的に有視界飛行(VFR)でのアプローチが多いですが、悪天候などによって視界が確保できない場合は計器飛行(IFR)を指示される場合があります。
着陸② アプローチと着陸
<<Crafter 2-1, Turn heading 216, Cleared for visual RWY 22>>
(Crafter 2-1, 方位216に旋回せよ, 滑走路22への有視界アプローチを許可)<<Turn heading 216, Cleared for visual 22, Crafter 2-1>>
(方位216に旋回, 滑走路22へアプローチ許可, Crafter 2-1)
「Report initial」や「Report 10 miles」など言われたら、それぞれの位置で報告します。
- (例1)直線着陸
<<Crafter 2-1, Report 10 miles out>>
(Crafter 2-1, 距離10マイルで報告せよ)<<10 miles established, Crafter 2-1>>
(現在距離10マイル, Crafter 2-1)<<Crafter 2-1, Cleared to land RWY 22>>
(Crafter 2-1, 滑走路22への着陸を許可)
- (例2)オーバーヘッドアプローチ
オーバーヘッドアプローチの手順(イラスト)
https://x.com/tsugumi_shinai/status/1755259497055216070




<<Crafter 2-1, Report initial for left-hand overhead>>
(Crafter 2-1, 左側オーバーヘッドアプローチの開始地点で報告せよ)<<Crafter 2-1, On initial for left-hand overhead>>
(Crafter 2-1, 左側オーバーヘッドアプローチの開始地点に着いた)<<Crafter 2-1, Cleared for overhead join>>
(Crafter 2-1, オーバーヘッドアプローチを許可)
ここからは位置を逐一報告します。
<<Crafter 2-1, Breaking left>>
(Crafter 2-1, 左にブレイクする)<<Crafter 2-1, On downwind for RWY 22>>
(Crafter 2-1, 滑走路22のダウンウィンドを飛行中)<<Crafter 2-1, Turning base>>
(Crafter 2-1, ベースターンを行う)<<Crafter 2-1, On final for RWY 22>>
(Crafter 2-1, 滑走路22への最終進入を開始)<<Crafter 2-1, Cleared to land RWY 22>>
(Crafter 2-1, 滑走路22への着陸を許可)
着陸③ タキシング
駐機場へタキシングします。
<<Crafter 2-1, Take the exit to the right and taxi to APRON 1 when able, Good day>>
Crafter 2-1, 右折可能な誘導路より滑走路を出てAPRON 1にタキシングせよ, どうも)<<Turn right and taxi to APRON 1 when able, Crafter 2-1, Thanks>>
(滑走路を右に出てAPRON 1にタキシング, Crafter 2-1, どうも)
駐機場への道のりや駐機エリアの番号を細かく指定される場合もありますが、DCSではほとんどの場合到着後のタキシングは細かく指示されません。
管制官が居ない場合の出発手順
管制官が居ない飛行場からの離陸は、衝突事故が起こりやすくなってしまいます。
事故を避けるために「トラフィックコール」というものを各自で行います。
出発/到着機のコールサインは「Crafter 2-1」他の機体は青色で示します。
こちらの動画の6:26~7:59頃と、12:21~14:38頃にトラフィックコールを行っているシーンがあるので、参考程度に。
出発① 無線チェック
管制官の有無にかかわらず、まずは無線チェックです。
<<249.5, Crafter 2-1, Radio check>>
(周波数249.5, Crafter 2-1, 無線チェック)<<Crafter 2-1, Colt 1-1, Got you 5 by 5>>
(Crafter 2-1, こちら Colt 1-1, 感度は5/5だ)
同じ周波数に居る機体が返してくれます。たまにシカトされます。
出発② タキシングと離陸
その飛行場にいるトラフィック(他の機体)に呼びかけるので「○○ Traffic」と呼び出します。
- (例1)
<<Anapa Traffic, Crafter 2-1: Single ship of Hornet at APRON 1, Taxi to RWY 04 via M A>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1: APRON 1に駐機中のホーネットだ, 滑走路04へMとAを通ってタキシングする)
- (例2) ATISの情報に基づいてタキシングする場合
<<Anapa Traffic, Crafter 2-1: Single Hornet parked at APRON 1, Taxi to RWY 04 with information F>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1: APRON 1に駐機中のホーネットだ, インフォメーションFに基づいて滑走路04へタキシングする)
ATIS(飛行場情報放送業務)とは、飛行場にて随時発信されている航空機向けの情報です。
A→B→C→D… と、情報が更新されるたびに次のフォネティックコードに移行します。
目視やマップで確認して、明らかに誰も居なければそのまま離陸しても良いでしょうが、念のため毎回滑走路手前でホールドすることをおすすめします。
<<Anapa Traffic, Jedi 2-1, on final for RWY 04>>
(Anapa航空交通, Jedi 2-1, 滑走路04への最終進入を行う)<<Anapa Traffic, Crafter 2-1, Holding short of RWY 04 at A>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1, 滑走路04手前の誘導路Aでホールド中)
先に離陸する機やファイナルに入っている到着機などが居れば、ホールドして待ちましょう。
<<Anapa Traffic, Jedi 2-1, Cleared the active>>
(Anapa航空交通, Jedi 2-1, 滑走路を抜けた)<<Anapa Traffic, Crafter 2-1, Lining up on RWY 04>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1, 滑走路04にラインナップする)<<Anapa Traffic, Crafter 2-1, Taking off RWY 04>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1, 滑走路04より離陸する)
すぐに離陸する場合は、ラインナップの報告なしで離陸報告だけしてそのまま離陸しても大丈夫です。
出発③ 離陸完了後
離陸完了後は、出発する方角と、周波数を切り替える旨を伝えます。
<<Anapa Traffic, Crafter 2-1, Airborne, Departing northeast, Push 253>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1, 離陸完了, 北東へ出発する, 周波数を253に切り替える)
管制官が居ない場合の着陸手順
着陸時もトラフィックコールをしっかり行います。
出発/到着機のコールサインは「Crafter 2-1」他の機体は青色で示します。
着陸① インバウンド
管制官が居る場合と同じように、インバウンドを伝えます。
<<Anapa Traffic, Crafter 2-1: Single ship of F/A-18, Inbound from the east, 20 miles out>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1: 1機のF/A-18だ, 東よりインバウンドする, 距離20マイル)
着陸② アプローチ
他に出発機や到着機が居なければこのままイニシャルまで特に言う事はありませんが、他のトラフィックコールが聞こえたら、こちらも必要に応じて報告してあげます。
<<Anapa Traffic, Uzi 1-5, Taxiing to RWY 04 with information H>>
(Anapa航空交通, Uzi 1-5, インフォメーションHに基づき滑走路04へタキシングする)<<Anapa Traffic, Crafter 2-1 is 10 miles out from RWY 04 arrival>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1 は現在滑走路04より10マイルの位置を飛行中)<<Anapa Traffic, Uzi 1-5, Holding short of RWY 04 at A>>
(Anapa航空交通, Uzi 1-5, 滑走路04手前のAでホールド中)
よほど変な奴でもなければ、滑走路が空くまで待ってくれます。
オーバーヘッドアプローチでもストレートイン(直線)でも、ファイナルは必ず報告しましょう。
<<Anapa Traffic, Crafter 2-1, On final for RWY 04>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1, 滑走路04への最終進入を開始)
着陸したら滑走路を出て、滑走路を出た事を伝えましょう。
<<Anapa Traffic, Crafter 2-1, Runway vacated>>
(Anapa航空交通, Crafter 2-1, 滑走路を空けた)
「滑走路を出た」の言い方はいくつかあり、「Cleared the active」「Runway vacated」「Runway is clear」あたりがよく使われています。
チビすけ氏による空対空無線に関する解説動画(参考用)
空対空に関するプレビリティ(Brevity) 等
概要
軍用機同士の通信では、基本的に「ブレビティ」というものが使用されます。特定の行動をする際に使う合言葉のようなものですね。
米軍及びNATOでの正式名称は「Multi-service Tactical Brevity Codes」と言い、以下のサイトにほぼ全てのブレビティが載っています。
本職のパイロットは、これらを全て頭に叩き込んでいます。
例えば、僚機に「こちら2番機!アクティブレーダーミサイルをボアサイトモードで発射する!危険だからこちらより前に出るな!」と話すより「2, Maddog」と伝えれば、その一言で味方に意志を伝える事ができます。早いし、秘匿性が高いし、言い間違いも少なくなりますね。これがブレビティの意義です。
空戦中の無線は、特にブレビティがたくさん出てきます。すべてを解説するのはさすがに無理なので、最低限よく使う物だけ詳しく解説します。
ミサイルを撃つ際に発信する符丁です。おそらく、最もポピュラーでよく出てくるものだと思います。Fox 1から3まであり、それぞれ異なる意味を持ちます。
Fox 4 は元々機銃掃射の意味でしたが、現在では「Guns」という単語に置き換わっており、使われていません。

- FOX 1
セミアクティブレーダー誘導(SARH)の空対空ミサイル(AAM)を発射する際に使われます。
SARHとは、自機から目標に対して強力なレーダーを照射し、目標から跳ね返ってくるレーダー波を基にミサイルが誘導する方式です。DCSではAIM-7 スパローや、STTロック状態のAIM-54 フェニックスなどがこれに該当します。 - FOX 2
赤外線誘導(IRH)のAAMを発射する際に使われます。
IRHとは、目標が発する熱を追尾してミサイルを誘導する方式です。DCSではAIM-9 サイドワインダーなどがこれに該当します。 - FOX 3
アクティブレーダー誘導(ARH)のAAMを発射する際に使われます。
ARHとは、ミサイル自身のレーダーで目標を探知して誘導する方式です。DCSではAIM-120 AMRAAM、TWSロック状態のAIM-54などがこれに該当します。
ミサイル自身のレーダーが起動して追尾を開始した際は「PITBULL」というコールをします。
TALLY(タリー)は「敵を目視した」という意味です。味方機にはTALLYではなくVISUAL(ヴィジュアル)を使います。
逆に、敵を目視できなかった場合はNO JOY(ノージョイ)と言います。パトレイバーでも出てきてましたね。
SPLASH(スプラッシュ)は「目標を撃墜した」という意味です。単体でも意味を成しますが、撃墜した機種や数などを付加すると尚よろしい。
例えば「SPLASH one Flanker」は「フランカーを1機撃墜」です。
空戦なら当然、相手は動き続けます。目標がどちらに向かって移動しているのか、把握しなければなりません。そこで使われるのが「TRACK」です。
TRACK+方角という形式で使用されます。例えば「TRACK southwest」は「南西に移動中」という意味です。
SPIKE(スパイク)とは「相手にロックオンされている」という意味です。
例えば「SPIKE 2 o'clock Flanker」は「2時方向からフランカーにロックされている」という意味になります。
空戦では、敵味方が入り乱れていると同士討ち(BLUE ON BLUE)が高確率で発生します。同士討ちは絶対にあってはなりません。
味方に同士討ちの可能性を知らせる手法がいくつかあります。
- RAYGUN
RAYGUN(レイガン)は「不明機を捕捉したけど、味方からロック喰らってる奴いる?」っていう質問です。
「RAYGUN BULLSEYE 111/22 33,000」と言えば「ブルズアイより方位111/22マイル 33,000ftの不明機をロックした」という意味になります。
もし下の言葉が聞こえてきたら、すぐにロックを外しましょう。
(4YAサーバーで言うと注意される?要確認!) - BUDDY SPIKE
味方からレーダーロックされていることが判明した場合は、大きな声で BUDDY SPIKE(バディスパイク)と叫びましょう。どの機体にロックされているのかと、可能であればブルズアイロケーションも一緒に報告すると良いです。
例えば「BUDDY SPIKE F-16 BULLSEYE 252/52 1,000」みたいな感じでしょうか。
敵と交戦する事をENGAGE(エンゲージ)と言います。これは有名かも。
「ENGAGING HOSTILE at BULLSEYE 251/35 11,000」みたいに使います。
視程外での交戦を「BVR - Beyond Visual Range」、目視での交戦を「WVR - Within Visual Range」と呼びます。もちろんBVRが先に来てから、20nmくらいまで距離が詰まるとWVRが始まります。WVRに移行するときのコールがあります。(実際は5nmでも目視では点ですが。)
- MERGE
AWACSからこの言葉を告げられたならば互いに目視確認できる距離まで近づいたという事です。サイドワインダーを選択して辺りを確認しましょう。 - ANCHOR
ANCHOR(アンカー)は「ドッグファイト中のため動けない」という意味。
「ANCHORED HOSTILE Fulcrum」で敵のMiG-29とドッグファイト中。
戦闘は文字通り戦いなので、相手を追い込むこともあれば逆に追い込まれることもあります。
回避など、防衛のために機動する事をDEFEND(ディフェンド)と言います。また、防勢に追いやられた状態をDEFENSIVE(ディフェンシブ)と呼びます。
「DEFENDING BANDIT」と言えば、敵機の攻撃を回避中であることが伝わります。
AWACSとのやり取り
空戦を有利に進める上で欠かせない存在が、AWACSやGCIです。しかし、AWACS/GCI役のプレイヤーと上手く交信できないと、もったいないですよね。

この項では、AWACSとの通信を順を追って解説します。例文は、自機のコールサインが「Crafter 2-1」、AWACSが「Skybird」です。
AWACSがオンラインになった際の通知
AWACSやGCI(まとめてTAC C2と呼ばれます)が利用可能になった場合「SUNRISE」というコールがなされます。
<<All stations be advised, Skybird is SUNRISE on 134.0>>
(各員へ通達, Skybirdは周波数134.0で利用可能だ)
逆にオフラインになる場合は「MIDNIGHT」とコールされます。
<<All stations, Skybird is MIDNIGHT>>
(各員へ通達, Skybirdは利用できなくなった)
チェックイン
AWACSが利用可能になったら、まずは「今から君の指揮下に入るよ」という旨を伝えなければなりません。これは「チェックイン」と呼ばれます。
始めにブルズアイロケーションの整合性を確かめるため「アルファチェック」というものをやります。
- (例1) AWACS側が戦闘機に情報を渡す場合
<<Skybird, This is Crafter 2-1, Checking in, Single ship of F-16, Request ALPHA CHECK BULLSEYE>>
(Skybird, こちらCrafter 2-1, チェックインする, 1機のF-16だ, BULLSEYEからのアルファチェック求む)<<Crafter 2-1, Skybird, ALPHA CHECK BULLSEYE 220/40>>
(Crafter 2-1, Skybird, 貴機の位置は BULLSEYE 220/40 だ)<<Skybird, Crafter 2-1, Good ALPHA CHECK>>
(Skybird, Crafter 2-1, アルファチェックよし)
- (例2) 戦闘機側がAWACSに情報を渡す場合
<<Skybird, Crafter 2-1, Checking in, Flight of one F-16 at BULLSEYE 220/40 25,000, I have 6 AMRAAMs, Available for tasking>>
(Skybird, Crafter 2-1, チェックインする, BULLSEYE 220/40 25,000ft を飛行中の1機のF-16だ, 6発のAMRAAMを装備している, 作戦行動可能だ)<<Crafter 2-1, Skybird, Good ALPHA CHECK, Stand by>>
(Crafter 2-1, Skybird, アルファチェックよし, 待機せよ)
チェックインの方法はAWACSをやる人やサーバーによって異なりますが、チビすけ氏が聞いた限りでは例1が標準的な方法らしいです。
戦闘機がAWACSにリクエストできる事
戦闘に必要な情報を、AWACSに求める事ができます。覚えておくべきは、主に3つです。
BOGEY DOPE(ボーギードープ)は「一番近い脅威をBRA形式で教えてくれ」です。
<<Skybird, Crafter 2-1, Request BOGEY DOPE>>
(Skybird, Crafter 2-1, BOGEY DOPE を要求)<<Crafter 2-1, Skybird, BRA 133/45 24,000 HOT, HOSTILE, Type: Flanker>>
(Crafter 2-1, Skybird, 方位133/45マイル 24,000ft 接近中, 敵機, 機種はフランカー)
DECLARE(デクレア)は「目標が敵か味方か照合してくれ」です。ブルズアイロケーションで対象の位置を伝えましょう。
<<Skybird, Crafter 2-1, DECLARE BULLSEYE 320/60 35,000>>
(Skybird, Crafter 2-1, BULLSEYE 320/60 35,000ft の目標を判別してくれ)<<Crafter 2-1, Skybird, Contact is HOSTILE, North group TRACK south, TARGETED by Ford 1-1>>
(Crafter 2-1, Skybird, 照合結果は敵機だ, 南に移動中の北方のグループ, 現在 Ford 1-1 が捕捉中)
PICTURE(ピクチャー)は「敵機の配置など全体像を教えてくれ」です。ブルズアイロケーションでの応答となります。
<<Skybird, Crafter 2-1, Request PICTURE>>
(Skybird, Crafter 2-1, PICTUREを要求する)<<Crafter 2-1, Skybird, PICTURE: 2 groups, Lead group BULLSEYE 257/44 10,000 TRACK east HOSTILE, Trail group BULLSEYE 240/61 22,000 TRACK northeast, HOSTILE>>
(Crafter 2-1, Skybird, PICTURE: 2つのグループが存在, 戦闘のグループは BULLSEYE 257/44 10,000ft 東に移動中 敵機, 後方のグループ BULLSEYE240/61 22,000 北東に移動中 敵機)
敵機から何かを受けた時に報告するプレビリティー(RWRからの情報)
代表例を示すが、こまめに報告すると状況が優位になる事が多い
- NAILS=敵機からレーダー照査を受けた
- SPIKE=敵機からロックオンされた
ショットコールと敵機撃墜の報告
交戦になると、当然敵機とミサイルを撃ち合います。自分が撃ったことの報告と、ミサイルが当たったかどうかの報告があります。
敵機撃墜それぞれ、戦闘機側から報告される場合と、AWACS側から報告される場合があります。
ショットコール
前述のFOXと、ブルズアイを組み合わせて使われます。AWACSが、現在どのグループに向けて撃ったのかを知らせてくれる場合があります。
<<Crafter 2-1, FOX 3, BULLSEYE 233/41 36,000>>
(Crafter 2-1, FOX 3, ブルズアイより方位233/41マイル 36,000ftの目標)<<Crafter 2-1, Skybird copy shot, Southeast lead group>>
(Crafter 2-1, Skybird 了解, 対象は南東の先頭グループだ)
命中:戦闘機側からの報告
戦闘機が敵機の撃墜を確認した場合は、先述の通り「SPLASH」がコールされます。
<<Crafter 2-1, SPLASH one Fencer>>
(Crafter 2-1, Su-24を1機撃墜)<<Crafter 2-1, Good SPLASH>>
(Crafter 2-1, Skybird, グッキル)
命中:AWACS側からの報告
AWACSより、何らかの目標に対しVANISHED(ヴァニッシュド)というコールがなされた場合、撃墜した可能性が高い事を意味します。単純にレーダー上から消えただけで、撃墜したかどうか不明な場合はFADED(フェイデッド)とコールされます。
<<Crafter 2-1, FOX 3, Lead group>>
(Crafter 2-1, FOX 3, 先頭のグループ)<<Skybird, Lead group VANISHED, Trail group continue HOT>>
(Skybird, 先頭のグループ消滅, 後方のグループは以前接近中)
AWACSから戦闘機への指示
AWACSは、管制下の戦闘機に各種指示を出すことができます。
RECOMMEND COMMIT
ある機体に脅威が迫っている場合、COMMIT(交戦)をRECOMMEND(推奨)する事があります。
<<Crafter 2-1, Skybird, Recommend COMMIT threat BRA 144/40 30,000, Type: MiG-29>>
(Crafter 2-1, Skybird, 脅威への対処を推奨 BRA 144/30 30,000ft, 機種はMiG-29)<<Copy, Crafter 2-1, COMMIT>>
(了解, Crafter 2-1, 対処する)
BDA
AWACSだけでなく対地任務の管理も行っているC2(Command & Control)の場合、対地攻撃の後に爆撃効果判定(BDA - Bomb Damage Assesment)を要求してくることがあります。
<<Crafter 2-1, Skybird, Report BDA>>
(Crafter 2-1, Skybird, BDAを報告されたし)<<Crafter 2-1, Skybird, BDA: 3 bombs hit, 1 bomb missed, 3 armors destroyed, BDA over>>
(Crafter 2-1, Skybird, BDA: 爆撃は3発命中, 1発命中ならず, 重装甲車両を3両撃破, BDAおわり)
自機の状態報告(ステータスリポート)
編隊長やTAC C2 の要請で自機の武装状況や残燃料を報告する事がる
報告の際は基本的にFOX3数/FOX1数/FOX2/GUN残段数/残燃料の順に報告する
(一般的にGUN残段数は省略し、燃料は下2桁を省略する)
例;4.2, 5.1(FOX3、4本/FOX2、2本 残燃料5100ポンド)
事前にステータスをイエローの状況とレッドの状況を決めておくことで報告の際に省略する事も出来る
参考動画
トランスポンダとスコーク
- トランスポンダ⇒各航空機に乗せられている送受信機の事
レーダーから発せられた電波が航空機にあたり、反射してきた電波で航空機の位置を識別します。 ただ、これだけだと詳細情報が知れない他、他の航空機が近くにいる場合は衝突などの危険性があります。そのため、グライダーなどの一部の小型機を除き、ほぼすべての航空機には、「トランスポンダ」(送信機を意味するTRANSmitterと受信機を意味するresPONDERの合成語)とよばれる専用の装置が搭載されており、レーダー信号を受信すると、航空機の情報をレーダー側に送信します。これにより、管制官はレーダー画面上で航空機を識別可能になります。
ちなみに航空ファン等が、このトランスポンダを利用してフライトレーダー24等を運用しています。
- 「スコーク(SQUAWK)」というのは、厳密には航空機を識別する値(4桁のID)の事。
サーバーによっては入力が求められる事が有る。航空機1機につき1つ、8進法4桁(0000~7777)の値が管制官によって割り当てられます。航空機には出発空港にて、飛行計画の承認を受ける際、管制官からこの「スコーク」が割り当てられ、パイロットはそれをトランスポンダに打ち込みます。トランスポンダは航空機が出発する際にパイロットによって電源が入れられスコークが打ち込まれますが、トランスポンダの電源が切れていたり、スコークの値が間違っていたりすると、現実では管制塔や航空交通管制部のレーダー画面で正しく識別できず、未確認飛行物体として捉えられた場合、戦闘機がスクランブル発進したり迎撃対象にされたりなどの軍事的・外交的問題に発展することもあります。 なお、DCSにおいてはシングルプレイで飛行する分にはスコークなどを設定する必要はあまり無いですが、
マルチプレイでサーバーによってはCAPやCASなどの役割に応じたスコークを設定することを求められたり、管制官から特定のスコークを割り当てられたりする場合もあります。- スコークには、出発時に管制官から言い渡されるもの以外で、特定の状況下でのみ使用する値も存在します。
- ①VFR(有視界飛行方式。目視で飛行すること。遊覧飛行の小型機や報道機関のヘリコプターなど)で飛行する場合、空港周辺などの混雑した空域でないなどの条件が揃えば、他の航空機に気を付けながら自由に飛行することができます。逆に言えば、条件さえ揃えば、管制官からの制約やフォローがなくても飛行できるため、管制官が高度などをいちいち識別したりする必要がなく、航空機側も最小限の位置報告程度で済むように、スコークは決められた値(高度10,000ft未満なら1200、高度10,000ft以上なら1400)を使えばよいことになっています。
- ②無線交信に支障があるような緊急時にも、特定の値を用います。 現在の状況を管制官に報告する余裕がないか、口で報告するよりも数値を打ち込んだ方が早いとパイロットが判断した場合、緊急事態発生を示すスコーク「7700」をトランスポンダに入力します。その他に、単純に通信機・無線機が故障してしまい、外部との交信が一切できなくなってしまった場合には、無線機が故障したことを示すスコーク「7600」をトランスポンダに入力します。
- ①VFR(有視界飛行方式。目視で飛行すること。遊覧飛行の小型機や報道機関のヘリコプターなど)で飛行する場合、空港周辺などの混雑した空域でないなどの条件が揃えば、他の航空機に気を付けながら自由に飛行することができます。逆に言えば、条件さえ揃えば、管制官からの制約やフォローがなくても飛行できるため、管制官が高度などをいちいち識別したりする必要がなく、航空機側も最小限の位置報告程度で済むように、スコークは決められた値(高度10,000ft未満なら1200、高度10,000ft以上なら1400)を使えばよいことになっています。
- スコークには、出発時に管制官から言い渡されるもの以外で、特定の状況下でのみ使用する値も存在します。
引用元
【DCS World】飛行場における航空交通管制(ATC)を徹底解説
【DCS World】空戦の最中に喋る無線を、可能な限り分かりやすく解説
空中戦闘機動(ACM)
空中戦闘機動(ACM)とは、戦闘機を移動、旋回、配置させ、そこから他の戦闘機を攻撃する戦術である。
主に戦術や編隊飛行について解説する
相互支援(状況認識より抜粋)
ACMを行う上で一番重要なのが相互支援である。この相互支援を行う事で過酷な戦場でも生き残ることが出来る
下記は相互支援を行う時のチェックポイントである。(相互支援の項目より抜粋)
・他の編隊メンバーの位置を把握すること。
・脅威や攻撃軸の位置を早期に把握すること。
・編隊に対する攻撃や防御の情報を伝達すること。
・脅威の攻撃前に目標に対する攻撃と兵器の使用を行うこと。
・攻撃を遂行し、または離脱する能力を持つこと。
編隊飛行
- 編隊の最小単位はエレメント*2と呼ばれ、2機の航空機で構成されます。
これらのパイロットはリーダーとウィングマンです。 フライト*3は、2つのエレメントで構成されます。
複数のフライトが集まって編隊を形成します。 - 標準的な戦闘機編隊では、ウィングマンはフライトリーダーの航空機から横に1マイル(1.6 km)、縦に100フィート(30 m)以内の位置を維持します。
- 非標準編隊は、フライトリーダーが要求し、航空交通管制が承認した場合、あるいは認可された高度予約内で運用している場合、または合意書に基づく場合、
または特別指定空域で飛行操作を行っている場合に発生します。

AI相手機による練習のススメ
複数人で飛ぶ場合、少なからず編隊飛行をするか挑戦したくなるので、
下記リンク先ミッションをDLし、AI機相手に練習してみてほしい
https://www.digitalcombatsimulator.com/en/files/3327920/
離陸時の編隊
- 離陸時の編隊を示す(間隔は10Ft空ける事)。風向きや交通状況により1番機の向きが変わるので注意
10秒毎に1機ずつ離陸する方法もある⇒Interval take off
編隊飛行時の速度(Contract Speed)
- 編隊を組む時にリーダー機が出す速度を米空軍では[Contract Speed]といい
通常300Knotとし戦闘時は350Knotとしている
※コーナー速度等、戦術上必要な速度が要る場合は、そちらを優先する事。
僚機に遅れた/早すぎる場合
- 先頭から遅れている場合には、高度(位置エネルギー)を速度(運動エネルギー)に変換する事で修正を行います
- 少々追い越し気味なのであれば、水平に旋回して長い距離を飛ぶか、上昇して機速を下げることができます。
水平旋回ではパワーを足す必要があるため燃料を消費します
大きく追い越している場合は、上昇に水平旋回を組み合わせることが出来ます
引用(Big bird japanより)
編隊飛行時の旋回
- 旋回時には先頭が無線を使用するか機動で示す
もし僚機が気づかない場合は[翼を振る][無線をクリックする]等して注意を向けさせる - Delay Turn
もう一つの方法として[Delay Turn]がある。
これはリーダーの旋回中/旋回後に僚機が旋回する行う方法である。
旋回後は僚機は元の位置に戻る事
- Hook turn/Cross turn
180°旋回には[Hook turn/Cross turn]が有る
Cross turnでは下図の〇での空中衝突に注意
2機編隊
代表的な編隊を以下に示す
| 名称 | ラインアブレスト(ラブ:lab) | ウェッジ | ファイティングウィング |
|---|---|---|---|
| 図 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 使用例 | BVR時に使用/攻撃的体形 | 低空飛行(地形追随飛行) | 平時や対地攻撃に使用 |
| 注意点 | 僚機の動きに注意(見失い易い) | 先頭より低く飛ばない 先頭より500ft以上高く飛ばない | ------ |
4機編隊

画像出典&引用:https://www.quebecairforce.com/Commun/Sim_BMS/Ref/FormationVol/#tdc_diamond
「ライン・アブレスト」または「LAB」は、広いエリアをカバーし、連携して空対空ミサイルを展開するために、攻撃的/防御的な空対空任務を実行することができます。
水平方向に整列させることで、攻撃的な攻撃や防御的な撤退が発生した場合でも、BANDITの距離に関する同じ情報を取得できます。注意事項有り
航跡形成は空対地攻撃専用に使用されます。この空対空飛行編隊の問題は、1番機と4番機が編隊内の他の航空機によってサポートされていないことです。したがって、列の最後の飛行機は、敵戦闘機の到着に対して非常に脆弱です。各サブグループ間の距離は 5 海里であるため、地上目標への安全な攻撃が可能です。注意事項有り
4機編隊の隊形変更
フィンガーチップフォー(またはフィンガーフォー)は、手を広げた指先の位置に似た基本的な4機編隊である。
左から順にFLのウイングマン(#2)、FL(#1)、EL(#3)、ELのウイングマン(#4)。
フィンガーチップ隊形は、EL(#3と#4)の機体が飛行する側によって、ストロングライトまたはストロングレフトと呼ばれます。
※フライトリーダー=FL、エレメントリーダー=EL
参考動画
| Spudknocker氏による編隊飛行のコツ |
| GrimReapers氏による編隊飛行のコツ |
| The Ops Center By Mike Solyom |
BVRでのACM
概要
※ここでは前述のBVRに関する基礎知識がある前提で解説します。
- ターゲティングは目標の識別に関する事を言う(野良の人と飛ぶ時には必要な知識になるかも・・)
- ソーティング は攻撃する際に行う目標の割り当てに関する決まりや作法の事を言う
- またBVRは、目標との距離、つまりタイムラインでリスクが決まる為、
初動の戦術は「ローリスク/ローリターン」を取るか「ハイリスク/ハイリターン」取るかになる。- ローリスク/ローリターンの場合⇒Launch & Leave Tactics等を実行
- ハイリスク/ハイリターンの場合⇒Launch & Decide Tactics等を実行
日本語のBVR戦術資料(MTTP ACC 2021年版準拠)
https://drive.google.com/file/d/1nNjc90GL6J5OhsQbVr3WE4B5k1yQN2JL/view?usp=sharing
iiyamaline氏作成、BVR(視界外戦闘)におけるゲームプランの伝達や、各種概念について解説した資料。
リーダーの役割
BVRはコミット(敵に向かい撃つ)とアボート(敵から背を向ける)の連続サイクルとなります。
フライトリーダーはMTR*4と呼ばれる距離までに、どの戦術を実行するかを決定しなければなりません。
⇒BVRに関わる攻撃隊形
ウイングマンの役割
ウイングマン(僚機)のタスクの優先順位は以下の通り:
- リードの視認を維持する(リーダーを見失った場合、「Blind」とコールする)。
- 先頭の隊形を維持する(一般的にはラインアブレストが適用される)
- レーダーによる確認
レーダーによる捜索が指示されない限り、ウイングマンはそれほどレーダーを見る必要はありません。 というのも、目視による相互支援では、リーダーとウイングマンがレーダーで同じコンタクトを確認できるように、視認可能なフォーメーションに留まるべきだからです。
経験の浅いウイングマンは、フライトリーダーを視認し続けるよりもレーダーをチェックしようとし、「Blind」になることが多いです。 また、トレイル(ウイングマンが先頭の後ろに回る)やファイティングウイングに移ることも多いですが、先頭とウイングマンで敵までの距離が違えば、BVRタイムラインは変わります。 エレメント内ではLine Abreastが理想的なフォーメーションです。
ターゲティング/ソーティング (目標の識別/割り当て)
- ターゲティングとはエレメント*5ごとに攻撃する敵グループを割り振ることを意味します。
グループの定義は3マイル以上離れていないレーダー上のフリップのまとまりとなります。
基本的には相対的な方角関係からNorth Group/South Group/East Group/West Groupといった呼称を行います。
自機と目標の位置関係から先頭を[Lead Group]/最後尾を[Trail Group]といった呼称する場合もあります。
(呼称の事をラベリングとも言いますが分かりやすくターゲティングとしています。)
- ソーティングとはターゲティングした敵グループ内でさらにどの目標を攻撃するか役割を割り振ることです。
グループをターゲットした機体はそのグループを"own"するownerと呼ばれます。 もし他の機体がownerを助けるために同グループ内でソートを行った場合は、その機体はグループを"share"するsharerと呼ばれます。
ownerは自分のターゲットだけに集中してもかまいませんが、sharerはターゲティング中のグループ全体の動向を監視すべきです。
ターゲティングの例①
GROUP: 3マイル以内のコンタクト
ターゲティングの例②
グループ内(INNER GROUP)も同様にNorthern/Southern/Eastern/Westernといった呼称をします。
あるいは、Leader/Trailerといった呼び方もします。
グループが分裂した場合はArmとなり、敵機の相対的な方角関係からNorth Arm/South Armといった具合に呼称します。
※尚、呼称はGCIやAWACSなどC2(Command & Control)が行います。
ソーティング
ソーティングの基本は[Lead Takes Lead ,Left low]です。
つまりリーダーが先頭の目標を取り、同距離の場合は左から相手をしていく事になります。
また1番右を4番機とした場合、図①にて無線で[sorted/Lead]と4番機に伝えれば先頭を相手にするように指示が出来ます。
| 参考動画(210秒辺り) |
BVRタイムライン
BVRのタイムラインは、戦闘機がBVR戦闘中に使用する一連の意思決定を行うポイントです。これらのポイントは以下のとおりです。
Stern WEZ (Stern Weapon Employment Zone)
後方象限からミサイルを発射された場合に命中が期待される距離。
FalconBMS 4.34のAMRAAMであればDLZのRPIに相当する距離がStern WEZとなり、自機・目標共に400kt 20000ftであれば11nmがおおよそのStern WEZとなります(高度の変化に比例して10000ftごとに+/-2nmの変化があるでしょう)。
DCS World 2.5.5のAMRAAMであればF-16のDLZのRMAX2に相当する距離がStern WEZとなり、自機・目標共に400kt20000ftであれば8nmがおおよそのStern WEZとなります。
Launch-and-Leave時のリコミット以降はこれに反転時の旋回半径と敵機の接近距離を足した値を最低の解飛距離としてアボートを実行すれば大抵の敵の攻撃は回避できます。
MRR (Minimum Recommit Range)
ファイターがリコミットした際、旋回しながらAMRAAMを発射し、STERN WEZの外に留まることができる最小射程です。 脅威はHOTであると想定します。
STERN WEZ:後方象限からミサイルを発射された場合に命中が期待される距離。
MAR (Minimum Abort Range)
標準的なアボートを実行できるまでの距離。標準的なアボートとはアフターバーナーを焚いた状態での5G維持旋回によるスライス(斜め下旋回)でテイルアスペクト(敵に背を向ける状態)に移行すること。MARまでにアボートを実行すれば敵機の初段を回避でき、脅威に対するWEZの外側に自機を置くことが出来る。
MARはクランクしない敵機のFLO(First Launch Opportunity)ショットを元に換算されます。つまり敵機と自分が向かい合って直進し、敵機がミサイルを発射したとき、そのミサイルが自機に命中する瞬間の自分と敵機の距離をF-POLEと呼びますが、このF-POLEに対して反転に使用する旋回半径等を足した数がMARとなります。
例:お互い400kt 20,000ftの条件(FalconBMS 4.34における検証、10000ft変化ごとにF-POLEは+/-2nmされる)
- AMRAAM のRAERO射程(37nm)発射時の F-POLE: 14nm
- F-16の旋回半径: 1nm
- マージン: 1nm
- MAR = 14 + 1 + 1 = 16 nm
例:お互い400kt 20,000ftの条件(DCS World 2.5.5における検証) - AMRAAM のRMAX1射程(18nm)発射時の F-POLE: 8nm
- F-16の旋回半径: 1nm
- マージン: 1nm
- MAR = 8 + 1 + 1 = 10 nm
MARはそのグループとの最初の交戦時にのみ遵守すれば問題ありません。なぜならLaunch-and-Leave後のリコミット時にはお互いにより近い距離からミサイルを発射することとなり、F-POLEが縮まるからです。経験則として、リコミット後の交戦においてはStern Wezに反転時の旋回半径と敵機の接近距離を足した値を最低の回避距離と決めてアボートを実行すれば大抵の敵の攻撃は回避できます。
MSR (Minimum Shot Range)
AMRAAMをアクティブ状態にするために発射する必要がある最小射程であり、遅くともMARまでには発射する必要があります。
DR (Decision Range)
ノッチ機動(脅威に対するビーム機動)を行い、15秒の後にスパイクされていればアボートするか、ネイキッドであればマージすることを選べる、最低の距離。DRでのノッチは敵機から発射されたミサイルを回避し敵機から自機へのSTERN WEZの外側に自機を置く。
Stern WEZに15秒間の敵機の接近距離を足せばDRとなります。
例:(FalconBMS 4.34における検証、20000ft 敵機0.9machで接近)
- AMRAAMのStern WEZ: 11nm
- 15秒間の敵機の接近距離: 3nm
- マージン: 1nm
- DR = 11 + 3 + 1 = 15nm
DOR (Desired Out Range)
距離20~25nm
ファイターのOUT(反転)機動が既に発射されたあるいはこれから発射される敵機からのあらゆるミサイルを回避し、Launch-and-Decideタクティクスでリコミットするまでに十分な時間を設けることのできるようになるときの最も近いグループまでの距離。つまり、この距離までにOUTすれば次のINでLaunch-and-Decideを実行できます。
TR (Transition Range)
距離28~32nm
この距離までにAMRAAMを発射すればDORまでにAIM-120のレーダーが機動し発射母機がOUT(反転)できる最低の距離。(SHORT SKATE時にはファイターがMARまでにOUTしなければいけないため該当しない)
MTR (Minimum Targeting Range)
距離:20~25nm
この距離までに各エレメントリードがターゲティングあるいはグループ情報のシェアを行わなければいけないとされるレンジ。あるいはリーダーがこの距離までにウィングマンにどの目標をターゲティングするか指示しなければいけない距離。
また、可能であれば各エレメントリードはウィングマンにソートを指示します。
BVRに関わる攻撃隊形
- WALL
WALLはラインアブレスト(横隊)を意味します。 - GRINDER
GRINDERを選択した場合Pump(旋回などを行い侵入のタイミングをずらす)を行い、
グラインド隊形に移行します。タイミングとしてDORのタイムラインまでに行う(Pump range)
また、フライトリーダーはMTRまでにターゲティングを指示します。 - TRAIL
最初から縦隊で敵機と向かい合う。グラインドとほぼ同じ
BVRでの攻撃戦術
Pincer(Pincer isolation)
WALLの元祖ともいえる戦術。2機を逆方向に分散させる事で相手を混乱させる手法
ドッグファイトではハートアタックに繋がって行く
High/low maneuver
僚機で高低差をつけて挟み込む戦術
実戦で使えるかは筆者には不明
Launch & Leave Tactics(SKATE/SHORT SKATE)
| SKATE |
loading...
| SHORT SKATE |
loading...
・ミサイルの発射後に敵機に対して反転する機動によって敵弾を回避しつつ攻撃を行う戦術をLaunch & Leaveと呼ぶ
・ブレビティー(呼び方)にはSKATEおよびSHORT SKATEというダイレクティブコールが用意されています。
- SHORT SKATEではMARまでにミサイルを発射し反転します。
- SKATEではDORまでにミサイルを発射し反転します。
- SKATEではDORよりも手前にTR*6と呼ばれる距離を設けて、この距離までにミサイルを発射すればDORまでにAMRAAMがシーカーを起動して母機が離脱できる距離とします 。
- DORとはDesired Out Rangeの略で、この距離までに反転すれば十分な余裕をもって次の反転時に敵と向き合った時にLaunch & Decideタクティクスで交戦できるとされる距離です。
つまり、SKATEではSHORT SKATEより長めの距離でミサイルを発射して余裕をもって反転することだと考えていだだければ構いません。
Launch & Leave戦術に使用するフローチャート
以下のフローチャートはLaunch & Leave戦術においてSharerが参照する「FL Sharer」とOwnerが参照する
「FL Owner」の二種類に分かれます。
画像出典:「BMS - Training Manual」
補足
- HUSKY/PITBULL:本来、AMRAAMのアクティブシーカーにはHPRFとMPRFの二つのモードが存在します。そしてAMRAAMはHPRFとMPRFが順に起動するのですが、DCS WorldではMPRFモードのみ再現されています。 HUSKYは発射されたAMRAAMがアクティブレーダー誘導に移行し、HPRF(High Pulse Repetition Frequency)で目標を追尾している場合にコールします。 MPRH(Midium Pulse Repetition Frequency)で追尾している場合はPITBULLとコールします。
- チャートの左側はOWNERの行動、右側はSHARERの行動を示しています。
- NETは僚機との通信、INTRAは編隊内での通信を表しています。
- ABM(Air Battle Manager)*7/WD(Weapons Director)*8は、空中戦闘管理に関連する役割を指します。
Launch & Decide Tactics (BANZAI)
Launch & Decideタクティクスとはミサイルを発射してDecide(決心)を行うことです。つまり突撃すると言う事
敵機へのLaunch & Decideタクティクスを指示するブレビティはBANZAIと呼ばれています。
Decide(突撃か逃げるかの決断)の基準は、Wining/Losingを基準とします。
敵機からスパイク*9されているならLosingで、攻撃を諦めてアボートする必要があります。
敵機からスパイクされていなければWiningです。
敵機とマージ(ドッグファイトに突入)するため最短経路でリードパシュートを行い、敵機に素早く接近しドッグファイトに持ち込みます。
なお、スパイクされたもののMARまでにミサイルを発射できていればNeutralですがマージには向かえません。
一機だけでDecideを行うと当然スパイクされてLosingになりますから、二機で二手に分かれて敵機に片方しかスパイクさせないような立ち回りを意識すると良いでしょう。
この時にDRを基準にしてノッチング*10を行うことで、安全に敵機の懐まで潜り込むことができます。
米軍の教本ではDRを「ノッチングを行い、15秒の後にスパイクされていればアボートするか、ネイキッド*11であればマージすることを選べる、最低の距離。」とあります。 つまり、15秒間のノッチを維持した後にアボートすれば敵のSTERNWEZに入らないような距離といえます*12。
その他
ビーム軌道で時間差をつける事等が考えられる。以下参考動画(Callsign: JoNay氏)
Cold OPSゲームプラン(BVR時のACMでの防御戦術)
Cold OPS ゲームプランは、BVR戦闘中に敵機にスパイクされた場合にパイロットが使用する一連の戦術です。 Cold OPS ゲームプランの目的は、敵のミサイルを回避し、安全に基地に戻る、または戦闘を継続することです。 Cold OPS ゲームプランには、Stagger back、Notch back、Delouseの3つのオプションがあります。
2機の場合
Stagger Back
Outside Sternwez (13)/inside MAR+5 (17)
スパイクされたファイターはピッチバック可能になるまで逃げ続け、ターゲティングを敵から外されたファイターはピッチバック(敵機に向きなおす)からのDelouseを行う。
実行前に編隊を左右に分離することで敵にどちらか片方のみを追うように仕向け、その後Stagger Backを行うと効果的です。
Notch Back
Outside sternwez (13)/inside MAR+5 (17)
スパイクを受けているがCOLD(敵機に対して反転した状態)で逃げ続けることがなんらかの理由(侵入させてはいけないエリアに到達するなど)で出来ないとき、ノッチを行う。
Defensive split(ディフェンシブ・スプリット)
背後から敵機が(複数??)現れた場合、2機が個々に旋回や上昇を行い敵機を混乱させる機動
ドッグファイトでも実施
4機の場合
Delouse
画像出典&参考動画
補足事項&関連用語

事前に取り決めたSD(Shot Depth)を超えた先のグループをターゲティングしないほうが良いでしょう。 なぜならSDを超えた目標への攻撃のため接近を続ける間に先頭のグループがMARまで接近する可能性があるからです。
- Wall
横並びの隊形で敵と交戦します。 - Grinde
縦並びのトレイルフォーメーションで敵と交戦します。通常はPUMP指示と同時に片方のエレメントが分離して反転し、一定の距離がリードエレメントとの間に設けられた時点で再び反転を行うことでGrinde隊形に移行します。 - Pump
Grinderタクティクスを開始する合図。DORが最低のポンプ開始レンジとなる。 - Meld
距離45nm
レーダーによるAORサーチ(リードが高度20k以下を捜索し、ウィングマンが20k以上を捜索する)を取りやめピクチャーに対するターゲティングを行う距離。 - MTR (Minimum Targeting Range)
距離:20~25nm
この距離までに各エレメントリードがターゲティングあるいはグループ情報のシェアを行わなければいけないとされるレンジ。あるいはリーダーがこの距離までにウィングマンにどの目標をターゲティングするか指示しなければいけない距離。
また、可能であれば各エレメントリードはウィングマンにソートを指示します。 - TD (Targeting Depth)
距離15~20nm(Launch and Decide 時), 5nm (Launch and Leave 時)
フライトメンバーがターゲティングを行わなければいけなくなる最も近いグループからの最大距離、この距離以遠のグループに対してはC2(Command and Control: AWACS/AEWやGCIなど)がターゲティングの責任を負う。TDを超えたターゲットにターゲティングを行うとリーディングエッジ(最も近いグループ)との距離がMARを割る危険性が生じる。 - SD (Shot Depth)
距離15~20nm(Launch and Decide 時), 5nm (Launch and Leave 時)
これからマージするグループとその次に最も近いグループとの距離の前後方向成分の長さ。 - FR (Factor Range)
距離15~20 nm (Launch and Decide 時)
これからマージするグループとその次に最も近いグループとの距離として許される最低の長さ。この距離より遠くのグループはマージ中の機体に干渉できない。FRが十分にあれば交戦したターゲッテッドグループを撃墜後に次のグループからテイルアスペクトでエグレスして、そのグループに対するSTERN WEZの外側に留まることが出来る。 - MAR (Minimum Abort Range)
標準的なアボートを実行できるまでの距離。標準的なアボートとはアフターバーナーを焚いた状態での5G維持旋回によるスライス(斜め下旋回)でテイルアスペクト(敵に背を向ける状態)に移行すること。MARまでにアボートを実行すれば敵機の初段を回避でき、脅威に対するWEZの外側に自機を置くことが出来る。
MARはクランクしない敵機のFLO(First Launch Opportunity)ショットを元に換算されます。つまり敵機と自分が向かい合って直進し、敵機がミサイルを発射したとき、そのミサイルが自機に命中する瞬間の自分と敵機の距離をF-POLEと呼びますが、このF-POLEに対して反転に使用する旋回半径等を足した数がMARとなります。
例:お互い400kt 20,000ftの条件(FalconBMS 4.34における検証、10000ft変化ごとにF-POLEは+/-2nmされる)- AMRAAM のRAERO射程(37nm)発射時の F-POLE: 14nm
- F-16の旋回半径: 1nm
- マージン: 1nm
- MAR = 14 + 1 + 1 = 16 nm
例:お互い400kt 20,000ftの条件(DCS World 2.5.5における検証) - AMRAAM のRMAX1射程(18nm)発射時の F-POLE: 8nm
- F-16の旋回半径: 1nm
- マージン: 1nm
- MAR = 8 + 1 + 1 = 10 nm
MARはそのグループとの最初の交戦時にのみ遵守すれば問題ありません。なぜならLaunch-and-Leave後のリコミット時にはお互いにより近い距離からミサイルを発射することとなり、F-POLEが縮まるからです。経験則として、リコミット後の交戦においてはStern Wezに反転時の旋回半径と敵機の接近距離を足した値を最低の回避距離と決めてアボートを実行すれば大抵の敵の攻撃は回避できます。
- DOR (Desired Out Range)
距離20~25nm
ファイターのOUT(反転)機動が既に発射されたあるいはこれから発射される敵機からのあらゆるミサイルを回避し、Launch-and-Decideタクティクスでリコミットするまでに十分な時間を設けることのできるようになるときの最も近いグループまでの距離。つまり、この距離までにOUTすれば次のINでLaunch-and-Decideを実行できます。 - TR (Transition Range)
距離28~32nm
この距離までにAMRAAMを発射すればDORまでにAIM-120のレーダーが機動し発射母機がOUT(反転)できる最低の距離。(SHORT SKATE時にはファイターがMARまでにOUTしなければいけないため該当しない) - Stern WEZ
後方象限からミサイルを発射された場合に命中が期待される距離。
FalconBMS 4.34のAMRAAMであればDLZのRPIに相当する距離がStern WEZとなり、自機・目標共に400kt 20000ftであれば11nmがおおよそのStern WEZとなります(高度の変化に比例して10000ftごとに+/-2nmの変化があるでしょう)。
DCS World 2.5.5のAMRAAMであればF-16のDLZのRMAX2に相当する距離がStern WEZとなり、自機・目標共に400kt20000ftであれば8nmがおおよそのStern WEZとなります。
Launch-and-Leave時のリコミット以降はこれに反転時の旋回半径と敵機の接近距離を足した値を最低の解飛距離としてアボートを実行すれば大抵の敵の攻撃は回避できます。 - DR (Decision Range)
ノッチ機動(脅威に対するビーム機動)を行い、15秒の後にスパイクされていればアボートするか、ネイキッドであればマージすることを選べる、最低の距離。DRでのノッチは敵機から発射されたミサイルを回避し敵機から自機へのSTERN WEZの外側に自機を置く。
Stern WEZに15秒間の敵機の接近距離を足せばDRとなります。
例:(FalconBMS 4.34における検証、20000ft 敵機0.9machで接近)- AMRAAMのStern WEZ: 11nm
- 15秒間の敵機の接近距離: 3nm
- マージン: 1nm
- DR = 11 + 3 + 1 = 15nm
- Greaseback
inside stern WEZ only
エレメント内で片方あるいは両方のファイターがスパイクを受け、選択肢がないとき、デコイを射出する。
- Staggerback
Outside Sternwez (13)/inside MAR+5 (17)
スパイクされたファイターはピッチバック可能になるまで逃げ続け、ターゲティングを敵から外されたファイターはピッチバック(敵機に向きなおす)からのDelouseを行う。
実行前に編隊を左右に分離することで敵にどちらか片方のみを追うように仕向け、その後Stagger Backを行うと効果的です。
- Notchback
Outside sternwez (13)/inside MAR+5 (17)
スパイクを受けているがCOLD(敵機に対して反転した状態)で逃げ続けることがなんらかの理由(侵入させてはいけないエリアに到達するなど)で出来ないとき、ノッチを行う。
- Delouse
outside stern WEZ/inside MAR +5
逃げているエレメントあるいはファイターのために、別のエレメントあるいはファイターが背後のターゲットにリコミットする。
引用元:https://sites.google.com/site/bigbirdsqn/basics-hideo/intercept-fuck-you-everyone
WVRでのACM
概要
※ここでは前述のWVRに関する基礎知識がある前提で解説します。
複数での空戦において一番重要なことは30秒以内で空戦を終える事である。
もし60秒もかかれば、マッハ1近くの速度を出す敵の増援が7マイルも近づいてきてしまうからだ
(IRミサイルの射程も考慮すれば11マイル近づく)
・上手くなるにはどうしたらいいですか⇒「練習だ」(白い悪魔より)
参考動画⇒The Ops Center By Mike Solyom(再生リスト)
Low aspect(追撃時)における編隊飛行の変遷
敵機を追尾する時はLoose Deuceを使うのが良いかもしれない・・・
・[Fighting Wing]
WW2序盤では[Fighting Wing]と呼ぶ編隊を使用した
これは僚機との連携で一番単純な方法であり無線が無くてもバンク*13等で先頭は合図できる
ジェット機で行う場合、高度差無しで先頭の300~3000ft後方に位置すればよい。
・問題点としては2機の火力を同時に発揮出来ない事に有る。
・[Double Attack]
WW2終盤では航空機に無線を搭載し戦術も研究され[Double Attack]という編隊が考案された
[Double Attack]は基本的に高度差を取って横一直線に編隊を組む戦術である
この戦術の肝はサポート側が他の敵機が居ないか警戒しつつも空戦中(Engaged)の僚機に助けがいる場合は降下して敵機を叩く事である。
・問題点としてはサポート機が何処にいるのか分からないのでピンチの時に苦労する可能性が有る
・[Loose Deuce]
ベトナム戦争時には[Double Attack]が発展し[Loose Deuce]と呼称される戦術が開発された
- これはサポート側が交戦中の僚機の後方かつ上方に常にいる事で、交戦機側が窮地に陥っても、
迅速に援護できる。- 注意点としては必ず旋回円の外側にサポート機がいる事である。
もし内側に入れば敵機と僚機を見失う可能性が有る。
敵機がサポート側に向かってきた場合はサポート側と交戦側が[役割交換]する事で対応する- またHigh Aspect時の機動も図に示す
衝突回避とフレンドリーファイアー(FF)の回避術
- 空戦時、映画の様に隣同士で飛行する事は少ない。実際はラインアブレストで飛行する事が多い
何故ならBVRから継続される事が多いし空中衝突の危険性やIRミサイルによるFFが発生する危険が有るからだ。
(確かに曲技飛行宜しく間隔を詰める戦術も有るが、高等技術且つ攻撃側の戦術であり使える場面も限定的である) - 米空軍教本ではFFを防ぐ為にAIM-9Pの発射から弾着までの時間がおおよそ記されている。
敵機の後ろから⇒6秒
敵機の横から⇒4秒
敵機の頭から⇒2秒
つまり、この間はHUD内に僚機が入らない様にする事でFFが起きないようにしている。
WVR/ACM時のソーティング(目標の割り当て)
- 2vs1の場合、誰が担当するかは敵の機動次第である。だが米軍教本では助けになるルールが記されている。
1・MOST DEFFENSIVE FAIGHTER⇒背後につかれた
2・MOST OEFFENSIVE FAIGHTER⇒最初に(Tallyした/MERGE した)/敵機とのアングルがベストだった
3・Flight Lead(リーダー機)
WVR/ACMでの無線
- 上記のソーティングで交戦担当が決まった場合、以下の様にコールする
どう見てもエスコン・ゼロです。本当にありがとうございました。
「ガルム1,(ENGAGE)」
サポート側は以下の様にコールする
「ガルム2,(Pless)」
逆にガルム1が
「ガルム1,(Pless)」
と言えばガルム2が交戦すると言う意味。
また、ガルム2が守備が出来ない(サポート出来ない)場合は「unable」を使用する
「ガルム2,unable Deffencive」
また、フライトリーダーは僚機の要請等を拒否できる。その際は「Negative」を使う
- また敵機の位置情報を説明する為に下図の様にコールする事が有る。
[Right3]は時計での3時方向を指し、[low]は自機より低い高度に敵機が居る事を指す。
もし[low20]と言えば20°低い位置にいる事を表す(目測) - 上記の事を一通り下図に示す

- 更に僚機に機動を伝える際には以下の様にコールする事が有る。
[ガルム1,Break Left]⇒敵機の状態等を無視してフレア等を撒きつつ最速旋回を行う(回避機動)
[ガルム1,Hard Left]⇒コーナー速度等、戦術的な旋回を行う(Tally等)
[ガルム1,separate 270]⇒編隊を再構成し方位270へ通常の旋回を行う(全ての脅威が排除された時/RTB等)
目標への接近時における編隊位置・戦術・練習
- 上記ルース・デゥースやFF回避、[目標を迷わせる]観点から目標に接近する時はラインアブレストで編隊を組み
目標に接近するのが望ましい。
そしてMargeした瞬間にVID(目標識別)を行う。これは目標が味方や民間機の可能性が有るからだ。
VIDにより敵機と判断した場合、僚機はリードターンを行う
- Marge後の交戦機と敵機の位置関係により、僚機は[Co-Flow]と[Counter-Flow]という何れかの軌道になる
Co-Flow時は単純にルース・デゥースを行えばよい。もし交戦機の後ろに来た場合はFF回避の点から角度を変える
Counter-Flow時に関しては、もし敵機がサポート側に向かってきた場合は役割交換を行う事Co-Flow Co-Flow時におけるサポート側位置
(FF回避)(Fighting Wing)Counter-Flow 


- サポート側は常に交戦機の後ろを警戒する必要が有る。しかし慣れるまでには練習するしかない
また空戦後には以下の項目に沿ってデブリーフィング(振り返り)を行った方が良い・接敵時の編隊位置は正しかったか?・Tallyした事を僚機に伝えたか?・目視識別前に攻撃したか?・交戦機とサポート機の役割は確立できていたか?・[目標撃墜]の無線交信をしたか?・交戦後は[separate]の無線交信をしたか?・撃墜まで何秒かかったか?(30秒以内が望ましい)
守備の基礎
- 当然だが敵機が常に前方に現れるとは限らない。編隊を組む時はお互いの死角に注意する必要が有る(図①)
またRWRを無視して敵機発見の機会を失う事はあってはならない
もし背後につかれた場合の解決策は単純に旋回する事である。(図②/図③)
いずれにせよ下記のサンドイッチに移行するのが理想である。
・図②のメリット⇒味方は容易に全力旋回できる・敵機は何れかに決める必要が有る等
・図②のデメリット⇒サポート側が敵機に撃たれる可能性が有る・サポート側が敵機の背後に付く機会を失う等
・図③のメリット⇒敵機を窮地に陥れしやすい(BFM上の問題)・味方は敵機の位置を確認しやすい等
・図③のデメリット⇒敵機が迷う可能性が減る。ターンルームが取りやすい・味方の相互支援が困難等
- また敵機が目標を切り替えた場合はどうするのか?米空軍教本ではタイミングで[Early Swich]と[Late Swich]と呼ばれている。
対策としては、無線を使用し速やかに交戦機とサポート機の役割を交換する事に有る
攻撃機動
- ブラケット
ラインアブレストで間隔を取り、敵機を迷わせる戦術 - ブレイク アウェイ ターン アウェイ
敵機の背後(Low Aspect)につけた場合に行う機動の一つ。ブラケットから派生。450knot以上で行う。
サポート側の位置に、いくつかのオプションが有る(いずれもサポート側はターニングルームを取る為に機動) - Straight extension
敵機の背後(Low Aspect)につけた場合に行う機動の一つ。あえてHigh Aspectで会敵する
(敵機が気付いた場合も行う) - ラグ・ロール
敵機の背後(Low Aspect)につけた場合に行う機動の一つ。(BFMの理論は無視する)
攻撃をリード・パシュートからピュア・パシュート、あるいはラグ・パシュートにすることによって、テール・オフ・アングルを減少させるために使用されるマニューバーである。機体の揚力ベクトルが防御側と一直線になったところで操縦桿を引き、機体を旋回に戻す。このマニューバーは、リード・パシュートの高いAOTによって引き起こされるオーバーシュートを防ぐのに役立ち、また機体間の距離を広げるのにも使える。(編隊はルース・デゥース又はFighting Wingに移行)

防御機動
- サンドイッチ
下図の通り背後から来た敵機を僚機で「サンドイッチ(挟む)」する事から由来する機動

- ディフェンシブ・スプリット
背後から敵機(複数??)が現れた場合、2機が個々に旋回や上昇を行い敵機を混乱させる機動TOPGUN最高!!

1対2に関する戦術
単機で飛行中に2機の敵機に会敵した場合のヒントを以下に示す
「Fighter Combat-Tactics and Maneuvering」より
- ブラケットに対抗する機動
- ①の場合まずは敵にサンドイッチを作らせないために出来るだけ敵編隊の外側を飛行します。(1)
敵の僚機はターニングルームを得ようと一度外側に旋回した場合、その間に自機は速やかに近いほうの敵機とMARGEします(2)
(もしも、図上の北側にいる敵機が(2)の時点で攻撃態勢に入っている場合は南側にいる敵機を無視して北側の敵機に対応しないといけません。その場合は図②に移行します。)
MARGE後は北側にいる援護機の機動に注意しながら更にMARGEし出来れば攻撃を行います。(3)
両方にMARGEする事により敵側の混乱を誘うのが、この機動の肝です - 図②の場合
敵側がターニングルームを取らずに攻撃態勢を行った場合、自機は南側の敵機とMARGEします(2)
(注意点としては南に旋回しすぎると北側の敵機が背後に付く為、そうならないように緩く旋回する事です)
次に北側の敵機に対応する為、自機は左に急旋回します。この時点で南側の敵機が自機の横に来ており優位性が生まれています(3)
(4)の状況は自機の速度によって変わり敵側より早い場合は、そのまま逃走できるかもしれません。敵側より遅い場合は北側の敵機がオーバーシュートしている可能性が高いため撃墜できる可能性が有ります。 - 図③では北側の敵機に対してトドメを刺すことが出来なかった場合の機動を表しています。
自機はシザーズを続けると不利になると判断し(5)でオーバーシュートを誘う事にしました
そして(6)の様に退却するか交戦するかを選択できるようになります。退却する場合は敵機の速度を注意深く観察する必要が有ります
そして十分に攻撃をしたのか追撃する必要が有るのかを判断する必要が有ります。
交戦を選択した場合は南側の敵機にスイッチし敵側を混乱させ続けます。
注意点としては敵機がミサイルを携行している場合は交戦機に肉薄し敵側にミサイルを撃たせなくする必要が有ります(フレンドリーファイアー回避の為にミサイルを撃たない)
- ①の場合まずは敵にサンドイッチを作らせないために出来るだけ敵編隊の外側を飛行します。(1)
2対2に関する戦術
「Fighter Combat-Tactics and Maneuvering」より引用
最初に
2機対2機の状況では、監視が必要な2機⽬の敵機が加わるため、事態はさらに複雑になります。
これにより各パイロットは、激しい機動中に3機の航空機を監視すると同時に、追加の敵機に対する防御的な⾒張りの姿勢を維持する必要があります。
ブラケットを使用した戦術(ハートアタック)
味方機がそれぞれリードターンを行い迎撃する戦術。
MARGE後に何れかの敵機を撃ち漏らした場合は技量の高い方が交戦を続ける
- 図①ラインアブレスト(combat spred)に対するハートアタックの例
- 図②ECHLONに対するハートアタックの例
- 図③TRAILに対するハートアタックの例
味方を囮にする戦術(ドラッグ)
図の様に味方を囮にしてサンドイッチの状況を作り出す戦術
ハイリスク/ハイリターンの戦術である。
もし味方同士がドラッグすると非常に不利な展開になるので緊密なコミュニケーションが必要
最後に
この記事の執筆にあたり以下の動画やリンク先を引用させていただいております
この場にて先駆者の方々に感謝申し上げます。
参考/引用サイト・動画
FALCON JPN
BMS-Training-Manual
「DCS Black Shark Tactics Primer」
Hoggit DCS World Wiki
Raddit
Bigbird japan
vnfawing.com
「TheOpsCenterByMikeSolyom」ch
「ArmorCast」ch
「Cypher1778」氏]ブログ
grimreapers
chihiro belmo氏
Fighter Combat-Tactics and Maneuvering
magwo氏
CallsignJoNay氏
日本語化fileより(マニュアル)(資料を添付してくださった[編集者C様]に感謝)
書籍/図解・戦闘機の戦い方(毒島刀也 著)
https://codex.uoaf.net/index.php/BFM_tactics#Aspect_Angle
https://www.digitalcombatsimulator.com/en/files/3331424/









































































